2/15 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△アッカ<3764>、ＮＴＴドコモ<9437>のＦＯＭＡ利用しＭＶＮＯサービス提供
アッカ・ネットワークスは１４日、ＮＴＴドコモから携帯電話向け回線を借り受け、仮想移動体通信事業者（ＭＶＮＯ）としてサービスを提供することで基本合意したと発表した。アッカの主力事業は電話回線を利用した高速通信（ＡＤＳＬ）サービスだが、足元では加入者数が頭打ちとなっている。今後は、移動体通信分野への事業拡大を進めていきたい考え。アッカはドコモの高速データ通信（ＨＳＤＰＡ）網を利用し、ＦＯＭＡデータ通信専用の端末を通じた法人向けのインターネット接続サービス提供などを５月めどに実施する方針。ＮＴＴコミュニケーションズ（東京都千代田区）、ウィルコム（東京都港区）とともに固定と無線のブロードバンド通信を融合させたサービス提供に向けて共同検討を始めたことも発表。無線ＬＡＮに関連しては、ベンチャー企業のトリプレットゲート（東京都品川区）と共同実験を進めるとした。都内で会見した木村正治社長は２０１０年度の売上高について、こうした新規事業による６０─７０億円程度の押し上げが縮小するＡＤＳＬ事業を補い、全体では０７年度並みの３５０億円程度にしたいと語った。０８年度の配当予想は０７年度見込みの５０００円の１．５倍となる７５００円としており、連結配当性向は７割近くに達する。新たな成長戦略に向けて大規模な投資が必要ないことや、成果が出るまでに時間がかかることなどを明らかにし、「手元流動性が９０億円ある。足元を見据えて、現時点で還元できる利益は株主に還元したい」と説明した。成長戦略が順調に展開できれば、来期以降も同水準の配当を「是非維持したい」と述べた。木村社長は、３月末に予定する定時株主総会に向けて同社筆頭株主のイー・アクセス<9427.T>がアッカの取締役交代を求める提案をしていることに触れ、あらためてイー・アクセスの提案に反対する意向を示した。木村社長は、自社の企業価値向上策への理解を求めるために大株主１０社程度に説明したと述べ、少なくとも一部株主からは理解を得ているとの見方を示した。今後の対応については、自社の株主構成を詳細に分析し、個人株主へのアピールを含めて対策を決めたいとした。

▼ガンホー<3765>が第三者割当増資、対価は韓国グラヴィティ株52％
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは１４日、投資会社のハーティス（東京都渋谷区）に対し、約２万４０００株・２１％の第三者割当増資を実施すると発表した。対価は現金ではなく、ハーティスが保有する韓国オンラインゲーム開発会社グラヴィティの株式５２．４％を現物出資という形で受け取る。ガンホーはグラヴィティを子会社化するとともに、グラヴィティが開発したゲームのラインセンスを確保する。払い込み期日は４月１日。ガンホーの算出によると、取得するグラヴィティ株５２．４％の市場価格は２月１４日時点で約４０億円。実際の調達金額は払い込み期日の株価で決定する。ハーティスはガンホーの第２位株主となる。

