2/12『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■ワタミ<7522>の07年4－12月期、営業益29％増
ワタミが8日発表した2007年4―12 月期の連結業績は、営業利益が前年同期比29％増の34億円となった。居酒屋チェーンの新規出店を抑制。店舗人員の適正化など既存店の立て直しに注力し、販売費・一般管理費を抑えた。売上高は6％増の778億円。介護事業は10棟を新設。既存施設の入居率は9割を超えている。国内外食チェーンの既存店売上高は前年実績を下回っているが、好調な介護が補った。08年3月期の連結業績は従来予想を据え置いた。

□博報堂ＤＹ<2433>、４-12月営業益28％増
博報堂ＤＹホールディングスが8日発表した 2007年4―12月期連結業績の営業利益は前年同期比28％増の202億円だった。売上高の伸びは同2％にとどまったが、原価管理の徹底や制作業務の内製化などが奏功した。ただし、10―12月期は景況感の悪化などを背景に増収率が同0.6％増に低下したうえ、一部制作子会社での人員増などが響き、営業利益は同9％減った。4―12月期を業種別でみると、官公庁・団体や飲料・嗜好（しこう）品、不動産・住宅設備などが増加した。半面、出稿額が大きい自動車・同関連品や情報・通信、金融・保険の落ち込みが目立った。媒体別では、雑誌や新聞の減少が目に付いた一方、インターネッメディアは同 19％増えた。
08年3月期通期の業績見通しは据え置いた。

▼三井化学<4183>、再生樹脂も偽装・経産省が実態調査へ
三井化学グループは8日、事務用ファイルの表紙などに使われる再生樹脂（プラスチック）で、2000年から再生品の配合率を偽って出荷していたと発表した。同社はコクヨ子会社など2社に同樹脂製品を供給しており、1999年以降に出荷した再生品の約8割で偽装があったという。再生紙に続き樹脂でも偽装が発覚したことを受け、経済産業省は業界団体に再生材料の製造・販売の実態について調査するよう求めた。再生品の配合率を偽装していたのは、三井化学の全額出資会社で樹脂加工品メーカーの三井化学ファブロ（東京・千代田）。三井化学ファブロは1999年10月から今年1月までに環境配慮型の樹脂シートを合計375トン生産、コクヨグループなど文具2社に納入していた。顧客には再生樹脂を50―100％使用していると伝えながら、実際には約8割の製品で再生品の配合率を偽っていた。再生樹脂を一切使用していなかった製品も約 6割あった。

■トヨタ<7203>労組、賃上げ1500円を正式決定
トヨタ自動車労働組合（鶴岡光行執行委員長）は8日、今春の労使交渉で賃金改善分（組合員平均）1500円を要求する執行部案を評議会で可決し、正式決定した。賃上げ要求は3年連続。昨年は1500円を要求し1000円で妥結した。同日に記者会見した鶴岡執行委員長は、「海外展開に労働の質の向上で応えてきた。身近なガソリンや食料品も値上がりしている」と説明、昨年以上の獲得を目指す考えを示した。13日に会社に要求を提出する。年間一時金（同）は昨年の支給額を6万円下回る253万円を要求する。ただ、減額は一時金の算出方法の変更によるもので、実質的には過去最高となった昨年と同水準の要求額。トヨタ自動車は2008年3月期に連結で過去最高益を更新する見通しで、好調な業績を一時金に反映するよう求める。パートと再雇用者の賃金や年間収入の引き上げを初めて正式に要求するほか、会社に介護施策の拡充を求めることも要求に盛り込んだ。春季労使交渉の場で、労使でまだ結んでいない最低賃金協定の締結に向け協議する方針も掲げた。

△パルコ<8251>、福岡出店に基本合意
パルコは8日、福岡市の旧岩田屋本館ビルに出店する基本契約をビル所有者と交わしたと発表した。出店時期や改装時期は今後詰める。2005年度に打ち出した政令指定都市を中心とした出店戦略の一環で、九州では大分市、熊本市に続き3店目となる。ビルは地下１階地上８階建てで、延べ床面積は約2万4000平方メートル。改修・改装したうえで、パルコが全面的に出店する計画。パルコは全国で19店を運営している。

