2/26 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△住友商事<8053>、南アの鉄鋼原料事業を強化
住友商事は、オアスチール・インベストメント・リミテッド（オアスチール）の株式3％を追加取得し、これまでの持分権益を26％から29％に引き上げたと発表した。オアスチールはアソオアー社の権益保有持株会社。アソオアー社は、南アフリカで鉄鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石、マンガン系合金鉄及びクロム系合金鉄の生産を行っている資源鉱山会社。今回の取引では、住商が従来から所有していたアソオアー株式1.8％を、アソオアー社の創業家であるサッコ家に売却し、代わりにオアスチール株式3％を取得するという交換でオアスチール株式に集中した。今回の住商による株式取得の結果、アソオアー社の創業家の一つであるサッコ家が51％、住商が29％、Old Mutualが20％の資本構成となる。

△アーレスティ<5852>、子会社の工場を売却へ
アーレスティは、子会社のアーレスティ山形が保有する遊休資産を売却すると発表した。売却するのはアーレスティ山形が保有する埼玉県比企郡嵐山町の土地2万1336平方メートルと事務所・工場。資産売却は、グループ全体の資産効率の向上と財務体質の改善が目的。帳簿価格は土地・建物で合計6億9500万円。売却先は未定だが、今年3月末までに売却する予定だ。

△スタンレー電気<6923>、自己株式を取得へ　上限250万株
スタンレー電気は、自己株式を取得すると発表した。今回、自己株式を上限250万株を取得する。発行済株式総数の1.38％に当たる。期間は2月26日から5月30日までで、取得総額50億円が上限。同社は1月31日現在で、自己株式を671万4789株を保有している。自己株式の取得は、株主への利益還元と企業環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。

□スタンレー電気<6923>、厚生年金基金の代行返上を申請
スタンレー電気は、「将来期間の代行部分に係る支給義務の停止の認可」を2月末までに厚生労働大臣に申請すると発表した。これは、2007年12月17日に開催されたスタンレー電気厚生年金基金代議員会で、代行部分（将来分）の国への返上の決議を受けたものによるもの。これに伴って「退職給付会計に関する実務指針（中間報告）」に基づいて厚生年金基金の代行部分（将来分）にかかる退職給付債務の消滅を認識する予定。行政による認可が未定だが、今回の代行部分返上による業績への影響は、軽微の見込み。

■名古屋鉄道<9048>、名鉄クレハ観光バスを廃業へ
名古屋鉄道は、名鉄クレハ観光バスを解散すると発表した。同社では、中期経営計画の「名鉄グループ新3か年計画」でグループ経営体制の強化を基本方針に掲げ、経営資源の選択と集中を推進している。名鉄クレハ観光バスは、富山県を中心に貸切バス事業を展開してきたが、収入の減少傾向が続き、経営が悪化、事業の継続は困難と判断、4月30日で解散する。7月下旬に清算する見通し。解散に伴う名鉄の業績への影響は軽微としている。

□名古屋鉄道<9048>、バス事業を再編へ
名古屋鉄道は、グループバス事業を再編すると発表した。愛知県内のグループバス事業の効率化を図るため、連結子会社の名古屋観光日急、名鉄東部観光バス、名鉄西部観光バスの貸切バス3社を合併する。また、連結子会社の名鉄バスが新たに名鉄バス東部、名鉄バス中部の2社を設立する。愛知県内のバス事業は、グループ各社で乗合バス事業、貸切バス事業が混在している状況が続いている。今回、事業ごとに経営資源を一元化し、事業・地域に見合った効率的な経営を推進するため、再編する。貸切バス事業は、名古屋観光日急、名鉄東部観光バス、名鉄西部観光バスの3社を合併する。名鉄観光バスが存続会社となる。乗合バス事業は、連結子会社の名鉄バスが新たに受託運行主体の乗合地域子会社として名鉄バス東部、名鉄バス中部の2社を設立し、名鉄バスを中心とする乗合バス事業の経営体制を推進する。合併、新会社設立ともに営業開始日は7月1日の予定。