△野村ＨＤ<8604>、アジアの収益を5年で3倍の1000億円に
野村ホールディングスは１４日、日本を除くアジアの営業収益を今後５年で現行の約３倍の１０００億円に拡大する方針を明らかにした。経済成長を背景にアジアで収益拡大を急ぐ欧米の投資銀行を急追したい考え。郷喜順・アジア地域マーケティング担当執行役が同日、グループのアジア戦略に関する説明会で述べた。野村ＨＤの日本を除くアジアの営業収益（金融費用控除後）は０７年３月期２４９億円だった。０７年４─９月期は２２７億円。郷執行役は「今年度下期（の業績）は苦しいので（通年ベースで営業収益が）上期（２２７億円）の倍になるかは分からないが、収益を５年後に１０００億円にする目標がある」と述べた。０７年３月期の野村ＨＤ全体の営業収益は１兆０９１１億円。このため、グループ全体の営業収益に占めるアジアの割合は３％未満にすぎない。しかし、経済成長を背景に企業の資金需要ニーズは旺盛で「投資銀行業務の拡大や自己資金投資業務などの拡大が見込める」（郷執行役）とみている。野村ＨＤは０７年、香港に自己資金投資の拠点を新設し、日欧を中心に展開していた同業務をアジア全域に広げたほか、今後はアセットファイナンス業務もさらに拡大する考え。すでに韓国で商業ビルへの投資を開始したが、アジアの物件に投資するファンドの組成を今年中に行う予定としている。野村はアジアで認知される投資銀行になるとの目標を掲げているが、依然ハードルは高い。たとえば、企業のＩＰＯなど新株発行をともなう資金調達（エクイティファイナンス）の引受ランキングでは、０７年１─１２月期、日本では首位を堅持したがアジア（日本、オーストラリアを除く）では上位１０社の圏外だった。引受ランキングの首位はＵＢＳ。この他、ゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー< MS.N>、中国のＣＩＴＩＣ<600030.SS>などが上位を占め、野村は上位に食い込めていない。

△住友電気工業<5802>の格付けをＡ─からＡに引き上げ＝Ｓ＆Ｐ
スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）は、住友電気工業の長期会社格付けをＡ─からＡに引き上げた。Ｓ＆Ｐによると、格上げは、コスト削減や合理化、事業多角化の進展により、ここ数年で収益力が強化され、キャッシュフローの安定性が増しており、財務内容の改善基調を中期的に維持できる見通しにあることに基づく。長期会社格付けのアウトルックは安定的。

△イッコー<8508>、かざかファイナンス代表取締役が1株43円で公開買い付け
イッコーは１４日、アドバンテッジパートナーズの１００％子会社かざかファイナンス（旧ライブドアクレジット）の代表取締役を務める藤澤信義氏が、イッコー株を１株４３円で公開買い付けすると発表した。藤澤氏は６０％を上限にイッコー株を取得し、貸金業規制法改正などの影響で業績が低迷する同社の再生に取り組む。イッコーは公開買い付けに賛同を表明している。買い付け価格の４３円は、１月１５日─２月１３日の終値の単純平均と同水準。２月１３日の終値からは約８．５％ディスカウントした金額となる。買い付け総額は７億１０００万円を予定している。買い付け期間は２月１５日から３月１３日。藤澤氏はかざかファイナンスの代表取締役を辞任し、イッコーの代表取締役に就任する予定。イッコーの上場は維持される見込みだという。

△自重堂<3597>が28.5万株を上限に自己株取得へ、発行済み株式の1.61％
自重堂は、発行済株式総数の１．６１％に相当する２８万５０００株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は約２億３０００万円。１５日午前８時４５分に東証の自己株式立会外買付取引で買付委託する。買付価格は８２１円。

△白青舎<9736>が80万株を上限に自己株取得へ、発行済み株式の8.89％
白青舎は、発行済株式総数の８．８９％に相当する８０万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は２億４０００万円。１５日午前８時４５分にジャスダック取引所で自己株取得のための固定価格取引により買付委託する。買付価格は１５日基準値の２８９円。

▼ガーラ<4777>、ベクター<2656>に3500株の第三者割当へ
ガーラは１４日、ベクターに３５００株の第三者割当を実施し、約１億６０００万円を調達すると発表した。ベクターと共同でオンラインゲームのラインセンスを購入する費用などに充当する。

△ＣＳＫ ＨＤ<9737>、300万株上限に自己株取得＝発行済みの4.08％
ＣＳＫホールディングスは１４日、発行済み株式総数の４．０８％に当たる３００万株・９０億円を上限に自己株式を取得すると発表した。取得期間は２月１５日から３月２４日。

△ダイセキ<9793>の発行体格付けをＢＢＢからＢＢＢ＋に格上げ＝Ｒ＆Ｉ
格付投資情報センター（Ｒ＆Ｉ）は、ダイセキの発行体格付けをＢＢＢからＢＢＢ＋に引き上げた。

▼共同印刷<7914>の発行体格付けをＢＢＢ＋からＢＢＢに格下げ＝Ｒ＆Ｉ
格付投資情報センター（Ｒ＆Ｉ）は、共同印刷の発行体格付けをＢＢＢ＋からＢＢＢに引き下げた。

△古河電気工業<5801>の格付けをＢＢからＢＢ＋に引き上げ＝Ｓ＆Ｐ
スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）は、古河電気工業の長期会社格付けをＢＢからＢＢ＋に引き上げた。Ｓ＆Ｐによると、格上げは、コスト削減や合理化、事業の多角化の進展などにより、ここ数年で外部環境の悪化に対する耐性が向上し、収益の下振れ懸念が低減していることから、改善した財務内容をおおむね維持できる見通しであることに基づく。長期会社格付けのアウトルックは安定的。

□アイフル<8515>の格付けをＢＢＢ＋に据え置き＝フィッチ
フィッチ・レーティングスは、アイフルの外貨建て・円建て長期発行体デフォルト格付けをＢＢＢ＋に据え置いた。格付アウトルックはネガティブ。

△ファンコミュニケーションズ<2461>が4000株上限に自己株取得へ、発行株の4％
ファンコミュニケーションズは、発行済み株式総数の４．０２６％に相当する４０００株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は２億円。取得期間は２月１５日から３月２７日まで。

△エフアンドエム<4771>が5000株上限に自己株取得、発行済み株の3.2％
エフアンドエムは１４日、発行済み株式総数の３．２％に当たる５０００株・１億５０００万円を上限に自己株式を取得すると発表した。取得期間は２月１５日から６月２５日。

△フリーワーク<2486>が300株上限に自己株取得、発行済み株の2.5％
フリーワークは１４日、発行済み株式総数の２．５％に当たる３００株、３６００万円を上限に自己株式を取得すると発表した。取得期間は２月１５日から９月３０日。

△アサツー<9747>が100万株上限に自己株取得、発行済み株の2.21％
アサツー　ディ・ケイは１４日、発行済み株式総数の２．２１％に当たる１００万株・３５億円を上限に自己株式を取得すると発表した。取得期間は２月１５日から６月２３日。

▼すみや<9939>、親会社のＴＳＵＴＡＹＡに優先株で第三者割当増資
すみやはカルチュア・コンビニエンス・クラブ<4756>の完全子会社で、すみやの親会社であるＴＳＵＴＡＹＡに対して、優先株で１００万株・総額２０億円の第三者割当増資を実施すると発表した。払い込み期日は７月１４日。同社は２００７年１２月末現在で５億０１００万円の債務超過となっていたため、増資によって財務基盤の強化を図る。

△博報堂ＤＹ<2433>、リクルート株1％を54億円で取得へ
博報堂ＤＹホールディングスは１４日、リクルート（東京都千代田区）の株式１．０％・６０万株を５４億円で取得すると発表した。リクルートの子会社などから３月２８日に取得する。資本・業務提携することで、両社が持つ企画力を持ち寄り、メディアのデジタル化に対応した新しいビジネスに取り組む。

△西友<8268>、資本金を645億円から315億円に減資へ
西友は１４日、資本金を６４５億円から３１５億円に減少させると発表した。米ウォルマート・ストアーズの完全子会社になるに当たり、西友株買い取りに必要な資金を確保するため資本剰余金に振り替える。減資にともなう発行済み株式総数の変更は行わない。西友はウォルマートが完全子会社を進めることで、４月１９日に上場廃止となる予定。

△デイ・シイ<5234>、グループのエバタを完全子会社化
デイ・シイは、５１％の株式を保有する子会社のエバタ<5278>の完全子会社化を目指し、１株２２０円で公開買い付け（ＴＯＢ）すると発表した。ＴＯＢ期間は２月１５日から３月１８日。ＴＯＢ規模は最大で約１３億６４００万円。エバタはＴＯＢに賛同している。完全子会社化すれば、エバタはジャスダック市場での上場が廃止される見込み。セメント・コンクリートを手掛けるデイ・シイの傘下で、エバタは上下水道・雨水貯留浸透・情報通信・鉄道などに関する管路製品を主に扱っているが、価格競争激化や原材料費高騰などで事業環境が厳しさを増している。今回の完全子会社化では、グループの柔軟な体制作りのなかでエバタがグループ管路事業部門の中核を担う体制を作る。

△いすゞ<7202>の格付け見通しを安定的からポジティブに変更＝ムーディーズ
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、いすゞ自動車の発行体格付けＢａａ３の見通しを安定的からポジティブに変更した。ムーディーズによると、今回の見通しの変更は、中期経営計画の完了、保守的な財務方針の維持によって改善したいすゞのキャッシュフローや資本構造が、昨年発表された新中期経営計画の実施を通して一層改善するとの見方を反映している。
（ロイター）

▼ネクスト<2120> ストップ安。
前日に発表した下方修正がネガティブに捉えられている。不動産情報検索サイトが競争激化などから伸び悩んでいるとして、四半期決算の発表と併せて08年3月期の業績予想を経常利益で従来予想の15.61億円から11.72億円に減額した。週初にはいちよし証券が株価格付けを新規に最上位としていたこともあり、失望売りが先行しているようだ。なお、同証券でも計画未達を予想していたが、会社側の下方修正は同証券予想からさらに下振れとなった。

△住友信託<8403>---強い動き、アイフル<8515>の財務体質改善期待も
大手銀行の中では強い動きが目立っている。同行がメインバンクとなっているアイフルが、昨日第3者割り当て増資とＣＢ発行を発表している。同行の出資がなかったことがプラスと捉えられていることに加え、貸出先となるアイフルの財務体質向上が図られるといった期待感が先行する状況に。

△山武<6845>---上値抵抗を確実に突破
大幅反発で上値抵抗として意識されていた25日線を確実に突破してきている。なお、コスモ証券では来期もBA事業のけん引と金門製作の回復で増収増益が続く見通しと。

△ｅまち<4747>---ストップ高狙いの短期資金集中か
後場一段高。25日線に上値を抑えられる格好での三角保ち合いを形成していたが、これを上放れる格好に。新興市場の中小型株にストップ高を付ける銘柄が相次いできており、ストップ高狙いの短期資金集中か。

△東洋水産<2875>---ＧＳではコンビクション・リストに継続採用
第3四半期決算発表を受けて野村が格下げ、前日から株価はさえない展開となっているが、ＧＳではコンビクション・リストに継続採用と強気判断。第3四半期の北米の減益決算に関して市場では誤解しているとの見解。製品構成の悪化が主因ではなく、原材料費上昇が要因であり、値上げ効果によって今後カバーが可能と指摘しているようだ。
（フィスコ）

▼帝通工<6763>が昨年来安値、通期連結業績予想の下方修正
帝国通信工業が１月２２日に付けた昨年来安値３２５円を更新。１３日引け後に、今０８年３月期連結業績予想の下方修正を発表、嫌気売りが出ている。経常利益予想は１７億円から１１億円（前期比４９．９％減）、純利益予想が１０億円から５億円（同５９．７％減）に修正した。デジタルカメラや石油暖房機向け前面操作ブロックが不振だった。株価は一時売られた後、買い戻しが入り下げ幅を縮小しているが、昨年来安値を更新したことで、当面は下値模索の展開が予想される。

▼アート<9030>がストップ安、第１四半期営業利益は７２％減の１億３１００万円
アートコーポレーションが基準値（２３５０円）比４００円のストップ安。同社は１３日大引け後、今０８年９月期第１四半期連結決算を発表した。営業利益が前年同期比７２．０％減の１億３１００万円と、大幅減益となったことが嫌気されている。ただ、中核の引越事業は３月、４月に集中し、第２四半期業績が大きく伸びるため、通期業績予想（前期比９．０％増の５２億２４００万円）は変更していない。第１四半期は大幅減益となったものの、通期業績に占める収益は小さく、繁忙期の事業動向がより重要となりそうだ。