△ＭＯＸ燃料、日仏工場で品質保証体制を監査・関西電力<9503>
関西電力は8日、プルサーマル発電に使うウラン・プルトニウム混合酸化物（ＭＯＸ）燃料を生産する日仏両工場の品質保証体制を監査すると発表した。12 日に原子燃料工業の熊取事業所（大阪府熊取町）、18―21日に仏メロックスの工場を関電社員4人らが立ち入り検査し、記録の管理体制などを確認する。関電は2010年度に高浜原子力発電所（福井県高浜町）でプルサーマルを実施する方針。監査は計画を進める具体的作業の第１弾となる。

△日本電産<6594>と日本ビクター<6792>、米国訴訟で和解
日本電産と日本ビクターは8日、米国で係争中だったモーター部品に関する特許侵害等の訴訟について和解したと発表した。両社は自社が保有する関連特許に関する相互クロスライセンス契約を同日付で締結。今後はそれぞれの特許を無償で活用して同モーター部品を生産・販売できるようにする。日本電産は2005年2月に、パソコンなどに使われるハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）用モーターの構造に関する特許が侵害されているとしてビクターを提訴。ビクターも07年10月、日本電産の提訴が独占禁止法違反などにあたるとして提訴していた。

△残価割引リース、残高3.5倍めざす・三菱ＵＦＪリース<8593>中期計画
三菱ＵＦＪリースは8日、2008年度末から導入される新会計基準に対応したリースの拡充を柱とする2008―10年度の中期経営計画を発表した。あらかじめ物件の残存価値を割り引く「オペリース」と呼ばれるリース資産の残高を現在の3.5倍の3500億円程度に増やす方針。新リース会計基準では、リースの利用企業がリースで調達した機械設備などを自社保有の資産として計上しなければならなくなる。だがオペリースなら従来通りリース料を費用計上するだけで済む。三菱ＵＦＪリースは同手法でのリースの対象を船舶や航空機などにも広げ、顧客層の拡大を目指す。4月に専門の営業部門も新設する。海外を含めたＭ＆Ａ（合併・買収）の積極活用などで、11年3月期の連結純利益は08年3月期予想の6割増の480億円を目指す。

△横浜銀<8332>など地銀７行、住宅ローン共同商品販売へ
横浜銀行や千葉銀行<8331>など地方銀行7行は8日、住宅ローンの共同開発を始めると発表した。女性向けに家事や育児を代行したり、高齢者のいる家庭を対象に健康相談をしたりする優待サービスを付け、商品力を高める。
ゆうちょ銀行がスルガ銀行<8358>と提携して住宅ローン業務への参入を予定しているため、連携して対抗する。今後、さらに参加地銀を増やす方針。
共同開発には群馬<8334>、静岡<8355>、常陽<8333>、八十二<8359>、山梨中央<8360>の5行も加わる。第１弾として2008年度上期中をメドに女性限定の住宅ローンを導入する。住宅ローンの利用者が家事・育児代行や、乳がん検診、宿泊施設を割安料金で使える仕組みにする。複数の地銀がまとまって委託することで、銀行はコストを抑えて専門会社と契約できる。
オール電化住宅など、地球環境に配慮した住宅向けのローンでは、残高の一定割合に相当する額を銀行が社会貢献団体に寄付することを検討している。個人の環境保護を促す動機づけとして住宅ローンを活用する。

△３月から食用油また値上げ、日清オイリオ<2602>など
日清オイリオグループとＪ―オイルミルズ<2613>は8日、食用油を3月から約10％値上げすると発表した。両社とも値上げは今年1月以来。穀物高を理由にした家庭用の値上げは2006年春以降、日清オイリオが8回、Ｊ―オイルは9回実施している。対象品目は大豆油と菜種油。家庭用の上げ幅は日清オイリオが1キロ当たり20円以上、Ｊ―オイルは同25円以上。マーガリン加工用、外食向け業務用も上げる。

