2/8 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ササクラ<6303>が高い――伊藤忠<8001>との協業強化を好感
高い。個人投資家とみられる買いが先行し、一時は前日比27円高の897円まで上げた。７日の取引終了後に「伊藤忠（東証１部、8001）と中東地域を主とする陸上用海水淡水化プラント事業をさらに積極的に推進することで合意した」と発表したのを好感している。「インフラ整備が進み、経済成長を続けている中東地域では淡水化プラントの需要が高まっている」（大手証券）といい、伊藤忠の資金面や営業面での支援を得て同事業の拡大を目指す。ササクラは自己株式 71万9000株を伊藤忠に割り当て、譲渡金額約６億4000万円を淡水化プラント事業強化など充てることになっている。

△ノーリツ鋼機<7744>が大幅続伸――業績予想の上方修正を好感
大幅に続伸。一時、前日比293円高の2270円まで買われた。７日の取引終了後に発表した2008年３月期連結業績予想の上方修正を好感。個人を中心に買いが入っている。主力の写真処理機は北米での販売が好調に推移。同日発表した07年４―12月期連結決算では、北米での売上高が前年同期比34％増の 193億円となった。これが全体の業績を押し上げ、08年３月期の連結売上高は前期比７％増の630億円（従来予想は610億円）、経常利益は33％増の 58億円（従来予想は50億円）となる見通し。市場では今後の株価について「2200円台で値固めできるかどうかが目先の焦点」（中堅証券）との声もあった。

■三井物<8031>が反落――商社株の関心は「インフラ整備の次」
反落。小高く推移する場面もあったが、下げに転じてからは下げ足を速めており、前日比65円安の2050円まで下げている。７日、アフリカのモザンビーク北部沖合にある石油・天然ガス探鉱鉱区の権益を取得すると発表したが、買いは続いていない。市場では「商社株に対する関心は『資源』や『新興国』という従来テーマから移った」との見方が出ている。みずほインベスターズ証券で商社を担当する桜井宏氏は「新興国でインフラ整備の動向は株価に織り込んでいる。市場は新興国の内需に対する取り組みなど『その次』に注目し始めている」と指摘している。

△アプリックス<3727>がストップ高気配――前期、営業黒字に転換
朝方から買い気配が続いている。現在の気配値は値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比２万円高の14万6000円で、差し引き3000株を超す買い越しとなっている。前日７日に2007年12月期の連結営業損益が9700万円の黒字（前の期は14億5000万円の赤字）になったようだと発表したことが買い材料。10億円の赤字としていた従来予想から一転、営業黒字を確保したことを好感した買いが集まっている。携帯電話用ソフトの開発を手掛ける。07年12月期は提供するソフトを搭載した携帯電話の出荷台数が国内外で増え、ロイヤルティー収入が増えた。研究開発の縮小や外注費の削減を進め、費用を抑えた効果も表れた。

■セブン＆アイ<3382>が小動き――「セブンイレブン、店長に残業代」
小動き。前日終値（2605円）を挟んで推移している。業種別東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）の「小売業」に、ほぼ沿った値動きにとどまっている。８日付の日本経済新聞朝刊は「（傘下の）セブン―イレブン・ジャパンは３月から、同社が管理職と位置付けている店長に残業代を支払う方針を固めた」と報道。１月末に東京地裁がマクドナルド（ジャスダック、2702）に店長への残業代支払いを命じたことを受けた。同判決以降、外食・小売業界で店長への残業代支払いを決めたのはセブンイレブンが初めて、などと伝えている。市場では、「人件費の上昇につながる可能性があるものの、現時点の情報だけでは判断できない」（国内大手証券）との声が聞かれ、総じて消化難の色彩が濃いようだ。

