2024 11,24 10:51 |
|
2008 06,29 10:00 |
|
インフレは来ない?“商品価格高騰”の先に見えるデフレの脅威 元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』 ■無分別な「インフレ脅威論」の虚を暴く 昨年後半より、世界では妙に「インフレ脅威論」が語られている。 関西テレビメディア界のホープといわれる中堅司会者が、さわやかな笑顔で切り出す。「これからどんどん食料価格が騰がっていくようですねぇ。原田さん、どう思われますか?」。 テレビでコメンテーターをつとめるのは実に難しい。なぜなら、この手の質問に対する答えは明らかに“決まって”いるからだ。要するに「これから深刻なインフレが襲ってきますよ」と答えること。これがこの場合の模範解答だったのだろう。 しかし、マネーが織り成す「世界の潮目」を追うことを生業としている身として、 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
「確かに一部の穀物価格は騰がっているし、原油価格も騰がっています。でも、これって実際の需要供給バランスによるものっていうよりも、むしろ先物取引によって吊り上げられているのですよ。したがって、投機的売買が逆向きに行われるようになれば、たちまち値崩れします。インフレは脅威じゃないですね」。 この時、隣に座っていた、某経済官僚OB氏が俄然、大声で叫び始めた。「いや、そんなことはない。これからはインフレだ。原油がどんどん高くなって、それにつられて大変なことになる」。ここですかさずCM。テレビ、特にワイドショー番組に“議論”などありえないのだ。結局、最後には大声でCM直前までしゃべりきった者が勝ち。そこには真実をきっちりと視聴者に伝えようなどという良心は全く見られないのである。 このコラムの賢明な読者の皆様は、既にお気づきであろう。 つまり、「下げのための上げ」なのである。これを語らずして、無分別なインフレ脅威論を語る者には、次のように問いかけるべきなのだ。「アナタ、一体、そんなに騒いで何を狙っているのですか?」と。
現在のマーケットは単純な構図で描き出せるものではない。それなのに簡単な絵柄で説明を試みようとする向きは、明らかに何かを隠ぺいし、あるいはどこかに誘導しようとする悪意を持っていると思って間違いない。 この「インフレ脅威論」についても同じである。よくよく考えてみれば、サブプライム問題とは不動産価格の下落、すなわち“資産価格の調整”によって米国で生じているものなのだ。価格の下落がここまで大幅に起こっているというのに、それでもなお「インフレだ」と騒ぐのにはそもそも無理がある。 そこで持ち出されたのが、実需とは関係なく、「上げる時は上げる、下げる時は下げる」ための道具立てとしての商品先物取引なのであろう。百歩譲って、それにより“インフレ傾向”が演出されているとしても、気になるのは“その次”ではなかろうか。 この観点で大変気になる報道を最近見つけた。「インフレよりも、むしろデフレこそ、間もなく私たちの心配材料となるであろう」という記事である(6月16日付英デイリー・テレグラフ参照)。これによればまず、現在の状況を石油ショックのあった70年代と単純に比較するのは全くの誤りなのだという。 なぜなら、後者では石油国有化といった実際の需給バランスを大きく揺るがす出来事があったのに対し、前者ではあくまでも“価格高騰”は商品先物取引によって誘導されているに過ぎないからである。 さらにいうと、現在すでに各国の中央銀行たちは一斉に「インフレ退治」に乗り出しつつある。本来、サブプライム問題を背景とした景気減退を恐れ、金利を引き下げることで景気浮揚を図るべきなのであろうが、これがインフレを加速させてしまっていると叫ばれている。そのため、欧米ではもはや「インフレ退治のための金利引き上げ」が秒読みとまで言われつつあるのだ。 仮にこれが徹底して行われたとすると、そもそも“価格高騰”が商品先物取引という仕掛けによって支えられているに過ぎない分、あっという間に価格は急降下することであろう。すると、そこに見えるのはインフレではなく、むしろ深刻な「デフレ」なのではないだろうかというのである。
「インフレ」が騒がれて久しいが、冷静に考えるとファンドや投資銀行などの“越境する投資主体”たちは、むしろ最初から「デフレ」に最終的な流れがなることを念頭に動いてきた感が強いのである。その典型が、このコラムでも触れたことのある、大陸欧州における商業銀行をめぐる大再編劇、あるいは日本の郵政民営化、とりわけ“ゆうちょ銀行の上場”“地銀の再編”なのだ。 なぜなら、デフレーション(=価格の超下落した「大バーゲン・セール状態」)になった場合、最も強いのはキャッシュ(現金)を持った国家、企業、団体、そして個人だからである。その典型が、リテール(小口預金者)から預金を集め、担保を取りつつそれを企業にファイナンスする商業銀行なのである。そして、デフレーションになればなるほど、商業銀行の中でも資金量の多いものが生き残っていく展開となっていく。だからこそ、銀行再編、金融界再編だというわけなのである。 郵政民営化の中でも最大のプロジェクトである「ゆうちょ銀行の上場」も、正にこの文脈でこそ、その「仕掛け」が理解できる。同時に上場される「かんぽ保険」もあわせれば、実に350兆円ものマネーが、株式を買い占めた者の手に事実上渡るのである。だからこそ、今現在、これらの上場に際しての主幹事会社となるべく、外資系金融機関も交えた激しい争奪戦が、東京マーケットで人知れず熱く繰り広げられているのだ。 為政者たちや国内外の「越境する投資主体」たち、あるいは大手メディアが叫ぶ無分別な「インフレ脅威論」に惑わされてはならない。私たち日本の個人投資家が見据えるべきは、突然の「デフレ転換」の結果、日本が“ジパング(黄金の国)”として最後は選ばれることになるという本当の絵柄なのだから。 ・・・ってことで、ディープな方々へ! PR |
|
コメント |
なるほどね~。
物事を逆に考える力を持つのも重要ですね。 特に相場の世界では少数派に軍配が上がりますよね。 月曜辺りそろそろ打診買いか? 騰落レシオ70割れまで我慢するか悩み所です。 4813のACCESSのりバ狙ってますが買い残が多いのがちょっとね。 【2008/06/2923:36】||ばんちゃん#99150d29f5[ EDIT? ]
Re:無題
ばんちゃん、今晩は、CyberBizKizです。
ドタバタ続きでコメント欄を全くチェックしていませんでした。本当にゴメンなさい。 予想に反してまだまだ下がっていますね。本当に申し訳ございません。 どうも日経\13,000-割れ確実のようですね。逆に言うと最大のチャンスなのですが、 みなさんがチャンスに乗っかれるよう努力致します。 環境技術関連銘柄・・・"6255エヌ・ピー・シー""6256ニューフレアテクノロジー"等 なんかは、買い下がりで中期ホールドですよ! |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |