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2009 01,04 10:00 |
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肥料高騰、飢餓の“芽” 肥えるメーカー 農家は悲鳴 カリ肥料生産で世界4位、ロシアの化学大手ウラルカリは昨年5月19日、ウィーンのホーフブルク宮殿で盛大なパーティーを開催した。当時は、1年半の間に8回の値上げを実現した直後。ウラルカリのボームゲートナーCEO(最高経営責任者)は、「世界中の肥料メーカーの成功と繁栄に乾杯したい」とその成功に酔いしれた。パーティーではこの後、英国人歌手ジョー・コッカー氏が、自らのカバーがかつて全英チャート1位になったビートルズの名曲「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」を披露した。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
◆収入は4倍に 米証券メリルリンチによると、ウラルカリの収入は昨年4倍に拡大、今年も9・3%の伸びが見込まれる。カナダの大手肥料メーカー、ポタシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワンは昨年7~9月(第3四半期)の決算で12億4000万ドル(約1120億円)の純利益を計上。07年通期の純利益11億ドルを上回る数字だ。 一方、ウィーンから地球半周分ほど離れたブラジル南部では、農業を営むマルティム・モルダスキ・クレンバさんがかさむ肥料代に頭を抱えている。一昨年1月以来、その負担はほぼ3倍に膨らんだ。このためクレンバさんは昨年11月から、13ヘクタールの大豆畑の肥料にニワトリのふんを使い、化学肥料が必要なトウモロコシの栽培は諦めた。「とても賄えない」とクレンバさんは肩を落とした。 ウラルカリなどの肥料メーカーは、カリ肥料価格の値下げはないと明言。カナダのポタシュは今年、肥料原料の炭酸カリウムの価格を1トン当たり100ドル引き上げる計画だ。肥料価格の高水準が続けば、昨年世界を巻き込んだ食料危機が、再発する可能性が高まってくる。 世界銀行によれば、世界67億人のうち9億6700万人が栄養不足で、人為的な原因により加速されている食料不足も原因の一部だ。「人為的な原因」とは各国の政策、商品市場での投機、農業分野への投資の失敗など。そして、カリ肥料の価格が、新たな飢餓をもたらす要因となるかもしれないのだ。 英コンサルタント企業、ファーティライザー&ケミカル・コンサルタンシーのバーナード・ブレントナル氏は、ブラジルやインド、中国などで今後、カリ肥料の需要が拡大するとみている。米地質調査所(USGS)によれば、全世界のカリ肥料の生産量は05年から07年にかけて6・1%増加したが昨年の価格上昇率は、窒素肥料やリン酸肥料の上昇率を上回った。 ◆7社が寡占 ブレントナル氏によればカリ肥料は、窒素の吸収率を高めたり、水分や太陽光の働きをより効率的にし、作物の病気への抵抗力を強められる。またリン酸肥料を使って収穫量を増やすこともできる。窒素系肥料は作物の成長の速度を速め成長率を高めるためのものだが、カリ肥料は作物の根や茎の強化のために使われるのだ。 USGSの商品スペシャリスト、スティーブン・ヤシンスキ氏は「カリ肥料の代用品は存在しない」と指摘。仮にあっても集約農業に必要な分量を確保できないという。 世界銀行によれば、昨年8~11月に、カリ肥料に使われる炭酸カリウムの平均価格は20%高い1トン当たり765ドルに。一方、窒素系肥料に使われる尿素の価格は68%下落、リン酸系肥料に使われるリン酸二アンモニウムの価格は48%下落した。 世界の炭酸カリウムの85%は、ウラルカリやポタシュのほか、イスラエル・ケミカルズ、米モザイクなど7社が支配している。13カ国が加盟するOPEC(石油輸出国機構)がコントロールしているのは世界の原油産出量の38%(ブルームバーグ調べ)であることと比較すると、主要7社の寡占度の高さが分かる。 