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2008 04,26 12:00 |
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本当の危機は5月に訪れる 元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』 ■外務省すら把握していないG7会合 私が外務省を離れてから、早いもので3年以上の月日が経った。「官から民へ」を身をもって体験してきたわけであるが、外務省の外側に行ったからこそ見えてきた出来事がいくつもある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
「大蔵省の連中はさぁ、G7について全く教えてくれないんだよ。教えてくれることといえば、G7で出された共同声明のプレスリリースだけ。一体、どんなことが本当は話されたかは教えてくれないんだ」 もちろん、外務省も負けてはいない。今では参加する国が8カ国になり「G8」と呼ばれるようになった「主要先進国首脳会議(サミット)」については、詳細を他省庁には教えないことを当時から慣例にしていた。「いやはや、霞ヶ関の縄張り意識には困ったものだ」と思ったものである。 しかし、外務省を離れ、マーケットで織り成される「マネーの潮目」を読み解くことを生業とするようになった今では、当時の大蔵省の“論理”が分からなくもないと思えてくるのだから不思議なものだ。なぜなら、G7は明らかに国家を超えた、国際金融資本の論理によって動かされている会議体だからだ。 聞こえは良いが、一体なぜそれが正しいのか、表立った説明が全くされない「財務省と日本銀行の分離論」と同じく、超国家の論理がそこにあるのだとすれば、(建前上は)国家の論理を前提に動かなければならない外務省に、G7を触らせまいとするのも当然なのである。
そのG7会合が、国際通貨基金(IMF)総会と相前後して、4月中旬に行われた(前者は11日、後者は12、13日)。G7は、とりわけ日本で財務省・日本銀行による徹底した秘密主義で守られているせいか、一体そこで何が話されているか分からないものだ。しかし、「マネーの織り成す世界の潮目」を読み解く立場からすると、今回のG7、そしてIMF総会ほど、分かりやすい図式でマーケットをめぐる今後のカレンダーを示した会合はなかったように思う。 ちなみにこれらの会合に先立つ9日、全世界の大手金融機関375社が属する「国際金融機関(IIF)」が自主行動規範を発表した。「今のサブプライム危機を乗り切るには、規制ではなく、銀行による自主規制こそが望ましい。だからそのルールをつくった」というものだ。 ところが今回のG7による共同声明を見る限り、それが認められたとは思えない。英国を代表する経済紙「フィナンシャル・タイムズ」(4月13日付)にいたっては、「銀行による自主規制プランは回避された」とまで言い切っている。G7はむしろ半ば強いるような形で「今後100日以内に、証券化された金融商品による損失を素直に申告せよ」と金融機関に対して要請したのだ。 一方、IMFはというと、中国やロシアなどが有り余る外貨準備で運用しつつある
本当の危機は、4月半ばから数えて100日以内にやってくる。このタイミングで、金融機関は政府に強いられ、損失を申告することになる。とりわけ、米国債をめぐる重大日程がすでに決まっている5月頭からはレッド・ゾーンだろう。それから夏までの間、マーケットは暗転こそすれど、陽転する可能性は乏しいといわざるを得ない。 しかし、一方において、世界でもっとも金満な国々が抱えているSWFによる投資は、その後、IMFによるお墨付きを得る形で始められるのである。その際は、「世界経済はここまで危機的な状況にさらに陥ったので、SWFの手を借りるしかない」といったプレゼンテーションがなされるのかもしれない。だが、そこからマネーの怒涛の流入が始まることはもはや明らかなのである。その結果、どういった歴史的な「潮目」が生じるかは自ずから明らかだろう。 今、世界は歴史的な転換点を迎えている。将来に対しては誰しもが確たることを言うべき立場にはないが、それでもなんらかの「潮目」が生ずる予兆は必ず現れているはずである。それをつかみとる能力、すなわち真の「情報リテラシー」を持っているか否か、私たち=日本の個人投資家は今まさに試されつつあるのだ。 【関連ブログ】 世界のSWF運用資産、2012年に7.5兆ドルまで拡大へ=米シティグループ PR |
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