5/10 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

□米ＦＲＢが政策金利を5.25％に据え置き
米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は９日、フェデラルファンド（ＦＦ）金利の誘導目標水準を予想通り５．２５％に据え置くとともに、インフレが鈍化しないリスクが主要懸念との見方をあらためて示した。据え置きは７回連続。ＦＲＢは０４年半ばから０６年６月まで、約２年にわたり１７回連続で利上げしていた。
（ロイター）

△ペンタックス<7750>、本社売却へ・ＨＯＹＡ<7741>統合代替案
ＨＯＹＡとの経営統合問題を巡り、ペンタックスが11日に発表する企業価値向上策の概要が明らかになった。東京都板橋区の本社を売却するほか、プロ向けのデジタルカメラの開発を中断するなど低採算事業から撤退する。国内外の拠点集約などリストラも進め、3年後に約100億円の連結営業利益（2007年3 月期は55億円の見込み）を目指す。ＨＯＹＡはペンタックスに対するＴＯＢ（株式公開買い付け）を検討中だが、ペンタックスは賛否を明確にしていない。このためペンタックスの筆頭株主である運用会社スパークス・グループから、ＨＯＹＡとの統合に代わる企業価値向上策をまとめるよう求められていた。

△半導体大手７社、設備投資9700億円・今年度見通し
国内主要半導体メーカー7社の2007年度の設備投資額は9700億円程度になる見通しだ。前年度より8％減るものの、過去2番目の高水準。携帯電話やデジタル家電向けの需要増に対応するためだ。半導体メモリーが好調な東芝<6502>とエルピーダメモリ<6665>が韓国サムスン電子を追い上げるため大型投資を継続、けん引役となる。得意とする事業分野や収益力によって企業の投資姿勢の違いが鮮明になってきた。国内メーカーの設備投資のうち9割程度を、東芝とエルピーダメモリ、ルネサステクノロジ、ＮＥＣエレクトロニクス<6723>、ソニー<6758>、富士通<6702>、松下電器産業<6752>の7社が占める。

△新日鉄<5401>、ミタルと新協定・旧アルセロールとの内容見直し
新日本製鉄は9日、鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルと、両社の提携関係を定める新協定を結ぶことを明らかにした。新日鉄が従来提携していた旧アルセロールとの協定を基に一部見直す方針。両社は昨年7月から協議を続けており、合意できれば世界1、2位の鉄鋼メーカーの協力関係が固まることになる。新日鉄は旧アルセロールと「グローバル戦略提携契約」と呼ぶ包括提携を締結。新日鉄が自動車用鋼板の製造技術を供与し、旧アルセロールが欧州の日系自動車会社に製品を供給していた。ミタルが昨年6月にアルセロールを買収したため提携を見直すことにした。

■王子製紙<3861>、中国洋紙工場の2009年稼働断念
王子製紙は9日、中国江蘇省に洋紙工場を整備する「南通プロジェクト」の2009年操業開始を断念したことを明らかにした。同プロジェクトの事業会社の設立準備が遅れているためで、新工場の稼働は10年以降にずれ込む見通し。同社は大幅な計画変更にはならないとしているが、海外戦略の中核プロジェクトの遅れで中長期の成長戦略見直しを迫られる可能性も出てきた。南通プロジェクトは総額2200億円を投資し、上質紙や塗工紙の工場を江蘇省南通市に建設する予定だった。06年7月に中国政府から正式に認可を取得。当初は100％出資の事業会社設立を目指したが、中国側との交渉で現地企業との合弁に変更したため、協業相手との調整が難航。新会社成立の申請手続きなどが遅れているもようだ。南通市政府関係者は「大きな問題があるとは聞いていない」という。

△ソフトバンク<9984>、携帯販売割賦売掛金を流動化
ソフトバンクは6月にも端末の販売代金を分割で受け取る「割賦販売」の売掛金を流動化する方針を固めた。証券化の規模は約2000億円になる見通し。調達した資金は、携帯電話事業の運転資金に充てる。同社は携帯電話事業そのものを既に証券化しているが、対象をさらに広げて資金効率を高める。証券化の仕組みは、まずソフトバンクの携帯事業子会社、ソフトバンクモバイルが持つ割賦契約を信託銀行に譲渡し信託を設定、優先部分と劣後部分に分ける。大部分が信用リスクの低い優先部分となり、格付けが最上級の「ＡＡＡ」の資産担保証券や資産担保コマーシャルペーパーなどとして投資家に販売する。

△清水建設<1803>、建物の性能を総合評価・独自指標を導入
清水建設はオフィスビルや工場などの建物の性能を総合評価する独自指標を導入する。地震対策、省エネルギー性、室内環境など11項目で最大100点になるように設定。同社が設計・施工する新築物件を対象とする。耐震強度偽装問題などで建物全般への不信感が高まるなか、客観的な尺度を使って施主と共同で建物の性能を向上する体制を整備し、受注拡大につなげる。建物性能を総合評価する指標は初めてという。新指標の名称は「シミズ・グリーンコード」。例えば地震対策という項目では、建物の強度、免震・制振装置の有無、気象庁の緊急地震速報を活用した被害予想システムの有無などをチェックする。

■ブックオフ<3313>、週刊誌報道に対し調査委・ＦＣ協会長白紙に
ブックオフコーポレーションは9日、一部週刊誌の店舗設備取引に関する報道に対して、識者による調査委員会を立ち上げると発表した。矢田次男弁護士が委員長に就き、調査結果を6月末をメドにまとめる。一部週刊誌は「坂本孝会長が取引先からリベートを受け取り、資金を私的に使った」という趣旨の記事を掲載。これに対して坂本会長と、記事中で取引先として挙げられた丸善<8236>はともに同日、不正はなかったとのコメントを出した。