▼ゲオ<2681>が３日連続ストップ安、業績下方修正銘柄への叩き売り続く
ゲオがストップ（１万円）安。８日に今３月期連結業績見通しを下方修正し、以降３日連続のストップ安と急落を続ける相場展開となっている。業績下方修正銘柄に対する嫌気売りは続いており、きょうもフジシール <7864> 、戸田建設 <1860> といった銘柄が急落する格好。ゲオについては「心理的なフシ目である株価１０万円を割り込んだことから、下値メドは想定しにくい。むしろ、１０万円が上値抵抗ラインとして意識されそう」（地場関係者）との声が聞かれた。１月の既存店売上は前年同月比９．３％減と、昨年１２月の同５．９％減に対し一段と悪化していることもあり、株価の反転には既存店売上高のプラス転換がまずは必須の条件となりそうだ。

△昭電線ＨＤ<5805>が反発、中期計画も発表
昭和電線ホールディングスが堅調展開。きのう１３日ザラバに今３月期連結業績見通しの下方修正を発表、前日比２６円安の１３６円まで売られるなど急落したものの、きょうは地合いの好転もあって下げ渋る値動きとなっている。業績下方修正銘柄が急落する動きが続いており、同社株もその流れに巻き込まれてしまった格好だが、その一方で、２０１０年度を最終年度とする意欲的な新中期経営計画を発表している。同計画では最終年度に連結ベースで売上高２３００億円（０７年度予想２１３０億円）、営業利益８０億円（同５３億円）、経常利益６２億円（同２８億円）、純利益３５億円（同１５億円）を目指すなどとし、５円配当が実現できる財務基盤を構築するとうたわれている。時価はＰＢＲ（株価純資産倍率）０．６倍台ということもあり、株価は今後落ち着き所を探る展開となっていきそうだ。

△イビデン<4062>が反発、来期踊り場も再来期再浮上の公算
イビデンが反発。きのう１３日に昨年来安値４４７０円を示現しており、きょうは自律反発狙い先行の値動きとなっている。新光証券では１３日付で「来０９年３月期は踊り場となろうが、１０年３月期は再浮上の公算が大きい」とし、レーティング「２」を継続している。同証券では、このなかで、利益水準は高水準ながらＤＰＦ（ディーゼルパティキュレートフィルター）の伸び率鈍化、電子関連での単価下落と投資負担増加に伴う利益率の伸び率鈍化を考慮し、「２」を継続したとしている。一方で、「投資尺度から割高感が薄らいできたこと、０９年には再び変化の時代が控えているだけに投資時期を見極める段階にきていると考えられる」とも指摘している。

▼共同ＰＲ<2436>が連日の上場来安値更新、通期業績推定を下方修正
共同ピーアールが連日で上場来安値を割り込んだ。１３日引け後、前０７年１２月期の連結業績推定の下方修正を発表。経常利益予想を従来の１億８０００万円から６７００万円に引き下げた。リテイナー（６カ月以上の長期契約）とペイドパブリシティ（記事風広告）の売上が当初計画に比べ伸び悩み、計画未達となった。０８年１月２２日以来もみ合いの地合いにあったが、ここへ来て株価は下放れ。目先は下値を探る展開が続きそうだ。

▼野村マイクロ<6254>がストップ安比例配分、今期業績予想の下方修正
野村マイクロ・サイエンスが１００円ストップ安の７６０円で比例配分された。超純水装置製造の同社は１３日大引け後、今０８年３月期連結業績予想の下方修正を発表、嫌気売りを浴びている。経常利益を従来計画の２０億８００万円→８億３００万円（前期実績は１８億９８００万円）に減額、一転大幅減益予想となった。下期に入り半導体関連企業における設備投資の見送りが相次いだことや、アジアの受注競争激化を背景に、工事採算が低下した。業績悪化に伴い、年間配当を２５円→２０円に修正した。１４日は２月１２日に付けた上場来安値８３１円を既に下回っており、目先は下値模索の展開が続きそうだ。

