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〈千年の源氏物語〉漫画で舞台で新たな命 朝日新聞社 08/08/06 「源氏物語」が今も親しまれる理由の一つは、漫画や宝塚歌劇などの舞台が幅広いファンを獲得してきたからだ。大和和紀さんの漫画『あさきゆめみし』は累計1700万部。宝塚歌劇では秋に宇治十帖(じょう)を題材にした「夢の浮橋」が上演され、東京では源氏物語をモチーフにして落語会が開かれる。千年紀の今年、イベントもさまざまに咲き誇る。(田中京子) 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)は2月に、紫式部や源氏物語をテーマにした漫画のための棚を設けた。同ミュージアム研究員の表智之さんは「古事記などが学習漫画になる事例をのぞくと、最も漫画化されている日本の古典文学は、源氏物語だと思う。よく知られているのに、原文はそう簡単に読めないので、読者の需要がある」と話す。 書店にも、源氏物語を題材にした漫画の数々が並ぶ。原文と現代語訳を加えた江川達也さんの『源氏物語』(集英社)や、牧美也子さんの『源氏物語』(小学館)など。小泉吉宏さんの『大掴(おおづかみ)源氏物語 まろ、ん?』(幻冬舎)は、栗の実を擬人化して光源氏とし、一帖を8コマで語っていく。 大和和紀さんの『あさきゆめみし』(講談社)は中国語、インドネシア語、ドイツ語にまで翻訳された。宝塚歌劇の原作にもなり、00年と07年に上演されている。 元々は79~93年に漫画誌「mimi」などで連載された。大和さんは京都御所の写真を撮ったり、葵祭の様子を見学したりして絵のイメージをふくらませた。「登場人物の表情が浮かばないと、漫画は描けない。現代語訳を読むほか、原文を音読し、人物の顔は俳優のイメージを参考にした。美しく誇り高い六条御息所は坂東玉三郎さん、朧月夜は現代的な多岐川裕美さん、鼻に特徴がある末摘花は三木のり平さんという具合に」 ■絵にしやすい文学 源氏物語の登場人物の外見を分析した『「ブス論」で読む源氏物語』などの著書があるエッセイスト、大塚ひかりさんは、源氏物語は視覚化しやすい文学で、漫画になるのもよくわかるという。「登場人物の顔や体格の描写が詳しく、光源氏と頭中将が青海波を舞う場面など、絵になる場面も多い。女房の話し言葉がもとになっているので、吹き出しに入れるせりふも考えやすいはず」 宝塚歌劇団は11月7日~12月11日、兵庫県の宝塚大劇場で宇治十帖を題材にした月組公演「夢の浮橋」を上演する。またOSK日本歌劇団は、7月に「源氏千年夢絵巻 輪舞曲――薫と浮舟」を京都・南座で上演した。演劇評論家の天野道映さんは「宝塚歌劇やOSKは歌と踊りのレビュー形式で、舞台転換も速く、長い物語をわかりやすく表現できる」と話す。 源氏物語は戦時中、天皇の妻の密通を描いた内容などが「不敬」と考えられた。33年には東京・新歌舞伎座で上演予定の「源氏物語」が警視庁の命令で中止された。だが、戦後の50年代前半には復興の象徴のように、宝塚、歌舞伎、映画で次々と演じられた。 ■大盛況の伝説残る 51年に舟橋聖一さんの脚本で上演された歌舞伎「源氏物語」は、当時の九代目市川海老蔵さんが光源氏に。大人気で、劇場監事室まで客席として売ったエピソードが残る。宝塚では春日野八千代さん、映画では長谷川一夫さんが光源氏を演じた。以来、「源氏物語は固定客以外の客層が呼べる演目」と考えられている。 東京・博品館劇場では10月30日~11月3日、立川談春さんらの落語版源氏物語があり、京都府宇治市では来年3月、オペラ「『月の影』――源氏物語」が公開される。 江戸時代には錦絵や工芸品が源氏物語の大衆化に一役買い、今は漫画のキャラクターや俳優がその役割を担い、物語像を結ぶ――。青山学院大非常勤講師の立石和弘さんの考えだ。立石さんは「00年に宝塚で上演した『源氏物語 あさきゆめみし』は大和和紀さんの漫画が原作だが、頭中将を金髪にするなど、登場人物の個性を前面に出し、物語を大胆に再構成した。源氏物語は戦後の大衆に消費されて、原文にない表現が何度も再利用され、新しいキャラクターのイメージが定型化した」と話す。 PR |
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