ＡＩＧ取締役会、850億ドル規模の政府主導救済策を承認＝ＷＳＪ

ロイターNEWS　2008年 09月 17日 09:43 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK826105920080917

　米ウォールストリート・ジャーナル紙は複数の関係筋の話として、
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ（ＡＩＧ）の取締役会が、
政府主導の８５０億ドル規模の救済策を承認したと報じた。

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米金融危機の次の焦点は保険大手アメリカンインターナショナルグループだ。
【10秒で読む日経】2008/9/17
http://archive.mag2.com/0000102800/index.html

★先週末のリーマンブラザーズの破綻を受けて、世界の金融市場が混乱に
　陥ったが、市場が最も怖れたのはＡＩＧの破綻だ。

　メリルリンチが慌ててバンクオブアメリカに吸収されたのも、この波及を
怖れての行為とも見られている。

市場が怖れているのは、ＡＩＧを保険会社とは見ていないからだ。

昨日書いたクレジットデフォルトスワップ（ＣＤＳ）市場の中心プレーヤーの
中心選手がＡＩＧファイナンシャルプロダクツ（ＡＩＧＦＰ）だからだ。

ＣＤＳは、自己の債権債務内容を明らかにしてできるものだから、
銀行はライバル行に詳しく教えたくないのがホンネ。

そこで、銀行同士の交渉でなく、間にＡＩＧＦＰのような第３者が入って
契約を結んでＣＤＳを流通させれば、実情を明かさずに取引できるので
ＡＩＧＦＰが中心プレーヤーになったのだ。

そのＣＤＳの発行残高は約６５００兆円と見られている。
日本のＧＤＰの実に１２倍で、アメリカのＧＤＰの３倍にもなる。

ＣＤＳは清算機構もないし、規制機関も無いし、報告義務も無いので
その実情は不明。そして、どれだけＡＩＧＦＰが絡んでいるかも不明。

ただ、ＡＩＧが破綻すれば、８月にＡＩＧが報告した４６兆円の契約以上の
デリバティブがパーになり、世界中あちこちの金融機関に玉突きデフォルトを
もたらす可能性がある。

また、ＡＩＧはモーゲージ市場に多大の資産を持っているし、企業貸付も
沢山しているし、ヘッジファンドに大量の投資をしている。

破綻の際には、これらの資金が即回収に向かうので、各市場で更なる大量の
売りがでて、更なる市場下落に向かうことになる。

こうした現状を知ってか知らずか、米当局は先週末にＡＩＧからの４兆円の
繋ぎ融資を断った。

少なくとも、この判断ミスは高いものに付きそうだ。
この結果は、もうすぐ判明する。