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2008 08,30 09:00 |
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経済対策に厳しい海外勢、株高はNY高・生産が材料 ロイターNEWS 2008年 08月 29日 17:01 JST 東京市場は株高/債券高。NY株高や予想を上回った鉱工業生産などが株買いの材料とされ、日経平均は1万3000円を回復した。一方、政府・与党が策定する総合経済対策については、海外投資家は冷めた見方をしているとの受け止め方が多い。 一方、株高にもかかわらず円債が買われたのは月末の年金買いなどの需給要因が大きかった。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
<株高は一過性か> 株式市場では日経平均が続伸し、1万3000円台を回復した。前日の米国株式市場でダウ平均が200ドルを超す大幅高となったことを受けて、幅広い銘柄に買いが先行した。「先物高が裁定買いを誘発した。月末で投信買いが入るとの期待感もあり上げ幅が拡大した」(準大手証券エクイティ部)という。 原油安や為替の落ち着きなど外部環境が改善していることに加え、寄り前に発表された7月鉱工業生産速報が予想を上回ってプラスになったことも株価の追い風になった。 午後に入って一段高になった局面では、米国年金による買いの観測も聞かれた。大手証券エクイティ部では「米国年金の買い観測に加え、きょう大引け基準でMSCIのリバランスが行われ、やや買い越しになるとの思惑も出ている。一方、先物には9月中間決算を控えた国内機関投資家のヘッジ売りが出て上値を抑えている」と話す。別の国内証券筋は月末特有のドレッシング買いを指摘していた。 ただ、慎重論も根強い。鉱工業生産が良かったととはいえ「裾野が広い自動車の減産はこれからであり、電機、精密なども調整が見込まれる。先行きを考えれば警戒感は解けない」(SMBCフレンド証券投資情報部部長の中西文行氏)と、景気減速への懸念は根強い。 日興コーディアル証券シニアストラテジストの河田剛氏は「米4─6月GDP改定値が予想以上の上方修正となり、日米の株価に追い風になったが、7月以降、日欧の景気が落ちてきており、米減税効果もはく落することを考えれば、4─6月期の反動のでる7─9月期のGDPがむしろ懸念される。株価の押し上げ効果は一時的なものに終わるだろう」と話している。 <総合経済対策には期待せず> 総合経済対策に関しては、きょうの株価上昇の材料にはなっていない、との声が聞かれた。 新生証券アセットマネジメント部長の作本覚氏は、きょうの株高は日本の景気対策への期待からではなく、米国株の上昇を好感した、と言い切る。作本氏は、「景気対策を打とうとしても財源面から制約がかかリ、大規模な公共工事などが盛り込めるわけではないことを市場は見透かしている。はじめから日本の景気対策には期待を持っていない」という。 定額減税についても「現在のように景気の先行きが不透明ななかでは貯蓄に回るだけで個人消費の刺激効果は限定的だ。先行きの総選挙の行方を占ううえでの決定打にもならない」と話している。 バンク・オブ・アメリカ、日本チーフエコノミストの藤井知子氏も「総合経済対策は寄せ集めで、総額が11兆円と大きい割に真水は2兆円程度にとどまり、効果に乏しい」と厳しい見方をしている。 藤井氏は「補正予算での国債増発は最小限で済むとみられるが、海外株式投資家の日本買いを呼ぶような対策とは思えない。景気への影響も限定的で、日本国債利回りにもほとんど影響はないだろう。市場はもともと期待もしていないので、サプライズもない」という。 バークレイズ・キャピタル証券、チーフストラテジストの森田長太郎氏は「海外勢の立場からみると、政策決定のプロセスが首尾一貫していないことから、政治体制への不信の評価につながる可能性がある。福田政権のあいまいさが批判されているだけに、総選挙で政治体制がクリアにならないと、日本株を買えないとの結論になる可能性がある」と話す。 <10年債利回り1.4%に、資金流入継続> 円債はしっかり。国債先物中心限月9月限は、前日の米債安や日経平均株価の上昇を嫌気して売りが先行。7月全国消費者物価指数(CPI)や7月鉱工業生産速報が市場予想を上回ったことも売りを誘い、一時137円99銭と8月25日以来となる138円割れの水準まで売られる場面もあった。 しかし、朝方に相次いで発表された指標は「意外に強かったが、所々に不安要因も抱えて決め手に欠けた」(国内証券)ことに加えて、米債の売り材料となった4─6月期国内総生産(GDP)改定値の上方修正も「米政府の減税効果が大きく、その効果がはく落する7─9月以降の不透明さは消えない」(国内金融機関)として、売りは続かなかった。 月内最終売買日を控えて債券インデックスの年限長期化に絡んだ現物買いが長期・超長期ゾーンに入りやすいことがサポート要因となった。 長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りは一時1.4%ちょうどまで低下し、4月18日以来約4カ月ぶりの水準をつけた。「年金基金の買い期待が大きいため、証券会社など業者主体の調整が目立っている」(外資系証券)との指摘があり、こうしたフローが国債利回りを押し下げている公算が大きい。市場には「国債先物を積み増しする動きも観測され、基本的に強地合い」との見方もあった。 市場では、「9月中旬に予定されている米金融機関の決算を控え、米金融不安が強まる可能性がある。国内でも不動産・建設関係の相次ぐ経営破たんなどで、クレジット市場でスプレッドの銘柄間格差が広がっており、安全資産とされる国債に資金が流れやすくなっている。日経平均が月末要因で1万3000円を回復しているが、株高の持続性に懐疑的。なかなか債券ポジションをショートにしくい状況だ」(国内金融機関)との声が出ている。 総合経済対策に関しては、「予算規模で2─3兆円の範囲であれば、国債発行の前倒しが進んでいることもあり、国債市場に与えるインパクトは小さい」(バークレイズ・キャピタル証の森田氏)との声が出ていた。 <ドル/円はこう着相場、他律的な動き> 一方、ドル/円相場はこう着状態が続いた。ユーロ/ドルでドル売りが進むとドル/円の上値が重くなり、ユーロ/ドルでユーロ売りが進めば、ドル/円の下値が固くなるという他律的な動きが中心だ。 朝方に消費者物価指数、失業率など一連の国内経済指標が発表されたが、外為市場は反応薄だった。外為市場は日銀が当面は金融政策を変更しないとみており「日本の金融政策は(材料として)しばらくは忘れていいもの」(外銀)との声も聞かれるほど、円は「カヤの外」だ。 総合経済対策も材料視する向きは少なかった。 ドル/円が方向感なく狭いレンジに収まっている背景にはオプション市場の動きもある。「(行使価格が)109円近辺で期間が2週間程度のものが取引されている。デジタル・オプションも109円をはさんで散らばっているので、スポットでは108円台後半は買い、109円台後半は売りというオプションがらみの売買がでやすく、スポット相場のこう着感を助長している」(邦銀)との声も聞かれる。 PR |
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