『鏡開（具足開）』【季節の言葉１７】

今日１１日は「鏡開」です。･･･って言っても京都では４日ですし、
もともと全国的には２０日に行われていたのですから、
「二十日正月（骨正月・頭正月）」の行事の一つだったのでしょう。
「二十日正月（骨正月・頭正月）」は正月行事の総決算の日ですから･･･
･･･って事で、関東以外では２０日の処も多いようです。

上記写真は京都の代表的な「鏡餅」ですが「三宝」を使用していません。

何故『三宝』を使用しないのか？

三宝は、神殿・神棚で神に捧げる物を乗せる台で、
『鏡餅』は、神への捧げ物ではなく、神を迎える為の物で、
普通は神棚に置きません。
そのため『三宝』は使用しない･････という事だそうです。
探せば他にも色々あります･･･京都の正月への『こだわり』･･･です。

鏡開き（かがみびらき）とは、正月に年神に供えた鏡餅を割リ、
雑煮や汁粉に入れて食べ、一家の円満を願う行事です。

「開き」は「割り」の忌み詞（いみことば）
 鏡は円満を、開くは末広がりを意味します。
また、鏡餅を食すことを「歯固め」と言います。これは、硬いものを食べ、
歯を丈夫にして、年神様に長寿を祈るためと言います。

　武家では、具足（鎧や兜のこと）に供えた具足餅を下げて雑煮にして食し、
これを「刃柄（はつか）」を祝うと言いました。
江戸時代に将軍と大名、大名と藩士たちが年頭に際して主の鏡餅を分け合う
ことによって主家の繁栄を祝福し、主従関係を固める意味合いがあったそうで、
この武家社会の風習が一般化したものです。
刃物で切るのは切腹を連想させるので、手や木鎚で割ります。

　これを私たちの家庭にあてはめてみますと、家庭での家族間の結束を密にし、
繁栄を祝福するのが鏡開きということになりそうですね。

また、女性が鏡台に供えた鏡餅を開く事を「初顔」を祝うといい、
二十日（はつか）にかける縁語としました。
また、「切る」「割る」という言葉を避けて「開く」という縁起の良い言葉を
使っています。

元々は松の内が終わる小正月（1月15日 (旧暦)）後の1月20日 (旧暦)に
行われていましたが、徳川家光が亡くなったのが（慶安4年　1651年）
4月20日 (旧暦)）であったため、関東では（1月20日を）忌日として避け、
後に松の内後の1月11日 (旧暦)とされました。

これとは別に、祝宴などで酒樽の蓋を木槌で割って開けることを鏡開きと
呼ぶ場合がありますが、元来は「鏡抜き」が正しい表現ですが、
「抜く」は「割る」「切る」と同じように語感が悪いとされ、
「鏡開き」ということが多くなったようです。

鏡餅ひらくや潮の満ちきたり・・・・・林　徹
山妻の金剛力や鏡割・・・・・境土ノ子
鏡開木槌の意志をふり下ろす・・・・・布川武男
大勢にわつていはふや具足餅・・・・・随言

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