踏歌節会（とうかのせちえ：たふかのせちゑ）【季節の言葉２０】

　正月の宮中で踏歌（とうか）を奏する公事（くじ）。

　踏歌とは、唐の風俗に倣（なら）って、舞人、楽人を整え、大勢が足で
地を踏み鳴らして漢詩や催馬楽（さいばら）を歌う集団舞踏で、
満月前後の夜に、地を踏み鎮める宗教的意味をもちます。
五位以上の者を招いて宴も開かれました。

　聖武天皇の頃には宮廷行事として行われていて、
歌曲の終わりに「万年阿良礼」と称するので「阿良礼走（あられ(霰)ばしり）」
とも言われています。ほかには「挿頭綿（かざしのわた）」とも言います。

　男踏歌（おとことうか）と女踏歌（おんなとうか）に分かれ、
男踏歌は正月14日または15日に、女踏歌は16日に行われていました。

　男踏歌は中世に廃絶となり、女踏歌も近世に衰微しますが、
名古屋市の熱田神宮（一月十一日）、大阪市住吉区の住吉大社（一月四日）、
熊本県一の宮町の阿蘇神社（陰暦一月三日）など神事として
その歴史をとどめています。

あらればしり笹の小篠（おざさ）の一ふし也・・・・・西和（さいわ）
瑞髪（みずかみ）も結はて妙なる踏歌かな・・・・・高田蝶衣

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