△ホンダ<7267>、不振の国内販売の指導体制を一新へ
ホンダは、4月1日付けで人事異動で、国内販売体制を一新する。4月1日付けで、近藤広一副社長は従来の日本営業本部長兼アメリカンホンダモーター会長から、日本営業本部長の専任となる。日米を担当してきた近藤副社長だが、収益の柱である米国に比重を置きがちで、国内の販社から日米の重要な市場を担当する体制に批判も強かった。国内の再建に本腰を入れてもらうため、日本専任となる。また、日本営業本部のナンバー2だった西前学副本部長は、国内販売を外れ、ホンダカナダの社長に異動する。代わって副本部長に就任するのは小林浩ホンダカナダ社長で、北米事業でともに働いた経験から近藤副社長が指名したもようだ。さらに、もう一つ注目されるのが、日本営業本部の神子柴寿昭四輪営業統括部CS・販売部長が、国内担当から外れ、代わってホンダファイナンスの芝利弘社長が、日本営業本部・四輪営業統括部CS・販売部長に就任する点だ。ホンダファイナンスに一旦出てから、本社の部長に登用されるのは珍しい。現場を知る人材を販売部門の責任者に据えた。ホンダの国内販売は低迷しており、軽自動車などの販売低迷で当初計画を大幅に下回り、2007年度は62万台程度になる見通し。国内販売担当役員を一新して、体制を強化する。

△ホンダ<7267>組織改正、品質保証体制強化など
ホンダは、4月1日付けで、組織改正を実施すると発表した。今回の組織改正では、「品質改革センター二輪品質改革部」、「品質改革センター四輪品質改革部」、「品質改革センター汎用品質改革部」をそれぞれ「二輪品質改革部」、「四輪品質改革部」、「汎用品質改革部」にそれぞれ名称変更するとともに、「品質保証部」を新設して、リコールなどの品質保証体制を強化する。また、「認証部」は「認証法規部」に名称を変更する。「二輪事業本部新機種センター」は廃止する。「汎用事業本部商品企画室」を新設する一方で、「汎用事業本部エンジン事業推進室」は廃止する。生産部門では、海外での生産体制の強化が一層重要となっているため、「生産本部グローバル生産システム室」を新設する。「生産本部熊本製作所二輪工場」、「生産本部熊本製作所四輪工場」を廃止し、「生産本部熊本製作所完成車工場」、「生産本部熊本製作所パワートレイン工場」を新設する。「生産本部鈴鹿製作所パワートレイン工場」は廃止し、「生産本部鈴鹿製作所エンジン工場」、「生産本部鈴鹿製作所ミッション工場」に再編する。「生産本部栃木製作所真岡工場」は廃止し、「生産本部栃木製作所パワートレイン部品工場」と「生産本部栃木製作所CVJ工場」に再編する。「事業管理本部関連会社室」は「事業管理本部関係会社室」に名称を変更する。
（レスポンス）

△三菱重工<7011>、米で火力向けガスタービン補修部品を生産
三菱重工業は米国フロリダ州で火力発電所向けにガスタービンの補修部品生産に乗り出す。約５０億円を投じて専用工場を６月から稼働させる。生産するのは通常、２―３年ごとに交換する高温部品。現在、日本から供給しているが、現地生産により、米電力会社へのサービスを迅速にする。また２０１２年にガスタービン本体も現地で年１４台を組み立てる。生産する高温部品は燃焼器やタービンの動翼・静翼など。専用工場はタービン部品の補修や蒸気タービンサービス拠点のオーランドサービスセンターの隣接地に建設する。同部品は日本から同センターに供給しているが、専用工場で同部品の供給量を数倍に増やす。当初、ガスタービン製造拠点である高砂製作所（兵庫県高砂市）から高温部品を構成するローター（翼を組み込んだシャフト）を供給し、周辺部品を現地で調達し、組みつける。将来は高温部品を一貫生産する。

