2024 11,24 09:53 |
|
2008 04,29 14:00 |
|
Nikkei Business online 2008年4月28日 上場、もはや「目標にあらず」 「5月も新規上場予定の企業が1社しかない」──。
このペースだと2008年度は80社を割り込むかもしれない。そうなれば東京証券取引所マザーズ市場、ナスダック・ジャパン(現大阪証券取引所ヘラクレス)開設が決まり「大公開時代」の幕が明けた1999年以降、最低となる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
株価低迷でチャンスを逸した上場予備軍の企業が、相場回復を身を低くして待っている。これが、IPO急減の背景にあると考えがち。しかし、実態は異なる。中小、ベンチャー企業の意識には明らかな変革が起きているのだ。
大阪府東大阪市。日本有数の中小企業密集地だ。高い技術力を持つメーカーが多いこの地でも異変が起きている。
小粒ながらも優れた技術と成長性を持ち、新興市場での上場にふさわしい実力を備えている企業がなぜ「あえて上場をしない」のか。 平本善憲・常務理事は「技術力のある企業の間で『上場したら外資やファンドに狙われる』とする声が増えた」と語る。そのきっかけとなったのは、2005年から起きた「村上ファンド」による阪神電気鉄道株の買い占め問題だ。大阪の人にとり身近な大企業である阪神電鉄。ファンドに経営を揺さぶられるなど考えもしなかった。 「ましてや小さな町工場などひとたまりもない」 東大阪の経営者からはそんな声が聞こえてくると言う。 そんな企業の1つユタカ。ネジや電子部品に使う微小球体の検査装置で世界的に高いシェアを持つ同社は、社員14人、売上高2億5000万円の町工場ながら上場意欲は強かった。 ユタカの安田憲司社長はこう語る。「上場はもう魅力ないなあ。現場をよう知らん人が株主になったらかなわんし」。これが、未上場を貫く方針に転換した理由だ。 株式を上場すれば当然、株主の意向に耳を傾けることになる。しかし、株主は目先の利益にこだわりがち。少人数で一分野に特化した技術を持つユタカのような企業では、家族的な経営で長期にわたって人材を育成し技術を伝承していく必要がある。そうなると株主との間で意見が対立することが目に見えている。 ユタカが上場しないもう1つの大きな理由は、金融機関からの融資が以前より受けやすくなったことだ。東大阪地区では、ここ数年で京都銀行や南都銀行など近隣の地方銀行が参入し、地元信用金庫と相まって中小企業融資を強化している。上場する力を備えた中小企業なら融資は十分に受けられる。上場してまで資金調達をする必要はなくなっているのだ。 上場をあえてせず、M&A(合併・買収)で大企業の傘下に入り、飛躍を目指すベンチャー企業も現れている。 結婚式場運営のディアーズ・ブレイン(東京都千代田区)は今年度中の上場を目指していた。6月には東証マザーズに上場申請する予定で、監査法人の審査も順調に進み、主幹事証券も決めていた。しかしそこまで進めておきながら4月8日、ディアーズは上場申請することをやめ、カタログ通販大手の千趣会の傘下に入る決断をした。
PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |