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2008 09,18 09:00 |
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海の向こうでIT相場を操る黒い陰 元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』 ■新興株の時代はもう終焉したのか 日本の新興株市場が静まり返って久しい。2006年1月のライブドア・ショックで大幅下落して以来、2年半経過した現在でも低迷が続いている。大手メディアを買収するという冒険に出たためだろう、ライブドアについて、その後もメディアでは「自分で汗水を流さず、既にある企業を次々に買収して儲ける」と批判し続けた。しかし、「IT」「グローバル化」の潮流に乗ったライブドア、そして“ホリエモン”の立ち居振る舞いに熱狂するファンも多かったこともまた事実なのだ。 とにもかくにも、ライブドアが企業買収を次々と行うためにはまず自らの企業を身の丈以上に大きく見せる必要があった。その結果、破綻の道へと進む運命になったのである。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ライブドア元幹部は逮捕・起訴され、堀江元ライブドア社長は1審、2審で懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けた。現在は上告審に向け準備中であるが、4人の弁護団が揃って辞任届を提出するなど、正直、辛い状況に追い込まれているようだ。
マネーが織り成す「世界の潮目」を追うことを生業とする中、この関連で気になるニュースが1つあった。かのヒズボラが、“Facebook”を通じてイスラエル国防軍(IDF)に対するスパイ活動を行っているというのである(9月5日付イスラエル・アルツシェバ参照)。 ヒズボラとは、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派武装組織のことだ。ヒズボラは2006年7月、イスラエルに対して国境侵犯攻撃を仕掛けたが、これに対しイスラエル側は即座にレバノンへの報復攻撃を実施。それ以降、ヒズボラとイスラエルは「水と油」の関係にある。 他方、“Facebook”とは、ネット上で実名など本物の個人情報を公開することを特徴とする世界最大級のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だ。2004年に米国で産声を上げて以来、今や世界で1億900万人もが利用するサイに成長した。ヒズボラは、この“Facebook”で丸裸にされている個人情報を利用することで、イスラエル軍兵士たちの下調べをしているのだという。ITとインテリジェンス機関が交錯する隠微な世界がそこにはある。 ここで1つの興味深い事実を思い出すべきだろう。そもそもITとは、米ソ冷戦が真っ盛りの頃、複数の離れたコンピューターを繋ぐ通信手段として発明されたものなのだ。そして最も力を入れてこの技術を研究しているのがインテリジェンス機関だったのである。 その後、そこで開発された技術をベンチャー企業に植え付け、米国のインテリジェンス機関が自ら作ったエンジェル・ファンドがそこに投資、ついには株式を上場させ、最終的にインテリジェンス機関自身が莫大な利益を得るという仕組みが出来上がったのである。その最も有名な例として、In-Q-Telというファンドがある。In-Q-Telを1999年に立ち上げたのは米国中央情報局(CIA)である。 このファンドは、米国内で国家安全保障のための最先端技術を開発しているベンチャー企業に投資している。米系最大の検索サイト Google はそうしたベンチャー企業の開発した技術を多数用いることで知られている。その見返りとしてCIAが多額の収入を得たことは言うまでもないのだ。 先程のヒズボラの例だけを見ると、インテリジェンス機関がITを乱用しているかのようにも見える。しかし、このように史実を明らかにすると、ITはもともとインテリジェンス機関のために生まれたものであり、その後も両者は切っても切れない関係にあることが分かるのだ。 それではひるがえって考えると、今、日本の新興IT銘柄が低迷していることは何を意味するのだろうか?上記の流れから素直に考えると、米国インテリジェンス機関の新たな野望が隠れている可能性も拭い切れないのではないだろうか。そもそもITとは米国から移植されたものなのである。それがマーケットで低迷しているからといって、親元である米国勢自身がITを見限ったとは言えない。むしろ逆で、米国勢として密かにITマーケットにおける「選手交代」を図り、自らも儲けたいがために、日本の新興IT企業といわば“放置”しているに過ぎないのかもしれないのだ。この場合、「潮目」は正にこれからやってくることになろう。
ちなみに、日本新興市場と同じく現在“苦戦”を強いられているのが、米民主党のオバマ大統領候補である。9月1日から4日にかけて行われた米国共和党党大会で、マケイン共和党大統領候補は元・準ミス・アラスカのサラ・ペイリン知事を副大統領候補に指名した。それ以降、ペイリン人気がマケインを後押しし、マケインの支持率がオバマの支持率を上回ったとの報道まで出ている。当然、オバマは支持率拡大に必死だ。 そのオバマの選挙活動を支えているが、実はITなのである。オバマはこれまで“Facebook”の他、ネット上で動画を共有する“Youtube”や独自のSNSを活用し、ネット上で支持を拡大してきた。特に、IT世代と呼ばれる若者層の支持率が高く、オバマを応援するネット・アイドルまで登場したほどである。更に、2008年に行ったキャンペーンを通じて、オバマはネット上でおよそ10億ドルもの資金を集めたとの報道すらある(6月12日付英BBCニュース参照)。IT関連企業とオバマの強いつながりは明らかなのだ。 こうしたことから、仮にオバマが次期大統領として11月に選出されれば、米国経済の復活と共にITセクターが再度盛り上がりを見せる可能性は高いのだ。当然、米国でのそうしたITセクターの状況激変は海を渡って日本へやってくる。その意味で、まさに現在の新興IT株は「上げの前の下げ」と言えるのだろう。海の向こうでIT相場を操る本当の黒幕を知れば、私たち日本の個人投資家・ビジネスマンとして、米大統領選挙もまた「潮目」の予兆として目が離せないのである。
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