□ＮＴＴ<9432>小動き　前日までの下落の反動で上昇する場面も
小動き。朝方は株価指数オプションの特別清算指数（ＳＱ）算出に関連した売りなど一時的な需給要因で下落したもののその後上昇に転じ、前日比6000円高の50万5000円まで上昇する場面もあった。前日までの２営業日で１万4000円下落した反動から買いが入った。８日付の日本経済新聞朝刊が「次世代ネットワーク（ＮＧＮ）を使い、ＩＴ（情報技術）システムを貸し出し方式で企業に提供する事業に年内に参入する」と報じた。報道では「早期に数百億円規模の売り上げを目指す」としており、投資家の関心を誘った面もある。
もっとも、子会社のＮＴＴドコモ<9437>が今上期を中心に苦戦していることや光ファイバーの加入計画が今期未達になるのではないかと懸念する声も多く、上値では戻り売りが出ている。

▼新日鉄<5401>が連日の昨年来安値　海外ファンドが損失限定の売り
続落。朝方から下げて始まり、一時は前日比17円安の559円まで下落した。安い水準で買い戻す動きも見られたが、再び安値圏で推移している。連日で昨年来安値を更新。外国のファンドが損失限定（ロスカット）目的の売りを進めているとの観測があり、市場では一段と下げることを警戒する声も聞かれる。

△竹内製作所<6432>が急反発　08年２月期の配当予想を上方修正
急反発。一時は前日比175円高の2425円を付けた。前日７日に2008年２月期の年間配当予想を前期比15円増の35円と、従来予想から５円引き上げると発表したことが買い材料視されている。欧米向け建機の売上高比率が高いため、世界的な景気減速懸念から11月以降、株価は大きく下落。前日７日には 2235円まで下げ、昨年来安値を更新していただけに、好材料に反応しやすくなっていた面もある。今期予想ベースの連結ＰＥＲ（株価収益率）は約５倍。ＰＢＲ（株価純資産倍率）も約1.2倍と、指標面では割安感を指摘する声も出ている。ただ、「米国の景気減速が、小幅にとどまると確認できるような指標が出るまでは株価が上昇しても自律反発の域を出ないだろう」（国内証券）との見方が多いようだ。

■アデランス<8170>が伸び悩み――スティールが経営再建案を要求も
一時は前日比33円高の1675円まで上げたものの、その後に伸び悩んでいる。筆頭株主である米系投資ファンドのスティール・パートナーズが８日、同日付でアデランスの経営再建案を要求し現経営陣の退陣を求める書簡を送ったと発表。スティールに同調する投資家や、場合によってはスティールがアデランス株の買い増しに動くなどと思惑を巡らせた短期筋の一部の買いが先行。もっとも上値が重いのを確認すると、その後は早めの利益確定や戻り待ちの売りが見られるようになった。スティールは、これまでの業績不振を踏まえ企業価値の低下を回避するための代替案を要求。書簡はアデランスの岡本孝善社長あてに送られた。

△イオン<8267>、アジア店舗網３年で３倍に・190店体制目指す
イオンは総合スーパーと食品スーパーを軸に、アジア地域の店舗網を拡大する。2009年2月期からの3年間で、現在の54店を3倍強の約190店に増やす。中国の店舗数は従来、5年以内に100店体制にすると公表していたが、前倒しで3年後の達成を目指す。マレーシアとタイでも出店を加速する。日本の人口と小売市場が縮小傾向にあるため海外事業を成長の柱に位置づける。
中国ではグループの店舗開発会社、イオンモール<8905>と協力しながら、大型ショッピングセンターを開発し、核店舗に自社の総合スーパーを据える形態を中心にする。現在、香港を含む中国では「10ドルショップ」など小型店を除いて23店を展開している。

△自動車保険の銀行窓販広がる・損保各社、新生銀や地銀と
自動車保険を銀行で販売する動きが広がり始めた。そんぽ24損害保険が一部の地銀で扱っているほか、チューリッヒ保険は2月1日から新生銀行で販売を開始、アクサ損害保険も2月中をめどに参入する方針だ。これらの損保会社は主に通販やインターネットで契約を集めているが、銀行を活用することで顧客基盤を広げようとしている。
大手損保でも東京海上日動火災保険（ミレアＨＤ<8766>）が地方銀行との提携で参入した。ただ年金保険などに比べて手数料収入が少ないことなどで、販売を見送る銀行も多い。昨年12月22日の保険窓販の全面解禁に伴い、銀行で自動車保険を販売できるようになった。

