『モーダルシフト』関連銘柄

１地球温暖化対策の柱

　平成9年(1997）の京都会議で地球温暖化対策としてＣＯ2（二酸化炭素）を
1990年に比べ2010年前後には6％程度削減することが決まりました。
運輸部門のＣＯ2排出量は日本全体の約2割ですが、
そのうち9割は自動車が占めています。
このため、運輸省ではＣＯ2削減に向けてさまざまな取り組みを行っていますが、
その一つがモーダルシフト(Modalshift)です。

２モーダルシフト

　モーダルシフトとは、トラックによる幹線貨物輸送を、
「地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換」することをいいます。
　特に長距離雑貨輸送については、海運・鉄道の比率を現在の40％から
2010年に約50％に向上させることを目標としています。
　海上輸送の大きなメリットは長距離の一括大量輸送による
効率化などにありますが、モーダルシフトを推進するためには、
それだけの貨物量の確保、トラックなどとの積み替えなど、
関係者の積極的な取り組みが不可欠です。

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■運輸業
輸送力と環境保護という相反する問題に企業努力を惜しまない企業中心

ＪＲ各社

9062日本通運
航船の輸送能力を拡大。環境に配慮し、従来のトラック輸送から
船舶や鉄道に切替る

9067丸運
ロジン（松脂）を日本で数少ない加温式特殊ローリーで輸送。
策定中の2008年度までの中期計画では、ＩＳＯタンクコンテナやＩＢＣなど
多様な物流容器を活用しながら売上高20億円超を目指す

9064ヤマトＨＬＤ
鉄道への積み替え効率を高めるため、JR大阪貨物ターミナル駅構内に
立地する倉庫を賃借

9068丸全昭和運輸
倉庫施設における省エネ機器導入にも注力

9069センコー
空調機器輸送、液糖輸送、住宅建材輸送、精密機器輸送のモーダルシフト

9070トナミ運輸
取扱い事業拠点を拡充し、モーダルシフトに対応するとともに
グループ外取引の拡大を図る

9380東海運
港湾運送主力、３ＰＬなど企業物流強化。内航も。
太平洋セメント系で売り上げ依存度４割弱

9358宇徳運輸
港湾運輸大手。重量品輸送で実績。核燃料輸送・格納容器据え付けも。
商船三井が親会社に

9363大運
商船三井と緊密で神戸港地盤の港湾運送業者。自動車運送も兼営。
松下系が有力荷主

9361伏木海陸運送
富山県の伏木港、富山新港（高岡市、新湊市）における総合物流業を展開

9310日本トランスシティ
業界4位を誇る中部地区最大の総合物流企業。トラック、トレーラー、
内航船、鉄道コンテナなどの輸送モードを駆使する

9060日本ロジテム
鉄道を利用したフレートライナー（鉄道輸送のもつ大量・高速性とトラック輸送の
もつ機動性との有機的な結合輸送方式）を手掛ける

■倉庫業（港湾直送倉庫業界）
港湾での流通システムの構築は大きなマーケットになる可能性を秘めている

9364上組
港湾総合運送のパイオニア。港湾、倉庫、輸出入等の物流

9301三菱倉庫
新座配送センターはJRコンテナの横付けに便利なピアー型トラックバースを
採用するなど鉄道輸送へのモーダルシフトにも対応

9302三井倉庫
倉庫保管、港湾運送、陸上運送並びに航空貨物取扱い等、
陸海空一貫したサービス体制を構築

9303住友倉庫
倉庫業界大手。EDI による在庫データのご提供、携帯電話を使った在庫検索や
各種データの送信などのサービスを実現

9310日本トランスシティ
関東、関西、東海を中心にさまざまな機能を備えた拠点を展開。
物流情報システム（LINETS）を提供

■コンテナ製造業界
省エネ、省電力での輸送力がキーワードに

7102日本車輌製造
鉄道車両メーカー最大手。鉄道車両、地下鉄車両、路面電車、
試験車両等の製造の他に道路橋、鉄道橋等の施工も

7122近畿車輛
業界３位の鉄道車両メーカー。米国、東南ア、中東など海外市場を積極開拓。
近鉄系

9005東京急行電鉄
省エネ車両や省電力システムの導入等による消費電力の削減等、
環境保全に関して顕著な功績を認められる

7012川崎重工業
台湾新幹線車両、ニューヨーク地下鉄向け車両等の海外事業が成長

■内航海運業界
海運は地球環境に優しい輸送方法だ。問題は「時間」

9101日本郵船
業界最大手。最新の環境対策を駆使した8600TEU型コンテナ船
「NYKVEGA」竣工

9104商船三井
新サービス“VH3（Viet Nam Hong Kong New Loop3）”を開設。
ベトナムコンテナサービスの増強を図る

9107川崎汽船
米国・タコマ港、カナダ・バンクーバー港に寄港するコンテナ船北米北西岸航路
において、停泊中の船舶の発電機に低硫黄燃料使用決定。
燃料は硫黄含有率0.5％以下のものを目指す

9127玉井商船
日軽金のボーキサイト船や穀物輸送が中心。特殊船も保有。
貸船主体から自社船運航にシフト

9110新和海運
郵船系列。不定期船大手。中国との関係深い

9113乾汽船
商船三井系。小型不定期船(スモールハンディ)が主力。
国内への穀物輸送で首位級。北米からの木材輸送も。鋼材等開拓

9152関西汽船
商船三井傘下。ダイヤモンドフェリーとの共同運航等拡大

9171栗林商船
北海道と東京、大阪を結ぶ新聞用紙輸送が主体の船会社。
王子製紙、日本製紙などが荷主

9179川崎近海汽船
国レベルの一つの物流政策であるモーダルシフト実現のために誕生した
超高速貨物フェリー「ほっかいどう丸」の運航等

9180新和内航海運
新和海運の内航の独立。内航では大手で、港運・陸運も行なう

9362兵機海運
姫路・水島港中心の内航業者。鉄鋼扱い多い神戸・大阪で輸出入業務。
中国航路進出。倉庫業務も

■荷主業界
物流を考えるメーカーも「環境」を考えたシステムの構築が急がれている

7201日産自動車
トラックの代わりに鉄道で自動車部品を運ぶ輸送手法を導入。
部品在庫を抑制する「ジャスト・イン・タイム」の生産方式を維持しながら、
輸送費を2割、ＣＯ2排出量を7割削減。「モーダルシフト」を部品搬入頻度の
高い自動車業界で取り入れるのは珍しい

6701ＮＥＣ
完成品の輸送で鉄道や船舶の利用を拡大している

7751キヤノン
第1回エコレールマーク認定を取得、500km以上の商品の陸上輸送での
鉄道利用比率が、扱う全商品の20％以上に

6440ＪＵＫＩ
工業用ミシンの物流に関して積極的な取り組み

6991松下電工
昨年、香川松下電工が「グリーン物流パートナーシップ」を展開、
これまでの鉄道輸送に海運輸送も加えたモーダルシフトでCO2を52％削減

3407旭化成
一昨年、系列のサランラップ関連企業が「エコレールマーク」を食品包装業界で
初めて取得

1722ミサワホームＨ
「エコレールマーク」を取得。住宅部品や材料を工場に輸送する際、
トラック輸送から鉄道貨物輸送に切り替えたことで鉄道貨物輸送の比率が
０６年３月期の実績で４１.１％となり、認定基準の１５％をクリアした