△ＪＵＫＩ<6440>金属、鋳物の生産体制を強化－２０１０年度月１１００トンへ
ＪＵＫＩ金属は、鋳物の生産体制を強化する。生産設備を更新するほか、工場内のレイアウトを変更して生産効率を高める。総投資額は約８億円。月６８０トンの生産能力を２０１０年度までに同１１００トンまで引き上げる。中国に一部委託していた鋳物はＪＵＫＩ金属に戻す方針。同社はＪＵＫＩの子会社で、工業用ミシンの筐体となる鋳物を生産している。今回、電気炉２基と自動成形機を購入。工業用ミシンの国内生産拠点である大田原工場（栃木県大田原市）に供給する鋳物の生産能力を高める。試作品や試験研究用など少量の品目にも対応する。工業用ミシンの中国生産にともない、これまで鋳物も中国の協力企業に移管を進めていた。今後は国内で使われる鋳物のコア技術を国内に確保するとともに、物流コストの削減をはかるため、老朽化した設備を更新することにした。

△豊田織機<6201>、印・南米でフォークリフトの販売網を拡充
豊田自動織機はインドと南米でフォークリフトの販売網を拡充、再編する。インドは秋までにムンバイ、プネ、チェンナイに販売とサービスの拠点を開設。主要６大都市の拠点整備を完了する。また子会社のＢＴインダストリーズ（スウェーデン）と４月以降、ブラジル、アルゼンチン、インドで販売網を統合する。需要が拡大する新興地域の販売強化でトップシェアを維持する。豊田自動織機はフォークリフトで世界シェア約２５％でトップ。豊田織機とＢＴインダストリーズの販売合計台数を、２０１０年度に０７年度見込み比２２％増の２５万台に引き上げる計画。主要市場の日米欧が成熟するなか、新興地域向け比率を２０１０年度に同２・５ポイント増の２０％に高める方針。豊田織機は０６年８月にインドに参入し、海外メーカー勢で首位。需要が多い６大都市は現地法人「キルロスカトヨダテキスタイルマシナリー」（ＫＴＴＭ）が販売サービスを推進する。

△東芝機械<6104>、押出成形機工場を建て替え－組立工程を新工場に集約
東芝機械は押出成形機を生産する沼津第一工場（静岡県沼津市）を建て替える。投資額は４０億円。分散している押出成形機の組立工程を新工場に集約し、生産効率を高める狙い。０８年にも着工し、２０１０年までに稼働させる。同社は生産拠点の再整備を進めている。射出成形機のテクニカルセンターの新設も決めており、５年間で２００億円とした設備投資計画を上方修正する可能性が出てきた。建て替える第一工場の建築面積は既存工場と同じ１万１０００平方メートル。事務所などを２階に移すことで１階部分の生産スペースを拡張する。新鋭の設備を導入し、生産性も高める。沼津工場内には射出成形機のテクニカルセンターも新築する。１１月の完成後、工場棟の一部にあるテクニカルセンターを移設する。

△計測器各社、海外で生産能力を増強－プラント向け需要拡大
計測器メーカー各社が海外で生産能力を増強する。
オーバル<7727>は中国に流量計の工場を新設、０８年秋にも稼働する。
東亜ディーケーケー<6848>は０８年度中にも中国とタイで分析機器の委託生産を始める方針を固めた。新興国を中心に各種プラントの新増設が相次ぎ、計測・分析機器の需要が増している。海外で生産能力を強化することで、迅速な供給体制を構築する。
オーバルは４月に生産子会社の合肥奥巴爾儀表（合肥市）の敷地内に、２億―３億円程度を投じて工場を建設。変換器などの電子部品や流量計本体を生産し、中国などアジア全域に供給する。主要な顧客である鉄鋼・化学関連企業などが設備投資を積極化しており、迅速に対応する。東亜ディーケーケーは委託生産の企業化調査（ＦＳ）を実施し、委託先の計測・分析機器関連企業を選定している。

