2/12『株価材料』PART Ⅴ

朝の『株価材料』PART Ⅴは、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

■株価材料

△ＴＳＵＴＡＹＡ（カルチュア・コンビニエンス・クラブ<4756>）、テレビ向けに動画配信
音響・映像ソフトレンタル大手のＴＳＵＴＡＹＡ（東京・渋谷）は3月、テレビ向け映像配信事業に進出する。
ソニー<6758>や松下電器産業<6752>など電機大手が出資するアクトビラ（同・港）のサービスに専用チャンネルを開設、ハリウッドの主要映画会社の100作品をハイビジョン並みの画質で有料配信する。アクトビラ対応ＴＶの普及が進むとみて、配信市場の拡大に備える。3月1日にテレビ向け動画配信サービス「アクトビラ　ビデオ」に「ＴＳＵＴＡＹＡ　ＴＶ」を開く。まず映画の予告編など無料動画を配信、1―3カ月後から洋画や海外ドラマを有料で配信する。価格は新作映画で1作品当たり700円前後と店頭でのレンタルに比べて200―300円高くなる見通し。レンタル店「ＴＳＵＴＡＹＡ」の中心顧客より年齢の高い40―50代の利用を見込む。

△ＮＥＣエレ<6723>が中期計画、2010年度に営業利益率７％
経営再建中のＮＥＣエレクトロニクスは2008年度から3カ年の中期事業計画を固めた。開発・生産体制の再編成と固定費削減を進めるとともに、経営資源をデジタル家電向けシステムＬＳＩ（大規模集積回路）や自動車向けマイコンに集中。06年度に286億円の赤字を計上した営業損益の改善を目指し、最終年度の10年度に売上高営業利益率7％の目標を掲げる。10年度の連結売上高は06年度実績比11％増の7700億円に設定。最終損益は08年度に黒字（06年度は415億円の赤字）に引き上げる。

△三菱商事<8058>・住友商事<8053>、インドネシアで発電所改修受注
三菱商事、住友商事はそれぞれインドネシアで発電所の改修工事を受注した。三菱商事が受注したのはスララヤ地区の石炭火力発電所の蒸気タービンの修理で、金額は約40億円。住商はサグリン地区の水力発電所の水量調整機器の取り換えなどを約15億円で受注した。両案件とも発注元はインドネシア国営電力ＰＬＮで、11日に正式に契約する。インドネシアは経済成長を受けて電力需要が急激に伸びており、老朽化した設備を改修して活用する動きが広がっている。

△災害時も受発注や決済・新光証券<8606>がバックアップ施設
新光証券は大規模な災害などに備えた売買システムのバックアップセンターを構築した。12日から東京証券取引所などと接続し、災害時には同センターから株式の受発注をできるようにする。こうした災害時の体制を整えている国内証券会社はまだ少なく、今後、同様の取り組みが広がりそうだ。関西に顧客の売買情報などを管理し、売買注文から清算まで一貫して請け負うバックアップセンターを構築。12日に東京・大阪・ジャスダックの各証券取引所と専用回線でつなぐ。日々の顧客の売買情報をバックアップセンターに送り、災害で本社のシステムが使えなくなると、バックアップセンターが取引所に即座に接続し、リアルタイムで受発注したり、決済をしたりできるようにする。投資金額は約20億円。

△新日鉄<5401>、鋼板１―２割値上げ・近く要請へ
新日本製鉄は自動車や家電、機械向けなど主要な鋼板全般について1―2割程度値上げする方針を固めた。鉄鉱石など鉄鋼原料価格の高騰が避けられないとみて、4月実施を目指し近く顧客に要請する。実現すれば鋼板価格はバブル期の水準を超え、過去最高値に迫る。他の鉄鋼大手の追随は必至で、顧客全体で 1兆円規模のコスト上昇になる可能性がある。顧客企業が最終製品の値上げに踏み切れば、世界的な資源高の影響が経済や生活に一段と広がる。値上げの対象は自動車メーカーなど大口顧客と直接取引する製品で、新日鉄では製品全体の8割程度がこれに当たる。現在の価格はおおむね1トンあたり6万 ―10万円。上げ幅は、船舶や発電機械などに使う厚鋼板が同2万円前後、自動車や家電向け薄鋼板は同1万―2万円になる見通し。自動車部品などに使う特殊鋼の値上げも検討中だ。