△ソニー<6758>が小高い――10―12月期液晶ＴＶ出荷が北米首位
続伸で始まった。前日比60円高の4750円まで上昇し、その後も小高い水準で推移している。外国為替市場で円相場が１ドル＝107円台前半となっており、やや円安・ドル高に振れていることが支援材料。８日付日本経済新聞朝刊が米調査会社ディスプレイサーチの情報として、北米での2007年 10―12月期の薄型テレビの出荷台数シェアのうち液晶テレビではソニーが四半期で初の首位になった、と伝えたことも下支えしている。
きょうの輸出関連株は高安まちまち。トヨタ<7203>は上げている。半面、キヤノン<7751>や松下<6752>は下げている。

▼ファナック<6954>やオークマ<6103>が軟調――機械受注で失望売り
ファナックやオークマといった設備投資関連株が売り先行で始まった。ファナックは売り気配で始まり、前日比130円安の9160円で寄り付いた。その後も安い。オークマは売り気配で始まっており、現時点での気配値は前日比20円安の897円で、差し引き30万株程度の売り越し。きょうの寄り付き前、内閣府が発表した2007年12月の機械受注統計は民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額（季節調整済み）が前月比 3.2％減と落ち込んだ。日経ＱＵＩＣＫニュース社（ＮＱＮ）による市場予想調査の範囲内の落ち込みだったが、平均値（前月比0.8％減）を下回っており、失望売りが出ている。
（NIKKEI NET）

□スティール、アデランス<8170>に経営陣の刷新など求める書簡を送付
スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドは８日、投資先のアデランスホールディングス(8170.T: 株価, ニュース, レポート)に対し、企業価値の毀（き）損を回避するため、経営陣の刷新など含む書簡を送付したと発表した。スティールは２月８日時点でアデランスの株式を約２３．７％保有する筆頭株主。アデランスには２００４年２月から投資し、同社の非公開化やファンドの代表を取締役会へ派遣することなどを提言してきた。書簡はスティールのマネージング・パートナー、ウォレン・リヒテンシュタイン氏からアデランスの岡本孝善社長宛てに、プレゼンテーション資料とともに送られた。発表資料によると、スティールは同社の営業利益の低下や０８年２月期の業績予想の大幅な下方修正が株価下落を招いていると指摘。主力の国内毛髪関連事業に十分に注力しなかったことや、ゴルフ場など本業に関係のない資産を抱えていることが結果として主力事業への注力を低下させていると述べている。スティールはアデランスが戦略的な代替案を模索すべきとし、具体的には「岡本社長や現経営陣からアデランスの主導権を譲り受ける経営陣を探すべき」と提言した。

△日本が閉鎖的との印象を与えるのはよくない＝Ｊパワー<9513>株の買い増しめぐり金融担当相
渡辺喜美金融・行政改革担当相は８日の閣議後の記者会見で、電源開発（Ｊパワー）の株式買い増しをめぐり、経済産業省が英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド（ＴＣＩ）の届け出を審査していることについて、日本が閉鎖的・鎖国的な印象を与えるのはよくない、との見解を示した。外国投資家が電気事業を営む上場企業の発行済み株式の１０％以上を取得する場合には外為法で政府への事前届け出が必要で、政府は安全保障上問題があるとみなせば、投資計画の中止や変更を命令・勧告することができる。Ｊパワー株の９．９％を保有する筆頭株主のＴＣＩは、保有比率を２０％まで高めるため、経済産業省に届け出ている。渡辺担当相は「（株式買い増し計画の審査は）経済産業相が考えているところだと思うが、一般論として、鎖国的とか閉鎖的な印象を与えるのはよくないと思う」と語った。国土交通省が今国会の提出を予定している空港整備法改正案をめぐり、政府・自民党が空港管理会社の外資規制を検討していることについて「一昨日から政府内部での本格的な調整が始まったので、この件についてはかん口令が敷かれているので申し上げない」と語った。かん口令を敷く理由については「官房長官に聞いてほしい」とした。スティール・パートナーズがサッポロホールディングス<2501>に買収提案していることをめぐり、サッポロの特別委員会が買収防衛策の発動を容認する勧告を出したことについては「この話は詳しくは知らない」とだけ語った。

