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来週の日経平均、霧の先に断がいのリスクも ロイターNEWS 2008年 05月 3日 16:02 JST 来週の東京株式市場で日経平均は上値を試す見通し。景気不透明感は以前にも増して強まっているが、見切り発車的な買いが勝っている状況だ。5月の需給環境もこれまでと違い、月を通して好環境が期待できるとの見方もある。 信用不安が解決されたわけではなく、景気後退リスクもあり、霧の向こうに突然、がけが待っている可能性もあるが、指数の上昇によって「持たざるリスク」が増し、投資家を買いに走らせている。 来週の日経平均株価の予想レンジは、1万3900円─1万4400円。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
<指数上昇で意識される「持たざるリスク」> くしくも日米の中央銀行が同じようなスタンスを取ることになった。4月30日に米連邦準備理事会(FRB)は声明で利下げ停止を示唆したかしないか微妙な言い回しをする一方、日銀も同日、「先行きの金融政策運営についてあらかじめ特定の方向性を持つことは適当ではない」(展望リポート)と引き締めと緩和のどちらにも進めるような表現を使った。景気の先行きが極めて不透明になっていることの表れと言える。 しかし、見晴らしが悪い中で株高・債券安は進行。週後半にかけて日経平均は上げ幅を広げ1万4000円大台を回復した。「米金融機関の不良資産は残っており、資産圧縮による景気下方圧力は続いている」(大手証券ストラテジスト)と慎重な見方は依然多いものの、現時点では買い方が優勢な状況だ。海外勢からは「理由はともあれ株価の上昇に乗り遅れるわけにはいかない。最後に損をするかもしれないが、それまでに稼いでおく」(欧州系証券)との声も出てきており、買い戻しだけでなく、新規資金も流入し始めている。 さらに指数の上昇や銀行株など主力株の上昇は機関投資家に「持たざるリスク」を発生させている。景気不透明感が晴れない中でも「買いに動かざるをえないようだ」(国内アセットマネジメント)とされ、株価上昇が買いを呼び、買いが株価上昇を呼ぶ展開になっている面もある。 <これまでと違う5月、需給環境に変化> 「Sell in May and Go Away」──「5月以降は株価が軟調になる傾向があるため、5月にさっさと売って休暇を取ろう」というニューヨーカーたちの その背景には米国特有の需給関係があると言われている。 だが、今年は状況が異なるとの見方が出ている。 決算発表に対する市場の反応も前中間決算までとは、様相を異にしている。減益見通しでも市場予想から大きくかい離していなければ悪材料出尽くしとして、買い戻しが入るようになっている。わずかでも市場予想を下回れば容赦なく売られていた前期までとは様変わりだ。 ユナイテッド投信投資顧問・シニアファンドマネージャーの高塚孝一氏は「日本株をアンダーウエートにしている海外投資家が多いが、ニュートラルに戻すのではないにしろ、アンダーウエートの比率を圧縮している」と指摘している。 <内外の経済イベントは乏しい> 来週の東京市場は5─6日が休場と変則日程だ。9日はマイナーSQ(特別清算指数)算出日。国内、海外の経済イベントはそれほど多くない。2日の4月米雇用統計の後は、5日に4月米ISM非製造業景気指数が目立つ程度。 4月米雇用統計は、住宅市場と信用収縮の悪化を受けて、非農業部門雇用者数が8万人減少すると予想されている。ただ、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社などが集計した4月のADP全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は1万人増加しており「上方向の振れには気をつけておく必要がある」(大手証券マーケットアナリスト)との指摘も出ている。 国内の企業決算発表では8日にトヨタ自動車(7203.T)、ソフトバンク(9984.T)、武富士(8564.T)などの消費者金融、9日に東レ(3402.T)、武田薬品工業(4502.T)、オリックス(8591.T)などが予定されている。 PR |
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