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2009 06,06 12:42 |
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【日本株週間展望】近くて遠い1万円、危うさ抱え材料株相場持続へ 6月第2週(8-12日)の日本株相場は、日経平均株価が目前の1万円になかなか届かない展開が続きそう。景気や企業業績の改善に向けた確証は得られておらず、時価総額上位銘柄を中心に上値は重い。一方、原油先物相場の上昇を受け資源関連、電気自動車などテーマ性のある中低位株には個人など逃げ足の速い資金が流入しており、危うさを抱えつつ、この流れは継続する見通しだ。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
6月1週(1-5日)の日経平均は前週末比2.6%高の9768円と2週連続で上げ、週末5日の取引では終値での年初来高値を更新した。根強い景気底打ち期待と、原油先物価格が7カ月ぶりの高値を付けたことなどが投資家の買い意欲を刺激。東証業種別33指数の週間上昇率上位には鉱業(7.8%)、非鉄金属(6.4%)などの資源関連や、ガラス・土石製品、機械など景気敏感業種が並んだ。 3月10日の7021円を底値とした反発相場は、各国政策当局による財政出動や金融緩和による景気の下支え期待、過剰な信用リスク警戒感の後退、PBR(株価純資産倍率)などから見た割安修正、空売りなどの買い戻しが重なったためと、市場では受け止められている。しかし、主要各国の経済統計は依然まだら模様で、PBR1倍を回復する銘柄も増加、ここへきて相場全般を買い上げる材料は乏しくなってきている。
実際、日経平均が高値を更新する中で、東証1部の時価総額、流動性上位30銘柄で構成されるTOPIXコア30指数は5月11日の高値 543.04ポイントを抜けきれずに足踏み状態。2日から5日までのローソク足チャートを見ると、4日連続で終値が始値より安い陰線を示し、日本の代表銘柄を買う勢いの鈍さをうかがわせた。 にもかかわらず指数が高値を更新したのは、資源関連のほか、中低位材料株への買い人気が高まったため。4日の取引では電気自動車市販化への期待で三菱自動車が急騰、人気は燃料電池関連銘柄に波及し、5日の東証1部売買代金1位になったジーエス・ユアサコーポレーションはさすがにこの日は下げたが、前日まで6連騰していた。 三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は、こうした日本株の現状や新興国株式・通貨、原油など国際商品市況の上昇ぶりから、「ファンダメンタルズ、バリュエーションというより、過剰流動性の要素が強まってきた。根底には信用リスクの後退があるが、明らかにリスクマネーがポジションを復元している」と指摘する。
各国中央銀行による経済・金融危機対応のための大量の資金供給は、世界的な金余り状況を演出しつつあるようだ。5月のブラジル株式市場に対する外国人投資家からの資金流入は過去最高となり、商品先物市場ではヘッジファンドなどの買い持ち高が増加、直近の原油価格の騰勢につながっている。 米商品先物取引委員会(CFTC)が公表しているファンドの先物ポジションを見ると、5月26日時点で原油やガソリン、金、銅、大豆など8品目の買い持ち高合計は28万枚。昨年3月のピーク47万枚から同 11月にはマイナス10万枚にまで急減していたが、回復ぶりは顕著だ。 金融危機で痛んだ投資資金の力が徐々に回復、リスクを取り始めている様子は著名ファンドマネジャーの声にも裏付けられる。テンプルトン・アセット・マネジメントのマーク・モビアス執行会長は、「誰もがデフレを怖がっているため、資金供給している。それがより強い確信を伴って新興市場に流れ込み始めている」と話し、自身が足元でロシア株に投資していることを明らかにした。
日本株市場に視線を移すと、5月月間の投資部門別売買動向によれば、東証、大証、名証1・2部ベースでの買い越し主体は外国人と個人で、ともに2カ月連続の買い越しだった。日本でも表面化しつつある過剰流動性は、両主体の活躍によるところが大きい。特に個人は、その懐具合を示す信用取引の評価損益率が月末時点でマイナス9.9%と、昨年 10月のマイナス39%から大きく改善、07年10月以来の水準となっており、個人の資金回転力の回復が足元の材料株相場に結びついている。 ただ、今後外国人は半期決算期末に接近するため、持ち高整理などを通じてこれまでの買い越し姿勢に変化が生じる可能性があり、個人の動向にも影響を及ぼしかねない。信託銀行など国内機関投資家勢は日経平均が9000円を超えてきた5月に総じて売り越しており、機関投資家の保有比率が高いコア30銘柄などは引き続き伸び悩みが想定される。 「日経平均は1万円に乗せても、その後1万1000円、2000円と買っていくシナリオが見えない。4-6月期決算などで、期待通りに改善方向に向かっていることなどが確認される必要がある」と三菱U証の藤戸氏。ここ数年の動きから、過剰流動性で急騰した相場は急落するリスクを同時に抱えると警鐘を鳴らす同氏は、相場変調を探る「リトマス試験紙として、コモディティ(商品)が良い」と話している。 6月2週の日本株相場に影響を与えそうな材料は、国内では8日に5月の景気ウォッチャー調査と企業倒産件数、10日に4月の機械受注の発表が予定され、海外では10日に4月の米貿易収支、中国の5月の消費者物価、11日に5月の米小売売上高などがある。また12日には株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出があり、週半ばは先物主導で動きが荒くなる公算もある。 PR |
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