△証券各社、新型店を展開・富裕層向けや投信販売
証券各社が富裕層向けや投資信託専門店など機能を限定した新型店舗の出店を加速している。出店コストの安い小型店舗を通じて新たな顧客層を開拓する狙いだ。銀行系証券は銀行の店舗内に共同店を出店するなど銀行と連携した戦略を進める。「貯蓄から投資へ」の流れが進むなか、各社の顧客争奪戦はより激しくなりそうだ。
野村<8604>証券が積極的に出店を進めるのは、顧客層や地域特性に応じ機能を限定した専門店。(1)富裕層向けに金融サービスを提供する店舗(2)地域に特化し、外交営業員のみが常駐する非来店型の店舗(3)来店した顧客のみに営業する来店型店舗――の3タイプがある。営業員はそれぞれ10人程度で、100人以上を抱える大型店舗に比べ大幅に少ない。小回りがきく専門店をてこに「顧客との接点を広げ、預かり資産の拡大を図る」という。

△セカンドライフに「お菓子の家」、グリコ<2206>が販促
江崎グリコはインターネット上の仮想空間「セカンドライフ」内で主力商品の販促活動を始めた。チョコレート菓子のポッキーシリーズ6品をモチーフとした「Ｐｏｃｋｅｙ　お菓子の家」を設置、訪問者が自由に出入りできる家として開放、イルミネーションを点灯できるなどのしかけを用意した。

△Ｍ＆Ａ文書、ネットで管理・電通国際情報サービス<4812>
電通国際情報サービスは、Ｍ＆Ａ（合併・買収）の資産査定に関する機密文書を閲覧・管理するための「仮想会議室」をインターネット上に設置する新サービスを12日に始める。米国で大手投資銀行や投資ファンドが利用している技術を導入し、日本語版サービスを提供する。Ｍ＆Ａ案件の資産査定では、財務情報などの機密文書を専門家が閲覧する「データルーム」を用意するケースが多い。入札案件では財務アドバイザーを務める複数の金融機関や弁護士などが会議室に順番に訪れるため、資産査定に時間がかかる要因となっている。

▼スカパーＪＳＡＴ<9412>、営業益が90億―100億円に・４―12月
スカパーＪＳＡＴの2007年4―12月期の連結営業利益は90億―100億円程度だったもようだ。同期の予想は開示していないが、08年3月期の通期見通しの70億円を大きく上回りそう。スカパーの新規個人契約が伸び悩み、顧客獲得費用が想定を下回っているため。目先の利益を押し上げるが、将来の収益源が細るとの懸念から、昨年4月の経営統合時から株価は半減している。4―12月の新規個人契約は累計で35万9000件。1月も5万件弱にとどまっており、昨年11月に下方修正した通期計画の57万件に届かないペース。新規加入が少ない分だけ、販売費用が想定したほどかからない。

▼三菱ケミカルＨＤ<4188>、中期計画発表を５月に延期
三菱ケミカルホールディングスは新しい中期経営計画（2008―10年度）の発表時期を5月に決めた。本来は2月の予定だったが、子会社の三菱化学が昨年12月に火災事故が起こしたのを受け、石油化学事業などの計画を見直している。4月にグループ内の機能樹脂事業を統合して発足する新会社の経営計画なども反映させる。三菱ケミカルは08年3月期の連結純利益に事故による減産や代替品調達などで130億円の影響が出るとしている。

△中東欧の販売店向け、ホンダ<7267>が社員研修を拡充
ホンダはロシアや中東欧など欧州新興国での自動車需要拡大に対応し、販売店向けの社員研修を拡充する。2009年からインターネットなどを使った教育プログラムを設け、ブランドや顧客対応の研修を始める。同地域は多言語で地域ごとの文化も異なり、販売店の水準にばらつきがある。早期にブランド意識の統一を図り、販売拡大につなげる狙い。ネット上の教育システムの構築に向け、ホンダの欧州統括会社、ホンダ・モーター・ヨーロッパは1月末、多言語システムに強みを持つ米国のソフト会社と契約した。一つの教育プログラムを迅速に様々な言語に翻訳し、各国の現地法人や販売店に提供できる。
（NIKKEI NET）

□米ヤフー、金額安すぎるとして買収提案拒否する方針
米インターネット検索大手ヤフーが、米ソフトウェア最大手マイクロソフトからの総額４２０億ドル（約４兆５０００億円）での買収提案について、金額が低すぎるとして拒否する方針であることがわかった。関係筋が９日にロイターに明かした。米ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）紙は、消息筋の話として、１株当たり３１ドルというマイクロソフトの提案はヤフーを「盗もうとする」企てであり、ヤフーは１株当たり４０ドルを下回る提案は検討しないだろうとしている。１株４０ドルとした場合の総額は、５１１億ドル（５兆５０００億円）。１株４０ドルという金額は１月のヤフー株価の２倍に相当する。マイクロソフトとヤフーの合併が実現した場合、コンピューター・テクノロジー業界では世界最大級の合併となり、インターネット検索および広告の最大手グーグルの強力なライバルとなる見込み。ＷＳＪでは、ヤフーは買収額の引き上げのほか、ヤフーの独立性を維持させたグーグルとの提携などを検討しているとしている。
（ロイター）

