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2009 01,22 23:37 |
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日銀がCP3兆円買取決定、社債買取も検討し企業金融支援加速 日銀は21、22日開催の金融政策決定会合で、12月会合で表明したコマーシャルペーパー(CP)の買い取りについて、債務履行能力が高いとされる「a─1」格相当に限るなどの条件を決定した。 合わせて議長である白川方明総裁が執行部に対して、残存期間1年以内の社債の買い取りを検討するよう指示したほか、金融調節の一層の円滑化を図る観点から、不動産投資法人債や不動産投資法人が振り出す手形などを適格担保とすることも決めた。利下げ余地が限られる中で、今後は流動性供給を強化することで企業金融を支援する姿勢を鮮明にした。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日銀が買い取るCPの規模は、資産担保CP(ABCP)も含め3兆円が上限。3月末まで買い取りを継続することで、年度末に向けて懸念される企業の資金繰りを支援する。白川総裁は、会合後の記者会見で「CPというのはマーケットで資金調達する最後の手段。そのCP市場の機能が大きく低下した事態に対して、日銀が買うことによってCP市場の機能回復を側面から支援する。この意味は大きい」と指摘。その上で「12月に日銀が買い入れ方針を発表したあと、日本政策投資銀行の買い入れとも相まってCPの発行環境は上位格付けを中心に改善を見てきているということも、そうした効果の大きさを潜在的に示している」と政策効果を強調した。 ただ、 社債の買い入れ検討については、須田美矢子委員は反対を表明した。白川総裁は「社債買い入れの検討を公表することは、社債市場および企業金融の動向からみて時期尚早であるという理由で反対した」と説明した。
政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は全員一致で0.1%前後に据え置いた。今後の金融政策の展開に関連し、白川総裁は「ここまでオーバーナイト金利が下がってくると、企業が実際に資金調達をする長めの資金の金利をどのように引き下げていくのか、量に関する安心感をどうやって確保するのかということが実質的に意味のある論点だ」と述べ、今後の金融政策の力点が、企業金融の支援に移る方針をにじませた。 前回会合で表明した長期国債の残存期間別の買い入れについては、1年以下を年5兆5200億円、1年超10年以下を同9兆6000億円、10年超30年以下を同9000億円、変動利付債を同6000億円、物価連動債を同1800億円とすることを決めた。 白川総裁は「国債金利を下げていくということ自体をターゲットにして政策運営をしていくということではない」と述べた。
日銀は中央銀行の財務の健全性などを確保するために、なし崩し的なリスク資産の購入には歯止めをかけたい意向。このため会合では金融商品の買い入れについての基本的な考え方も整理し、当該金融商品の市場金利が発行企業の特性如何にかかわらず全体として高騰する、あるいは市場機能が著しく低下しており、これが企業金融全体のひっ迫につながっていることなどを買い入れの条件とした。 同時に「今回発表した基本的な考え方を踏まえて、最終的に日本の経済・金融情勢をみて判断していく」と述べ、日本経済がさらに悪化した場合の政策対応に余地を残した。
会合では、昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価も行った。政策委員が予測する2009年度実質国内総生産(GDP)成長率の中央値は前年度比マイナス2.0%となり、昨年10月時点の同プラス0.6%から下方修正された。08年度も同マイナス1.8%に下方修正となり、この結果、2年連続のマイナス成長見通しとなった。 2010年度は10月時点の同プラス1.7%から伸び率は縮小したものの、同プラス1.5%のプラス成長と見込んでいる。 日銀は22日に発表した声明で、足元の景気について「大幅に悪化している」と指摘。12月の「悪化している」から下方修正した。 一方、09年度消費者物価指数(除く生鮮食品、CPI)見通しの中央値も昨年10月時点の前年比横ばい(0.0%)から同マイナス1.1%に修正。2010年度も同マイナス0.4%を予測している。 声明では、CPIについて「石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して足もと低下しており、春ごろにかけては、需給バランスの悪化も加わって、マイナスになっていく」との見通しを示したが、2010年度までの中心的な見通しとしては「中長期的な成長期待やインフレ予想が大きく変化しないもとで、2009年度後半以降、国際金融資本市場が落ち着きを取り戻し、海外経済が減速局面を脱するにつれ、日本経済も持ち直し、物価の下落幅も縮小していく」との姿を描いた。 その上で「こうした下で、見通し期間の後半には、物価安定の下での持続的成長経路へ復していく展望が開けるとみられるものの、このような見通しをめぐる不確実性は高い」と付け加えた。 日銀はこれまで、日本経済の潜在成長率を1%台の半ばから後半と推計していたが、これについて白川総裁は「少し、潜在成長率の推計は下がってきている。1%台前半という感じでみている」と語った。
CPIは予測通りなら、09年度、2010年度と2年連続で日銀が公表している中長期的な物価安定の理解(0─2%)を下回ることになる。白川総裁は「中長期的にみた予想インフレ率が変化するかどうかが非常に大事。ゾーンからはみ出たから直ちに金融政策上の対応が必要であるということでは必ずしもない」と述べ、重要なのは予想インフレ率の変化だとの認識を繰り返した。 その予想インフレ率については「今のところ大きく下落するという感じはではない」と強調した。 日本経済はデフレスパイラルに陥るのかとの質問に対しては「デフレスパイラルに陥っていくという感じではない」と否定した。
為替市場では円高が進んでいるが、白川総裁は「円高の影響、為替の変動の影響については常に注意してみている」と強調。その上で「円高は、短期的には確かに輸出企業に対して非常に大きな影響を与える。そのことは、足元の景気の悪化の1つの要因になっている」と指摘する一方で、「円高は交易条件を何がしか改善する効果を持っているわけで、そうした効果は長い目でみて実現するし、日本の企業が色々なM&A(合併・買収)を行う、あるいは海外で直接投資を行う際の採算にもプラスの影響をもたらす」とも語った。 PR |
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