△凸版印刷<911>、金融機関向け商談記録システム販売に参入
凸版印刷はテクノビジュアル（大阪市淀川区）、ＯＫＩ<6703>関西サービス（同中央区）と提携し、金融機関向け商談記録システム販売に参入する。金融商品取引法（用語参照）の全面施行で、金融機関は金融商品販売時の説明記録を保存する必要に迫られている。改ざんできない記録装置を中核としてシステムを構築し、凸版が強みを持つ関西地区で先行発売する。全国での販売も計画し、凸版は関連印刷物受注も含め３年間で１００億円の売り上げを目指す。３社は３月に正式な提携契約を結ぶ。凸版印刷は販売、テクノビジュアルが装置開発・製造、ＯＫＩ関西サービスは保守サービスを受け持つ。まず地銀や信用金庫に提案し、メガバンクや損保、証券などに対象を拡大する。商談記録システムは映像音声記録装置のほか通話内容記録装置、入退室管理装置などで構成。

△Ａ＆Ｄ<7745>・日本電子<6951>・ホロン<7748>、３月にも電子銃関連事業で提携
エー・アンド・デイ（Ａ＆Ｄ）、日本電子、ホロンの３社は３月にも電子ビーム発生装置（電子銃）関連事業で提携する。Ａ＆Ｄは自社の画像処理技術などをホロンに供与し、両社で電子銃を用いた高精度の半導体検査装置を開発し、日本電子が販売に協力する。ホロンは業績が低迷し、Ａ＆Ｄと日本電子が技術や営業の面から支援する。Ａ＆Ｄは電子銃用制御回路の設計技術を持つほか、このほど高精度な画像解析処理基板を完成した。これらの技術や基板を活用し、ホロンと半導体フォトマスク用検査装置などを開発する。このほか、３社で電子銃に使う鏡筒など関連部品の研究開発にも取り組む。日本電子は海外に多くの拠点を持つ。ホロンは日本電子の協力を得ながら海外で自社製品を拡販する。３社はそれぞれ電子銃関連事業を展開しているため、事業領域が重複しないように体制や領域を調整。

△ＮＥＣ<6701>など、海外向けＰＯＳ端末開発－機能抑え小型・低価格化
ＮＥＣとＮＥＣインフロンティアは、中国、東南アジアのアパレル専門店や外食産業向けに販売時点情報管理（ＰＯＳ）端末を開発した。年内に発売する。操作部にタッチパネルを採用し、通貨やメニューを柔軟に設定できるようにした。ＰＯＳ端末の国内市場は飽和状態になりつつある。成長の見込まれる地域を開拓し、海外売上高を０９年度に２００億円とする。開発したＰＯＳ端末は日本国内向けの機種に比べ、接続するプリンターやキーボード、ディスプレーの種類を絞った。これにより回路数を減らして基板を小型化、設置面積を国内向け機種の約半分にし、価格も抑えた。米国でも発売する。新製品を含むＰＯＳ端末販売台数は中国、東南アジア、米国の３地域で０９年度に３万台を目指す。中国や東南アジアでは、現地メーカー製でＰＯＳ機能を持たず付加価値が低いレジスターが普及している。

△松下<6752>、現場のトラブルを視覚で共有化する映像管理システム開発
松下電器産業は生産現場のトラブル発生時にネットワークカメラで映像を記録、すぐに工場全体で情報を共有するシステムを開発した。工程ごとに設置したディスプレーに映像を配信する仕組み。障害後の初動を素早くするほか、トラブルの履歴を残すことで事後の原因分析に役立てる。新システム「ＤＥＪＩＤＯＮ（デジドン）」を３月半ばから販売、０８年度に２５システムの受注を目指す。新システムの導入費用はカメラ５台、配信サーバ、映像を蓄積するレコーダー、プラズマテレビなどディスプレー機器の構成で５００万円から。生産ラインに設置したディスプレーは平常時には作業の進ちょくなどを表示。サーバが製造装置や管理システムから異常を知らせる信号を受け取ると、カメラが発生現場の映像をとらえディスプレーは異常が発生した現場の映像に切り替わる。進ちょく管理システムと連携すれば作業遅れの様子などを現場全体で共有できる。