■三菱自<7211>、南豪州政府に補助金返却＝34億円、工場閉鎖で
豪AAP通信によると、三菱自動車は11日までに、同社豪州工場（アデレード）の閉鎖に伴い、南オーストラリア州政府から受けていた補助金3500万豪ドル（約34億円）を返却した。　

▼住友化学<4005>愛媛工場で火災＝1人けが、有機金属プラント停止
10日午後8時10分ごろ、愛媛県新居浜市菊本町の住友化学愛媛工場内にある有機金属製造プラント（MO工場、鉄骨平屋約120平方メートル）から出火。同プラントは停止し、火は同プラント内で5時間にわたり燃え続けた。この火災で、同社社員寺沢圭さん（35）＝同市新須賀町＝が右手などに軽傷を負った。　
（時事通信）

△Ｆ１レースで環境に貢献　ホンダ<7267>チーム、１億２７００万円寄付へ
モータースポーツの最高峰、Ｆ１レースに参戦するチームも「環境」を活動のキーワードに掲げる傾向が強まっている。ホンダレーシングＦ１チームは、２００８年シーズンに挑むニューマシン「Ｈｏｎｄａ　ＲＡ１０８」を公開。併せてＦ１レースを通じて環境問題に貢献するプロジェクト「アースドリームス（ｅａｒｔｈｄｒｅａｍｓ）」の概要を発表した。その一つとして同チームと、レースを支援するパートナー（企業）は今年、総額１２０万ドル（約１億２７００万円）を環境関連の慈善団体に寄付する。０８シーズンでチームのレースドライバーを務めるのはジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロら。ＲＡ１０８の車体には「ｅａｒｔｈｄｒｅａｍｓ」の文字が描かれており、今シーズンは走行しながら環境の重要さを世界に訴える。

△ブリヂストン<5108>がＣＤＭ活用　ＣＯ２排出権取得へ
ブリヂストンは、インドネシア子会社「ブリヂストン　タイヤ　インドネシア」のカラワン工場にコージェネレーション（熱電併給）システムを導入し、京都議定書に規定されたクリーン開発メカニズム（ＣＤＭ）の枠組みを利用して二酸化炭素（ＣＯ２）の排出権を取得する。同社では２０１２年までにＣＯ２を１９９０年度比６％削減する目標を掲げており、ＣＤＭを活用することで目標達成への取り組みを強める。コージェネシステムは、発電の際に発生する廃熱を利用する省エネシステム。特に熱源を多く使用するタイヤ工場では、エネルギー効果が高くなるという。すでに日本国内にある９工場には同システムを導入済み。ＣＯ２排出量をさらに削減するために、カラワン工場にも導入することにした。稼働は０９年２月の予定。カラワン工場では一日に約１万８６００本の自動車用タイヤを生産している。ＣＤＭは、先進国が途上国で実施した温室効果ガス削減プロジェクトで削減した分を自国分として盛り込める制度。

△バイオ燃料、計画着々　日産<7201>が「Ｅ１０」実証実験に参加
日産自動車は、４月から北海道十勝地域で実施されるガソリンにバイオエタノールを１０％混合した「Ｅ１０燃料」の普及をめざした国内初の実証実験「とかちＥ１０実証プロジェクト」に参加する。プロジェクトでは、日産が提供する「ムラーノ」を使って、各種の実験を行い、Ｅ１０燃料対応車を開発するうえので課題などを探る。プロジェクトは十勝圏振興機構が環境省の委託を受けて実施する。Ｅ１０を早期に普及させるために、実際にＥ１０燃料を使用し、４月１日から１２月１９日までの予定で車両を走行させる。植物から生産されるバイオエタノールは、燃焼しても二酸化炭素（ＣＯ２）の量を増やさないため、世界的に注目を集める。とくに今回使用するバイオエタノールは、規格外の小麦やてんさいを原料とする関係上、食糧供給に及ぼす影響が小さいとされる。また、北海道でのガソリン需要量の１％（年間１万５０００キロリットル）を代替できる可能性を持つという。日産は、バイオ燃料対応車両の開発に積極的に取り組み、すでに北米では「Ｅ８５」に対応したタイタン、アルマーダを販売している。今回の実証実験への参加は、ＣＯ２排出量の削減を中心とした中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム　２０１０」の一環として行う。