△外国語会話教室、売上高28.4％減・07年
経済産業省が8日発表した2007年の特定サービス産業動態統計（速報）によると、外国語会話教室の売上高は977億700万円と前年比28.4％の大幅減少となった。英会話教室ＮＯＶＡの経営破綻が響いた。一方、ゴルフ場の売上高は好天が多かったことが寄与し、1044億7700万円と3.3％増。 2000年の調査開始以来初めて前年比でプラスとなった。

■監視委、ＯＨＴ<6726>株事件の横断検査結果を発表
証券取引等監視委員会は8日、東証マザーズ上場の検査装置メーカー、オー・エイチ・ティー（ＯＨＴ）株事件を受けて実施した証券会社19社に対する横断検査の結果を正式発表した。信用取引開始時の審査が多くの会社で形式的になっているといった顧客管理上の不備を指摘し、複数の観点からリスク管理の問題点も取り上げた。業界内で再発防止策の検討が進んでいることなども考慮し、処分の勧告は見送った。ＯＨＴ株事件は容疑者が借名口座を使い、信用取引でＯＨＴの株価を高騰させたあと急落させた事件。事件後、投資家から信用取引の貸出金を回収できず証券会社が立て替えた金額は合計131億円。

△ウェブクルー<8767>がストップ高比例配分――3399株買い残す
後場は買い気配のまま推移し、大引けに値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比5000円高の６万9700円で比例配分された。比例配分で78株の売買が成立し、同水準で3399株の買い注文を残した。昼休み時間中に発表した2007年10―12月期業績は連結営業利益が前年同期比2.5倍の１億 3300万円だった。後場は大幅増益を好感した買いが集まった。業績と併せて、自社株買いを実施すると発表したことで、短期的な需給改善を期待した買いも入った。

△ｅまちタウン<4747>が上げ幅拡大　10―12月期営業益93％増
反発。後場に入って上げ幅を拡大し、前日比９万3000円高の83万7000円を付けた。昼休み時間中に発表した2007年10―12月期業績は連結営業利益が前年同期比93％増の３億5900万円だった。後場は大幅増益を好感した買いが続いている。07年10―12月期は携帯電話向け広告が伸び、メディア広告事業が大幅増益となった。通期の連結営業利益見通しに対する10―12月期の進ちょく率は29.9％だが、「下期以降営業人員を増やす計画で、どの程度生産性が上げられるか不透明」（同社広報）だとして通期業績予想については据え置いている。

▼東京綱<5981>が後場急落――原燃料高などで通期利益下方修正
後場に急落。一時は前日比15円（8.5％）安の162円まで下げた。１月22日に付けた昨年来安値（159円）に接近している。きょう13時30分、 2007年４―12月期業績に併せ08年３月期通期の連結純利益が前期比26％減の13億円になりそうだと発表。従来予想を５億円下回るとの見通しを示したことで投資家心理が急速に悪化した。鋼索や鋼線などの原材料高、燃料費高、一部事業の受注伸び悩みなどが響くという。07年４―12月の純利益は前年同期比55％減の５億5700万円だった。

△イッコー<8508>が一段高――四半期業績発表後に買い強まる
一段高。個人投資家や証券会社の自己売買部門とみられる買いの膨らんだ後場に上げ幅を一段と広げている。一時は前日比23円高の72円まで上げ、昨年10月18日以来の70円台乗せとなった。上げに弾みがついたきっかけは11時発表の2007年４―12月期の連結業績という。連結経常利益は前年同期比87％減の6900万円だが、９月中間期の減益率90％からみると低下している。最終損益は９月中間期には2400万円の赤字を計上したが、４―12月期は2800万円の黒字となっている。08年３月期の通期業績は従来予想と変更せず、最終損益は3800万円の赤字予想だが、市場では「貸倒引当金の戻し入れなどで最終黒字に転換するのではないかとの読みも働いているようだ」とする声もあった。売買高も後場に大きく膨らんでいる。