炭酸カリウムの価格上昇は、新規参入に道を開いた。英豪系鉱山会社リオ・ティントは35億ドルを投資の上、2012年にアルゼンチンで、カリウム採掘を開始するという。豪鉱山会社BHPビリトンは、カナダのカリウム採掘企業アングロ・ポタッシュを昨年5月に買収、炭酸カリウム採掘に100億ドル規模の投資を計画している。 イスラエル・ケミカルズで肥料部門の責任者を務めるダン・チェン氏によると、新規採掘の採算ラインは1トン当たり750ドル程度。カリウムは1000メートル以上もの地中から掘り出されるため、チェン氏によれば、新規に採掘を開始するには、少なくとも25億ドルの資金と7年間の歳月が必要という。 ◇ ■乏しい地域では高く売れる ファーティライザー&ケミカルのブレントナル氏によれば、カリウムの大量生産が可能な場所は限られており「ほとんどがロシアやベラルーシ、カナダにある。他の地域から採れる量は、ごくわずか」と説明する。 だから乏しい地域では高く売れる。ウラルカリは、世界各地に先駆けてブラジルのほか東南アジアで炭酸カリウムを値上げした。ブラジルでの価格は1トン当たり1000ドルに。2007年1月には、同190ドルだった。 ◆厳しい質問には… この価格の上昇が、企業のふところを潤している。冒頭で紹介したウラルカリの昨年5月のパーティーは、その“潤い”のショーケースだった。 レオタードに身を包んだ6人のダンサーが音楽に合わせたステップで会場内を移動し、2009年用のカレンダーを披露して回った。同社のボームゲートナーCEOは、パーティーで「顧客や農家から不満や抵抗はない」と強調。当時、小麦が値上がりし、農業分野に資金が投入されていたことを理由に挙げた。しかし同CEOはその後、炭酸カリウムの価格が農産物に影響しているかについての質問には決して答えようとはしなかった。 ウラルカリは昨年11月、需要減を理由に炭酸カリウムの減産を明らかにしたが、値下げには踏み込まなかった。 肥料の高騰、信用収縮、記録的な高値を付けた主要食料品の価格が半分にまで下落したことを受けて、農業経営者は、今年の作付け量を抑制せざるを得ない可能性もある。実際に、新興国の農業経営者の中には、化学肥料に手が出せなくなるものも出始めた。大豆生産世界2位のブラジルの当局は、同国の今年の大豆収穫量が2%減となるとの見通しを示している。収穫量の減少は、ここ5年で初めてのこと。農家が肥料を購入するための融資を得られなかったことが原因だという。 前述したブラジルの農業経営者クレンバ氏は80年前に祖父が手に入れた土地を失うのではないかと気が気でない。クレンバ氏は銀行に2万レアル(約77万円)の借金がある。クレンバ氏は6月、耕運機を1万5000レアルで売却して、低価格の肥料やトラクター燃料を購入した。 パキスタンで農業を営むアブドゥル・ラシド・グジャールさんの農地は7月、小麦やトウモロコシが実り鮮やかな緑に彩られた。しかし、それ以外の土地は、雑草で覆われたままだ。植え付けするための資金が賄えなかったためだという。 ◆作付け減量も パキスタンではカリ肥料の値段は07年に、1キログラム当たり24ルピー(約48円)と、前年の2倍以上の価格となった。同国では08年、小麦の生産量が予測していた2400万トンから2180万トンに落ち込んだことを受けて、250万トン程度の小麦を輸入している。 仏穀物局のレミー・アキン氏は「長期的にみて、穀物価格が下がれば、炭酸カリウムを含む肥料の価格も下がる」と指摘。「1、2年の間、肥料価格が高止まりし続けると、農家のキャッシュフローに致命的となり作付け量を減らさなくてはならなくなるだろう」と付け加えた。(Alan Katz、Carlos Caminada) ─…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─…─ ・・・って事で、国内企業も、それを見越して 商社の穀物戦略-双日が海外で農業経営、住商は豪で小麦直接買い付け ・・・って事ですが、実際にこれから石波農林水産大臣が触れているように、
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