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2009 01,15 11:44 |
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「いや~、うちの妻なんてね、以前は“中国はトイレが汚いから絶対行くのはイヤ!”なんて言っていたんですけど、トイレがきれいになっただけで、途端に中国を見る目がガラッと変わっちゃったんですよ」 中国に単身赴任経験のある某大手メーカーの男性は、こう苦笑する。 毒入り餃子事件や北京五輪に沸いた昨年は、中国が最も注目された1年だった。米国発の金融危機以降、すっかり中国の話題は鳴りを潜めた感があるが、この年末年始の休暇に夫婦で北京を訪れた友人から、ちょっと面白い話を聞いた。 これまで“トイレ事情が最悪”と言われていた中国で、トイレのインフラ整備が急ピッチで進められているというのだ。そのきっかけとなったのは北京五輪だが、五輪が無事に終わって半年以上が経った現在でも、北京では着々と「トイレ革命」が進められているという。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
冒頭のように、旅先や出張先のトイレ事情がどうなっているかは、老若男女を問わず、重大な関心事である。中国の公衆トイレと言えば、これまで世界中から「汚い、臭い、汚物の山」という不名誉な“3大お墨付き”を与えられていたことで知られている。 実際、その状況は、先進国の人々には想像もできないほどひどかった。 現在、中国のトイレの形は日本の和式便器とほぼ同様であり、日本のような白い陶器製よりも金属製が多い。だがこれまでは、トイレと言っても、真ん中に穴が開いていたり、溝があって川のようになっているだけのものがほとんどであり、「個室の仕切りさえない」という有様だった。穴や溝には流されないまま“汚物の山”が放置されていることも日常茶飯事だったのである。 一部では洋式も導入されているが、やはり仕切りやフタはなく、道路からちょっと顔を覗き込めば、「中で用を足している様子がすべて丸見え」という状態。女性トイレでも、隣同士で顔が見えてしまうという。 そのためか、1980~90年代に中国に駐在したり、旅行したりしたことがある日本人は、仕切りのない丸見えトイレを「ニーハオ・トイレ」と呼び、揶揄してきた。 北京五輪前、日本のあるスポーツ選手団が中国で競技した際、悪臭やトイレでの中国人喫煙者に辟易し「中国では二度と競技したくない」と発言し、物議をかもしたこともあるほどだ。 そんな中国で、今何故「トイレ革命」が進んでいるのか? そもそも北京で「トイレ革命」が始まるきっかけとなったのは、五輪開催が決まった2001年だが、実際にインフラ整備に乗り出したのはここ数年のこと。北京市政府は2001年当時、オリンピックに向けて都市インフラに合計2800億元(約4兆2000億円)を投入すると発表した。 主に都市交通、水資源、エネルギー施設建設、環境関連のインフラ整備を重点的に行なうと公言し、昨年8月の五輪開催に照準を合わせて、整備に取り組んできたのだ。 なかでも、目玉の1つは、外国人観光客に評判の悪かったトイレを整備することだった。とくに寺院や公園などの名所旧跡や、胡同(フートン)と呼ばれる庶民が住む古い住宅地にある公衆トイレは、旅行客の目につきやすいこともあり、イメージアップのための改善が急務とされていた。 そこで、北京市政府の主導により、昨年から本格的に老朽化がひどい公衆トイレが撤去され始めた。地元のトイレメーカーなどにより、新たにステンレスや金属製のトイレが次々と設置・導入されて行き、清掃員も定期的に配置された。整備は無事オリンピック前に一通り終了した。