▼千代建<6366>が後場一段安――受注高減などで先行き不透明感
後場に一段安。一時は前日比39円安の1101円まで下げ、１月22日に付けた昨年来安値（1053円）に接近している。12時に発表した2007年４―12月期の連結業績は営業利益が前年同期比20％減の167億円だった。中東地区での旺盛なプラント建設を背景に熟練工が不足していることが響き採算が悪化した。もっとも07年11月に下方修正し今回は据え置いた08年３月期通期予想に対する進ちょく率は76％。それでも株価が一段安となったことについて市場では、４―12月期の連結受注工事高が2117億円と前年同期に比べ56％減少していることや、共同事業を展開する仏企業が１月30日に約２億ユーロの負担発生を発表したカタールのガスプロジェクトについて開示資料で具体的な説明がないことから、「先行き不透明感が強まり売られている」（準大手証券の情報担当者）との指摘が出ている。

▼ユビテック<6662>が昨年来安値――今期業績予想を下方修正
大幅に続落。前場には一時、前日比１万9500円安の８万5500円を付け、2007年９月18日以来、５カ月弱ぶりに昨年来安値を更新した。後場に入っても安い水準で推移している。前日７日に2008年６月期の連結営業利益は前期比61％減の２億円になりそうだと発表したことが売り材料。同７％増の５億 5000万円としていた従来予想から一転、減益の見通しを示したことで失望売りが膨らんでいる。08年６月期は生体認証システム向けモジュールの生産調整などが響き、電子機器事業が不振。次世代の高速無線通信技術「ＷｉＭＡＸ（ワイマックス）」関連のコンサルティングが伸びず、ユビキタス事業の収益も計画を下回る。
（NIKKEI NET）

△アドテスト<6857>が消耗品ビジネスでＭ＆Ａの可能性、事業モデル転換視野
アドバンテストの丸山利雄社長は８日、ロイターの取材に応じ、半導体試験装置の消耗品であるプローブカードを手がけることに関心を示し、技術力向上や販路開拓に向けた時間を節約するためのＭ＆Ａ（合併・吸収）も選択肢の一つとの認識を示した。既存事業である半導体試験装置に加え、半導体市況に左右されにくい消耗品ビジネスを手がけることで、業績の安定化を図りたい考え。丸山社長は、現在の主力事業である半導体試験装置のビジネスは「（市況が）悪いときと良いときで（業績が）振られる」と説明。一方、消耗品ビジネスは「シクリカル（循環的）でない、魅力的なビジネス」と述べた。トナーなどの消耗品ビジネスで経営の安定化を図っている複写機メーカーと同様のビジネスモデルへの転換を視野に入れている。プローブカードは、半導体試験装置の稼働時に不可欠な部品のため、最先端製品を開発してもプローブカードの開発が間に合わなければ需要家の要求に応え難いとし、自前で手がけることのメリットも強調した。ただ、現時点で具体的に公表できることはないとした。
主要なプローブカードメーカーとしては、米フォームファクター、日本電子材料<6855>、日本マイクロニクス<6871>などがある。丸山社長は、今後の状況を見て「（市況が）上がってくるようなら、（既存ビジネスに）思い切って投資して差別化を進め、次に（市況が）上がったときにマーケットシェアを一気に取るという考え方もある」と述べた。ただ、すでに経営企画室で、Ｍ＆Ａや事業提携、既存ビジネスに近接した領域での新ビジネスの可能性を検討しているとも説明し、市況の低迷が長期化するならば「別のビジネスも考えなければいけない」などと事業エリアの拡大に意欲を示した。Ｍ＆Ａや提携の意志決定時期は、プローブカード分野では、汎用的なローエンド商品と高機能なハイエンド商品とともに「待ったなし。時期的に早いだろう」と述べた。同社は昨年１２月末現在で現金を１４４２億円保有しており、Ｍ＆Ａに向けた新株発行などは「いまのところない」とした。アドバンテストは１月、ＤＲＡＭを中心とした半導体市況低迷のあおりを受け、２００８年３月期の営業利益見通しを従来予想からほぼ半減となる２４０億円へと下方修正していた。一方、丸山社長は、株主還元は重要と述べたが、昨年実施した自己株取得では株価の反応が薄かったなどと説明し「必要とあればやるが、いますぐの自社株買いはない」とした。ただ、配当政策は重要とし「配当の額を落とす考えは全くない。悪いときも良いときもずっとやってきた。基本だ」と述べた。同社は、０８年３月期の年間配当予想を５０円としている。

