人生と財産（私の財産告白）　本多静六（後編）

　さて、ワタシは現在、仮題

『濃密に稼げる！200万円を最低２億円に100倍速カリスマ･テクニック
裏情報』

なるモノを執筆中なのですが、皆様にどうすれば判りやすく
そして確実に儲けて戴くかを、図解入りで執筆中です。

元々プレゼン資料等は仕事で得意でしたが、アタマが理数系な為、
物書き経験はブログ経験しか無い為、苦労の連続ですが結局、
ブログっぽい書き方となっていますが、完成の暁には、
どうか読んで下さると幸いです。

多分･･･ワタシの相場テクニックを知ったら、ビックリするかと思います。
相場の中にこんなテクニックが隠れていたのか･･･って思いますよ。
間違っても相場等の本には全く無いテクニックで、誰が読んでも出来る･･･
･･･素人が読んでも出来るように執筆中です。

現在、相場の世界は混沌としてきて、ヘッジファンド連中すら退場を
余儀なくされています。そんな中、コレを知っているかどうかで、
天国と地獄の差が出ることでしょう。
どうすれば儲けられるか！･･･を追求しています。

『200万円を最低２億円』･･･って書いてありますが、本当は１年間で７億円です。
ただ、そんなに巧く行く事は相場には滅多にないので、
素人でも到達できる金額の『２億円』としたまでで、この数字は過少評価です。
実際にワタシがして来た事ですので、楽しみにしていて下さいね。
コマーシャル･メッセージはこの辺にして、

人生と財産（私の財産告白）　本多静六（後編）に
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人生と財産（私の財産告白）　本多静六（後編）

○財産蓄積に対する疑惑
　金を溜めてどうする？財産を拵えて、はたしてなんにしようというのか？これは、金を溜めた人も、溜めない人も一様に取り上げてみる問題である。ことに金をため、財産を拵える人を側から見て、金をためず、財産も拵えない人たちの心配となり、陰口といい話題となるのであるが、ご本人としても実は歳を取るにつれいささか気になりだす自己疑惑である。
　昔、渋澤栄一翁が埼玉県人会のある席で、私が職業道楽論を一席述べた後に起たれて、
　「若い頃自分の故郷に、阿賀野九十郎という７０いくつになる老人があって、朝早くから夜晩遅くまで商売一途に精を出していたが、ある時孫や曾孫達が集まり、おじいさん、もうそんなにして働かないでも、うちには金も田地もたくさん出来たじゃないか。伊香保かどっか湯治にでもいってゆっくりしたらどうですと勧めたところ、九十郎老人の曰く、俺の働くのは俺の道楽で、今更俺に働くなというのは、俺にせっかくの道楽をやめろというようなものだ。全く持って親不孝の奴らだ。それにお前達はすぐ金カネ言うが、金なんか俺の道楽の粕なんだ。そんなものはどうだっていいじゃないかと言われた。諸君も本多の説に従って盛んに職業道楽をやられ、ついでに、また盛んに道楽の粕をためることです。」
　と述べられたが、ともかく、金なんて問題ではないという人も、あまり粕が溜まってくると、時としてどうしたものかといった心配もでてき、はたの連中まで気を揉みだす。
　この問題について、実は私も心ひそかに考え抜いてきたのであった。埼玉県有林の寄付行為なども、その実際的解決手段の一例であったが、自ら顧みて今だ全く満足というところまでは、いかなかった。

○子孫の幸福と財産
　いったい、財産を作る最初の目的は、誰しも生活の安定とか、経済的な自立とかにおかれるものであるが、それがいつしか「子孫の幸福」につながる親心に発するものとなってくる場合が、大部分である。
　すなわち、できるだけ多くの財産をこしらえて、できるだけ多く子孫に伝えたいといった世俗的な考えに変化してくるものである。恥ずかしながら、私にも多少そうした愚かさが萌さないでもなかった。私もわが子孫の幸福について考えるに、まず子孫を健康に育て、完全な教育を施し、かつ相当な財産を分与してやりさえすれば、それで十分に幸せにさせられるものと早合点したのである。これは甚だ間違った考えで、最後の相当な財産の分与などは全く考慮する必要がなく、それはかえって子孫を不幸に陥れるものだと漸次気づくに至ったのである。
　「幸福とは何ぞや？」という問題になると、少しやかましくなるが、それはけっして親から譲ろうと思って譲れるものではなく、また貰おうと思って貰えるものでもない。畢竟（ひっきょう）、幸福は各自、自分自身の努力と修養によって勝ち得られ、感じられるもので、ただ教育とか財産さえ与えてやればそれで達成できるものではない。
　健康も大切、教育も大切、しかし、世間で最も大切だと早合点されている財産だけは、全く不用で、それよりももっと大切なのは、一生涯絶えざる精神向上の気魄（きはく）、努力奮闘の精神であって、これをその生活習慣の中に十分沁みこませる事である。
　財産がいくばくかできて、その財産と子孫の幸福とを関連させて静かに考えた時、私は遅まきながらこうした結論に到達したのである。
　ここで、私も大学の定年退職を機会に、西郷南洲の口吻を真似るわけではないが、「児孫（じそん）のために美田を買わず」と、新たに決意を表明、必要による最小限度の財産だけを残し、他は全部これを学校、教育、公益の関係諸財団へ提供寄付することにしてしまったのである。
　これが、私が考え抜いた上の財産処分法であり、またかねてから結論付けていた「子孫を幸福にする法」の端的な実行でもあったのである。