△日立<6501>、2008年度薄型テレビ販売目標は210万台
日立製作所は８日、不振が続く薄型テレビ事業のてこ入れ策をまとめた。２００８年度の販売台数は２１０万台を目標とし、０７年度見込みの１７０万台から２３．５％の引き上げを狙う。日立が９５．４％出資する富士通日立プラズマディスプレイは完全子会社化する。またプラズマパネルの外部販売を強化し、０８年度下期に５０万台、０９年度に１２０万台の外販を見込む。これにより、０９年度のプラズマパネル製造子会社の稼働率を８割強に引き上げる。

△第一実<8059>しっかり、第3四半期の経常利益13％増
第一実業がしっかり。同社が７日に発表した第３・四半期の連結業績で、経常利益が前年同期比１３．１％増となった。同時に、発行済み株式総数の５．２８％に相当する３００万株、取得総額１５億円を上限に自己株を取得すると発表した。取得期間は２月８日から８月２９日まで。

△キリンＨＤ<2503>が反発、08年12月期の増益・増配計画を好感
キリンホールディングスが反発している。７日に発表した２００８年１２月期見通しで、連結営業利益が前年比１０．３％増の１３３０億円となり、６期連続で過去最高益を更新すると発表したことが好感された。ナショナルフーズの連結化やビール類の値上げによる国内酒類事業の収益改善を見込んでいる。年間配当は２３円（前期は２１円）に増配を計画している。

△ユニデン<6815>が堅調、07年4─12月期の増益報道受け
ユニデンが堅調。８日付日経新聞朝刊が、２００７年４─１２月期の連結営業利益が４０億円前後となり前年同期比約３割増加したもようと伝えたことが手掛かりになっているという。報道によると、主力のコードレス電話事業で高採算機種の販売比率が上がったことに加え、部品の調達コストの圧縮などが寄与した。

△ＪＴ<2914>が続伸、08年3月期営業益見通しを上方修正
ＪＴが続伸している。７日に発表した２００８年３月期業績見通しで、連結営業利益予想を従来の４０５０億円から４２２０億円（前年比２７．１％増）に上方修正したことを好感した。ただ、冷凍食品の自主回収の費用や売り上げへの影響は織り込んでいない。７日に記者会見した武田宗高副社長は「マックスで考え、仮に２月から３月の冷凍食品の売り上げがゼロになると、売上高で８０億円、営業利益で３０億円の減になる。これに、回収費用などが加わる」と述べた。

△日本マクドナルド<2702>が上伸、08年12月期は12％の経常増益を計画
日本マクドナルドホールディングスが上伸。７日に２００８年１２月期の連結経常利益は前年比１２．１％増の１７５億円を計画していると発表したことを好感している。客数増加による既存店売り上げの拡大を見込む。とりわけコーヒーメニューに力を注ぐという。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト６人の予測平均値１８９億円は下回った。会見した原田泳幸ＣＥＯ（最高経営責任者）は、店長の残業代をめぐる裁判で敗訴した件について「今後、財務にインパクトを与えることはない」と述べた。

△ホシデン<6804>が買い気配、08年3月期予想を上方修正
ホシデンが買い気配で始まっている。７日に発表した２００８年３月期業績予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の１２４億円から１４３億円、連結純利益は６６億円から７０億円にそれぞれ増額した。任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)ゲーム機向けの部品などが予想以上に好調に推移している。今回の見通しの前提となる為替レートは１ドル１０６円。好業績を受けて期末配当を５円増配（普通配当２．５円、特別配当２．５円）し、年間配当は従来予想の１５円から２０円に増額した。
（ロイター）