▼オリコン<4800>の前期、経常赤字に転落・黒字予想を修正
音楽情報提供のオリコンは9日、2007年3月期の連結経常損益が8000万円の赤字（前の期は5億9000万円の黒字）になったと発表した。従来予想は8000万円の黒字だった。乗り物の模型などを通信販売する子会社、フランクリン・ミントの赤字が響いた。経常赤字は2000年の大証ヘラクレス上場以来初めて。売上高は前の期比8％増の61億円。健康食品をネット販売する事業なども低迷した。株式評価損などを特損計上したため、最終損益は6億6000万円の赤字（前の期は2億7200万円の黒字）と予想より3億5000万円赤字幅が拡大した。

△ダヴィンチ<4314>の１―３月期、純利益３倍・成功報酬が増加
不動産ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズが9日発表した2007年1―3月期の連結業績は、純利益が前年同期比3倍の39億3900万円だった。運用を終えたオフィスファンドの物件売却が順調で、成功報酬が大幅に増加した。昨年3月に運用を始めた「1兆円ファンド（通称）」などの運用報酬の伸びも寄与した。会計基準の変更でファンドを連結した影響で、売上高は9.7倍の325億円。旧来の基準では2.4倍の79億円だった。3月末の運用資産残高は約1兆600億円で、昨年12月末に比べ5％増えた。
（NIKKEI NET）

△アイティフォー<4743>、携帯情報端末で不審物チェック
東証一部上場のシステム会社、アイティフォーは９日、不審者や不審物を検知するシステムの新製品を発表した。ビデオカメラで撮影した映像をリアルタイムで解析し、不審物の置き去りや不審者の侵入を自動的に検知して警告を発する。検知結果をＰＤＡ（携帯情報端末）から確認できる機能を追加した。巡回中の警備員が即座に不審者・不審物の特徴を確認できる。価格は1500万円から。新製品「ナイスビジョンＶ10」は、ＰＤＡやノートパソコン用のインターネット閲覧ソフト（ブラウザー）に対応した。あらかじめ登録しておいた正常時の映像に合致しない不審者や不審物を発見すると、映像上に赤色の円で囲み、音声で警告を発する。

△ビットアイル<3811>、迷惑メール防止を完全保証
大証ヘラクレス上場でインターネットデータセンターのビットアイルは10日、迷惑メール防止で100％のブロックを保証するサービスを始める。韓国の迷惑メール防止ソフト大手などと提携し、データセンターとシステムを組み合わせて提供する。迷惑メールを防止できなかった場合にはその月の利用料を返還する。こうしたサービスは日本初という。ソフトの期間貸し（ＡＳＰ）方式で提供し、利用料はデータセンターも含め一ユーザー当たり月額420円。ビットアイルとネオジャパンは共同で顧客を開拓し、初年度３万ライセンスの利用を目指す。

△日立<6501>アプライアンス、エアコン　高級品にシフト

△テイ・エステック<7313>、北米でシート開発強化――ホンダ<7267>の移管で

■トヨタ<7203>も悩む国内失速、「技術の源」にカゲ

△ヤフー<4689>、協調性学ぶ競売開始
「自動車専門のオークションには車に特化した検索機能が必要じゃない？」「車種から探すことが多いから、お気に入り機能はいらないよ」東京の新名所、東京ミッドタウン（東京・港）。オフィスの大半を移転したばかりのヤフーの会議室で、新人エンジニアが熱い議論を繰り広げていた。

△ブリヂストン<5108>スポーツ、中上級者向けゴルフドライバー
ブリヂストンスポーツは６月上旬、中上級者向けゴルフドライバー「ツアーステージ　Ｘ―ＤＲＩＶＥ　ＧＲ」を発売する。プロ選手向け「同　ＮＥＷ　Ｘ―ＤＲＩＶＥ」のデザインを踏襲し、よりボールを飛ばしやすいよう構造を変えた。これまでとらえきれなかった、中級者とプロとの中間層取り込みモデルと位置づけ、年間５万本の販売を目指す。

△エーザイ<4523>、カロリー抑えたドリンク剤「チョコラＢＢライト２」発売
エーザイは医薬部外品のドリンク剤「チョコラＢＢライト２」を発売した。体内でエネルギーを作るのに必要なビタミンＢ群を配合。脂肪がエネルギーに変わるのを助けるアミノ酸を新たに追加した。

△パイオニア<6773>、カーナビ８機種を発表――渋滞情報リアルタイムに
パイオニアは高機能カーナビゲーションシステムの新製品「カロッツェリア　サイバーナビ」の８機種を５月下旬から順次発売する。市販品としては初めてリアルタイムでの渋滞情報配信機能を備えた。地上デジタル放送のチューナーも性能や使い勝手を高めた。

△日本化薬<4272>、殺虫剤の効果２倍に――抵抗性高いゴキブリも

△明電舎<6508>、中東で変電設備受注を強化――ドバイに営業拠点

△エア・ウォーター<4088>、容量14トンのＬＮＧ輸送タンクを開発

△ＳＲＧタカミヤ<2445>、プラント向け機材レンタル事業開始
（日経産業新聞）

■ＴＢＳ<9401>が11日午後に企業価値評価特別委開催、楽天<4755>への再質問を検討
ＴＢＳ幹部は９日夜、ロイターなどの取材に対し、１１日午後に同社の買収防衛策発動の是非を検討する第三者機関「企業価値評価特別委員会」を開催し、楽天への再質問を検討することを明らかにした。
（ロイター）

■九九プラス<3338>：99円均一チェーンを展開する同社の４月月次の売上高は、全店で前年同月比1.3％増、既存店は0.5％減になった。
店舗数は前月比で東京、神奈川を中心に10件増加し、全790店に。