△エコクッキングでＣＯ２削減を実証　東京ガス<9531>
東京ガスは東京家政大と共同で、エコクッキングによって、二酸化炭素（ＣＯ２）の排出量を大きく削減できることを実証した。今回の研究では、朝・昼・夕食別によく作られるメニューを取り上げ、削減効果を調べた。対象となったメニューはトーストと炒飯、魚のたれ焼き、みそ汁、ほうれん草のおひたし、ジャガイモの煮物、カレーライス。ガスと水、お湯の量を測定できるメーターとパソコンを接続して秒単位で測定した。炒飯の場合、卵と飯を別々にいためるのに比べ、あらかじめ合わせてからいためる方が２５・１６％もＣＯ２排出量が少ないことが判明。飯のべたつきもなく、パラパラと食感よく仕上がったという。みそ汁は煮干しをミルで粉末にした方がうまみが流出しやすく、そのまま使用するのに比べ排出量が３７・８４％削減される。カレーライスは、ジャガイモを２分の１の大きさに切ったときよりも１センチ角の方が速く調理でき、やはり３６・９２％の排出削減効果があった。今回の結果は、７月にスイスで開かれる国際家政学会で発表する。また、エコクッキングを指導するエコクッキングナビゲーターを通じ、実験の成果を多くの人に知ってもらう方針だ。東京ガスの三神彩子・「食」情報センター主幹は、「野菜の洗浄や食器の片づけに至るまで、どの部分で工夫を凝らせば排出量を最も減らせるかの調査もしたい」（東京ガスの三神彩子・「食」情報センター主幹）と話している。

△１月の車名別新車販売、スズキ<7269>「ワゴンＲ」が首位返り咲き
日本自動車販売協会連合会などが発表した１月の車名別の新車販売台数によると、スズキの軽乗用車「ワゴンＲ」が、前年同月比１４％増の１万７０５２台で、２００７年１０月以来３か月ぶりの首位に返り咲いた。
２位は１１～１２月に１位だったホンダ<7267>の小型車「フィット」で、前年同月比約２・８倍の１万５０８３台と引き続き好調だった。
３、４位はともにダイハツ工業<7262>の軽乗用車で、「ムーヴ」が１５％減の１万３７９５台、１２月に全面改良された「タント」は５０％増の１万１７７７台と好調だった。
引き続き軽や小型車が人気だが、１２月に一部改良した日産自動車<7201>のミニバン「セレナ」が、１９％増の７０６１台で７位と健闘した。
（読売新聞）

△シスメックス<6869>、仏で血球計数装置と試薬を直接販売
シスメックスは４月から、フランスで血球計数装置と試薬の自社販売を始める。これまでロシュ・ダイアグノスティックス（スイス）を通じて販売していた。大病院から中小の医療機関まで網羅する販売体制を構築、直接販売に切り替える。フランスにおける０６年度の売上高は２３億円だが、２０１０年度に約３９億円に増やす。直接販売に伴い、これまで代理店サポートを行ってきた子会社「シスメックスフランス」（ロワシー・シャルルドゴール市）を増資する。欧州統括会社が新たに３億円を出資し、資本金４億円とする。人員を現行の２倍となる７０人に増やすなど販売・サービス力を強化し、自社製品のシェア拡大に努める。

△日本車両<7102>、鉄構事業を再編－鉄道事業に人員移管
日本車両製造は橋梁工事などの鉄構事業を再編する。４月１日付で鉄構部門の人員を再配置し、３０―４０人を鉄道車両事業部門などに移管する。さらに０９年３月までに豊川製作所（愛知県豊川市）から衣浦製作所（同半田市）に、輸送用機器の製缶ラインの一部を１１億円かけて移設する。市場が縮小傾向の鉄構事業を縮小し、全体の最適化を図る。同社の主力は鉄道車両製造。主力工場の豊川製作所で生産能力の増強をしており、同製作所は手狭になっている。半面、鉄構事業の工場の衣浦製作所は仕事量の減少で余剰スペースが発生しているため、製缶ラインを移すことにした。これにより仕事量にあわせた人員・設備体制を整え、同社全体の業務効率を高める。鉄構事業の担当部門は、タンクローリーなどの輸送機器部門と統合し、組織もスリム化する。

△シチズン<7762>マシナリー、欧子会社にカンパニー制を導入
シチズンマシナリーは、欧州子会社に社内カンパニー制を導入した。エンジニアリング機能、ドイツの販売機能、欧州統括機能の３機能別にカンパニーを設立した。カンパニー制のもと各事業の経営判断制を迅速に行う。カンパニー制を導入した欧州子会社は１月にドイツで設立したシチズンマシナリーヨーロッパ（ＣＭＥ）。当初、ＣＭＥが欧州事業を統括し、ＣＭＥ傘下にエンジ会社と独販売会社を置く計画だった。今回、需要拡大には販売とエンジ事業の密接な連携が必要と考え、カンパニー制に変更した。また、会社が増えることによるコスト増加も考慮した。欧州では０７年までシチズンマシナリー・ボーライ（ＣＭＢ、ドイツ）が自動旋盤を生産していた。ＣＭＢは、生産縮小による収益悪化や統括機能が不十分だった。そこで生産から撤退し、統括機能を重視したＣＭＥを設立した。

△ＮＲＩ<4307>など、大規模施設向け位置検知システム開発
野村総合研究所（ＮＲＩ）はモバイル・テクニカ（東京都新宿区）と共同で、無線ＬＡＮを活用したデータセンターなど大規模施設向け位置検知システムを開発した。ネットワークを通じた専用端末で入館者の位置情報を把握。障害の発生時に迅速に緊急連絡できる機能も提供する。両社がそれぞれ扱い、モバイル・テクニカは両システム機能を合わせたパッケージソフトとして販売する。パッケージの価格は１０５万円。位置検知システムは入館者に無線ＶｏＩＰ（音声データ転送技術）電話端末を貸し出し、その接続情報から位置情報をパソコン画面に表示。入館者の氏名や会社名などの属性情報もわかるほか、アクセスポイントのログ（履歴）の取得によりセキュリティー向上も期待できる。

△イビデン<4062>、ＩＣパッケージ増産－フィリピンに１００億円投資
イビデンは０８年度、フィリピンのＩＣパッケージ生産子会社「イビデンフィリピン」（バダンガス州）に１００億円の大型投資を実施する。０７年度比で約３・３倍の投資規模となる。生産能力を現状の１・５倍に引き上げ、需要増に対応する。生産ラインの見直しなども進め、リードタイム短縮や製造コスト削減、製品の性能向上を図り、競争力を強化するのが狙いだ。イビデンフィリピンはパソコンのチップセット向けパッケージの生産が主力。同パッケージは需要が伸びており、先を見据えた生産能力の増強が必要になっている。近年は韓国や台湾などのＩＣパッケージメーカーとの競争が激化。また半導体業界の技術革新のスピードは速く、次世代型製品への対応も欠かせなくなっている。こうした状況から、イビデンフィリピンの生産能力の増強、競争力向上を促すため、積極的な投資をすることを決めた。

▼半導体メーカー・事業部１１社の３月期見通し、価格下落が各社の収益に影響
半導体メーカー・事業部１１社（非公表のエルピーダメモリ<6665>除く）の０８年３月期は、売上高が前年度比４・６％増の５兆９３４５億円になる見通しだ。薄型テレビや携帯電話向けの半導体は出荷数量は増えているものの価格下落が著しく、各社の収益状況に影響を与えている。また、北京五輪に向けた需要は期待ほど拡大しておらず、サブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題に絡んだ消費の先行き不透明も増していることから、通期業績予想を下方修正するメーカーも出ている。０８年３月期は１１社中６社が増収、ルネサステクノロジ、ＮＥＣエレクトロニクス<6723>、ローム<6963>、ＯＫＩ<6703>、セイコーエプソン<6724>の５社が減収の見通し。このうちロームは民生機器の調整と為替円高を織り込んで、通期見通しを下方修正した。

▼電線大手２社の４―１２月業績、国内の通信関連不調で減益
電線大手２社の０７年度第３四半期（０７年４―１２月）は、ＮＴＴ<9432>による家庭用光ファイバー通信回線（ＦＴＴＨ）サービス計画の下方修正など外部要因の影響が予想より大きかった。
古河電気工業<5801>は光ファイバーケーブル事業の営業利益が前年同期比９・３％減の３９億円となった。海外市場では光ファイバー関連の需要が旺盛ながら、国内の落ち込みを補いきれなかった。
住友電気工業<5802>も全社では２ケタ増益だったが情報通信関連事業は減収営業減益だった。
０７年の改正建築基準法施行が新設住宅着工数の減少を招いており、電線業界にも影響が出始めた。古河電工は建築用断熱材の販売不振などにより、エネルギー産業機材部門の営業利益が同９・２％減の５９億円だった。また、建設用電線は建物の完成後に敷設するため「第４四半期と０８年度に影響が出るかもしれない」（櫻日出雄古河電工常務）という。

△トッキ<9813>、利益改善へ部門横断のプロジェクトチーム制度を導入
トッキは有機エレクトロ・ルミネッセンス（ＥＬ）製造装置と薄膜太陽電池製造装置の大型機種の利益改善を目的に、３月に部門横断のプロジェクトチーム制度を導入する。受注額１億円以上の案件に対し、製品企画、設計、製造、購買、営業部門からなるチームを設置し、開発初期の段階から情報共有して予算、納期管理を徹底する。大型機種は開発要素が多くコスト高となる傾向があり、受注から納入まで１０カ月以上もかかっている。新制度の導入によりリードタイムを２０―３０％短縮し、コスト削減を図る。今後、親会社であるキヤノングループとの部材共同購買や、同グループの販売網、サービス網活用も進めシナジーを発揮させる。