□荏原<6361>が反発、新光証は「２－」継続、黒字定着のハードルは依然高い
荏原製作所が反発。株価は昨年来安値圏でもみ合う展開となっている。今３月期第３四半期連結営業赤字は４９億円（前年同期は１３０億円の赤字）となった。新光証券では１３日付で、懸念のエンジニアリング事業において巨額の特別損失を計上するなど当面は失った信頼を回復するべきカタリストも見当たらないことから、レーティング「２－」を継続するとしている。また、「絶対的利益水準の回復にはエンジニアリング事業の収益改善が必要不可欠となるが、黒字定着のハードルは依然高いと考える」などとも指摘している。

▼ネクスト<2120>がストップ安、今期の業績予想を下方修正
ネクストがストップ安。１３日に今０８年３月期の業績予想を下方修正した。連結経常利益は１５億６１００万円から１１億７２００万円（前期比６３．９％増）に減額。新築分譲マンション情報サイトが伸び悩んだ。マンション価格高騰により、資料請求数が減少。また、０７年１０月以降に予定されていた顧客への料金改定が難航。物件当たりの顧客単価も落ち込んでいる。さらに、新規に設立した子会社による注文住宅・リフォーム情報サイトの立ち上がりも遅れた。不動産市況は来期にかけてさらに悪化すると見られることから、「今後は既存事業の現状を維持しつつ、新しいサービスを模索していく」（広報担当者）。大幅減額を受け、株価は上場来安値を更新。ただ、年初より半分以下まで下げており、値幅的には減額修正を織り込みつつあるようだ。

▼スターツ出版<7849>が上場来安値目前、「恋空」大ヒットも広告収入想定下回り前期利益推定を下方修正
ケータイ小説「恋空」（美嘉著）で注目を集めるスターツ出版が急落。４万５０００円安の１２万９０００円まで売られ、１月２１日の昨年来安値１７万３０００円を割り込み、０３年４月１日の上場来安値１２万円に迫った。同社は値幅制限のないマーケットメイク銘柄。率にして前日比２５．８％の大幅安を記録した。１３日の大引け直前に、前０７年１２月期の業績推定（非連結）を修正。「恋空」のヒットに加え、インターネット事業での予約手数料や地域情報誌事業における広告収入の拡大により売上高は上ブレとなった。しかし、経常利益は５億５０００万円から４億３５００万円（前々期比１６．３％減）に減額。高利益率の広告収入が想定を下回ったことや、新規事業への投資・広告宣伝活動が利益を圧迫した。期末配当２５００円は変更していない。

△ネットプラ<3328>が後場ストップ高、１４日付株式新聞「発掘！有望株」で紹介され再騰機運高まる
ネット通販のネットプライスドットコムが後場一段高。３万円ストップ高の１９万５０００円まで上昇している。１４日付株式新聞「発掘！有望株」で取り上げたことをきっかけに再騰機運が高まっている。。
０７年１２月、ヤフー<4689>と米ネットオークション最大手のイーベイが業務提携を締結。ネットプラはこの提携に伴って購買代行業務を受託することになり、業績急拡大期待が高まっている。一方で今０８年９月期の３月中間期業績計画を上方修正するなど、足元の業績も改善傾向にある。

△サイバー<4751>がストップ高、第１四半期は最終減益も事業の堅調推移を確認
ネット広告などを手掛けるサイバーエージェントが後場一段高。一時１万円ストップ高の９万２６００円まで買われている。同社は１３日引け後、今０８年９月期第１四半期決算（０７年１０月～１２月）を発表。連結経常利益は１７億８０００万円（前年同期比２．０倍）と大幅な増益も、投資有価証券の評価損や税金費用の計上により純利益は１億７１００万円（同５５．５％減）と減益となった。経常増益はネット広告市場の拡大を背景に、サイトリスティング（検索結果）広告やモバイル広告が堅調に推移したのが要因。
（株式新聞ダイジェスト）