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2009 07,25 09:00 |
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【日本株週間展望】1万円台は短命、低調な経済指標と政局変動警戒 7月第5週(27-31日)の日本株は、8連騰の勢いに乗る日経平均株価が1万円台を回復する場面も見られそうだが、長続きはしないもよう。発表される経済指標は回復の弱さを示すとみられるうえ、8月の衆議院選挙後の不透明感から積極的に動けないのが実情。相場は夏枯れとなりそうだ。 いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「米国株高に連れての上昇が続いているが、日本の実体経済を見ると買い意欲がわかない。連騰疲れもあって、相場全体は小動きになるだろう」と予想する。 日経平均は24日時点で8日続伸し、9944円55銭で終えた。連騰中の上昇率は9.9%、今後1万円の大台を回復すれば取引時間内では今月1日以来となる。しかし足元の連騰は、国内独自の好材料が要因ではない。米国で景気先行指標総合指数や住宅販売などの経済指標が堅調な内容を示し、半導体最大手のインテルや建機大手のキャタピラーの第2四半期(4-6月)決算が相次いで予想を上回り、米ナスダック総合指数が23日まで12連騰したことを反映した。 好決算が相次いでいることを受け、米シティグループはS&P500種株価指数を構成する主要500社の利益見通しを上方修正した。2009年の1株利益予想は9.8%引き上げ56ドル、10年は11%上方修正し62ドルとした。シティのエコノミスト、スティーブン・ウィーティング氏は22日付のリポートで、「決算は5月時点で見直したわれわれの具体的な予想を大幅に上回っている」と指摘している。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
企業業績は期待先行否めず 日本株の連騰が米国企業の好業績などによってもたらされたのなら、7月5週から本格化する国内企業の第1四半期(4-6月)業績発表は、たとえ持ち直しが確認できても株価は期待先行で上昇しており、さらなる押し上げ要因になりにくい。そもそも「良い数字が出ても、現在の株価バリュエーションを正当化するには足りない」と、楽天投信投資顧問の大島和隆CEO(最高経営責任者)はみている。 いちよし投資顧問の秋野氏も、「TOPIXの900ポイントは来期業績のV字回復を織り込んだ水準」との見方で、決算発表では「企業が今後の見通しについてポジティブな見方をできるかがポイント」としている。 財務省が23日発表した6月の貿易統計速報では、中国を中心としたアジアの景気回復で輸出が持ち直し、貿易収支は20カ月ぶりに黒字額が前年同月比で増加に転じた。海外需要の堅調に為替の円高修正もあり、自動車や電機といった輸出関連企業は今期(10年3月期)業績計画を立てた期初よりも業績不安が後退している。
一方、第5週に発表される経済指標は、低調な景気動向を確認するものとなりそうだ。バークレイズ・キャピタル証券では、31日に発表される6月の全国消費者物価指数を前年同月比マイナス1.6%と予想。5月はマイナス1.1%だったため、0.5ポイントの悪化だ。また同証は、30日発表の6月の鉱工業生産は前月比1.9%増と、5月の5.7%増からプラス幅が縮小するとみている。 31日には6月の完全失業率や家計調査、住宅着工統計も発表予定。森田京平チーフエコノミストは24日付のリポートで、「輸出・生産は回復基調に入ったものの、家計を取り巻く所得・雇用環境は今後さらに厳しくなる。製造業の回復と非製造業・家計の厳しさが同居する国内デカップリングは今後一層鮮明になろう」と指摘している。
もたつく景気に加え、国内政治の不透明感が相場の上値を長く抑えそうだ。衆院選では民主党が勝利し、政権交代が実現するとの見方が大勢だが、投開票は8月30日と1カ月以上先。強力な政権誕生か、与野党伯仲か、また政策の実現性や国の方向性が見えるまでに相当の時間が必要で、相場こう着の要因になりかねない。 政治リスクを嫌うとされる海外勢は買いを見送り、国内機関投資家は戻り売り姿勢を取るなか、個人投資家の動きだけが活発だ。このため、東証1部の売買代金(6日移動平均)は6月17日に記録した今年最高の1兆9728億円から低下傾向にあり、24日時点で1兆3393億円となっている。
相場全体がダイナミックに動きにくいなか、企業決算などをきっかけに個別物色が盛んになりそう。決算は日本郵船や日立製作所、コマツ、キヤノン、三井住友フィナンシャルグループ、ホンダ、野村ホールディングス、JTなど各業界の主要企業が予定している。 楽天投信の大島氏は、テクノロジー株は買いのタイミングと見ている。インテルやIBMなど米ハイテク企業が好決算を発表し、業界の事業環境は好転しつつある。長期的にも、「クラウドコンピューティングなど技術のトレンドが大きく変わりつつある今、事業チャンスを生かして飛躍する企業を発掘するチャンス。技術革新はスローでも、後戻りはしない」いう。 証券ジャパンの小林治重調査情報部長は「ひところ盛んに言われた太陽光や原子力発電といった言葉を最近耳にしなくなった。エネルギーを作り出すというシナリオは飽きられたようで、今は鉄道やスマートグリッド、白色発光ダイオード(LED)など省エネがキーワードになっている」と話す。 PR |
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