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2009 03,18 09:00 |
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下記に書いてある内容はアタマに入れて置いてね! 「リメーク」映画のストーリーは不変 16日に米連邦準備理事会(FRB)が発表した米2月の鉱工業生産は前月比▲1.4%で、4カ月連続の低下。設備稼働率は70.9%(前月比▲1.0ポイント)で、1982年12月に記録した過去最低水準に並んだ。鉱工業生産の前月比マイナス幅は、昨年11月以降、▲1.3%、▲2.4%、▲1.9%、▲1.4%となっており、足元ではやや縮小。 自動車・同部品の生産が2月は前月比+10.2%と5カ月ぶりに増加に転じており、減産が緩和された影響が出た。しかし、米国の新車販売台数は大幅な落ち込みが続いており、今後上向く展望は開けていない。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
鉱工業生産の悪化ペースが徐々に鈍化していずれ下げ止まるとしても、そのことが「V字型」回復を保証するものではまったくないことを、十分念頭に置く必要がある。 設備稼働率について、入手可能な統計で日米の水準比較を行うと、日本の落ち込みがきついことが一段と鮮明になっている。日本の1月の鉱工業生産確報で、製造工業稼働率指数(2005年=100)は68.0(前月比▲12.9%)で、過去最低。実稼働率を試算すると54.1%になる。 これに対し、米国の製造業(SICベース)の設備稼働率は1月時点では67.9%で、日本よりも13%以上も高い水準にある(2月時点では67.4%)。米家計の過剰消費が削ぎ落としプロセスに入っている中で、輸出依存度が高い日本の製造業が受けたダメージには非常に大きなものがある。 また、日銀金融経済月報(2月)のBOXコラムが指摘したように、日本では米国よりも部品や素材の国内調達比率が高いことが、需要ショックの波及度合いを大きくしているという重要なポイントがある。 ということは、自動車や電機といった輸出主力産業の傘下にある中小下請けに対する業績面の強烈な下押し圧力(ひいては企業淘汰圧力)を通じて、日本経済全体がそれだけ悪化しやすいということである。 大手米銀の業績回復期待や、不良資産買い取り構想の詳細が近く発表されることへの期待、バーナンキFRB議長がTVインタビューで金融システムが安定化した場合という条件付きで年内リセッション終了という楽観シナリオを再度表明したことなどを手掛かりに、米株式市場では先行き楽観論が浮上し、売り方の買い戻しが誘われた。16日のニューヨークダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落したが、下げ幅は小さなものにとどまった。 だが、そうした根拠の脆い楽観論に立脚した株高には、持続性に大いに疑問がある。 冷静に考えればすぐに分かることだが、雇用面を中心にリセッションが厳しさを増している中で、大手米銀の収益が急回復するということになると、原動力として考えられるのは、債券残高上積みによって長短金利差を享受するオペレーションくらい。信用コストは対企業・対個人ともに増加する流れであろう。 また、米大手銀トップが相次いで口にした1・2月の「黒字」というのはそもそも、保有する不良資産の評価損を考慮しないベースの話のようである。 米政府やFRBの景気・金融システム対策にしても、それが乾坤一擲の効果を期待できる筋合いのものではなく、経済政策の発動余地の限界が見えている中で、「持久戦」を選択して、決定的に負けないようしのぐためのものであることについては、筆者はこれまでのリポートですでに何度も伝えた。 G20を前に、ガイトナー米財務長官がなぜ、他の国々にGDP比2%超の追加財政出動を要請したかを考えてみればよい。要するに、自国にもはや余裕がない(米国債供給過多の問題と、議会の問題)から、他国に「応分の負担」を要請してきているというだけの話である。 バーナンキFRB議長が口にした、年内リセッション終了見通しについては、それが実現が非常に困難な金融システムの安定を前提にしていることを見逃すべきではない。 バーナンキ議長は2月24日に上院銀行委員会で行った証言で、「政府・議会・FRBが取った行動が奏功して金融システムが安定を取り戻す場合には、個人的な考えではそうした場合にのみ、リセッションが今年終わり、2010年が景気回復の年になるだろうという合理的見通しが成り立つ」と述べると同時に「米連邦公開市場委員会(FOMC)による最新経済見通しは、現在のリセッションからの十分な回復が実現するには2~3年以上かかるだろう、という見方を反映したものである」とも明言していた。 FOMCはすでに、「失われた4年」くらいまでは覚悟している。 世界経済に対する筆者の見方は悲観論で変わらないし、市場のベクトルについての見方もまた、不変である。長期金利は低下余地模索を再開することだろう。米国市場では国債の短期間での供給過重が問題になっているが、どんなにケーキが好きな人でも、一度に大量のケーキを食べることを強要されれば、「ちょっと勘弁してくれ」とばかりに身を引いてしまうだろう(長期金利の一時的上昇)。だが、ケーキが好きだという性質自体は変わらず、供給増加にメドが立つとともに、順調に「消化」していくのではなかろうか(長期金利の低下)。 国債需給悪化懸念というのは、映画に例えれば1つの「シーン」にすぎない。映画全体の「ストーリー」は変わっておらず、それは金利低下方向の内容である。また、今回の映画は日本の不良債権処理問題で起こった様々な出来事をなぞっている面が多いということからすれば「リメーク」とでも形容することができるだろう。景気・金融システムについて断続的に楽観論が浮上しては潰える流れもまた、同じである。 PR |
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