△オークマ<6103>
新鋭設備機械の導入や、部品・ユニットの共通化などを通じたコスト削減の推進で今期（08年３月期）の連結経常利益は前期比 10％増の283億円を計画。前期は、旧大隈豊和機械との合併による受注、売り上げ拡大が寄与し、前の期に比べて経常利益は50％伸びた。

△エスケーエレクトロニクス<6677>：07年９月期中間期の業績予想を上方修正した。
経常利益を7000万円から前年同期比１億3300万に引き上げた。前中間期は15億6000万円だった。フォトマスク価格の下落が期初予想より厳しい状況となったが、台湾において大きく回復した。

▼ロプロ<8577>：前期（07年３月期）の業績予想を下方修正した。
当期純損益は240億円の赤字に拡大する。従来予想は140億円の赤字だった。貸し倒れが増加傾向にあるほか、会計変更に伴う貸倒引当金戻入益などを計上したことなどが影響した。

△コーセー<4922>：今期（08年３月期）の業績予想を発表した。
経常利益は前期比12％増の160億円の見通し。前期は前の期比30.6％減の142億9000 万円だった。化粧品事業が堅調に推移するほか、中国や台湾など海外での売り上げ拡大を狙う。

▼松屋フーズ<9887>：前期（2007年３月期）の連結純損失が10億円になったようだと発表した。
従来は13億円の損失と予想していたが、既存店売上高が当初計画を上回ったことや人件費などの削減が寄与した。ただ、06年３月期実績は13億円の黒字で、07年３月期は上場来初の最終赤字となる。

△旭硝子<5201>：第１四半期（１－３月期）の経常利益は前年同期比27.6％増の413億円となった。
ブラウン管（ＣＲＴ）用ガラスの市況は引き続き低調だったものの、フラットパネルディスプレイ（ＦＰＤ）用ガラス基板の市況が比較的堅調に推移した。板ガラス市況も欧州では好調だった。
（ブルームバーグ）

▼ＪＫＨＤ<9896>が前３月期業績推定値を下方修正
住宅関連機器商社のＪＫホールディングスが９日午後１時３０分に前０７年３月期の連結業績推定値を下方修正した。経常利益は３７億円→２３億円（前々期は３４億３４００万円）に、純利益は１５億４０００万円→８億円（同１２億１２００万円）にそれぞれ減額。原油高騰で運送コストが上昇したほか、貸倒引当金の積み増しで販管費が増加したという。なお、１５日に前期決算および今期業績見通しを発表する予定。

△三菱紙<3864>の今３月期は連結経常利益は３２％増益見込む
三菱製紙が９日後場、前０７年３月期の連結業績推定値を上方修正すると同時に、今期の業績予想を発表。今期の経常利益は７０億円（前期比３２．８％増）を見込む。年間配当予想も５円（前期３円）に増配する見通し。想定為替レートは１ドル＝１１７円、１ユーロ＝１５２円。前期の連結経常利益は従来予想の４５億円から５２億７０００万円（前々期比１０．４％増）に上方修正。歩留まりが向上したことや、固定費の削減、子会社の業績が向上したことが背景。

▼ネットワン<7518>は今３月期も１４％の経常減益を見込む
ネットワンシステムズが９日後場、今０８年３月期の連結業績予想を発表。経常利益は４７億円（前期比１４．５％減）、純利益は２７億円（同６．６％減）と減益見通しである。通信事業・サービスプロバイダー事業で既存ＩＰ網への投資が引き続き減少し、公共関連でも一部のプロジェクトが終了することなどが背景。一方で、今期は５００円の記念配当を実施し、年間配当予想は２０００円（前期１５００円）に増配する見通し。前期の経常利益は５４億９８００万円（前々期比２９．７％減）だった。

□川崎近海<9179>は今３月期の連結経常利益は２２％増を予想
川崎近海汽船が９日午後１時１５分、前０７年３月期連結決算を発表。今期の業績を売上高４３５億円（前期比１０．８％増）、経常利益３４億円（同２２．４％増）と予想。前期は売上高３９２億５２００万円（前々期比１５．１％増）、経常利益２７億７６００万円（同２７．９％減）で着地した。今期は近海海運市況の回復、旅客フェリーの増便効果、内航定期航路の再編などに前期の業績を上回るとしている。想定レートは１ドル＝１１５円、燃料油価格はＣ重油をキロリッター当たり５万円と想定。

■ミネベア<6479>にはゴールドマン証が「決算数値ややネガティブで株価には短期的にマイナス」と
ミネベアが８日引け後に前０７年３月期決算と今期の見通しを発表。前期の営業利益は２６２億６５００万円で着地し、今期の営業利益は前期比１４．２％増の３００億円の予想。ゴールドマン・サックス証券は９日付で、前期の営業利益、今期の営業利益見通しともに同証予想を下回るなど、決算数値はややネガティブとコメント。株価には短期的にマイナスの影響を与えるとしている。半面、順調に業績は改善する方向で成長戦略も妥当だとして投資判断「中立」、目標株価８００円をそれぞれ据え置いた。
（株式新聞ダイジェスト）

△エプソントヨコム<6708>、水晶デバイス中期戦略～ＡＴ強化
エプソントヨコムは９日、都内で記者会見を開催し、水晶デバイスの中期的な生産戦略を明らかにした。同社は携帯電話の時計用の水晶デバイス「音叉型」で圧倒的なシェアを誇るが、携帯電話の多機能化で搭載個数増加が見込まれる「ＡＴ分野」の水晶デバイスの強化を図る。中でも成長分野と位置付ける小型サイズに注力し、ＡＴ分野の小型品市場でのシェアを２００６年度の２０～２５％から０９年度には３３％程度に引き上げる考え。年間３億個の生産能力は１１億個に引き上げられる。シェア拡大の技術的な裏付けとなるのが、音叉型の生産で培った「フォトリソ加工」。半導体の前工程と同様に化学的な加工で電極を形成する。従来の機械的な加工に比べて、製造期間が短い上に、製品のばらつきも少なく、特に小型品で優位性が高いという。こうした前工程は国内で行い、組み立てに当たる後工程はアジアの拠点を活用する。今回、タイと中国にあわせて３８億円を投じて新工場を建設することを発表した。後工程はこれで海外３拠点となり、顧客のセットメーカーがリスク分散のために希望している複数の拠点からの供給が可能となる。携帯電話では１台あたり従来、水晶デバイスが「音叉型」「ＡＴ分野」１個ずつの計２個が搭載されていたが、多機能化が進むことによってカメラ機能、ブルートゥース、ＧＰＳ機能、ワンセグチューナ用、おサイフケータイＲＦＩＤ用などさまざまな周波数帯で制御が必要となり、その分だけ「ＡＴ分野」の水晶デバイスを搭載しなければならなくなっている。現状では平均３，４個の水晶デバイスが搭載されるようになっており、多いものでは７，８個が入っているハイエンド携帯もあるという。

△太陽誘電<6976>決算、営業益３倍～コンデンサ積極策奏功
太陽誘電が９日に発表した２００７年３月期連結決算は、売上高が２２１２億円（前の期に比べて１８．６％増）、営業利益が２２０億円（前の期の３．２倍）に膨らんだ。第４四半期（１－３月）に、コンデンサのＴＶゲーム機向けが立ち上がったほか、液晶用モジュールが想定ほどは落込まなかったため、２月に上方修正した数字（営業利益＝２００億円）からさらに上ブレしての着地となった。前期の牽引役は、売上を３割伸ばしたコンデンサ。中でも積層セラミックコンデンサが、ハイエンド品を中心にどの用途からも需要が強かった。このため、生産能力を通期平均で前の期から４０％引き上げた積極策が功を奏した。価格面に関しても、同じ製品で見れば１年間でコンデンサの価格は７％程度下落したものの、製品構成は高付加価値品にシフトしていったため、平均単価としてはほとんど下がっていなかった模様。２００８年３月期は、売上高２３００億円（前期比４．０％増）、営業利益２５０億円（同１３．５％増）を見込む。コンデンサは１７％増収の見通し。これまでの積極投資に伴う償却負担増をこなして２ケタ増益を目指す。なお前期、ほぼ倍増にしていた設備投資額は、今期さらに３２％増やして４００億円の計画と、積極姿勢を崩していない。今月から稼動するコンデンサの新しい工場棟には、今後も随時設備を導入。今期は生産能力を３０％以上引き上げる考えだ。さらに来期以降の需要増加に対応するための土地や建物への投資も、今期の計画に含まれている。同社に限らず、積層セラミックコンデンサメーカー各社が競って能力増強に乗り出している。特に下期、全体的に供給が膨らむ見通し。このため、価格面では下期に値下がり傾向が強まると同社では見ており、コンデンサやインダクタといった単品部品の価格下落を年間１３％程度で想定している。

△東レ<3402>説明会～炭素繊維の環境の良さ、改めて強調
東レが９日の決算発表で示した２００８年３月期の連結業績予想は、売上高が１兆６６００億円（前期比７．３％増）、営業利益が１０８０億円（同５．４％増）だった。税制改正による減価償却費の増加分＝５０億円を除いた従来ベースでは、１０．３％の営業増益になる見通しと会社側は説明している。好調が続く見通しなのが「炭素繊維・複合材料事業」。積極的な生産設備増強に伴う償却負担増や研究開発費の増加を吸収しての増益予想となっている。「環境・エンジニアリング事業」も、水処理関係・建材関係の国内子会社の収益改善が利益水準を大きく押し上げる。稼ぎ頭の「情報通信材料・機器事業」は、ＦＰＤ材料の価格低下を見込んで、若干の増益予想としている。今期の設備投資額は１５００億円（前期比２４％増）を計画している。このうち約１０００億円を成長拡大目的の案件に振り向け、さらにそのうちの約７００億円を炭素繊維・複合材料を中心とした戦略拡大事業に配分する。研究開発費は４７０億円（前期比１１％増）で計画している。この日開催された決算説明会で、榊原定征社長は炭素繊維を取り巻く環境の良さを改めて強調していた。ボーイングの次期主力機７８７で２０１０年以降の受注上ブレの可能性を示唆したほか、既存の７３７のモデルチェンジにおいても炭素繊維の大幅な利用拡大に期待をかけていた。榊原社長は炭素繊維・複合材料事業について、「短いスパンではブレがあるが、中期的に見れば２５％前後の営業利益率が見込める事業」との考えを改めて示した。一方、情報通信材料・機器事業についても、「１２％１３％前後の収益性は期待できる」とコメント。今期の同事業の収益が下期偏重型になっていることについては、（１）ＦＰＤの在庫調整は上期の前半には終了して下期には環境が良くなる、（２）ＰＤＰペーストやＦＰＤ光学フィルムの増力増強の効果が表れるのが下期、の２点を挙げて説明していた。

▼特殊陶<5334>、今期営業益２２％減予想～踊り場＋環境悪化
日本特殊陶業が９日に発表した２００７年３月期連結決算は、売上高が３４４８億円（前の期に比べて２１．１％増）、営業利益が５２４億円（同２６．２％増）となった。営業利益は１月に上方修正した数字通りでの着地となった。２００８年３月期は、売上高３４５０億円で前期比微増を見込むものの、営業利益は４０５億円で２２．７％の減益予想とした。スパークプラグなどの「自動車関連事業」、ＭＰＵ用フリップチップパッケージ基板の「情報通信・セラミック関連事業」ともにビジネス拡大を見込んで積極投資を行っているが、いずれも稼動は主に来期となるため、今期は償却負担だけが嵩む「収益拡大の踊り場」的なタイミングとなっている。特に厳しいのが、足元で環境悪化に見舞われている「情報通信・セラミック関連事業」で、同事業の部門別営業利益は前期比５７％減の見通し。主要顧客のＭＰＵメーカー２社が激しい競争を繰り広げる中、フリップチップパッケージ基板に過剰発注を掛け、パッケージメーカー側も能力以上の生産でこれに応えたため、顧客サイドが在庫を大きく抱えてしまっている模様。「在庫調整は夏あたりまで続きそうだが、下期からは戻ってくると見ている」（同社広報担当）とのことだが、少なくとも上期は数量減に加えて価格面でも再び下落圧力が強まる見通しで、環境は相当厳しそうだ。
（ラジオNIKKEI）

