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2009 05,31 22:01 |
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今回のリセッション(景気後退)からの回復が始まったことを示す先行指標は何だろうか。 世界貿易の健全度を測る指標としての海運運賃を挙げる人もいれば、中央銀行が印刷したばかりの新鮮なマネーの供給量を挙げる人もいる。住宅市場が息を吹き返す兆しこそは回復の証拠だと言う人も多い。 だが、こうしたことはすべて忘れよう。今回の世界的信用危機で分かったのは、景気の状態を測定する伝統的な手段はいずれも、真冬の日焼け止めクリーム程度にしか役に立たないということだ。 代わりに、次の2つに注目しよう。浮気行為の活発度(熱意)とラトビアの買春の値段だ。この2つはいずれも、今後にまだまだ困難が待っていることを告げている。 信頼できる景気のバロメーターとして最近提唱されたこの2つは、注目に値する。エコノミストはしばしば、景気循環の歯車を回すのに「アニマル・スピリット」が一役買っていると指摘する。しかし、どうやってこのスピリットを測定するかの説明はほとんどない。この2つが答えかもしれない。 英国には「www.illicitencounters.co.uk」というウェブサイトがある。浮気をしようかと考えている既婚者のお相手探しを助けてくれるサイトだ。サイトの登録者は少なくとも30万人に上り、英国民の関心の的が議員歳費と解雇の不安ばかりではないことが分かる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
同サイトの分析によれば、英国株の指標であるFT100種株価指数の転換点ではサイトの登録者数とアクセス数の双方が大きく増加していた。相場が急落するときも強気派が主導権を得るときも、人々は浮気を計画していた。傾向が横ばいのときは、人々は貞節だった。 サイトの広報担当者、ロージー・フリーマンジョーンズ氏は「自信の程度と関係があるに違いない」として、「相場が上昇しているときには、何をやっても切り抜けられるという気持ちから浮気をしてもいいという気分になる。相場が底の時は、プレッシャーから逃れる方法を探そうとするのだろう」と分析している。 似たような話として、金融関連ブログのブロンテ・キャピタルを運営するジョン・ヘンプトン氏はバルト海沿岸諸国の景気をラトビアの風俗業界の価格相場に基づいてモニターしている。現在の相場は通常のサービスで約30ラト(約5700円)だという。 同氏によれば、「売春業は契約単位時間が短く(1時間や1晩)、業界への参入障壁が低い」ことから「価格は非常に柔軟に設定される」という。
この硬直性のない価格が1年間で約3分の1に下落したということは、ラトビアおよびバルト海沿岸諸国の経済はまだ苦境にありデフレリスクがあるということだと同氏は解説する。 この指標は経済のスナップショットを得るために有効かもしれない。すべての国で売春が合法であれば、その価格相場は中銀がモニターするのに適した指標となるかもしれない。インフレからデフレ、あるいはその逆の転換点を確定するのに、これ以上の指標はあまりないかもしれない。 もちろん、このような景気指標が提唱された裏には、注目を集めることで顧客を獲得しようという動機があったことはあり得る。上述のサイト「illicitencounters」が人目を引くプレスリリースで客寄せを狙ったかもしれない。それでも、セックスを景気と相場の指標として使うことは次の2点から見て、興味深い提案だと言える。 第1に、世界はトラウマを体験しつつある。景気の方向を予測するための伝統的な手段はどれも、ほとんど無効だった。標準的なモデルのどれ1つとして、私たちが大恐慌以来の深刻な危機に向かっていることを2年前に示しはしなかった。一部の人が代替の手法に目を向けたとしても驚くには当たらない。
第2に、過去1年に分かったことの1つは、現代の世界経済がF1レース以上のスピードで目まぐるしく動いているということだ。われわれはまばたきするほどの間に深刻なリセッションに陥った。このペースについていくためには、同じくらい動きの速い指標が必要だ。 その意味で上の2つは良い指標だが、これらは現在のところ、最悪期が過ぎてはいないことを示唆している。浮気への熱意は相場の転換点で高まる。浮気紹介サイトへのアクセスは相場が急落した昨年 11月に急増したが、その後の急増はまだない。つまり、過去2カ月の株価急上昇は弱気相場の中の一時的な上げにすぎず、正真正銘の回復ではないということだ。 ラトビアの買春の値段はと言えば、回復の兆しはいまだ見えない。これが意味するところは、国際通貨基金(IMF)はまだ気を抜けないし、欧州の銀行システムもまだ安心してはいられないということだ。 これらの景気先行指数は景気の先行きを見極めるのに役立つ可能性があるが、チェックするときはこっそりしなければならないのが難点だ。(マシュー・リン) (リン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です) PR |
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