△マツダ<7261>、０９年めどバイオ燃料車にステンレス製燃料タンクを採用
マツダは０９年をめどに北欧市場に投入するバイオ自動車に、ステンレス製の燃料タンクを採用することを決めた。自動車部品メーカーのキーレックス（広島県海田町、瀬濤康寛社長、０８２・８２２・２１４１）と共同で、同タンクの開発に着手した。ステンレスは鉄や樹脂より高コストとなるが、耐食性に優れる。バイオ燃料車用への採用は国内自動車メーカーでは初めてという。マツダが北欧に投入するのは、バイオエタノール８５％、ガソリン１５％の混合燃料に適した「Ｅ８５」対応車。ブラジルなどを中心に普及が進むバイオ燃料はトウモロコシ、海草類など原料が多岐にわたる。そのうえ発酵後のエタノール特性にバラつきがあるため、タンクは鉄製なら錆が生じ、樹脂製では溶けることから開発が難航している。

△ミツバ<7280>・ウオルブロー、車用燃料ポンプモジュールの月産能力３割増強
ミツバの子会社、ミツバ・ウオルブロー（群馬県伊勢崎市、江口均社長、０２７０・６３・５６１２）は自動車用燃料ポンプモジュールの月産能力を６万個から８万個に３割増強する。日産自動車やホンダなど取引先の新型車生産に対応するため、現状３本の組み立てラインを１本増設する。これに伴って従業員を増やす。こうした対応により、同製品の売上高を０８年１２月期には前年度比約１５％引き上げる。総投資額は５０００万円程度としている。ポンプモジュールは燃料タンク内に置かれ、エンジンへの燃料供給と、運転席計器への残量情報の伝達を行う。ラインの増設で９月をめどに、月産５万個から１・５倍の７万５０００個に拡大する。現在１６０人の従業員を５人増やす。

△ＮＴＮ<6472>、紀南製作所の第２工場を完成－アクスルベアリング増産
ＮＴＮは、生産子会社ＮＴＮ紀南製作所（和歌山県上富田町）の第２工場を完成した。自動車の足回りに使う軸受であるアクスルベアリングの生産拡大に対応するため、鍛造加工の能力を増強する。延べ床面積は８０００平方メートル。大型鍛造機１台、従業員１０人でスタート。順次、生産能力を拡大していく。クルマ向け軸受は、ＢＲＩＣｓ（ブラジル、ロシア、インド、中国）を中心とした自動車業界の好況を背景に需要が急増している。同社は、特にアクスルベアリングを戦略商品と位置づけて力を注いでいる。アクスルベアリングなどは生産がひっ迫しており、０８年も岡山県内に新工場建設を計画。ＮＴＮ紀南製作所における前工程の能力増強で、クルマ用軸受の生産拡大への対応力を強化する。

△理研など、次世代合成ゴムタイヤ向け新錯体触媒を開発
理化学研究所はブリヂストン<5108>、ＪＳＲ<4185>と共同で、次世代合成ゴムを使ったタイヤ製造の実用化につながる新たな錯体触媒を開発した。シス構造の純度を９９％まで高めたポリブタジエン（ＢＲ）ゴムの工業生産が可能になるという。耐久性が大幅に向上することから、タイヤの軽量化と車両の低燃費化が実現するという。今後は新触媒を使って生産したタイヤの実証テストを実施する。ＢＲは高性能タイヤの原料となる合成ゴムとして期待されていたが、合成によって形成されるシス構造の純度が９２―９７％にとどまり、実用化に至っていなかった。実験室レベルでは純度９９％を超える超高シスＢＲを作れることがわかっていたが、合成に利用するガドリニウムメタロセン錯体触媒が低温環境でしか利用できないといった制約があった。

△宇部興産<4208>、スペイン工場のナイロン樹脂原料のアジア向け輸出を拡大
宇部興産はスペイン工場で生産するナイロン繊維などの原料となるカプロラクタム（ＣＰＬ）のアジア向け輸出を拡大する。同社は０９年秋にタイ工場でナイロン６の生産能力を増強する計画。これに伴いＣＰＬの自社での消費量が増えるため、アジアでの外販分は減る格好となる。こうしたことから従来年約２万トンだったスペインからの輸出を３万トン程度にまで増やし、成長市場であるアジアでの外販量を確保する方針。スペイン工場のＣＰＬ生産能力は現在年９万５０００トン。このうち外販分は７万５０００トンで、販売先はスペイン国内など欧州向けが中心。今後は、生産能力は現状のままで、アジア向け外販の割合を増やす考えだ。タイ工場は現在年１１万トンのＣＰＬの生産能力を持つものの、ナイロン６の増産による自社消費の増加によって、タイ国内や中国などに外販していた分が従来の年８万５０００トンから５万トン程度減る見込みだ。

