2/15 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△クラレ<3405>、ドイツで高機能樹脂を増産
クラレは14日、独子会社のクラレヨーロッパ（フランクフルト市）が建築用ガラスの強化用フィルムなどに使うポリビニルブチラール（ＰＶＢ）樹脂の生産設備を増強すると発表した。2600万ユーロ（41億円）を投じ、フランクフルト工場の生産ラインを増設。2009年7月に稼働させる予定だ。欧州市場を中心に建築用ガラスなどの需要が堅調に推移すると判断し、ＰＶＢ樹脂の生産能力を34％増の年間3万9000トンにする。クラレは01年に欧州化学大手のクラリアントからＰＶＢ樹脂事業を買収した。

△セコム<9735>、家庭向け警備販売で旭硝子<5201>と提携
セコムは14日、家庭向け警備サービスの営業活動で旭硝子と提携すると発表した。旭硝子製の高級塗料を使った外壁リフォームを提供する全国約600カ所の店舗で、セコムの警備サービスを紹介する。セコムは戸建て住宅会社とも同様に提携して、新築住宅への警備サービス導入を進めてきた。今後は改装市場でも提携先を広げ、家庭向け警備の浸透を図る。19日から営業を始めて、初年度は1000件の契約を目指す。2007年に旭硝子の契約店での改装取り扱いは3000件だった。

□関東自動車<7223>、金型工場を静岡に移転
関東自動車工業は14日、神奈川県横須賀市の本社地区にある金型工場を2009年6月をメドに東富士工場がある静岡県裾野市に移転すると発表した。移転にかかる費用は約40億円。開発拠点や完成車工場がある同市に金型生産も集約して、経費の削減や生産効率の向上につなげる。09年3月に3万1700平方メートルの工場用地を取得する。車体プレス部品や射出成型の樹脂部品に使う金型を生産する見込み。150人の従業員のうち、約100人を横須賀市から移す。

▼宝印刷<7921>社員からＴＯＢ情報聞きインサイダー・金融庁が課徴金
金融庁は14日、宝印刷社員からＴＯＢ（株式公開買い付け）情報を聞き、インサイダー取引をしたとして、個人2人に課徴金の納付を命じた。課徴金額はそれぞれ167万円と76万円。証券取引等監視委員会が2人に納付命令を出すよう、金融庁に勧告していた。

△三洋<6764>、マミヤＯＰ<7991>に紙幣搬送装置事業を売却
三洋電機はゲームセンターなどの両替機やメダル玉貸機に使う紙幣搬送装置事業を4月1日付でマミヤ・オーピーに売却する。売却額は9億9400万円。同事業の2007年3月期の売上高は38億8000万円。ゲームセンター市場の成熟化で業績が低迷していたため、メダル玉貸機を製造・販売するマミヤＯＰに譲渡する。

△トヨタ<7203>ファイナンス、カード不要の携帯クレジット
トヨタファイナンスは14日、携帯電話を使ったクレジットサービスを18日から始めると発表した。プラスチック製のカードを発行せずに、クレジット機能を利用できるのが特徴。利用限度額は10万円で、主に女性や若年層を狙い、「出遅れていたモバイル事業のテコ入れを図る」（後藤清文執行役員）考えだ。電子マネー「クイックペイ」を携帯電話に搭載。通常のカードと同じ16ケタの番号を割り当てる。申し込みはインターネット経由に限る。

△12月の鉱工業生産指数、確報値1.4％上昇
経済産業省が14日発表した2007年12月の鉱工業生産指数（2000年＝100、季節調整値）の確報値は前月を1.4％上回る112.0だった。2 カ月ぶりのプラスで、速報値より0.1ポイント上方修正された。業種別では普通乗用車などが好調だった輸送機械が1.0％上昇。食料品・たばこも2.4％のプラスとなった。稼働率指数も2カ月ぶりのプラスで110.2となり、前月比で1.7％上昇した。