△サンコール<5985>、リングギアの中国生産を本格化
サンコールは中国で自動車用リングギアの生産を拡大する。０７年度に月１万本未満だった中国工場（広州市）の生産量を０８年度は月７万本に増やし、日系自動車メーカーの増産に対応する。一方、米国と日本のリングギア生産拠点では工程見直しなどによる生産改善を推進。両工場で０８年度中に５―１０％の効率向上を目指し、コスト競争力を確保する。中国では大手自動車部品メーカーに供給するリングギアの半製品を中心に増産する。原材料は広瀬工場（愛知県豊田市）から輸出。現地で溶接や真円加工などを施し、出荷する。中国工場は弁バネとリングギアを生産する拠点として０７年３月に完成。設備も導入済みだったが、現地調達するメーカーが少なく、リングギアは本格生産に至っていなかった。

△イビデン<4062>、全製品で材料・エネルギー使用量を半減
イビデンはＩＣパッケージやプリント基板、粒子状物質減少装置（ＤＰＦ）など全製品で、材料やエネルギーの使用量を半減するプロジェクトに着手した。生産方法の見直しなどを徹底し、コストを削減。さらに、世界的に環境意識が高まるなか環境負荷の低さを差別化に生かす。２０１０年度までに材料やエネルギー使用量を０７年度比で半減する目標とし、その達成を目指す。現在、イビデンが製品に使う銅やニッケル、パラジウムといった材料の価格が高騰。加えて、工業製品の環境負荷低減を求める声も強まっている。こうした状況を踏まえ、製造コスト削減と環境対応の両方を視野に入れた改善活動を展開する。まず、「製品の機能に関して必要のない部品や工程を徹底的に見つけ出す」（竹中裕紀社長）。そうして発見した無駄を排除し、必要があれば生産ラインも見直す。

△富士通<6702>など、ペタビット級次世代基幹ネット向け小型光スイッチ開発
富士通と富士通研究所（川崎市中原区、村野和雄社長、０４４・７５４・２６１３）は、毎秒ペタビット級（ペタは１０００兆）の基幹ネットワークを構成する小型光スイッチを開発した。半導体製の光増幅器を集積化し、初めて複数の光入力を切り替えられるようにした。試作したスイッチ基板の大きさは従来比５分の１で、冷却装置の点数を減らしたことで消費電力は半減する。ペタビット級基幹網に必要な従来比１００倍以上の毎秒１００テラビット（テラは１兆）で光信号を転送する光ノードに適用を目指す。ネットワークの大容量化が進み、１秒間に最大１００メガビット（メガは１００万）の情報を１０００万世帯へ送受信すると想定すると、２０１５年には毎秒ペタビット級の基幹網が必要とされる。富士通グループはインジウムリンなど高性能な化合物半導体を使い、ナノ秒間隔でスイッチ動作する光増幅器を開発。

△日鉱金属（新日鉱ＨＤ<5016>）、東南アの金属材料加工・販売拠点をマレーシアに集約
日鉱金属は東南アジアで金属材料をスリット（切断）加工、販売するコイルセンター拠点を再編する。シンガポールのニッポン・マイニング・シンガポール（ＮＭＳ）を４月中をめどに閉鎖。ＮＭＳの設備の大半は、マレーシアのマテリアルズ・サービス・コンプレックス・マレーシア（ＭＳＣＭ）に移し、コイルセンター機能を集約する。マレーシアには日系コネクターメーカーが進出しており、切断加工などの要望に迅速な対応を目指す。統合後のＭＳＣＭはＮＭＳのスリッター２台に加え、長尺コイルや薄物を扱える高精度のスリッター１台を新設する。切断加工能力はＮＭＳの月２００トン程度が加わって、現行比２倍の月４００トンとなる。銅合金とステンレスの切断加工を行う。ＭＳＣＭはジョホール州の保税区内にあり、大口顧客である日系コネクターメーカーの工場に隣接する。