▼米フィデリティのマゼラン：キヤノン<7751>などハイテク株や金融株を売却
大手投資信託会社、米フィデリティ・インベストメンツの「マゼラン・ファンド」（運用資産450億ドル＝約４兆8300億円）の運用担当者、ハリー・ラング氏は景気減速が企業収益を圧迫する恐れがあるなかで、昨年12月に金融株やハイテク株を売却し、医療やエネルギー関連株を購入した。フィデリティ・インベストメンツの直近の月間報告によると、ラング氏はキヤノンの株式４億5300万ドル相当を売却し、米銀５位のウェルズ・ファーゴ株１億9200万ドル相当も手放した。一方、最も購入額が大きかったのは米医療保険最大手ユナイテッドヘルス・グループで、４億700万ドルだった。アドバイザー・インベストメント・マネジメントのチーフストラテジスト、ジェームズ・ローウェル氏は「ラング氏は一部のリスクに備えようとしている」と指摘した。Ｓ＆Ｐ500種株価指数が年初来で9.5％下落しているのに対し、マゼランの運用成績はマイナス12.5％。マゼランはインターネット検索大手の米グーグルの株価下落で打撃を受けている。グーグルの年初来下落率は27％に達している。ラング氏は昨年12月末時点でファンド資産全体に占めるエネルギー関連株の割合を11.6％と、前月の9.9％から引き上げた。エネルギー企業は原油相場が過去最高値圏に上昇したことで恩恵を受けている。医療関連株は、米国や欧州でこの分野への支出が増えるとの期待感から上昇基調にある。マゼランでは医療関連株の組み入れ比率が11.1％と、11月末時点の10.4％から上昇した。その一方で、金融株の割合は1.9ポイント低下して10.1％となった。情報技術関連株も28.2％と、1.5ポイント低下した。マゼランの資産で保有比率が最も高いのは引き続き携帯電話端末メーカー最大手のフィンランドのノキアで、その次がＬＣＤ（液晶表示装置）ガラス大手の米コーニング。
マゼランが12月に売却した銘柄には三井不動産<8801>株２億400万ドル相当が含まれている。

△フジテレビ<4676>株が急落後戻す、テレビ広告で業績予想減額－来期回復期待
民放最大手のフジテレビジョンの株価が急落後上昇に転じた。テレビ広告収入の減少を理由に、７日に2008年３月期（通期）の業績予想を下方修正した。足元の業績悪化が懸念される状況となったが、来期（09年３月期）に目を転じると中国北京五輪（オリンピック）に向けて広告の伸びが予想される。業績回復期待から下げた場面では買いが入っている。株価は取引開始早々、前日比１万2000円（8.0％）安の13万8000円まで値を下げた。その後は急速に値を戻し、前日終値を上回ってきた。午前10時４分現在、1.3％高の15万2000円。通期の連結営業利益予想は前期比48％減の221億円と、従来予想を33億円減額した。売上高の８割を占める放送事業で広告が落ち込むことが響く。07年４－12月期の連結営業利益は前年同期比53％減の166億円に落ち込んだ。放送事業では利益率の高いスポット広告が同3.6％減った。消費者金融や銀行、カード会社など金融関連の広告が低迷したほか、自動車関連も減少した。放送事業の営業利益は同48％減。通販事業は減収と製作費用の増加により、赤字幅が倍増。映像音楽はヒット作が少なかったため同85％減となった。水戸証券の松尾十作投資情報部長は、「原材料価格の高騰などで収益が圧迫された企業が広告宣伝費を削っている。グループ企業全体の業績が落ち込んでいることが気がかり」と話す。一方、野村証券金融経済研究所の長尾佳尚アナリストは、会社側が１－３月期の放送事業の営業利益を前年同期比40％減の 42億円と計画していることについて、「足元のスポット状況から計画を上回る余地はある」と考えている。松尾氏は、来期は北京オリンピックの開催により、企業が積極的な広告キャンペーンを展開すると予想し、来期業績の回復に期待を示す。フジテレビは視聴率が取りにくかった野球のナイター中継を減らすと同時に、良い番組を制作しており、「世帯視聴率が上昇していることも注視する必要がある」（松尾氏）ようだ。

