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2009 07,18 08:58 |
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株式市場の梅雨明けず、来週も政局不安などで鈍重な展開へ 来週の東京株式市場は鈍重な展開が続き「梅雨明け」には至らない見通しだ。国内の政局不安や大型増資ラッシュによる需給懸念が残り、他市場に比べた日本株の重さは払しょくされそうにないという。 国内の企業決算発表も始まるが、まだ少数で慎重なセンチメントを変えるには至らず、海外株が上昇したとしても出遅れ感が強まりそうだとみられている。 日経平均株価の予想レンジは9000円─9600円。
ここ2週間ほどは世界の株に比べ出遅れ感の目立っている日本株だが、年初からのパフォーマンスでみれば欧米株よりも好調だ。例えば米ダウは年初来高値をいまだに更新せず1万ドルの大台もまだ遠くにあるが、日経平均は5月初旬に高値を突破し1万円の大台回復も達成した。6月米雇用統計をきっかけにして楽観的な景気回復期待が後退し、世界的な株価調整が起きた7月以降のパフォーマンスにおいて日本株が出遅れているというのがより正確な捉え方だろう。 7月以降に重さが目立つのは、日本株が世界の景気敏感株的な位置づけだからだ。「日本株が大きく上昇する局面というのは、世界の景気に対する見方がポジティブなときだ。6月にかけてやや楽観的になりすぎてた景気回復期待が7月以降に後退したため、日本株の調整も大きくなった」(JPモルガン・アセット・マネジメントのエコノミスト、榊原可人氏)という。海外ファンドがコモディティ市場や株式市場から資金を巻き戻す動きが日本株に対しては強く出た格好だ。 東証が発表した7月6日―7月10日の株式投資主体別売買動向で外国人が売り越し(285億円)に転じたほか、財務省が発表した7月5日―11日の対内株式投資でも525億円の資本流出超となっている。 リスクマネーの「先行指標」とみられている原油先物価格は1バレル=50ドル後半でいったん下げ止まり底打ちの兆しをみせている。市場予想を上回る4─6月期米企業決算が相次いでいることから、日本市場の「先導役的存在」の米国市場もセンチメントを改善させ始めた。このまま市場が企業業績や景気への見方を再び強めていけば、景気敏感株たる日本株への買いが復活する可能性もある。 だが来週は目立ったマクロ指標の発表が乏しい。新興国経済からの寄与度を測るめどになる米キャタピラー決算(22日)など注目の発表もあるが、ゴールドマン・サックスやインテルの好決算で、企業業績の回復はある程度は織り込んだことから、これ以上のセンチメント改善が来週みられるかは微妙だ。 日本の4─6月期企業決算も来週から本格化し始めるが、それでも新興銘柄含め3%弱程度の開示しか予定されておらずトレンド感は出にくいとみられている。市場では「注目は6月に業績予想の上方修正を発し液晶関連株が人気化するきっかけになった日本電気硝子(5214.T)だが、24日午後3時の発表予定であり、21─24日の週の相場に与える影響は限定的だろう。アナリストからの事前観測リポートでどこまで盛り上がれるかになりそうだ」(証券ジャパン・調査情報部副部長の大谷正之氏)との指摘が出ていた。
景気や企業業績に対するセンチメントが大きく改善しないとなれば政局不安や需給悪など日本固有の圧迫要因が重しとなる。 自民党は、21日午前11時半から麻生太郎首相出席のもと、衆参両院議員による懇談会を党本部で開催する。懇談会では麻生首相が衆院選に臨む決意を表明する予定だ。「麻生降ろし」の波はいったん後退し、当初の見込み通り21日に解散する可能性が大きい。 市場筋によると、解散から総選挙までの株価パフォーマンスは悪くない。選挙を前に各党や各議員からリップサービスがふんだんに出てくるためだ。選挙後、利益確定売りに転じるわけだが、「今回は優勢が伝えられている民主党の政策に対し、株式市場からの評判が良くない。財源問題などに不安があり、選挙運動中のリップサービスによる株価へ好影響も限定的ではないか」(準大手証券エクイティ部)とみられており、期待度はあまり高くない。 大型増資が相次いでいることから需給面への懸念も残っている。6─7月で2兆円を超える公募増資が行われるため、資金が吸収されているためだ。17日の市場でも、NEC(6701.T)の資本増強が伝わり嫌気された。「大型ファイナンスが続く見通しとなっており需給面の重さが意識されている。増資による財務増強は株価にとってプラス面もあるが、薄商いが続いているなかでは市場の圧迫要因となっている」(ITCインベストメント・パートナーズのシニアポートフォリオマネージャー、山田拓也氏)という。株価が上向きであれば吸収できる期待もあるが、軟調な展開となれば荷もたれ感が解消されない可能性が大きい。
目立つ米国マクロ指標はあまりない。20日の6月米景気先行指数、22日の米住宅ローン・借換え申請指数、5月米住宅価格指数、23日の6月米中古住宅販売程度だ。17日のシティグループやバンク・オブ・アメリカなど残る米金融機関の決算を無難に通過すれば、様子見気分が広がる展開も予想される。 国内も大きなマクロ指標発表は予定されておらず、週後半になれば、翌週の6月鉱工業生産速報(30日)や6月完全失業率(31日)に視点が移りそうだとみられている。 PR |
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