▼統合巡り「ホーマック（ＤＣＭＪａｐａｎ ＨＤ<3050>）株」インサイダー、取引先社長逮捕へ
ホームセンター大手「ホーマック」（札幌市）など３社の経営統合発表を巡り、同社取引先の東京都杉並区の店舗デザイン会社社長（５２）が事前に情報を入手してホーマック株を売買し、数百万円の利益を得ていた疑いが強まったとして、札幌地検は１０日にも、この社長を証券取引法違反（インサイダー取引）の容疑で逮捕する方針を固めた。証券取引等監視委員会とともに、関係先の捜索にも踏み切る。この統合発表は、業界再編の幕開けとしても、ホームセンターが全国展開を目指す新たな動きとしても注目を集めたが、その裏で行われた不正な株取引に強制捜査のメスが入る。北海道、東北、関東地方が主な営業エリアのホーマックは２００５年７月、いずれもホームセンター大手で、中部・北陸などをエリアとする「カーマ」（愛知県刈谷市）、中四国、近畿に店舗を持つ「ダイキ」（松山市）と持ち株会社を設立し、経営統合すると発表した。

■レッズの赤い客席、キリンビール<2503>が広告写真を無断で青に
サッカー日本代表のオフィシャルスポンサーであるキリンビール（本社・東京）が、日本代表を応援するキャンペーン広告で、Ｊ１リーグ・浦和レッズのサポーターで真っ赤に染まったスタジアムの写真を、無断で代表のカラーである青色に加工していたことが９日、分かった。浦和レッズ側は、「クラブカラーはかけがえのないシンボル。サポーターの気持ちを軽視している」と抗議。キリンビールは「法律上はともかく、サポーターや関係者に不快な思いをさせた倫理上の問題はあった」と陳謝、以後の広告の掲載は見合わせた。問題の広告は、４月２７日から、全国紙の全面広告などに使われたもので、昨年１２月のＪ１リーグ最終節、優勝のかかった大一番の浦和レッズ―ガンバ大阪戦の写真をもとに加工が施されていた。日本サッカー協会などの了承は得ていたという。

■三洋電機<6764>、決算自主訂正６期分に…０１―０６年３月期調査
三洋電機は９日、単独決算を自主訂正するため、２００１年３月期～０６年３月期の６期分を調査すると発表した。子会社株式の評価損を過小計上し、利益を水増ししていた疑いがある問題に対処する。当初、０１年３月期からの４期分としていた。今年１１～１２月をめどに結論を出す。決算訂正の監査人として、太陽ＡＳＧ監査法人（東京）を選任した。また、原因究明などに向け、調査委員会（委員長＝土肥孝治・元検事総長）を今月１２日に設置し、訂正後に調査報告をまとめる。
（読売新聞）

△東京スター銀<8384>　アドバンテッジに売却で最終調整
米投資ファンドのローンスターは９日、傘下の第二地方銀行の東京スター銀行を国内ファンドのアドバンテッジパートナーズに売却する方向で最終調整に入った。ローンスターは最大で東京スター銀株の全保有株（発行済み株式の６８％）を売却する方針。条件が折り合えば週内にも最終決定する見通し。ローンスターは４月から、東京スター銀の売却先の選定作業に着手。これに対し、外資系を含むファンド４社が買収に名乗りを上げていたが、アドバンテッジが優先交渉権を獲得。現在、最終的な詰めの交渉を行っている。基本合意すれば、金融庁の認可を得たうえでアドバンテッジが株式の公開買い付け（ＴＯＢ）などで６月末までに東京スター銀を買収する見込み。東京スター銀株は９日時点で４１万円台で取引されており、時価総額は２９００億円前後。東京スター銀は９９年に経営破たんした旧東京相和銀行が前身。ローンスターが０１年に買収し、経営を再建。０５年に東京証券取引所１部に上場した。関東や大阪、福岡などに３５店舗を持ち、ＡＴＭ（現金自動受払機）手数料の無料サービスなどを展開している。０６年１２月末の預金量は１兆４５３２億円、貸出金残高は１兆８３９億円。アドバンテッジは９２年設立の国内ファンド。産業再生機構の支援下にあったダイエーのスポンサー企業として再生にあたった。

▼新生銀行<8303>　最終赤字転落を正式発表
新生銀行が９日発表した０７年３月期連結決算は、最終（当期）損益が６０９億円の赤字となった。傘下の信販会社アプラスが同期連結決算で２９３億円の最終赤字になり、貸金業規制法改正に伴う企業価値の再評価で９５０億円の減損処理をしたことなどが響いた。同行の赤字決算は００年３月の発足後初めて。

▼信販決算　ジャックス<8584>、今期は初の経常赤字に
信販大手のジャックスは９日、０８年３月期連結の経常損益が７０億円の赤字になるとの見通しを発表した。貸金業規制法の改正に伴い、貸し倒れ引当金を積み増すため。経常赤字は１９５４年の創業以来初。同社は、高金利のグレーゾーンでの貸し出しを９７年にやめているが、貸し倒れに備えた引き当てを強化することにした。
（毎日新聞）