□オートバク<9832>株が一時７％安、ＣＯＤやＳＩＶ投資で評価損－利益減額
自動車用品販売を手掛けるオートバックスセブンの株価が一時７％以上下落する場面があった。サブプライム（信用力の低い個人向け）ローン問題を受けた金融市場の混乱から、投資をしていた証券化商品の一部に対して評価損などを計上、今期（2008年３月期）業績予想を大幅に引き下げた。もっとも、本業の自動車部品販売事業は通期の既存店見通しがプラスと堅調なことから、売り一巡後は買い戻しの動きも見られる。午後９時35分現在の株価は前日比55円（2.5％）高の2240円。一時170円（7.8％）安の2015円まで下げた。今期の連結最終利益は前期比84％減の15億円となる見通し。従来予想は43 億円だった。ブルームバーグ・データに登録されたアナリスト（１人）の予想中央値42億円からも大きな下振れだ。同社広報部の小野田裕繁氏によると、「2004年からＣＤＯ（債務担保証券）やＳＩＶ（投資目的会社）といった証券化商品に投資を開始した。当時は格付け会社による格付けが高かったため、リスク分散された安全性の高い商品として投資をした」という。格下げをきっかけに、第３四半期（10－12月）に売却損５億5000万円、評価損14億8000万円を計上した。現在も保有する証券化商品はＣＤＯ４商品、ＳＩＶ４商品。８商品の取得原価は80億円で、12月末現在の時価は65億円という。同社の小野田氏によると、「サブプライムローンを裏付け資産とした証券化商品への投資は一切行っていない」としている。一方、１月末の既存店売上高は前年同期比0.9％減。ただ、通期では前期比 0.8％増となる見通しだ。「自動車部品販売だけでなく、車体販売のほか、車検や板金などトータルサービスを行い、集客を高めている」（小野田氏）。

▼三井金<5706>株が売り気配、競争激化で電子材料が悪化－今期減益幅が拡大へ
電子材料に強みのある非鉄大手、三井金属の株価が売り気配で始まった。午前９時２分時点では前日比５円（1.3％）安の378 円売り気配で、売り約153万株、買い約105万株。アジアを中心とする同業他社との競争激化から、これまで収益をけん引してきた電子材料が販売数量・価格とも不振。今期（2008年３月期）業績の減益幅が拡大する見通しとなったことで、収益環境の厳しさが再認識された。７日に会社側が発表した業績予想修正によると、今期連結営業利益は前期比 28%減の280億円（従来予想340億円）となる見通し。業界首位のＴＡＢ／ＣＯＦテープ（以下、ＴＡＢ）の販売数量が未達となりそうな上、単価下落も同時進行。これに伴って前期営業利益の47％を稼ぎ出した中間素材事業の営業利益が、従来想定の120億円から74億円（前期実績183億円に比べて60％減）へと急減することが響く。同社の桜井若葉広報室長は「液晶パネルの需要増加でＴＡＢは年12％成長にあるが、業界のオーバーキャパシティで競争が激化していることがきつい」と述べた。同社ではＴＡＢの価格低下は前年に比べて10％程度を見込んでいた。しかしオーバーキャパシティを背景とした日本や韓国、台湾の価格攻勢から「それ以上に下がりそう」（同氏）という。会社側によると、07年10－12月期連結業績は、売上高が前期比2.8％減の 1550億6400万円、営業利益は16％減の76億2500万円と減収減益だった。06 年度第１四半期を１としたＴＡＢの受注数量は、07年７－９月期に1.2の水準まで伸びたが、シェアの低下から10－12月期には１まで落ち込んだ。技術要求度の高い先端品では優位にあるものの、販売の中心である汎用品は価格以外の差別化が難しいという。ブルームバーグ調査では、アナリストによる今期営業利益は356億3700万円が予想されていた。今回の会社計画は同水準を21％下回る。会社側では来期についても、「エネルギーコストの上昇、金属価格の軟化などが減益要因となり、他でカバーするにしても収益環境は厳しい」（桜井氏）と予測していた。
（ブルームバーグ）

