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2009 01,31 09:00 |
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【日本株週間展望】軟調、下方修正相次ぎPER切り上がり-決算佳境 2月第1週(2-6日)の東京株式相場は、軟調な展開となりそうだ。本格化している国内企業の2008年10-12月期決算では、主力企業の業績下方修正や減配が相次いでおり、業績の先行き警戒感が高まっている。世界的に景気後退の深刻化を示す経済指標も多く、上値を追うのは難しい状況だ。 住友信託銀行の島津大輔調査役は、「テレビをつけると、『派遣切り』だとか暗いニュースばかり。実体経済から支える材料は何一つなく、先行きはまだ暗そうだ。米オバマ政権による政策期待でどこまで支えられるかだ」と話す。 1月4週(26-30日)の日経平均株価は、前の週に比べて248円(3.2%)高の7994円で取引を終了、4週間ぶりに上昇した。オバマ政権が銀行から不良資産を買い取るための「バッドバンク」の設立を進めていると伝わったことなどから、米国の景気対策や金融安定化への期待が高まり、為替相場の円高修正も追い風となった。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日本のPERは昨年から2倍に 名実とも2月相場に入る日本株市場では、国内の企業収益が警戒されそうだ。今週は業績下方修正を発表した東芝や日本郵船、任天堂、コマツなどに売りが殺到し、相場の上値を抑えた。新光総合研究所によると、調査対象としている東証1部上場企業1232社のうち、29日までに決算発表した企業数は178社。そのうち、半分以上が今期(2009年3月期)業績予想を引き下げ、経常利益予想は前期比53%減にまで落ち込んでいる。 相次ぐ業績予想の下方修正で日本株の1株利益(EPS)は押し下げられ、PER(株価収益率)は大幅に切り上がっている。ブルームバーク・データによると、29日時点の日経平均のPERは18.6倍。昨年最低水準の9.5倍(10月 27日)から2倍近く上昇した。一方、米ダウ工業株30種平均は11倍、英FT 100指数は8.4倍、仏CAC40指数は7.7倍、独DAX指数は8.1倍などとなっており、日本株は世界と比較して割高水準に位置している。 SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは、「1-3月期の収益環境は08年10-12月期より悪化している可能性が高く、通期予想のさらなる引き下げもあり得る。景気後退はこれから本格化するため、買いにくい」と警戒する。 来週も主力企業の決算が相次ぐ。3日に日立製作所、住友化学、三井物産、4日にパナソニック、住友金属工業、5日に三菱地所など大手不動産、HOYA、6日にはトヨタ自動車、シャープ、オリンパス、東レ、大日本印刷、エルピーダメモリ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが予定。業績下方修正が相次げば、EPSのもう一段の低下につながる。 年明け動向示す米国の統計、長期金利を注視へ また、世界的な景気と金融市場混迷の震源地である米国では、経済指標の発表が相次ぐため、実体経済の悪化ぶりが警戒されやすい。注目されるのが、全米供給管理協会(ISM)が発表する1月の景況指数だ。2日に製造業、4日に非製造業の指数が発表予定。米主要経済指標の中で最も早く発表され、企業センチメントを反映して景気転換の先行指標とされているだけに、年明けの動向を見極める上で重要視されている。 同指数が50%を超えれば景気拡大、下回ると景気後退を示すと言われるが、 12月までに製造業は11カ月連続、非製造業は3カ月連続で50%を下回る。ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミストに調査したところ、1月の製造業は 33%と、算出来最低を記録した12月(32.4%)とほぼ横ばいの見通し。非製造業は39%と、12月(40.6%)を下回るとみられている。 米長期金利の上昇も気掛かりだ。29日の米10年物国債利回りは2.86%と、 11月28日以来の高水準で終了。昨年12月末には2%割れ目前まで下落していたが、1カ月半かけて徐々に上昇してきた。野村証券投資情報部の品田民治課長は、「景気対策による国債増発リスクを意識した動き」と指摘。米金利上昇が続けば、資金調達コストの増加による企業収益の悪化や、住宅市場の底打ちの遅れなどにつながり、米国株相場の重しになる可能性がある。 「バッドバンク」期待持続も、米雇用統計発表 ただ、オバマ政権による政策期待は根強く、「バッドバンク」構想への期待も継続しそうだ。金融機関の損失拡大に歯止めがかかり、貸し渋りが止まれば、景気への刺激になる。米政府当局者によると、オバマ政権は来週にも金融救済策の概略を公表するという。景気回復への期待が高まれば、為替相場で円高修正が進み、輸出関連株などに買いが入る可能性はある。 MU投資顧問の野田清史シニアファンドマネージャーは、「足元の相場は強気と弱気の見方に分かれている。各国の財政出動もあり、すぐに良くはならないが、これ以上悪くなることは考えられない。相場は悲観論で過剰に押し下げられていた部分の修正が起こる」と予測する。 このほか、日本株相場にも影響を与えそうな注目材料は、米国では雇用に関する指標が注目される。4日に1月のADP雇用統計、6日に1月の雇用統計の発表が予定されており、年明けの米雇用情勢も気になるところ。また5日には、欧州中央銀行(ECB)が定例政策委員会を開催し、政策金利を発表する。為替相場の動向に神経質になっているだけに、ユーロの動きには注意したい。 PR |
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