■トヨタ<7203>、０７年３月期－営業益２兆円超
トヨタ自動車が９日発表した０７年３月期決算は、営業利益が前年度比１９．２％増の２兆２３８６億円となり、６期連続で過去最高を更新した。営業利益が２兆円を突破するのは日本企業初。低燃費の小型車を中心に新型車を相次ぎ投入、海外販売台数が同１１．４％増と急伸した。日本からの完成車輸出も増え、円安効果で利益を大幅に押し上げた。ただ、０８年３月期は円高が進むなどの見方から収益力が鈍化、高成長を続けてきたトヨタも一転、一服感が強まる。

△ＮＥＣ<6701>、コンサル営業を強化－プロ認定制度を積極展開
ＮＥＣは人材育成策の充実と重点地域への人員配置などを軸に全社レベルで営業力の強化に乗り出す。技術者主体のプロフェッショナル認定制度「ＮＣＰ」を営業部門にも積極的に展開。ＮＣＰのプロフェッショナル認定を持つ営業職を２、３年後に現行比４倍の２００人程度に増やす。退職したベテランＯＢを講師に招いた新任支店長研修についても計画。人員配置では東京支社と中部支社（名古屋市中区）を増員し、大阪を合わせた東名阪で営業体制を強化する。

△アイティフォー<4743>、監視システムの最新版を発売
アイティフォーは９日、監視カメラの映像から不審者などを検知し異常を知らせる監視システムの最新版「ナイスビジョン　バージョン１０（Ｖ１０）」を発売したと発表した。携帯情報端末（ＰＤＡ）で映像が見られるといった機能の追加で利便性と防犯性能が向上。価格は１５００万円からで、初年度５億円の売り上げを目指す。

△石井表記<6336>、触れると振動する産機向け液晶タッチパネルを発売
石井表記は振動する液晶タッチパネル「グラフィック・オペレーション・パネルＧＯＰ―４０００シリーズ」を６月１日に発売する。産業機械向けのタッチパネルで振動するものは初めてという。画面サイズ６・５インチ、８・４インチ、１０・４インチの３タイプを発売する。価格は１０万円以下を想定。初年度、３タイプで３０００台の販売を見込む。工作機械や医療機器など産業機械の操作盤に組み込んで使う。タッチパネルを操作すると、指先に押した感覚（クリック感）が残る。このため使用者は液晶表示による視覚、音による聴覚に加え、振動による触覚によって操作を把握でき、誤操作の減少に役立つ。振動の種類は「カチッ」や「ボーン」など１０種で選択可能。パネルのデザインや音はパソコンで変更できる。タッチパネルの裏面に振動素子を取り付けた構造で、振動波形制御などソフトウエアを含めた技術を「ＢＵＲＵ（ブル）タッチシステム」と名付けた。同社は今後、顧客ニーズをとらえて、同技術をより大型の液晶パネルに搭載する計画。１６日から東京都江東区の東京ビッグサイトで催される「ＥＳＥＣ組込みシステム開発技術展」で公開する。

△信越富士通<6702>、基板加工事業を拡充－０９年度１５億円規模に
信越富士通は、プリント基板の微細穴開け加工で培った技術を応用して、プリント基板関連で総合的な形状加工事業を始める。同事業の売上高を０７年度２億円、０８年度５億円、０９年度には１５億円にして、全社売上高２００億円の中で柱の一つとなる事業に育てる。新たな形状加工では発光ダイオード用基板のスリット加工、部品を内蔵する基板への中ぐり加工などを行う。アルミやステンレスなどの材料への穴開けや、需要増が見込めるポリイミドやポリカーボネートなど合成樹脂の加工も始める。同事業の立ち上げにあたり、日立<6501>ビアメカニクス製のＮＣルーターマシンを１台導入した。さらに０７年内に１台、０８年は５台、０９年に８台を増設して合計１５台にする。投資額は約５億円を見込む。

△杉本商事<9932>、在庫能力を増強－測定・切削工具の納期短縮
杉本商事は０８年４月までに営業所を相次ぎ新設、拡張する。岡山県倉敷市に営業所を新設し、既存の６カ所の営業所は移転拡張や増改築を行う。手狭な営業所の床面積は２―４倍に広げ、製品の在庫能力を増やし迅速な供給体制を築く。卸販売する主力の測定工具や切削工具の需要増に対応する。総投資額は６億円程度を見込んでいる。

△自動車７社、０８年３月期－海外拡大し５社で営業増益
自動車７社の０８年３月期はホンダ<7267>、富士重工業<7270>を除き営業増益の計画。原材料費の高騰と円高が減益要因だが、海外市場で販売台数を伸ばし売り上げをアップする。ただ各社によって為替レートの予想にバラツキがあり、営業利益の振幅も出そう。対ドルではホンダが１１５円と前期より２円の円高予想だが、日産<7201>は前年度実績１１７円のまま。年後半に向け円高に振れる見方が強く、営業利益の下振れもありえる。為替予想が保守的で、特に業績が上振れする可能性があるのはホンダとスズキ。スズキ<7269>はドルが１１２円、ユーロが１４７円とみている。欧州での販売台数が多いマツダ<7261>は、ユーロの振れが業績を大きく左右しそう。各社は国内販売台数目標を軒並みマイナス予想にしている。日産が前年度比４万台減の７０万台。ホンダも１万２０００台減の６６万台。昨年販売が好調だった軽自動車もここにきて減速気味で、富士重工業も軽の販売減を織り込んだ。

