エリオット波動マーケット分析

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【日経平均・TOPIX】
　日経平均は89年12月高値(38957円)～92年8月安値(14194円)まで
日経平均は32ヵ月で63.56％下げた。　
さらに、00年4月高値(20833円)～03年4月安値(7603円)までは36ヵ月で63.50％下落した。
ここから、07年2月高値(18300円)から32～36ヵ月で63.50％下げると見ることができる。
すなわち、09年10月～10年2月に、日経平均は6680円で底入れすることになる。 TOPIXでは692という下値メドをあげられる。

　6680円というレベルのほかに、
82年10月１日安値の6849円付近も重要なサポート・レベルだ。
それは、74年から89年までの強気相場・(Ⅲ)波・Ｖ波におけるレッサー・デイグリー(2)波ボトムに当たる。　日経平均は10月28日に一時6994円まで下げたが、これは6849円に近い。加えて10月28日の6994円は、07年高値・18300円から▼61.78％下落したレベルに当たっており、見事な黄金分割を反映している。

　ここで、過去の相場転換点からフイボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89‥･)を当てはめてみると、08年が重要なタ－ニングポイントの年であることが示唆されている。
53年(スターリンショック底値)＋55年＝08年､74年(第1次オイルショック後の底値)＋34年＝08年、
87年(ブラックマンデー底値)＋21年＝08年、95年(92年1番底に次ぐ2番底・当時)＋13年＝08年、
00年(ITバブル天井)＋8年＝08年、03年(前回底値)＋5年＝08年。
ちなみに、20年(大正バブル大天井)に89年を加えると09年となり、これもわずか1年の違いである。
　日柄的には、上記の｢09年10月～10年2月底打ち｣という見方よりも、08年の方がより大きな意味合いを待っているといえる。それは水準・日柄面でスーパーサイクル(Ⅳ)波大底としての資格を有している。すなわちスーパーサイクル(Ｖ)波の大勢強気相場入りの可能性があり、今後も紆余曲折は予想されるものの、中長期強気スタンスで臨みたい。
　日経平均は12月22日に一時8751円まで上昇したが、上値を追う力に乏しい。
年末で参加者が少ないことに加え、一目均衡表の雪下限に連していることなどが、要因としてあげられよう。
もっとも､25日線(8347円)は既に上昇中であることや、漸(ようや)く40日線(8459円)も上昇し始めた。今後は徐々に上昇基調を強める可能性があろう。
そうであれば、年明けにも9521円(11月5日高値)を目指す局面が期待できる。
そして今後、出来高を件いながら9521円を上回ることができれば、次に10000円大台回復を窺うこととなろう。 10000円大台をクリアしてからは、11316円(6994円×1.618)、10798円(50％戻り)、11691円(3月17日安値)などを順次試すこととなろう。

　物色としては、中長期の円高基調と資源安という見通しを考慮し、内需銘柄を注目したい。もっとも、09年前半には円安傾向と資源価格のリバウンドが想定されるため、短中期では輸出関連や国際優良株、資源・市況関連株などに対するリターン・リバーサルも期待できそう。
内需銘柄のうち、特に金融、小売、通信、ネット関連、建設、運輸、紙・パルプ、などに注目したい。
これらセクターには、00年頃に天井を付けた銘柄でその後に大幅下落し、02～03年に底打ちした銘柄や、今だに低迷している銘柄が多い。チャート的には下値不安が小さいと思われる。加えてジャスダックなどの新興市場や、中小型株市場にも注目してみたい。ジャスダック指数、TOPIX小型株指数、東証2部総合指数などは､02年に付けた安値を下回っていない。その上、この夏以降、これら指数の対TOPIX相対パフォーマンスは上昇傾向を示している。新興・中小型株には内需関連銘柄が比較的多く、外国人持ち株比率も低い銘柄が多いということなどが、このところの堅調な値勣きにつながっているのかもしれない。

　上述のように、日経平均やTOPIXといったベンチマーク指数については、
09年10月～10年2月に2番底か大底を付けるタイミングとして今後も注意していかねばならない。その半面、新興・中小型株や内需関連珠に対する売り圧力は、今年半ば～10月に峠を超えたように見える。日柄的にも、ジャスダック、東証2部、TOPIXスモール(小型株)、これら指数の調整は06年1月高値から今年10月安値までで34ヵ月(フイボナッチ数)を経過している。つまり新興・中小型株指数のこれまでの下げ幅と下げ期間は、いずれも底打ちの条件を満たしている。
　日経平均の年足が2年連続陰線となるのは確実だが、逆に3年連続陰線(06年～08年)となっている業種・指数の多くについては、09年を通じての上昇が期待できるだろう(4年連続陰線となることは非常に稀である)。ジャスダックなど新興指数、東証2部などの中小型株指数は3年連続陰線。東証33業種のうち3年連続陰線なのは、建設、繊維、石油・石炭、ガラス・土石、非鉄、陸運、倉庫運輸、情報通信、小売、銀行、証券、保険、その他金融、サービスの14業種。これらは09年足陽線の候補である。尚、紙・パルプは06年～07年と2年連続安のあと08年は陽線となる可能性があるが、形状としては長い下ヒゲを持つ「タクリ」となっており、底打ち感の強いパターンである。
三菱ＵＦＪ証券　チーフ・テクニカルアナリスト　宮田　直彦