○二杯の天丼はうまく食えぬ
　ずいぶんと古い話だが、私が苦学生時代に、生まれて初めて一杯の天丼にありついた時、全く世の中にはこんなにもうまいものがあるのかと驚嘆した。ところは上野広小路の梅月、ご馳走してくれたのは金子の叔父であった。
　その時の日記を繰り返してみると、
　「ソノ美味筆舌ニ尽シ難ク、モー一杯食ベタカリシモ遠慮シテオイタ、ソノ価三銭五厘ナリ、願ワクバ時来ツテ天丼二杯ヅツ食ベラレルヤウニナレカシ」と記されている。
　後年海外留学から帰ってきて、早速この宿願の「天丼ニ杯」を試みた。ところが、とても食いきれなかったし、またそれほとうまくもなかった。この現実暴露の悲哀は何につけても同じことがいえる。
　贅沢生活の欲望や財産蓄積の希望についてもそうであって、月１万円の生活をする人が、２万円の生活にこぎつけても幸福は２倍にならぬし、１０万円の財産に達しても、ただそれだけでは、なんらの幸福倍加にはならない。
　いったい、人生の幸福というものは、現在の生活自体より、むしろ、その生活の動きの方向が、上り坂か、下り坂か、上向きつつあるか、下向きつつあるかによって決定せられるものである。
　つまり、現在ある地位の高下によるのではなく、動きつつある方向の如何にあるのである。従って、大金持ちに生まれた人や、既に大金持ちになった人は既に坂の頂上にいるので、それより上に向うのは容易ではなく、ともすれば転げ落ちそうになり、そこにいつも心配が絶えぬが、坂の下や中途にあるものは、それ以下に落ちる事もなく、また少しの努力で上へ登る一方なのだから、かえって幸福に感ずる機会が多いという事になる。
　すなわち、天丼を二杯も三杯も目の前に運ばせて、その一杯を平らげるのは、せっかくのものもうまく食えない。一杯の天丼だけを注文して舌鼓を打つところに、本当の味わいがあり、食味の快楽がある。多少の財産を自ら持ってみて、私はこうした天丼哲学というか、人生哲学というか、ともかく、一つの自得の道を発見することが出来たのである。

○二つの中の一つの道
　世の中に金というものがなくならない以上、金を無視して何人も生活することはできない。社会に財産権というものが存在する以上、これを自分勝手に否定しては誰しも一人前の世渡りはできない。「人間万事金の世の中」とは、昔から言い古された言葉であるが、依然今日でもその通用性に変わりはない。
　要するに、いわゆる世俗的な成功の第一義は、まず何としても経済生活の独立にある。これなくしては何事の成功もおぼつかなく、またどんな成功も本当の成功と世間では見てくれない。
　ところで、この人生に最も大切な経済生活の独立には、何職、何業に関わらず、「積極的に働いて、消極的に節約耐乏」するより外に道はない。いくら働いても節約しなければ、ザルに水を盛るようなものだ。またいくら節約しても（節約を通り越して吝嗇すらしても）働かなければ駄目。それはちょうど徳利の中の水を守るようなもので、ついには腐って臭気を発するばかりだ。
　もとより吝嗇と節倹とは、全く別物である。吝嗇は当然出すべきものを出さず、義理人情を欠いてまでも欲張ることで、節倹とは似て非なるも甚だしい。節倹は出すべきものをチャンと出し、義理人情も立派に尽くすが、ただ自分に対してだけは、足るを知り、分に安んじ、一切の無駄排して自己を抑制する生活を指すのである。
　ところが、この両者が実際世間からは往々同一視せられ、節倹がいかにもしみったれな、吝嗇であるかのように罵られ易い。ここで、大抵の人には節倹の辛抱が出来なくなり、また辛抱が出来難いことの口実になってしまう。だが、今日の実際生活には、世間から吝嗇と笑われつつ金を残すか、あるいはまた世間から気前がよいとおだてられつつ一生をピイピイして過ごすか、二つの中一つの道を選ばなければならない。
　そこで、私も敢然意を決して前者を採ったのは、今まで色々話を続けてきた通りである。
　そうして、この確信のよって来るところは、「前者は初めケチン坊と罵られても、後には実力の蓄積によって本当の気前のいい人に成り切ることもできるが、後者は気前のよさにおいても実は大したこともできぬくせに、後にはかえって哀れな者よ、馬鹿よ、意気地なしよと罵られ、ついには他人に迷惑をかける事が必至である」と考えたからである。

注釈
後編については、貧乏人にはあまり関係のない話だが、将来小金が出来た時に
迷わぬように、今から考えていて悪くない話だと思う。
「たかが金、されど金」である。