△新神戸電機<6934>、電動車用バッテリーを増産
新神戸電機はフォークリフトなどで使われる電動車用鉛蓄電池を増産する。０７年度中に約５億円を投じ、名張事業所（三重県名張市）の鉛蓄電池用極板の製造設備を増強する。国内を中心としたフォークリフトメーカーの増産に対応する。これにより、同蓄電池の０７年度売上高を前年度の約７１億円より１０％以上増やす考え。フォークリフト生産が総じて高水準で推移しているのに加え、環境意識の高まりでガソリン式から蓄電池式に移行。さらに補修用蓄電池は、国内に加え中国など海外の需要も増えていることから、増産に踏み切る。名張事業所に鉛を粉やペーストにする機械や、格子状の極板をつくる鋳造設備を追加導入する。工程は自動化が進んでおり、人員は増やさない。同社は自動車用や通信基地局などの蓄電池を手掛けている。

△ＩＭＶ<7760>、振動計など拡販へ代理店にマイスター制度導入
ＩＭＶは販売代理店に「マイスター（職人）プログラム」と報奨制度を導入した。１０００社以上ある代理店のうち有力店約４０社を絞り込み、代理店と代理店の営業マンを対象にＩＭＶがマイスターを認定。営業成績上位に報奨金など支給する。代理店の意欲を引き出し、主力製品の振動シミュレーションシステムや振動計などの販売増につなげる。報奨金は意欲的な代理店との関係強化にもつなげ、強固な販売網を築く。

△シチズン<7762>マシナリー、加工残材が少ない小型精密ＮＣ自動旋盤を発売
シチズンマシナリーは、小型精密ＮＣ自動旋盤「Ａ２０―ＶＩ型ガイドブッシュレス機」を３０日に発売する。加工後の残材が少なく、その分、加工物の有効活用につながる。価格は６０６万９０００円。右主軸機、左主軸機の２機種を揃え、ＮＣ自動旋盤「Ａ２０シリーズ」全体で月産７０台を計画。

△昨年度の鍛圧機械主要１１社受注、９．７％増－１６年ぶり３千億円突破
日本鍛圧機械工業会がまとめた鍛圧機械主要１１社の０６年度の受注実績は前年度比９・７％増の３１４８億３７００万円となった。３０００億円突破は９０年度以来、１６年ぶり。また、過去最低だった０１年度の１４２６億９４００万円に比べほぼ倍増に回復した。自動車向けを中心とした国内需要の復活が受注の“Ｖ字回復”に貢献した。

△自動車７社、０８年３月期－研究開発費は全社増額
自動車７社の０８年３月期の研究開発費は全社増額で、合計は約２兆４０００億円と前年度比で６％程度伸びる。トヨタ自動車<7203>は９４００億円と１兆円に迫る勢いで、ホンダ<7267>は松下電器産業<6752>の総額を上回る。開発費の“高止まり”は一時的に収益悪化要因になるが、各社は技術競争で市場優位性を確保する。７社は次世代の環境・安全技術をはじめ、クルマの電子化に力を注ぐ。自動車はハイテク技術中心の電機業界に比べ、売上高比率はまだ低いが、金額の伸びは大きい。中位メーカーも売上高比率で３％台を確保する。トヨタは次世代ハイブリッド技術を加速させる。ホンダは０８年３月期の売上高比率が５％で、前年度並みで「今後も５％を維持していく」（青木哲副社長）という。日産<7201>も４・８％（前年度４・４％）と高水準。

△八千代工業<7298>、樹脂製燃料タンクを国内外で増産－ホンダ向け拡大
八千代工業は、樹脂製燃料タンクを国内外で増産する。主要取引先のホンダ<7267>が樹脂製タンクの採用を広げており、そのニーズに対応する。柏原工場（埼玉県狭山市）、鈴鹿工場亀山事業所（三重県亀山市）に計２１億５０００万円を投じ、計６０万台の能力を持つ設備を増強。米アラバマの工場では１６００万ドルをかけ、２０万台の年産能力を持つ新工場を建設する。これによりグローバルの生産能力は、現状の２３５万台から３３５万台に拡大する予定。柏原工場は７億円、亀山には１４億５０００万円をかけ、ブロー成形装置などを増強する。柏原は新設備で８月にホンダの新型「アコード」向けの生産を始める予定。これにより年産量は４０万台から５割程度拡大する。

△世界鉄鋼協会、ＣＯ２削減で新声明
世界鉄鋼協会（ＩＩＳＩ）は２０１３年以降の地球温暖化防止対策を決める“ポスト京都”議定書に関する声明を発表した。今の京都議定書で設定している国ごとに排出量を割り当てる「キャップ＆トレード」対応ではなく、セクターごとの対応とするとともに、鉄鋼業では二酸化炭素（ＣＯ２）排出面で最も効率のよい製鉄企業が発展し、効率の悪い企業は衰退する政策に置き換えるべきだとの考え方を初めて示した。京都議定書はＣＯ２の削減を目標通り進めても世界の２％しか削減効果はなく、ポスト京都では国別の排出枠設定より、産業のセクターごとの排出削減が重要との声も高まっている。こうした中、ＩＩＳＩは、各国政府がキャップ＆トレード排出規制に代わって、ＣＯ２排出面で高い効率の製鉄所が発展し、効率が悪い製鉄所が衰退することを認める政策を取るよう声明を出した。

△東電<9501>など９社、世銀炭素基金からの排出権を初獲得
東京電力や三井物産<8031>など国内９社は９日、世界銀行の炭素基金「ＰＣＦ」を通じ獲得する排出権について日本政府承認を受けたと発表した。温室効果ガス削減事業を実施する見返りに出資比率に応じて排出権を分配する、同基金の仕組みを活用した排出権の獲得は初めて。今回、南米や中国など世界１５カ国で実施される再生可能エネルギーによる発電や省エネなど２３事業について、日本でに排出権を受け取るために必要な政府承認を受けた。ＰＣＦはこれら事業から二酸化炭素（ＣＯ２）換算で合計２７５５万トン規模の排出権獲得を見込み、その大半は京都議定書の第１約束期間内である２０１２年までに取得予定という。ＰＣＦは１０カ国の政府および民間企業が出資し、００年に世界で初めて設立された炭素基金。途上国に省エネ投資するクリーン開発メカニズム（ＣＤＭ）や共同実施（ＪＩ）といった京都議定書の仕組みを活用し、排出権獲得を進めている。

△航空大手２社、０７年３月期－法人需要増で増収
航空大手２社の０７年３月期が９日出そろった。景気回復を背景にビジネス需要が拡大したほか、燃油高に対応した運賃引き上げ効果もあり、日本航空<9205>（ＪＡＬ）、全日本空輸<9202>（ＡＮＡ）とも主力の航空運送事業が増収増益となった。ただ、ＡＮＡが同事業の営業利益を前年度比７・６％増の７９７億円と大きく伸ばした一方、ＪＡＬの同事業の営業利益は２６億円にとどまるなど差が出た。繰り延べ税金資産の取り崩しで当期赤字となったＪＡＬ。本業で回復の兆しがみえてきたものの、コスト体質の差による両社の業績格差は依然として大きい。ＪＡＬは厚生年金の代行返上により営業利益を確保。またホテルなど固定資産売却で、０６年３月期に４１６億円の赤字だった経常損益を黒字にするという苦しい構図。ただ本業の航空運送事業には回復の兆しがみえる。競争力低下が課題だった国内線旅客は客単価が同１・５％上昇し、売上高は同２・４％増の６７５６億円となった。
（日刊工業新聞）

△シミック<2309>　今期も最高益更新を見込む
シミックの０７年３月中間期連結業績は、売上高１０７億４１００万円（前年同期比２２．４％増）、経常利益１１億４１００万円（同３０．６％増）、純利益７億４００万円（同８３．２％増）となった。ＣＲＯ（医薬品開発支援）事業の市場拡大とともに国内外の顧客から新薬開発案件が増加したことに加え、ＣＭＯ（医薬品製造支援）事業において昨年９月に子会社化したシミック・エスエス・ＣＭＯの業績が寄与した。純利益は、子会社吸収合併による税金費用減少の影響もあり、増益幅を広げた。９月期通期の連結業績予想は、引き続き案件を着実に遂行することで売上高２２０億円（前期比２５．３％増）、下半期は積極的に人材の確保に努めるため人件費等の増加を予定し、経常利益１８億１０００万円（同１２．２％増）を見込む。純利益については、前述の税金費用減少等を考慮し、１０億１０００万円（同０．６％増）を見込んでいる。前期の特別利益が消えるため減益見通しであった当初予想を上回り（４月２０日上方修正済み）、連続最高益更新となる見通し。

△サンシティ<8910>　今期純利益は９９．１％増の大幅増益を見込む
サンシティの０７年１２月期第１四半期個別業績は、売上高１１２億３０００万円（前年同期比３．１３倍）、経常利益１６億２００万円（前年同期は３１００万円の損失）、純利益９億２９００万円（前年同期は１７００万円の損失）と大幅増収増益となった。また、前中間期より開始した連結ベースでは、売上高１１５億５３００万円、経常利益１５億５３００万円、純利益８億８１００万円だった。今年３月にＭ＆Ａした静岡県の地建の業績は４月から加わるので、第１四半期時点では影響していないが、単独でジャスダック市場に上場しても不思議ではない規模の業績であることから、連結業績に与えるインパクトは大きい。しかも営業地域が静岡・甲信越・北陸を地盤としていて、全くサンシティの営業エリアと重なっていないことから、宝の山を掘り当てたといえるほどの幸運。通期の連結業績予想は、売上高７８２億４０００万円（前期比７８．８％増）、経常利益７０億８００万円（同９７．０％増）、純利益４１億１４００万円（同９９．１％増）を見込む。
（証券日刊新聞）

△ヘアケア戦争第２幕　プレミアム市場に新たな動き　高級路線がさらに加速
シャンプーやリンスなどのヘアケア商品の売れ筋が高価格帯に移行してきた。現在の主戦場は花王<4452>が２００３年に発売した「アジエンス」と資生堂<4911>が０６年３月に発売した「ＴＳＵＢＡＫＩ（ツバキ）」の争い。ともに８００円前後のプレミアム価格を設定し、ヘアケア商品の値崩れをくい止めた。花王はさらに１０００円前後の「セグレタ」を４月２７日に投入し、新たな流れを切り開こうとしている。

△「燃料電池」特許出願　車メーカー、上位独占　３社で日米欧の２０％　９８－０４年
特許庁は９日、０６年度に実施した特許出願技術動向調査の「燃料電池」に関する調査結果を発表した。１９９８年から２０００４年にかけての企業別出願件数では、国内出願で日産自動車<7201>、トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>の順に自動車メーカーがトップ３を占めた。また、ホンダが米国、欧州の両特許庁で首位を占めるなど国内自動車メーカーは海外でも積極的に出願しており、３社合計の出願は、日米欧における全出願件数の約２０％を占めている。今後、定置用燃料電池から市場が立ち上がり、２０年以降には自動車用の燃料電池も本格的に立ち上がると見込まれている。特許庁では、商品化、普及を考えると「性能・耐久性の向上」「大幅なコストダウン」という課題が残っていると指摘。今後、基本に立ち返った研究開発により、現状を打開できるような技術開発が必要だとしている。

△ヤマハ発動機<7272>　月１０５０円でクルーザー満喫　来月から会員制サービス
ヤマハ発動機は、会費が月額１０５０円というリーズナブルな価格で、気軽に豪華なクルーザーなどでのマリンレジャーを楽しめる会員制サービス「シースタイル・ライト」を６月１日から開始する。ゴールデンウイークも終わり、次は夏休みの計画をたてようという人にとって、新たなレジャーの選択肢となりそうだ。
（FujiSankei Business i）