今後１カ月は104～109円　
ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長、斎藤裕司氏

日経ヴェリタス　08/2/28
http://veritas.nikkei.co.jp/souba/index.aspx?id=MS3Z28009%2028022008
 
　円相場は今後１カ月、１ドル＝104～109円のレンジを中心に、
やや円高・ドル安に振れやすいと予想する。
米経済指標が相次ぎ悪化するなど、米景気後退懸念が強まっている。
一方、原油価格の高騰などを背景に、米国ではインフレ圧力も高まっている。
景気悪化と物価高が同時に進むスタグフレーション懸念もくすぶり、
米景気減速が長引くとの見方が出ている。ドルが買いにくい状況が続くだろう。

　米金利の先安観も根強い。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は３月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で政策金利を0.5％引き下げるだろう。市場はすでにその後の追加的な利下げも織り込んでおり、ドル売りの流れが優勢だろう。ドルを売って、オーストラリアドルなどの高金利通貨を買う動きが強まるとみている。資金は商品などにも向かうのではないだろうか。

　円買い・ドル売りが進む背景には季節要因もある。３月には決算に向けて、国内の機関投資家などが資金を海外から国内に移す動きも出る。円高圧力になるだろう。

　ただ、足元で国内の景気は減速している。景況感の悪化から、円を積極的に買い進める動きにはならないとみる。また、円の高値圏では輸入企業や個人投資家の円売り意欲も根強い。ドル売りが強まって円が今年の高値である104円台を突破したとしても、一時的なものにとどまるのではないだろうか。（聞き手は井土聡子）

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