△スカイマーク<9204>、今期単独営業損益30億円の黒字に上方修正
スカイマークは14日、2008年３月期の単独営業損益が30億円の黒字（前期は51億円の赤字）になりそうだと発表した。従来予想は23億円の黒字だった。東京―福岡、東京―札幌など各路線とも旅客数が伸びが好調なため。08年３月期の年間配当は無配とする方針。通期の売上高は26％増の500億円と、従来予想（24％増の493億円）から上方修正した。経常損益は28億円の黒字（前期は49億円の赤字）を見込む。従来予想は24億円の黒字だった。原油価格や旅客数など変動要因があり、「保守的に見積もった」という。最終損益の予想は27億円の黒字（前期は49 億円の赤字）と、従来予想の24億円の黒字から増額した。同時に発表した07年４―12月期の連結業績は、売上高が34％増の385億円、営業損益が28億円の黒字（前年同期は34億円の赤字）となった。旅客数の伸びが燃料費の増加など費用を吸収した。経常損益は29億円の黒字（同32 億円の赤字）で、最終損益は26億円の黒字（同33億円の赤字）だった。

▼西友<8268>の前期、連結最終赤字209億円――衣料品など不振で
西友が14日発表した2007年12月期の連結決算は、最終赤字が209億円（前の期は557億円の赤字）だった。衣料品や住宅用品などの季節性の高い商品の販売が振るわず、６期連続で赤字となった。売上高は前の期比0.9％減の9523億円だった。大型の住宅用品や寝具などが予測以上に伸び悩んだ。下期は暖冬の影響で重衣料の販売不振も影響した。営業利益は87％減の４億円、経常損益は64億円の赤字だった。同社は４月末までに上場廃止になる予定のため、今期の業績予想は公表していない。記者会見した田村真由美取締役は「食品に関しては既存店の売り上げが0.3％上がった。戦略の結果が出始めている」と説明した。

■昭和シェル<5002>の前期、経常益19％増――原油高で評価益膨らむ
昭和シェル石油が14日発表した2007年12月期の連結経常利益は前の期比19％増の927億円だった。原油価格の高騰を受け期初の割安な在庫による利益かさ上げ（在庫評価益）が膨らんだ。会見した新井純常務は「原油価格に大きく左右された決算。（原油高騰分を除いた）実力ベースでは06年の580億円から07年は442億円と 138億円の減益になっている」と述べた。売上高は６％増の３兆826億円。主力の石油部門では灯油の販売が振るわなかったものの、ガソリンや航空燃料が伸び増収となった。石油化学製品も前年にあった精製設備の定期修理が減少したことなどから販売数量が増加、売り上げ増につながった。営業利益は20％増の888億円。通期でのドバイ原油は前の期比6.8ドル高い平均１バレル68.3ドルだった。期初の割安な在庫を原価に含めるため、会計上の原価が下がり、在庫評価益が生じた。タンク施設の除却損やパイプラインの撤去費用を引き当てたほか、スーパーなど向けの発電機器の減損といった特別損失を計上し、純利益は５％減の437億円にとどまった。
2008 年12月期の連結業績は売上高が５％減の２兆9300億円、経常利益は35％減の600億円の見通し。通期の原油価格は１バレル80ドルを見込む。原油価格の見通しについて新井常務は「年後半に向けて収まっていく（低下していく）」との見通しを示し、「（原油高騰分を除いた）実力ベースでは経常利益で 600億円を達成したい」と述べた。

■長谷工<1808>の４―12月期、連結経常益３％減――原材料費など重し
長谷工コーポレーションが14日発表した2007年４―12月期の連結業績は、経常利益が前年同期比３％減の409億円となった。鉄鋼やコンクリートなどの価格高騰で完成工事総利益率が低下したほか、人件費が増え販管費が増加した。金融収支の悪化も足を引っ張った。売上高は８％増の5261億円だった。主力のマンション事業で工事売上高が伸びた。営業利益は微増の427億円。低価法の前倒し適用により上期に計上した特別損失が響き、純利益は57％減の139億円となった。
2008年３月期の連結業績は、従来予想を据え置いた。
同時に、2011年３月期までの中期経営計画を発表した。2011年３月期をめどに連結経常利益600億円を目指す。分譲マンション事業の付加価値向上とともに、他社との資本・業務提携、Ｍ＆Ａ（企業の合併・買収）などで賃貸マンションやオフィスビルなどへ事業拡大を図る。また、名古屋を中心とする東海地区で事業基盤を確立する。

△東燃ゼネ<5012>の前期、連結営業益88％減――価格転嫁追いつかず
東燃ゼネラル石油が14日発表した2007年12月期の連結決算は、営業利益が前の期比88％減の70億円だった。原油価格や海上運賃の急騰に、石油製品の価格転換が追いつかなかった。売上高は１％減の３兆498億円となった。石油製品の販売数量が減少した。経常利益は77％減の150億円、純利益は82％減の70億円だった。期末配当は前の期より50銭多い19円、年間配当は同50銭多い37円50銭とした。08年の年間配当は38円を計画している。
08年12月期の連結業績予想は売上高が15％増の３兆5000億円、営業利益が約７倍の510億円、経常利益は約3倍の520億円、純利益は約５倍の320億円を見込む。