北京市内に住むある中国人女性は語る。 「確かに、公衆トイレは見違えるようにきれいになりましたね。マンションに住む人と違い、平屋の胡同に住む人々は(日本の昔の長屋のように)、家にトイレがない場合が多く、数軒の家族が外にある同じ公衆トイレで用を足すんですよ。市中心部だったら、少なくとも“汚物の山”と格闘することはもうなくなったでしょうね(笑)。それに個人的な感覚ですが、五輪開催に合わせて、繁華街では公衆トイレが劇的に増えた。たぶん、500~600メートルに1個ぐらいの割合で、公衆トイレが増設されたような気がします」 北京市政府も、「観光客の便宜を図るため、数百メートルに1つの目安で公衆トイレの設置に力を入れてきた」と認めており、清潔さに加えて数の上でも充実したことは確かなようだ。 また、インフラ整備が終了した公衆トイレは約5200ヵ所を超えており、今後は市郊外などにおいて、1000~2000に上る未着手の公衆トイレについても整備を進める予定だという。そのため、主に公衆トイレに使用される「低級ゾーン」の商品を売る地元トイレメーカーには、これまで相当な特需が転がり込んだことが予想される。 “名誉挽回”のためか、北京のレストランなどでは、超豪華なシャンデリアやソファばかりか、なぜかドライヤーまで備えた広々としたトイレも登場。街頭でも、巨大なてんとう虫をかたどったかわいらしい外観の公衆トイレを見かけるようになった。 北京五輪は「発展する中国」を世界中の人々に披露する場でもあっただけに、中国政府のトイレに対する並々ならぬ意気込みやコンプレックスを、このような極端な豪華版トイレからも、感じ取ることができるのだ。 インフラだけでなく、人々のマナーも向上した。以前は洋式トイレの便座に座らず、靴のまま便座の上に上って無理やり和式スタイルで用を足す人が多かったため、便座に靴跡や泥がついていることが多かったが、五輪を機に洋式トイレの使い方も劇的に向上したようだ。 その一方で、低級ゾーンとははっきりと棲み分けされた「高級ゾーンのトイレ」にも、五輪特需はあった。この分野では、日本メーカーも多大な恩恵に浴している。特に北京や上海などの大都市圏で大人気なのはダントツでTOTO製の高級トイレだ。 TOTOが本格的に中国事業に乗り出したのは、15年前の1994年。北京に合弁会社を設立し、現地生産と現地販売に取り組んだ。自社だけでなく現地で販売代理店制度も設けている。 TOTO中国総経理の安部壮一氏によると、昨年1月までの段階で、現地の販売代理店は50社に上っているという。90年代後半から始まった住宅政策により、個人の住宅所有が認められるようになってからは、温水洗浄便座「ウォシュレット」を投入。これが「かつて全く考えられなかった機能」と中国の富裕層に大当たりした。北京市には富裕層向けのトイレを展示したショールームがあり、庶民にとって憧れの的となっている。
TOTOのトイレは富裕層だけでなく、オリンピックのメインスタジアムとなった北京国家体育場、CCTV(中国中央電視台)、北京首都国際空港、上海のワールドフィナンシャルセンターなど、中国を代表する施設のほぼすべてに設置された。 その結果、5000万台といわれる中国の高級衛生陶器市場で、欧米メーカーをしのぎ、TOTOはじつに40%というトップシェアを獲得したのである。TOTOの中国事業の売上高は03年には169億円だったが、2009年には430億円を視野に入れており、今後も中国市場での拡大を目指して行くという。 ライバルのINAXも、中国進出でTOTOに遅れは取ったものの、上海など華東地域を中心に高級ホテルや富裕層向けマンションをターゲットに本格的な販売に着手し、追撃している。 このように、現在北京の関係者が果敢に挑んでいる「トイレ革命」は、中国が名実ともに発展し続ける象徴とも言えるだろう。昨年秋、北京で開かれた「農村環境衛生戦略シンポジウム」によると、中国の農村では公衆衛生が深刻な問題のひとつに挙げられており、「2010年までに公衆トイレの普及率を65%に上げる予定」との報告もあった。 内陸の農村ではまだ納屋をまるごと肥溜めにして、そこをトイレ代わりに使っているところも多く、衛生観念がほとんどないと言われている。 こうしたことからも、中国のトイレインフラにはまだまだ莫大な市場があると言えそうだ。それは、「たかがトイレ」とバカにできないほどのインパクトがある。日本メーカーにとっては、今後千載一遇の特需を掴めるチャンスになるかもしれないのだ。 ─…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─…─ ・・・ってことで「トイレ関連銘柄」ですよねぇ~・・・・・
<5332>TOTO
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