△宝酒造（宝ＨＤ<2531>）、米国の清酒工場を増強
宝酒造は２０１２年３月期をめどに、米カリフォルニア州の清酒工場の生産能力を現状の５０％増にあたる年間約７５００キロリットル（原酒ベース）に引き上げる。米国の清酒市場はここ数年、年率８―１０％で成長を続けており、需要の拡大傾向は今後も続くと判断した。総投資額は約８億円。増強するのは米国の製造販売子会社「米国宝酒造」の工場。北米市場向けの清酒、みりん、梅酒などを中心に手がけている。設備投資では麹（こうじ）菌を育てる製麹機や仕込みタンク、貯酒タンクなどを段階的に増設する計画。米国の清酒市場は推定１万５２００キロリットル（０６年）。日本食ブームに伴って清酒需要も年々増加し、米国宝酒造の売上高も前年度比約１０％の成長を続けている。生産も年間約５０００キロリットル（原酒ベース）でフル稼働状態となっていた。
（日刊工業新聞）

△イメージワン<2667>　国際航業ホールディングス<9234>、国際航業との業務提携を発表
８日にイメージワンは、国際航業ホールディングスならびに国際航業と衛星画像ビジネス分野における業務提携の締結に合意したと発表。国際航業グループが持っている航空写真測量・図化技術および環境・防災分野の技術サービスと、同社が権利を有する複数の地球観測衛星のリソースと画像処理技術の融合により、次世代空間情報市場を形成し、顧客ニーズにあった画像サービスを迅速かつ安価で提供できることを業務提携の理由としてあげている。同社は、現在５機の衛星から取得される衛星画像の国内独占販売契約を持っており、これらの衛星が撮影、収集した世界中の画像データを提供できる。また、画像データの解析を行い、目的にあった最新情報に加工・提供することで、環境保全や防災の対策、農業推進、海洋調査、国の安心安全の監視など、幅広い分野で活用されている。しかしながら、衛星画像データから抽出した付加価値情報サービスの市場は成熟していないのが現状で、この状況を打開するためには、顧客が必要とするサービスに適した衛星画像データと技術を選択し、迅速にサービスにつなげることが必要である。そこで、国際航業グループと業務提携することで、この課題を克服し、更なる付加価値情報サービスの提供を実現する。両社にとってサービス領域が広まることで、ビジネスチャンスが拡大することになる。

△フェローテック<6890>　第３四半期経常利益は４５．５％増
フェローテックは８日、０８年３月期第３四半期業績を発表した。連結売上高２６７億８００万円（前年同期比１３．０％増）、経常利益１８億３１００万円（同４５．５％増）、純利益１１億１７００万円（同２５．０％増）と２ケタ増収増益となった。同社の主力部門である装置関連事業では、半導体製造に使われる石英製品やシリコン製品、半導体製造装置及びＦＰＤ（フラットパネルディスプレイ）製造装置に使われる真空シールの減速感が感じられ、調整色が若干強まったが、売上、営業利益ともに前期を上回った。一方、電子デバイス事業は、温調シート用等のサーモモジュールが堅調であった。ＣＭＳ事業は、不採算事業からの撤退等に伴う減収要因を太陽電池用シリコン単結晶引上装置で補った。通期連結業績予想は、売上高３５５億円（前期比９．２％増）、経常利益２４億円（同１５．３％増）、純利益１５億円（同１１．９％減）、１株当り純利益７８円６４銭を見込む。純利益が２ケタ減少するのは、前期の特別利益計上の反動と今期の法人税負担増による。

△東テク<9960>　空調設備工事のリーディングカンパニー、業績も順調
東テクは、８日に０８年３月期第３四半期業績を発表した。連結売上高３９１億９６００万円（前年同期比１．４％減）、経常利益５億９７００万円、純利益２億６３００万円となった。なお、四半期業績の開示は今期から開始している。昨年６月２０日に改正建築基準法が施行されたことで、建築確認の認可が遅れ、工事の遅延により着工件数に大きな影響が出ていることから、業績への影響が心配されるが、同社は空調設備工事の老舗で、業界のリーディングカンパニーであることからその優位性は揺るがない。通期連結業績予想は、売上高５８８億円（前期比３．４％増）、経常利益１９億７０００万円（同５．２％増）、純利益９億６０００万円（同１１．６％増）、１株当り純利益６８円７３銭と増収増益の見通し。同社の業績は期末に集中することが常態であるとして、１１月１６日の発表数値に変更はないことから、順調に推移しているといえる。

