2024 11,24 09:06 |
|
2009 06,13 09:00 |
|
【日本株週間展望】1万円超えじり高、資金好循環続く-米金利注視 6月第3週(15-19日)の日本株相場はじり高となりそう。日経平均株価が8カ月ぶりに1万円の大台を回復し高値警戒感が漂うが、景気の底打ちを示唆する経済指標が相次いでおり、売り込む向きは少ない。各国金融政策による流動性向上を背景に、リスク度の高い資産に投資する動きも広がっている。 ただ、米国の長期金利が高止まりするなど、景気対策の副作用は気になるところ。複数のテクニカル指標が相場の過熱を示している状況にも警戒を要する。 住友信託銀行の島津大輔調査役は、「上昇ピッチはさすがに早い。景気は回復の兆しが出ているに過ぎないが、循環物色から投資資金の好循環が続いている。金融相場の色合いが強い」と話す。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日経平均は12日の取引で2008年10月7日以来、約8カ月ぶりに終値で1万円を回復した。各国の大規模な金融政策を受け、投資資金の流動性が高まり、投資家のリスク許容度が改善している。投資家の不安心理を移すシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数は11日、昨年9月12日以来の低水準となる28.1まで低下。昨年 11月20日には80.9まで急騰したが、米リーマン・ブラザーズの経営破たん以前の水準(31.7)に戻した。 リスク志向が高まり、安全資産に逃げていた資金が動き出している。ニューヨーク原油先物相場は昨年11月上旬以来の1バレル=70 ドル台を回復し、銅は8カ月ぶりの高値水準を記録、金は心理的な節目となる1オンス=1000ドル台に迫る。株式市場では、米S&P 500種指数は7カ月ぶりの高値、日経平均はバブル後最安値となった3月10日から44%高と、世界的にリスク資産の上昇が目立つ。 流動性が高まる中、楽観に傾いた投資家が期待しているのが、景気の早期回復だ。今週発表された国内の経済指標を見ると、5月の景気ウオッチャー(街角景気)調査、消費者態度指数はいずれも5カ月連続で改善、5月の倒産件数は過去1年間で最小となるなど、政府による経済対策の効果などで、景気の底打ち期待が広がっている。 日興シティグループ証券エクイティ部の西広市部長は、「世界景気の底入れ期待を背景に先高期待が出ている」と指摘。個人投資家を中心にした新規の市場エネルギーが増えており、「押し目買い意欲は強い」という。 実際、日本株の売買代金に占める個人のシェアは上昇し、6月第1週は週間ベースでことし最高を記録した。東京証券取引所の投資部門別売買動向(東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計)によると、個人のシェアは34.8%と、前の週の31%から増加。一方、外国人は 47%。野村証券金融経済研究所がまとめた6月の「ノムラ個人投資家サーベイ」では、3カ月後の日経平均の見通しについて、約7割の個人投資家が上昇すると回答している。
ただ、急ピッチの上げに警戒感があるのも確か。騰落レシオなどテクニカル指標では過熱感が示されている。東証1部の騰落率レシオ(25日移動平均)は10日、06年8月23日(141.6%)以来の高水準となる135.3%まで上昇。その後も高水準を維持し、12日まで8営業日連続で120%を上回る。120%以上は相場過熱を示すとされる。 さらに世界的に見ても、日本株のバリュエーションは突出して割高だ。TOPIXの予想PER(株価収益率)は44倍に跳ね上がっている。ブルームバーク・データによると、世界の主要株価指数のPERは、米ダウ工業株30種平均が14.2倍、英FT100指数が12.9 倍、独DAX指数が14.5倍、上海シンセンCSI300が22.1倍で、相対的な割高感は拭えない。
ここに来て警戒され始めているのが、米長期金利の上昇だ。米債券市場では、長期金利の目安となる10年物国債利回りが11日、一時4%台に乗せ、08年10月16日以来の高水準に達した。国債の増発に伴う米財政赤字の拡大観測などが高まっている。長期金利の上昇は、住宅ローン金利の上昇につながるため、景気悪化の震源地となった米住宅市場の回復に水を差しかねない。 23、24日に米FOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。大和証券投資情報部のアナリスト課の松下真一郎次長によると、「国債の買い取り枠を増額するのかが焦点。増額が見送られれば、金利上昇からショック安の可能性もありそう」という。米長期金利の上昇傾向が続けば、FOMCの結果を見極めようと次第に様子見姿勢も強まりそうだ。 日本株に影響を与えそうな重要な経済指標では、米国で15日に6月のニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に5月の住宅着工・建設許可件数、生産者物価指数(PPI)、17日に5月の消費者物価指数(CPI)が発表予定。国内では、15、16日に日本銀行の政策委員会・金融政策決定会が開催される。また、株主総会が本格化し、KDDIやソニー、丸紅、東京エレクトロンなどが予定している。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |