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2009 02,28 10:00 |
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【日本株週間展望】短期戻り局面、3月危機策が支え-信用売り残ばね 3月相場に入る日本株相場は、バブル経済崩壊後の最安値圏から戻りを試す動きとなりそう。実体経済の悪さは深刻ながら、企業が決算を迎え、資金需要の高まる年度末を前に政府が危機対応策を相次ぎ打ち出す姿勢を見せており、積極的に売り持ち高を増やしづらくなった。高水準に膨らんだ時価総額上位銘柄の信用取引の売り残が買い戻され、短期的反発のばねになる可能性がある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
三菱UFJ証券投資情報部長の藤戸則弘氏によると、「昨年3月から弱気を言い、その中でも何回か短期買いを指摘してきたが、3月はその何回かの『ベアマーケット・ラリー』の局面になろう」という。 藤戸氏は、経済界の提案を受けて政府が株価対策の検討に入った点に言及。現在参議院で審議中の「銀行等保有株式取得機構」の買い取り再開案は、2008年度補正予算で手当てした政府保証枠20兆円を使って買い取り対象を広げる可能性が指摘され、「評論家なら先進国にあるまじき政策と批判できるが、ポジションを持つ人ならショートカバー(買い戻し)に動かなければならない」と話す。 日本経団連の御手洗冨士夫会長は2月23日の会見で、最近の株価低迷が金融システムなどに与える影響に懸念を示し、公的資金によって株価を買い支える新たな機構設立を政府に訴えた。また景気対策として、 09年度に25兆円規模の補正予算を組むよう求めている。 この翌日、与謝野馨財務相は閣議後会見で「株価は市場で決まるが、あまり売り方が強く、買い方が誰も現れない状況だと、必要以上に影響を与えながら下がっていく現象は決して好ましくない」と発言。政府・与党で株価対策について検討する考えを示した。 与謝野財務相は26日に行われたブルームバーグ・ニュースなど報道各社とのインタビューでは、株価対策の「方法がどうあるべきかは議論の分かれるところ」と述べた上で、公的資金を活用し、市場から株式を直接購入する方策なども選択肢の一つとし、自民党に検討を要請したことを明らかにした。 一方、企業の資金需要が高まる年度末対策の一環として、政府が日本政策投資銀行による企業向けの1兆円の低利融資枠について、1.5兆円を上限に拡充する方向で検討していることが明らかになっている。
2月第4週(23-27日)の日経平均株価は前週末比2.1%高の7568 円と、3週間ぶりに上昇。前半24日には欧米の根強い金融システム不安を背景に、一時終値でのバブル崩壊後の最安値(7162円、08年10 月27日)を下回る場面があったが、後半にかけて持ち直した。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日、10年の米国経済回復の見通しを上院で証言。また日本の経済、政治不安の裏返しでもあるが、ドル・円相場が27日に1ドル=98円台後半と3カ月ぶりの円安水準に達したことも、株価の戻りを支援した。 東京証券取引所によると、2月3週(16-20日)に外国人投資家は6週連続で日本株を売り越し、売越額は3568億円と3カ月ぶりの高水準を記録、海外からの見る眼は依然厳しい。ヘッジファンド動向に詳しい草野グローバルグローバルフロンティアの草野豊己代表取締役は、 08年10-12月期の国内総生産(GDP)が年率で2けたのマイナスと、主要国中で最も悪かった点を挙げ、「日本は輸出で稼ぐ経済方程式そのものが崩れた」と、外国人売りの一因を指摘する。 一方で、時価総額の大きい市場の中では相対的に景気、金融システムに対する不安が小さいとの見方が根強いほか、昨年3月期末から比べすでに40%下げた水準の低さなどから、「不景気の株高」のリード役として期待する声はある。世界的著名投資家の1人であるマーク・ファーバー氏は27日、ブルームバーグとのインタビューで、日本株は「向こう1年、世界をアウトパフォームするだろう」と述べた。
株価対策が検討されている最大の理由は、米リーマン・ブラザーズの破たんをきっかけに世界的な金融危機が深刻化した昨年9月以降、総額5兆円に達した外国人の売りをどう消化するかが問題なため。年金資金などの動向を示す信託銀行経由の買いがこれを支える格好とはなっているが、上値を買う外国人と下値を買う年金の格差が、昨年10月からだけで日経平均を3割下落させた。 相場の先行き不安は個別銘柄の需給動向に表れており、ホンダの信用取引の売り残は2月27日時点で453万株(日本証券金融ベース)と、 02年8月以来の高水準。ブリヂストンも昨年10月来の水準となっている。東証がまとめる信用取引を含む空売り集計によれば、直近では繊維、ゴム製品、空運、精密機器、パルプ・紙、その他製品などの業種で空売り額が多い。 もともと期末を控えて買い戻し圧力が高まりやすい中、政策効果でこうした動きに拍車が掛かる可能性も浮上。「経団連会長の発言に始まり財務相の検討示唆と、財界、政界の根回しも終わっているようで、民主党も賛成意向と障害はない。政治の混乱はリスク要因だが、ショート筋の勝ち目が低くなった」と、三菱U証の藤戸氏の見方だ。 3月1週(2-6日)の日本株相場に影響を与えそうな材料は、国内より海外の方が多く、2日に米国で2月のISM製造業景況指数、3日に2月の米国内自動車販売、4日に米ベージュブック(地区連銀報告)、5日に中国で全人代開幕、6日に2月の米雇用統計の発表などがある。3日には米英首脳会談、バーナンキFRB議長の議会証言も予定され、日本同様、景気実勢の悪さに政策サイドのメッセージがどこまで効くかが焦点になる。 PR |
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