△ＯＢＡＲＡ<6877>　第１四半期業績は大幅増収増益と幸先のよいスタート
ＯＢＡＲＡは、８日に０８年９月期第１四半期業績を発表した。連結売上高１３１億８５００万円（前年同期比３２．４％増）、経常利益２２億２２００万円（同８０．７％増）、純利益１３億６１００万円（同７９．１％増）と大幅な増収増益と幸先のよいスタートとなった。同社は抵抗溶接機と平面研磨装置の２つが主力事業である。まず、抵抗溶接機器関連は、昨年秋口まで溶接関連設備投資を調整していた日系自動車メーカーからの引き合いが回復基調に転じ、第１四半期に納入が集中したことから売上高５５億９３００万円（同１３．４％増）、利益面についても原材料高騰にもかかわらず増産効果と原価低減により６億１０００万円（同４３．１％増）となった。一方、平面研磨装置関連事業は、受注残の出荷・検収を順調に消化すると共に、第２四半期予定の検収案件が前倒しとなったこと等により売上高７４億７８００万円（同５０．７％増）、利益面についても１６億円（同２．１２倍）と大幅な増収増益となった。通期連結業績予想は、売上高４７０億円（前期比３．９％増）、経常利益６１億円（同４．２％増）、純利益３８億５０００万円（同８．３％増）、１株当り純利益１８５円５銭と増収増益を見込む。
（証券日刊新聞）

△バレンタイン異聞　ビール４社　恵比寿にワインバー
１４日のバレンタインデーに向け、大手ビールメーカーがチョコレートを使った市場の活性化に乗り出している。１０日、東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスに１４日までの期間限定で「バレンタインＢａｒ　２００８」がオープンした。
このバーは、サッポロ<2501>ビール傘下のワイン専門店「ラ・ヴィネ」が厳選したグラス１杯１５００円以上の高級ワインと、１０００円程度の高級チョコレートがウリ。デートにうってつけの雰囲気のいい場所で、最高のワインとチョコレートを味わってもらおうと、若いカップルに狙いを定めている。
高級チョコのゴディバのチョコリキュール「ゴディバリキュール」を輸入販売するキリン<2503>ビールは、１月からゴディバリキュールを使ったカクテルをホテルのバーなどに提案。これまでに、ＡＮＡインターコンチネンタルホテル東京（東京都港区）などで期間限定メニューとして採用された。同社のリキュールの１月売上高が前年同月比で約２０％増加するなどバレンタイン効果の恩恵を受けている。
チョコとの相性の良さで、ウイスキー市場のてこ入れを狙うのがサントリーだ。１月下旬から全国１５カ所で開催した、ウイスキーに合うチョコを紹介する「シングルモルト＆ショコラ」講座は、募集の約４倍の応募がくるなど予想以上の人気となった。同社はまた、菓子大手のロッテと共同で、シングルモルトウィスキー「山崎１２年」を使ったチョコを開発。ミニチュアボトルとのセットで、６万個の売り上げを見込んでいる。
アサヒビール<2502>もイオン<8267>と共同で、家庭用ウイスキーの「ブラックニッカクリアブレンド」と「シングルモルト余市」を、バレンタイン用の特製ケースで販売し、バレンタイン効果に期待を寄せる。頭打ち傾向にあるビール市場や消費者の節約意識の高まりなど、アルコール市場を取り巻く環境は厳しいだけに、各社はバレンタインにあやかった“甘い効果”を狙っている。

△伊藤忠<8001>がエコ学校制服ブランド　チクマと提携　長持ち、再利用、再生コンセプト
伊藤忠商事は、繊維専門商社のチクマ（大阪市中央区）と提携し、環境に配慮した学校制服ブランド「ＭＯＴＴＡＩＮＡＩ　ＳＣＨＯＯＬ」を新たに立ち上げた。第１弾として、今年４月に開校する南山大学付属小学校（名古屋市）が採用。同校の生徒は自由選択により、同ブランドを選択することができる。「ＭＯＴＴＡＩＮＡＩ　ＳＣＨＯＯＬ」は（１）使い捨てにせずに長持ちさせる（リデュース）（２）使い終わった制服で、使用可能なものは補修、クリーニングをして再利用する（リユース）（３）使用が困難な制服は自動車の防音材、断熱材などに再生する（リサイクル）－をコンセプトにしている。「ＭＯＴＴＡＩＮＡＩ」は、環境分野で初めてノーベル平和賞に輝いたケニア人女性、ワンガリ・マータイさんが提唱。日本では伊藤忠商事が中心となってキャンペーン展開している。同社では、環境に配慮した学校制服を通じ、ものを大切にすることの重要さを子供たちに伝えていきたいとしている。
（FujiSankei Business i）