■みずほ<8411>---前日安値レベルでの攻防
前日安値レベルでの攻防。1/22安値が意識されている状況から手掛けづらい。また、ドイツ銀決算はサブプライムの余波は限定的であったが、来週から欧州金融機関の決算が相次ぐことも手控え要因に。

△トヨタ自<7203> 昨年末以来の6000円回復。
指数が下げに転じる中で昨日同様、強含みの展開をみせている。引き続き北米の苦戦を新興国で吸収する多角化や自社株買いなどを評価。公的年金による買い観測も。そのため、先物市場でも下に仕掛けきれず。

▼リーダ電子<6867> 大幅安、約2ヵ月半ぶりに昨年来安値を更新。
一転しての減収減益見通しが売り材料視されている。第3四半期の決算を発表、併せて08年3月期の業績予想を大幅に下方修正した。地デジ並びにワンセグ関連の設備需要が低迷しているとして、経常利益については従来予想の12.5億円から7.3億円（前期11.97億円）にまで減額されている。

△フタバ産業<7241>---大幅高、好決算受けてＵＢＳが格上げ
大幅高。前日に発表した好決算を受けて、ＵＢＳでは投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げしている。目標株価は3200円に設定へ。年初来の株価下落率はトヨタ系でトップとなっており、業績好調ぶりから上値余地は大きいと判断している模様。なお、第3四半期累計営業利益は前年同期比36％増の 204億円となり、通期予想に対する進捗率は77％に達している。

△日本合<4201> 一時ストップ高。
昨日発表の第3四半期決算を好感。10-12月期営業利益は24.5億円で前年同期比55％増益、ほぼ中間期並みの増益率を達成している。順調な業績拡大をストレートに評価する状況へ。なお、通期予想は従来予想の69億円から79億円に増額修正しているが、子会社解散による法人税等調整額計上が主因のもよう。

△原弘産<8894> 続伸。
25日線を確実に突破し、短期ゴールデンクロス発生とリバウンド体勢に。日本風力開発が強い動きを続けているが、同社も風力発電など環境事業を急拡大しており、思惑的な買いも。

△ヤフー<4689> 押し目買い意欲強い。
ソフトバンクが41.09％、米ヤフーが33.42％出資する同社に対してはアジア戦略という中で再編機運が強い。テクニカル面では一目均衡表の雲に跳ね返される格好で調整も、25日線レベルでの押し目買い強い。遅行スパンは来週にも上方転換シグナルを発生させる可能性。

△ヒロセ電<6806>---切り返す、自社株買い発表を好感
安寄り後に切り返す展開となる。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は100億円で前年同期比9％増益、アナリストコンセンサスを下ブレへ。足元の受注減速を映して、通期営業利益は390億円から370億円に減額修正。決算内容はネガティブであるものの、同時に発表した70万株を上限とする自社株買いが評価材料につながっている。自社株買い発表後のトヨタの堅調な動きなどから、需給面の材料には、全般的にストレートに反応しやすいようだ。

△いすゞ<7202>---買い気配、第3四半期の好決算を評価で
買い気配。昨日発表した第3四半期決算内容が評価材料に。10-12月期営業利益は前年同期比0.1％増と、わずかながらも1年ぶりの増益に転じている。国内トラック販売の不振など厳しい事業環境のなか、大方のアナリスト予想を上回る実績となってようだ。海外トラック需要の拡大を背景に、来年度はセクター内で数少ない増益決算が想定されるといった評価にも。

△ソフトＢ<9984>---買い先行、順調な増益トレンド評価で
買い先行。昨日、第3四半期の決算を発表、10-12月期営業利益は前年同期比9.1％増、順調な増益トレンドが継続する格好となっている。同期の移動体通信事業は減益となっているものの、積極的な加入者獲得戦略の影響によるものとして、ネガティブ視する見方は少ないようだ。投資判断変更の動きでは、ＵＢＳが「セル」から「ニュートラル」に格上げ。
（フィスコ）