△帝人<3401>ファーマ、新規痛風薬が欧州で高尿酸血症治療薬として承認勧告
帝人ファーマは２５日、新規通風治療薬「ＴＭＸ―６７」が、痛風に伴う高尿酸血症治療薬として欧州医薬品審査庁（ＥＭＥＡ）の諮問機関である医薬品委員会から承認勧告を受けたと発表した。ライセンス契約先であるフランスのイプセン（パリ）と０６年８月に申請していた。今後、ＥＭＥＡの最終承認を経て、イプセンが「アデニュリック」として販売する。「ＴＭＸ―６７」は、初の非プリン型選択的キサンチンオキシターゼ阻害剤で、１日１回の服用で尿酸を低下する。帝人ファーマは「ＴＭＸ―６７」を世界戦略商品として位置づけており、国内では再申請に向けて準備中。米国ではＴＡＰファーマシューティカル・プロダクツ（イリノイ州）が、追加臨床第３相試験を実施している。韓国でも臨床試験を行っており、海外企業との連携を深め、海外事業基盤の強化を図っていく。

△食品スーパー大手、都心で小型店の出店強化－簡便性高い商品政策
食品スーパー（ＳＭ）大手が都心で小型店の出店を強化している。売り場面積１０００平方メートルを切る規模の店で商品を絞り込み、商圏によっては総菜など簡便性の高い商品政策に力を入れているもので、
マルエツ<8178>は０８年度（０９年２月期）と０９年度（２０１０年２月期）は新規出店の半数程度を小型店とする計画。
またライフコーポレーション<8194>は従来は手がけていなかったが、０８年度以降は都心部に小型店を出店する意向だ。こうしたＳＭ大手の小型店戦略は、地価上昇などでＳＭに適した１５００平方メートル以上の物件が少なくなっていることに対応する狙いもある。ライフコーポレーションでは「主力である（約１５００平方メートル以上の）標準型の物件がなかなか出てこない」（岩崎高治社長）として、今後はこれまでほとんど手がけていなかった都心部駅前や新設マンションの１階などで、１０００平方メートルを切るような物件へも出店していく。

△日本レップ<8992>、佐賀に大型物流施設－来年１０月の完成目指す
日本レップは佐賀県が鳥栖市で分譲する工業団地「グリーン・ロジスティクス・パーク鳥栖」への進出を決めた。このほど大型物流施設の建設用地３万３０８３平方メートルを取得、同県などと進出協定書に調印した。総事業費は約４５億円。０９年１月に着工し、同年１０月の完成を目指す。進出地域は九州北部をカバーする流通の配送拠点などが集積しており、物流会社を中心に賃貸する構え。建設する「Ｊ―ＲＥＰロジステーション鳥栖」は２階建て、延べ床面積約３万５０００平方メートル。入居企業のニーズに合わせて倉庫スペースを細かく区分けできる。立地は九州自動車道、大分自動車道、長崎自動車道につながる鳥栖インターチェンジに近接。物流施設を賃貸する同業のプロロジスも自社で九州初の大型施設を近く開設する。

△野村<8604>証券、今夏にも個人向け貸株サービスに高利率コース追加へ
野村証券は今夏にも個人向け貸株サービスに貸株料（貸株利率）の高いコースを加える方向で検討を始めた。貸株利率は時価総額の年０・０１％と同０・００１％の２コースがあったが、他社では利率引き上げの動きが広まっており、年１―２％のコースを新設する。株券電子化が０９年に迫り、いわゆる“タンス株”の取り込みが本格化するなか、個人向け貸株サービスでは先行しているインターネット証券に対抗する形で、大手証券もタンス株取り込みに向けて動きだした。貸株サービスとは証券会社が顧客の保有する株式を借りる代わりに貸株料を支払うサービス。証券会社は借りた株式を証券会社などが相対で取引する貸株市場に貸し出す。従来、貸株は機関投資家同士の株の貸し借りだったが、０２年に松井証券、０３年にマネックス証券などインターネット証券で個人向けサービスが始まって以降、個人投資家に普及し始めた。
（日刊工業新聞）

