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2008 09,17 15:00 |
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iza β版 大手証券の一角を占めるリーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)に発展した米国の金融危機は、日本が平成9年から10年にかけて経験した危機と、その歩みが酷似してきた。日本は公的資金の投入に躊躇(ちゅうちよ)し、結果として国民負担が膨らみ、「失われた10年」と呼ばれる長期低迷を余儀なくされた。米政府も、公的資金の本格投入には依然として及び腰で、日本の二の舞となる懸念がぬぐえない。(本田誠) 「さしずめ今年3月に経営危機が表面化したベアー・スターンズが三洋証券 ある日銀幹部は、リーマン破綻に強い既視感を感じている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
平成9年11月に日本は戦後最悪の金融危機に見舞われた。3日に三洋証券が会社更生法を申請したのを皮切りに、17日に北海道拓殖銀行が当時の大蔵省から業務停止命令を受け、24日には四大証券の一角の山一証券が自主廃業を申請し、次々に破綻した。 破綻の連鎖の原因は、現在の米国の金融市場で起きている信用不安だ。金融機関が資金をやり取りする短期金融市場では、破綻による回収不能を恐れた疑心暗から誰も資金を出さなくなった。経営が悪化している金融機関は資金繰りに行き詰り破綻に追い込まれた。 日本の金融危機の根底には、バブル経済時代に競うように貸し込んだ不動産関連融資が大量に焦げ付くという不良債権問題があった。米国も低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に象徴される住宅バブルの崩壊が根底にあり、その構図は「二重写し」だ。 日本政府も米国と同様に公的資金の投入には及び腰だった。7年に住宅金融専門会社(住専)の破綻処理に6850億円の公的資金を投入し、世論の強い批判を浴びたことが「後遺症」となっていたためだ。 しかし、9年の破綻連鎖を受け、ようやく重い腰を上げる。10年2月に30兆円の公的資金枠を設けた金融安定化法が成立。同10月の日本長期信用銀行(現・新生銀行)、12月の日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)の破綻では、一時国有化により公的資金が活用された。 不良債権処理問題を先送りしてきた結果、破綻処理による国民負担はすでに確定しているだけで10兆円超に達している。 さらに、日本は破綻処理だけでなく、大手銀行への公的資金による資本注入にも踏み切る。巨額の不良債権処理で資本不足に陥った銀行による貸し渋りが深刻化したためだ。資本注入額は、経営悪化で実質国有化されたりそな銀行を含め最終的に総額12兆4000億円に上る。 米政府は、ベア・スターンズに加え、政府系住宅金融2社には公的資金を活用し救済するが、リーマンに対しては公的資金を使わず見殺しにした格好だ。市場では「リーマンも救うべきだった」との声が強い。 米銀はサブプライム関連の損失処理による資本不足から貸し渋りを強めており、実体経済に深刻な影響が及んでおり、解消には日本と同様の資本注入が不可避だ。 クレディ・スイス証券の白川浩道チーフ・エコノミストは「米国の次は、日本の拓銀だ。つまり商業銀行の破綻が本格的な米金融危機の引き金となる。そうなれば米政府も動かざるを得ない」と指摘する。 しかし、破綻の連鎖による米国発の金融危機が世界経済に及ぼす影響は、日本発とは比較にならない。日本の経験を生かせるかが問われている。 PR |
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