2024 11,24 10:00 |
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2009 08,01 10:00 |
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【日本株週間展望】1万円台固め、米景気と国内決算期待-高値警戒も 8月第1週(3-7日)の日本株相場は堅調に推移し、日経平均株価は1万円の大台を固める展開が予想される。米景気回復期待が高まっているほか、国内で相次ぐ企業の4-6月期決算発表で総じて業績底入れが確認され、投資資金が流入しやすい。ただ連騰で高値警戒感が漂い、上値では売り圧力も強まりそう。 メッツラー・アセット・マネジメントの小林光之社長は、米中を中心とした世界経済の持ち直しに加え、前期に膿(うみ)を出し切った国内企業は損益分岐点が下がり、利益底入れが見え始めたことで、「目先は保有株式を手放す理由が見当たらない。相場は上方バイアスがかかりやすい状況で、日経平均は1万円台固めとなろう」と話す。 7月最終週は、週初27日に日経平均が約21年ぶりの9連騰を記録し、1万円の大台を回復。業績好転を見込んだ買いが証券株に入り、業界再編期待を背景に電機株も上げた。翌28日は小反落したが、国内企業の四半期決算などを材料に、週末にかけて連日で年初来高値を更新、前の週末に比べて412円(4.1%)高い1万356円で終えた。 今回の世界的な金融・経済危機の発端となった、米国住宅市場の急激な落ち込みは改善の方向にある。米住宅販売は、直近の6月の統計で新築、中古とも3カ月連続で前月比プラスを記録、薄明かりが見えてきた。先行きの需要回復を見込む格好で、住宅着工件数も6月は前月比3.6%増と2カ月連続で増加し、市場の事前予想も大幅に上回った。 米住宅市場が持ち直せば、消費者心理の改善や金融機関の財務改善などを通じて「多方面に好影響が及ぶため、投資資金を株式などのリスク資産に向けやすくなる」と、みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は指摘する。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
8月1週は、3日に米供給管理協会(ISM)が7月の製造業景況指数を発表するなど、米国で注目材料を多く抱える。4日に6月の個人消費支出と中古住宅販売成約指数、5日には7月のISM非製造業景況指数と、マクロ関連指標の発表が相次ぐ。週末7日に発表される7月の米雇用統計を占う上で、5日公表のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズによる同月の米民間部門の雇用統計にも関心が高い。 日本の輸出動向との連動性が高い米ISM製造業景況指数は、エコノミスト32人による予測中央値が46.5(前月は44.8)で、7カ月連続の前月比プラスが見込まれている。製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50には依然届かないが、指数が上向いている間は日本企業の輸出増加が期待でき、電機や自動車株への買い意欲は衰えそうにない。 外国為替市場の動向も引き続き注視される。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、6月調査)による輸出企業の2009年度想定為替レートはドル=94円85銭。同水準より円安方向で推移すれば、収益懸念が後退する輸出株にはプラスに働く。「米経済はマクロ、ミクロの両面で底入れ・回復が鮮明化しつつあり、相対感から短期的には円安・ドル高が見込める」と、メッツラーアセットの小林社長はみている。
「トップラインの苦戦は続くものの、経費削減などで自動車やハイテク企業の損益水準が改善傾向にあることを確認できたのはプラス」――。国内企業の四半期(4-6月)決算について、カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストはこう話す。7月最終週に発表された四半期決算では、日産自動車とホンダの連結営業損益が黒字に転換したほか、電機大手でも三菱電機やソニーなどが前四半期比で改善し、各銘柄は投資家の買いを集めた。 8月1週に4-6月決算発表を予定している主要企業は、3日にパナソニックやスズキ、三菱マテリアル、4日にトヨタ自動車やエルピーダメモリ、5日にニコンやオリックス、6日にはオリンパス、コニカミノルタホールディングス、パイオニアなど。 SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは「ホンダと日産自の良好な決算内容を勘案すると、トヨタやスズキは通期業績見通しの上方修正が期待される」と話す。実際に増額されれば、相場は「自動車関連を中心に輸出株主導で上昇基調を強める可能性が高い」という。
一方、急ピッチな相場の上げに警戒感があることも確か。日経平均は7月13日に付けた直近安値(9050円)から1306円(14%)上昇。25日移動平均線(9713円)からのかい離率も6.6%と、過熱とされる5%を上回ってきた。直近12日間で前日比プラスの日数を12で割って算出するサイコロジカルラインは11勝1敗で92%。同指標は一般的に75%(9勝3敗)で過熱ゾーンとされる。 ブルームバーク・データによると、日経平均の予想PER(株価収益率)は48倍に切り上がっている。世界の主要株価指数のPERは、米ダウ工業株30種平均が14倍、英FT100指数が13倍、中国上海総合指数が26倍、香港ハンセン指数は18倍で、投資指標面の割高感も一段と強まってきた。 相次ぐ国内外での好材料を受けて心理面が改善しているため、目先は上値の水準を探る展開を予想する市場関係者が多いが、「今年に入ってから参入した投資家の多くは含み益状態にあり、高値警戒感からいったん利益を確定するための売りに動きやすい」と、カブコム証の山田氏は注意を促す。 日本株に影響を与えそうな8月1週の材料として、欧州では5、6日にかけて英中銀の金融政策決定委員会が開催されるほか、6日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれる。日本国内は欧米に比べてイベントが少なく、3日に6月の毎月勤労統計、7月の自動車販売台数、6日に6月の景気動向指数などが発表される。このほか、6日に予定される三鬼商事による7月のオフィス空室状況は不動産株に、7日発表の7月携帯電話契約数は通信株にそれぞれ影響を与える可能性がある。 PR |
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