△毎年売上の２０％を解約するワールドインテック<2429>
ワールドインテックは、企業への人材派遣と生産部門の請負業務を主に事業展開している。特色としては、単に売上を伸ばすのではなく、コンプライアンスに対する理解が薄いクライアントに対しては、１年で撤退する方針をとっていて毎年売上の２０％を解約している。また、昨今起こっている派遣法違反の問題発生を見越し、軽作業・短期派遣事業からは、数年前に撤退している。同社のコンプライアンスに対する基本的な取り組みは、製造請負基準書による取引上の事業コンプライアンスの整備と取引企業毎の順法取引スキームの構築、アンケートによる顧客メーカー・ニーズの確認、監査室による年４回の監査・指導、コンプライアンス意識の薄いメーカーとの取引内容の見直しを行うという具合に業界の模範となるように整理されている。従って、０６年に発覚した同業の偽装請負問題では、徹底したコンプライアンスの整備を実現していたことにより、逆に、一層の信頼を勝ち得て、新規顧客の開拓につながる結果となっている。今後の展開として注目される点は、２月１９日に発表された日本テクシードとの包括的業務提携の発表である。というのは、同社の所在地である福岡県の麻生知事が「北部九州自動車製造１５０万台構想」を打ち出している。従って、福岡県は、自動車関連の企業誘致、製造拠点作りには積極的に取り組むことが予想され、自動車に関して強い日本テクシードとの同社の業務提携は事業領域の拡大につながり、今後の事業の新しい柱になると予想される。
０８年１２月期の連結業績予想は、売上高５１０億７５００万円（前期比９．８％増）、経常利益２２億２２００万円（同２５．４％増）、純利益１０億８３００万円（同４６．０％増）、１株当り純利益１万９６１６円７７銭と増収大幅最終増益を見込んでいる。
（証券日刊新聞）

△次世代事故防止技術を公開　ＫＤＤＩ<9433>研究所　離れた対向車、携帯網使い確認　情報通信研究機構　歩行者に電子タグ、車両に通知
ＫＤＤＩ研究所（埼玉県ふじみ野市）などは２５日、電波で陰に隠れた自動車との衝突を避けるなどの次世代事故防止技術を公開した。交通分野向け情報通信技術の「高度道路交通システム（ＩＴＳ）」を活用。渋滞解消などの効果も期待されている。ＫＤＤＩ研究所は、自動料金収受システム（ＥＴＣ）と同じ電波帯を使い、車同士で通信し、互いの位置を確認し、建物の影などに隠れた車との衝突事故を防ぐ技術を発表。対向車が離れていれば、携帯電話網を使いカーナビ間で位置を把握できる。情報通信研究機構（ＮＩＣＴ、東京都小金井市）は、歩行者が携帯する小型の電子タグを使い、事故を避ける技術を発表した。沿道などに埋め込んだ信号装置と、歩行者のタグが通過時に交信し、その移動スピードや属性（老人か、子供かなど）などをリアルタイムで車両に知らせる。プロジェクトは総務省が主導し、２００５年度から３年間かけ実施。
両研究機関のほか、富士通<6702>、デンソー<6902>、ＮＨＫ、トヨタ<7203>ＩＴ開発センター（東京都港区）、国際電気通信基礎技術研究所（京都府精華町）が参加している。各社は実験成果を踏まえ、４～５年内をめどに実用化を目指す。

△ＪＲ東<9020>が広告実験　改札に電子ペーパー
ＪＲ東日本は２５日、山手線の恵比寿駅の自動改札機に、さまざまな広告を自動的に切り替えられる、電子ペーパーを使った実験を始めた。約１カ月間、効果を検証する。通常はシールの広告がはってある改札機の正面や上側に電子ペーパーを設置。画面は縦約２０センチ横約１０センチ、厚さは約１ミリ。２５日の実験では、証券会社や旅行会社などの画像を一定間隔で切り替えて表示した。電子ペーパーを使うことで、中高年の利用者が多い時間帯には旅行商品を表示したり、若者が多い時間帯には携帯電話の広告を増やすといった工夫が可能になるという。
電子ペーパーは日立製作所<6501>と富士通<6701>が開発。ＪＲ東日本は「利用者や広告主に意見を聞き、画質、コスト面も考慮した上で実用化を検討していきたい」としている。
（FujiSankei Business i）