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米景気後退リスクが株価を圧迫、アジア系ファンドに期待の声も ロイターNEWS 2008年 02月 22日 19:30 JST 米実体経済の悪化が鮮明になり、世界的に株価の上値を押さえつける存在として市場の注目を集め出した。2月米フィラデルフィア地区連銀の製造業業況判断指数が事前の予想を大幅に下回り、市場には米景気の後退リスクが相当に大きくなったとの見方が広がり、米株の下落から日本株の反落へと株安の波が広がった。 ただ、東京市場ではアジア系ファンドへの期待感が浮上しているほか、米景気の後退が世界経済の急ブレーキには直結しないとの声も出ている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
<フィラデルフィア連銀の製造業指数が悪化、米景気後退の見方が多数に> 米フィラデルフィア地区連銀が21日に発表した2月の製造業業況判断指数はマイナス24.0とエコノミストの事前予想のマイナス11.0を大幅に下回った。 この結果について、三菱UFJ証券チーフエコノミストの水野和夫氏は「住宅ローン問題を起点に消費が悪化していた米経済は、製造業まで不振が広がっていることがわかった。米経済は足元ですでに景気後退に入っている可能性が高い」と指摘する。 その上で2008年の米経済の成長率を「プラス0.8%程度にみている。今後の展開によっては、マイナス成長に転落する危険性もある」と先行きを厳しく見ている。 この結果を受けて、米市場では、ダウが下落し、22日の日経平均も一時、300円を超す下落となった。他のアジア株が下落したこともあり、短期筋による先物売りで、午前の取引時間中に大きく下落する場面が目立った。 薄商いの中で裁定解消売りが出て、現物が下げる展開が続き、市場では「現物を売りたたく様子ではない。ひところのように実弾売りで崩れるのではなく、先物の売り仕掛けで下げているため、全体的に悲観する様子は感じられない」(東洋証券・シニアストラテジストの児玉克彦氏)との声も出ていた。 <CTAの派手な動きで、国内投資家は様子見多く> 自動車や電気など輸出関連株のほか、不動産や情報・通信など内需系セクターまで幅広く下落したが、アジアマネーからの買いが観測されていた鉄鋼株などの下落率は小さかった。 3月期末が近づき国内機関投資家の手がさらに縮んでいるほか、先物主導の相場展開にディーラーなども手を出しにくくなっている。先物の動きに現物が大きく振られやすくなっているのもこのためだ。「CTA(商品投資顧問業者)系の先物売買で200―300円程度は簡単に振れてしまうため、投資家は新たなポジション取りに警戒感を強めている。ディーラーなどにも手控えムードが強く、売買高が膨らまない」(外資系証券売買担当者)という。 <アジア系SWFに脚光> こうしたなか、数少ない買い手として注目を集めているのがアジアの政府系ファンド(SWF)だ。前日はシンガポールのSWFの1つが日本株を買ったとの観測報道が一部に流れたほか、22日朝にNHKが、中国政府系ファンドの「中国投資有限責任公司」が海外向け投資のうち3分の1をアジア各国に振り向け、その半分以上を日本株に投資する方向で検討していると伝えた。 市場では「過大な期待はできない」(前出の外資系証券売買担当者)との声も多く、米景気後退懸念を打ち負かすほどの材料とはならなかった。 リーマンブラザーズ証券チーフストラテジストの宮島秀直氏は、伝えられた「中国投資」の日本株投資比率について、ポートフォリオとしてほぼ平均的な水準だろうとした上で「シンガポール系の大手SWFのアクティブ投資の対象銘柄は時価総額が1兆円以上と大きく、景気後退時でも増益基調をキープしており、中国やアジアなどのインフラ投資に貢献している企業だ。SWFとして最も歴史があり、高潔な運用方針で知られるため中国も参考にしている」と述べている。 <円債市場でも荒い値動き、ついていけない参加者が続出> 一方、円債市場では、前日の米債高や国内株価の急反落を受けて、朝方から買いが先行した。ただ、買いが一巡した後は、株価が下げ渋りとなったことや、週末を控えて上値追いに慎重な見方が増したことで、徐々に様子見の雰囲気が強まった。 最近の市場動向について、カリヨン証券・チーフエコノミストの加藤進氏は「株価も含め、このところは先物主導で相場が大きく動くことが多く、ある一定の利回り水準を見て行動している投資家はなかなかこの荒っぽい動きについていけておらず、現物のポジションを動かせなくなっている」と指摘する。 加藤氏は「キャッシュのポジションのヘッジというよりも、先物とスワップを使って現物を動かさずにトレードをするという、ある種、ヘッジファンドを含めた海外勢特有の動きが繰り返されているようだ。長期金利でいえば1.5%と、投資する金利水準の基準を持っている投資家にとっては、その手前で金利が上下している足元の相場には、参加できていないというのが現状だろう」と述べている。 <世界経済の見通しで悲観・楽観が並存> 米景気失速の懸念が高まっているが、悲観一色には批判もある。東海東京証券・チーフエコノミストの斎藤満氏は、フィラデルフィア地区連銀の指数によって、米景気後退の可能性が高まっているものの、原油や鉄鉱石、貴金属などの高値推移で「景気後退と物価下落が同時に起きてデフレスパイラルに落ち込むリスクはほとんどない。インフレのリスクはあるものの、債務国である米国にとっては悪いことではない」と分析。 さらに1月の日本の貿易統計をみても、日本からの輸出は米国向けの減少を補って余りあり「米景気後退が世界経済の失速につながるとの見方は悲観的過ぎる」と述べる。 これに対して、三菱UFJ証券の水野氏は、米住宅価格の下げ止まりが見えるまで、米経済の逆回転は続き、米経済の調整は2─3年に及ぶ可能性があるとみている。さらに「08年の世界経済は3%を割り込む成長率に落ち込み、株価は世界的に低迷するだろう」との見通しを示している。 PR |
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