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2009 02,07 09:00 |
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【日本株週間展望】8000円固め、米政策期待が支え-市況関連戻り持続 2月第2週(9-13日)の東京株式相場は、日経平均株価で8000円の大台を固める底堅い展開となりそうだ。世界の経済、金融市場混乱の発信地となった米国で、大規模な政策が打ち出されるとの期待がある。中国経済の立ち直りを背景とした銅価格や海運の国際運賃の上昇を受け、市況関連株を中心に相場は戻り基調を維持するとみられる。 東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「米国でイベントが相次ぐことから、現状を改善する何らかの政策が出てくるとみられ、これを好感した買いが入りそう。米国株市場では金融から離れたところが好転しているうえ、新興国の経済の立ち直りが早そうなことを考えると、相場は底堅い」との見方だ。 第1週の日本株は、足元の景気や企業業績の悪さと、それを回復させる政策実現への期待が交錯。日経平均の週間騰落率はプラス1%と、ほぼ横ばいだった。東証業種別指数の騰落率を見ると、海運や石油・石炭製品、非鉄金属などが海運や国際商品市況の上昇を追い風に大幅高。一方、日経平均が9.8%下がった1月に資金の逃避先となっていた食料品や電気・ガスという収益が景気変動に左右されにくいディフェンシブセクターが下落率1、2位を占めた。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
米国では、ガイトナー財務長官が9日、国内金融機関の支援と、家計や企業に対する貸し渋り解消を目指す金融再生策を発表する。その後オバマ大統領が包括的な景気対策に関して記者会見を開く予定だ。総額7000億ドル(約63兆 6000億円)の金融安定化策については、抜本的な見直しが行われるとの見方が大勢。金融機関が保有する不良資産を買い取る「バッドバンク」設立構想は難航。チャールズ・シューマー米上院議員(民主党)は3日、同構想は「不良資産の価値を過度に低く評価しかねず、相次ぐ経営破たんを招きかねない」と述べ、むしろこうした資産に政府保証を与えるべきとの見解を示した。 ただ、仮にバッドバンク構想が実現しても、「計画が複雑で実行するまでに数カ月が必要」(バークレイズの米国株担当チーフストラテジスト、バーリー・ナップ氏)とされ、シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)といった底値圏に沈んだ米銀行株の早期浮上は難しい可能性がある。 このほか、現在審議が進行中の上院で、総額9000億ドル(約80兆5000億円)の景気対策法案が週内に成立するかも注目点。下院では1月28日に8190億ドル規模の景気対策法案を可決したが、上院では共和党が事業投資分を減らし、減税を拡充するよう求めており、超党派グループが減額修正を試みている。オバマ米大統領は5日、景気対策法案の速やかな可決がなければ、米経済は「大惨事」に直面するとの認識を示し、議員らに審議を終結するよう促した。 これら2つの政策は足元で難航していることから、実現に向けて踏み出せば株高要因となる。週末13日からはイタリアで7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれることもあり、政策期待から売りにくい週になりそうだ。
一方、中国では早くも景気刺激策の効果が出始めている。中国物流購買連合会が4日発表した1月の中国製造業購買担当者指数(PMI、季節調整済)は 45.3と、昨年12月から4.1ポイント上昇した。 また、追加の対策への期待も高まっている。国際投信投資顧問の鶴田重光エコノミストは、春節(旧正月)期間中の小売売上高が13.8%増と堅調だったものの、減速感は否めないと指摘。昨年表明した4兆元(およそ52兆円)の対策のうち、すでに3兆5000億元が始まっていることから、「金額の上積みが求められる。その場合金融政策から財政出動へと移るだろう」との見解だ。 中国の景気減速懸念が遠のけば、息切れしている先進国を中心とした世界経済にも光が見えてくる。海運市況は早くも、荷動きの活発化を織り込む形で急騰中。ばら積みの国際運賃指標のバルチック・ドライ・インデックスは5日まで 13連騰し、この間の上昇率は73%に達した。中国をはじめとした経済の立ち直りが早い国で収益を稼げる市況関連株は、株価が上昇しやすい状況にある。
国内では企業の08年4-12月期決算発表が続いているが、併せて09年3月通期予想を大きく引き下げる企業が目に付く。これまで大幅な下方修正は株価の大幅安を招いていたが、2月に入ると基調が変わり、株価は反応薄ということが多くなった。新光証券エクイティ情報部の高橋幸男マーケットアナリストによると、「株価は今期業績の悪化をかなり織り込んだ。今期でリストラや株式評価損などの損失を出し尽くせば、来期への期待が持てる」ことが背景にあるという。 家電世界最大手のパナソニックは4日、今期業績予想の大幅な下方修正と、国内外の工場閉鎖や人員削減などのリストラ策を発表。翌5日の取引で株価は上昇し、固定費削減などのリストラ効果が表れる来期は業績が改善するなら、3800 億円という今期の大幅な最終赤字も売り材料視する必要はない、と捉えられた。 ただ、業績悪化に株価が反応しにくくなったとはいえ、本格的な相場上昇はまだ先になりそう。「業績悪化を織り込んだのは今期分だけ。来期に赤字が拡大する事態になれば、売り要因になる。来下期増益が見えてこないうちは上値を買いにくい」と、新光証の高橋氏は指摘する。東海東京調査の隅谷氏によれば、「日経平均で8000円を下回ると個人や年金の買いが増えるが、上値では少なくなる」といい、来期業績見通しがそろう5月まで、方向感が定まらない展開が続く可能性は高い。
第2週の主要スケジュールは、国内は9日に12月の機械受注や国際収支、景気ウォッチャー調査(街角景気1月)、12日に1月の企業物価指数の発表が予定されている。ブルームバーグ・ニュースの調査では、コア機械受注の予測中央値は前年同月比33%減で、大幅な落ち込みが見込まれている。 海外では、米国が11日に12月の貿易収支、12日に1月の小売売上高と12 月の企業在庫などの発表を控え、欧州では13日に1月の新車登録台数と10-12 月の国内総生産(GDP)速報が発表される。 PR |
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