△住友重<6302>、ドイツの射出成型機メーカーを買収
住友重機械工業は８日、ドイツの射出成形機メーカーであるデマーグ・エルゴテック社と米国の同成形機販売会社であるバン･ドーン・デマーグ社の２社を買収すると発表した。買収金額は現時点では明らかにできないという。住友重もプラスチックを形づくる射出成形機事業を手がけているが、課題だったアジア以外での海外事業を強化するのが買収の狙い。デマーグ社とバン・ドーン社には、ドイツのＭＰＭホールディングズの傘下企業２社がそれぞれ全額出資する。住友重はデマーグ社とバン･ドーン社のそれぞれの親会社から株式を３月３日付で取得する。デマーグ社は、１９２２年設立の射出成形機メーカーで、欧州やロシアに販売チャネルを持つ。２００７年９月期の売上高は１億９０６９万ユーロ（約３０５億円）、営業利益は４３０万ユーロ（約６億８８００万円）。バン･ドーン社の０７年９月期売上高は約７２億円、営業損益は約１０億円の赤字。

△バイテック<9957>が22万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の1.8％
バイテックは８日、発行済み株式総数の１．８％に相当する２２万株・１億５０００万円を上限に自己株を取得すると発表した。取得期間は２月１２日から８月１１日まで。

▼日本エル・シー・エー<4798>、投資会社に約10億円の第三者割当増資
日本エル・シー・エーは８日、フロンティア投資事業有限責任組合を割当先に第三者割当増資を行なうと発表した。１株当たり９８円で新株１０２０万５０００株を発行し、約１０億円を調達する。調達資金は、全額を借入金の返済資金に充当する予定。払込期日は２月２５日。フロンティア投資事業有限責任組合の持ち株比率は２６．２４％となり、筆頭株主となる。

▼池田銀<8375>、第三者割当増資で300億円程度調達を検討
池田銀行は８日、第三者割当増資による３００億円程度の資金調達を検討していると発表した。自己資本の充実により財務基盤の強化を図るためで、２００８年３月に実施する方向で検討しているという。