△検査会社ＢＭＬ<4694>と三菱商事<8058>、中国に衛生ノウハウ供与
臨床検査受託のビー・エム・エル（ＢＭＬ）と三菱商事は共同で、中国進出した日本企業向けに工場やスーパーの食品衛生コンサルティングを近く始める。中国の大手検査会社に高度な食品衛生検査・管理ノウハウを供与、現地で食品を委託生産する企業などが国内と同水準の衛生関連サービスを受けられるようにする。中国製ギョーザの毒物混入事件を機に、食の安全確保に向けた需要を取り込む。ＢＭＬが65％、三菱商事が35％を出資するＢＭＬフード・サイエンス（東京・豊島）が実施する。同社は厨房（ちゅうぼう）・工場の衛生状態や食材などの残留農薬の検査を請け負い、2008年3月期の売上高は約30億円の見込み。

△東建物販売<3225>がストップ高比例配分――235万株の買い残す
朝方は売買が成立する場面があったが、その後は値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比80円高の447円での買い気配が続いた。大引けで同水準で比例配分された。比例配分では４万1200株の売買が成立したが、ストップ高水準で差し引き235万8100株の買い注文を残した。13日に発表した2008年12月期の連結業績予想は、営業利益が前期比５％増の43億円を見込む。不動産の仲介事業や転売事業が順調に推移することを好感した買いが集まったほか、年間配当を前期実績から２円増やし、24円とすることも買いを誘った。

△富山化<4518>がストップ高比例配分――１億株超える買い残す
終日買い気配で推移し、大引けに値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比100円高の831円で比例配分された。27万2000株の売買が成立し、ストップ高水準で約１億2771万株の買い注文を残した。富士フイルム（4901）によるＴＯＢ（株式公開買い付け）の買い付け価格である880円へのサヤ寄せを期待した買いが膨らんだ。

▼Ｊパワー<9513>が続落　ファンドの株買い増しで「審査期間を延長」
続落。後場中ごろ過ぎには前日比130円安の3850円まで下げる場面があった。株主の英投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド（ＴＣＩ）が保有株式の買い増しを求めている問題で、経産省は、現在、実施中の審査の期間を、最長で５月中旬まで延ばすことを決めた。審査期間の期限は、当初13日だった。経産省は今後、ＴＣＩに同社の発電事業などにどうかかわるかについて説明を求めるという。当面の展開に膠着（こうちゃく）感が強まったとみた投資家からの売りに押されている。

△シマノ<7309>が昨年来高値――２ケタ増益見通しを引き続き好感
大幅に続伸。個人投資家を中心にした買いを集め、前場には値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比500円高の4510円まで上げる場面があった。昨年の６月21日と11月21日に付けた4330円を上回って昨年来高値を更新した。後場も高値圏で推移している。「2008年12月期の通期業績予想が２ケタ増益になるとしたのを引き続き好感している」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）という。環境問題や健康への関心が世界的に高まり、自転車の存在価値が再評価される傾向が強まる中で、主力の自転車部品事業の伸びが欧州市場を中心に見込まれている。釣り具も積極的なマーケティング活動などにより、アジア・欧州中心に販売増を予想し、08年12月期の連結経常利益は前期比16％増の350億円になる見通しだ。きょうは前日の米株高や円相場の下落などを背景に相場全体の地合いが良好なことも追い風で、前場に上値の壁となっていた4330円を上抜けたことで、上げに弾みがついた面もあるという。

△パイオニア<6773>がストップ高――地合い好転し見直し買い
買い気配。午前は高い水準でもみ合いが続き、午後は値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比100円高の1043円での買い気配となっている。現時点では差し引き50万株程度の買い越し。市場では「きょうの東京株式市場で日経平均株価が500円を超す大幅上昇となり、地合いの好転を背景に、プラズマテレビの苦戦が予想される中で2008年３月期見通しを下方修正せず据え置いたことが見直されている」（国内証券）との見方が出ている。

▼東洋ドライ<4976>、引き続き売り優勢　一時は初値比10％安
きょう新規上場。前場に公募・売り出し（公開）価格（2500円）を28％下回る1800円で初値を付けた。その後も売りが優勢で、後場に初値比187円（10.4％）安の1613円まで下げる場面がみられた。初値が公開価格を下回ったことで投資家心理が盛り上がらず、値幅取り狙いの短期資金も入りづらいという。売買高は現時点で22万株程度と公開株数（30万株）に達していない。新規上場に伴う売りはまだ消化しきれていないとみられ、目先での売り圧力を警戒する雰囲気もあるようだ。自動車のワイパーやデジタルカメラのズーム部分などに使う乾燥皮膜を製造・販売する。乾燥皮膜は接触部分の摩擦を小さくし、機器を滑らかに動かすことができる。

▼西松建<1820>が下落に転じる――連結最終赤字見通しで
後場中ごろに下落に転じ、前日比23円安の246円まで下げ、昨年来安値を更新した。14時に2008年３月期業績予想の下方修正を発表。連結最終損益が20億円の赤字（前期は74億円の赤字）になる見通しで、失望売りが膨らんだ。従来予想は45億円の黒字だった。海外工事の収益悪化で約30億円の利益減となることに加え、保有不動産の減損処理による25億円の特別損失計上などが響く。

▼青山商<8219>が反落――通期業績の未達を不安視した売りで
反落。個人や機関投資家とみられる売りが先行し、前場には一時、前日比65円安の2210円まで下げた。後場もさえない。「2008年３月期の通期業績予想が未達に終わるのではないかと不安視した売りに押されている」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）という。12日の取引終了後に発表した07年４―12月期の連結業績で、経常利益は168億8700万円と、前年同期に比べて7.1％の減益となった。９月中間期の同2.5％減からみると減益率は大きくなっている。個人消費の低迷は長引く見通しでもあり、前期比0.5％増の08年３月通期の連結経常利益246億円（従来予想のまま据え置かれている）の達成は難しいとの見方が増えている。株価は前日、指標面での割安感に着目した買いで12日終値比10円高で取引を終えているが、買いに力強さがみられなかったことで、きょうは朝方から売りが優勢となっている。連結予想ＰＥＲ（株価収益率）は12倍台前半にとどまり、連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）も0.7倍程度まで低下している。配当利回りも２％強あることで、「積極的に下値を売り込む動きは少ない」（同）との指摘もあった。

△タカラトミー<7867>が一時ストップ高――ユージンの不振吸収
大幅反発。前場に一時値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比100円（14.5％）高の790円まで上昇し、後場も高い水準で推移している。13日に 07年４―12月期の連結営業利益が前年同期比73％増の80億円になったと発表し、好感した買いが膨らんでいる。映画「トランスフォーマー」の関連玩具販売が北米のクリスマス商戦で好調に推移した。09年３月期は「原価低減がさらに進めば営業利益の増加を期待できる」（大和総研の白石幸毅アナリスト）との声もある。
連結子会社でカプセル玩具を手掛けるユージン<7828>は12日、08年３月期の連結営業損益が従来の黒字予想から一転、２億8900万円の赤字（前期実績は損益トントン）になりそうだと発表。このことからタカラトミーの連結業績に与える影響を不安視した売りが出ていた。コスモ証券の岡敬シニアアナリストは、「ユージンの不振を吸収する業績内容を確認でき、安心感から買い戻されている」と指摘している。市場では「13日終値が25日移動平均（767円、前日終値時点）との乖離（かいり）率が10％を超えており、押し目買いも入りやすかった」（大手証券）との声もある。

△スタイライフ<3037>がストップ高――４―12月期で進ちょく97％
前場に大きく上げ、後場に入ると一段と上昇し、一時は値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比２万円高の14万6000円まで買われた。14 日付の日本経済新聞朝刊が業績観測を伝え、好感した買いが先行。13時に会社側が発表した2007年４―12月期の連結業績は経常利益が２億3300万円だった。今回据え置いた通期予想に対する進ちょく率は97％。観測報道にほぼ沿う結果となったことから、買い安心感が強まったほか、今後の上方修正を期待した投資家や短期筋が買い進んだとみられている。インターネット衣料通販を手掛ける。４―12月期は中核の通信販売事業が好調だった。通期予想は「業績は順調に推移しているが、今後の市場環境、将来への戦略的な先行投資の検討など総合的に勘案したい」との理由で据え置いた。
（NIKKEI NET）