△日立<6501>、プラズマ外販増などで08年度薄型テレビ黒字化目指す
日立製作所は８日、薄型テレビの説明会を開き、不振が続く同事業の改善策を発表した。中国の家電メーカーなどへのプラズマパネルの外部販売を強化して、製造工場の稼働率を引き上げるほか、オーストラリアでの事業撤退や海外での販売チャネルの絞り込みなどを通じてコスト削減を進める。４月から始まる２００８年度においては、超薄型の液晶テレビの品揃えを拡充するなどで、薄型テレビの販売台数を０７年度見込みに比べ２割強引き上げるなどで、０８年度中に黒字化を図るとしている。日立は、昨年４月に開いた薄型テレビ事業の説明会でも２００７年度での黒字化を目指す、としていた。しかし、今月５日発表した２００７年度第３・四半期業績では、薄型テレビを中核とするデジタルメディア・民生機器事業の営業損益が０７年度に９８０億円の赤字になる見込みと公表。狙いは完全に外れた格好だ。
０８年度の薄型テレビの販売数は０７年度見込み（１７０万台）比２３．５％増の２１０万台で、内訳はプラズマ９０万台、液晶１２０万台。昨年４月時点には、０８年度では薄型テレビ販売目標を４００万台としていたが、これがほぼ半減する。江幡誠・執行役常務は説明会で「売り上げが伸びなくても、固定費を削減することで、損を出にくくする」と述べた。コスト削減については、０７年度中に人員再配置や販売ルートの絞り込み、在庫の評価減など３００億円をかけて構造改革を進めるほか、０８年度中に３６０億円程度の固定費削減を実施する。海外の営業コストや製造体制の効率化などに取り組むとしている。販売強化策として、昨年末に発売した、厚さ３．５センチの超薄型液晶テレビ（画面サイズ３２型）を０９年中に３７型、４２型と順次拡大。プラズマテレビは厚さ３．５センチの超薄型タイプを０９年中に発売する計画だが、可能なら年内に投入する意向。プラズマテレビの課題である消費電力は０９年中に半減を図る計画だ。プラズマパネルの外販は、中国の家電メーカー向けを中心に２００８年度下期に５０万台、０９年度に１２０万台を見込む。プラズマパネル製造子会社を４月１日から全額出資の日立プラズマディスプレイ（宮崎県国富町）とし、ここでの外販比率を３割程度に引き上げ、工場の稼働率を現在の７割弱から０９年度には８割強に引き上げる。外販をしやすくするために、パネルの駆動方式を日立独自の「ＡＬＩＳ方式」から一般的な「プログレッシブ方式」に変更する。江幡常務は、一連の対策の実効性について「今回の発表した対策は０７年度のかなり早いうちから検討を始めた。外販についても去年の１０月前に準備してきた。内容については自信を持っているが、できなかった場合の策も二重、三重に考えている」と強調した。

△星医療酸器<7634>が20万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の5.55％
星医療酸器は８日、発行済み株式総数の５．５５％に相当する２０万株・３億４０００万円を上限に自己株を取得すると発表した。取得期間は２月１２日から３月２１日まで。

△大日本印刷<7912>、発行済み株式の3.73％・500億円上限に自社株取得
大日本印刷は８日、発行済み株式総数（自己株式除く）の３．７３％に相当する２５００万株、取得総額５００億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。機動的な資本政策の実行が目的。取得期間は２月１２日から６月３０日まで。

△角川グループＨＤ<9477>が100万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の3.8％
角川グループホールディングスは８日、発行済み株式総数の３．８％に相当する１００万株・３５億円を上限に自己株を取得すると発表した。取得期間は２月１２日から４月１４日まで。

△国際帝石<1605>が通期予想を上方修正、原油価格の前提条件大幅引き上げ
国際石油開発帝石ホールディングスは８日、２００８年３月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益予想（従来は５５７０億円）を前年比２２．０％増の６８２０億円に引き上げた。これまでの減益予想から一転して増益見通しとなる。昨今の原油価格急騰を受け、原油価格の前提条件を大幅に引き上げたのが修正の要因。この予想値はロイターエスティメーツによる主要アナリスト１２人の予測平均値６３２１億円を上回った。販売数量については当初の計画とは変わっていない。エクアドルの原油について３月までに政府承認が取れない可能性があるため、その分を収益の計画値から除くといったマイナス要因があるものの、全体としては原油価格の上昇がそのまま貢献する。会社側では、これまで原油価格（ブレント）の想定価格を下半期平均で１バレル＝６０ドルとしていたのを、第４四半期（１─３月）平均で８５ドル（下半期平均では８６．８７ドル）に引き上げた。今後について、会見した藤井睦久取締役は「現在の原油価格水準は、投資資金の流入など、本来の需給以外の要因も加わっており、高いと思っている。投機的な要素がなくなれば、価格が大きく落ちる可能性もありそうだ」と述べた。他方、同社はカザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区に関して、同国政府と１月１４日に連結子会社のインペックス北カスピ海石油の権益比率を８．３３％から７．５６％に引き下げることについて合意したことを明らかにした。この件が０８年３月期見通しに及ぼす影響はないという。
（ロイター）