2/1 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△佐伯建設工業<1889>と国土総合建設<1781>の合併が総会で承認
佐伯建設工業と国土総合建設（中堅建設会社）は1月31日にそれぞれ開いた臨時株主総会で4月1日付で合併することが承認された。佐伯建が国土総合を吸収合併し、国土総合は解散する。社名は佐伯国総建設で、国土総合の普通株1株に対し、佐伯建の普通株8.5株を割り当てる。

△ソフトバンク<9984>、基幹網をＩＰで統合－独自に“次世代ネット”
ソフトバンクは携帯電話、固定電話、固定インターネットサービスなどすべての通信サービスを統合する基幹網の構築に着手する。別々に構築している基幹網をインターネット・プロトコル（ＩＰ）で統合。網構築コストを軽減しながら将来の通信量の増大に対応する。固定と携帯の融合サービス（ＦＭＣ）提供も容易になる。これらはソフトバンク版次世代ネットワーク（ＮＧＮ）の取り組みといえ、３月からＮＧＮを商用開始するＮＴＴに対抗する狙いもある。まず０８年度に携帯電話の基幹網のＩＰ化を進め、そこに他の通信サービスの基幹網を統合、集約していく。ソフトバンクは２年程度で統合を完了させる方針だ。携帯電話は基幹網部分のＩＰ化に加え、０９年度には基地局網部分のＩＰ化も進める。同時に一つの基地局でカバーするエリアを細かくするセル化にも取り組む。基地局までの物理回線は、ＮＴＴ東西地域会社や電力系通信事業者の光ファイバー回線を調達して対応する。ソフトバンクはソフトバンクテレコムの固定電話、専用線サービスとヤフーＢＢの非対称デジタル加入者線（ＡＤＳＬ）サービスの基幹網についてはすでに統合済み。これを新たに構築する携帯電話の基幹網と統合することで、統合作業を完了させる。基幹網の統合でコンテンツ（情報の内容）やサービスを提供する基盤となるサービスプラットフォームを単一で運用することが可能となり、携帯電話向け、固定電話向け、パソコン向けなどアクセス回線や端末にこだわらずに柔軟に提供するサービスを組み立てることができる。網構築コストや運用コストも軽減する。また次世代ＩＰプロトコル「ＩＰｖ６」への移行や、品質制御機能「ＱｏＳ」の提供なども進める。一連の取り組みはソフトバンクによる「ＮＧＮ戦略」に位置づけられる。ただ、ソフトバンクはＮＧＮという表現はあえて使わず、独自のサービスを前面に打ち出す形でＩＰ化を推進する。

△ＴＨＫ<6481>、チェコ・ロシアに営業拠点
ＴＨＫは海外の営業拠点網を拡充する。チェコに支店を開設し現地機械メーカーへの営業活動を始めたのに加え、０８年中にもロシアで営業子会社の開設を検討中。メキシコでも連絡事務所を開設した。ＴＨＫは２０１０年度までの長期経営目標で、売上高３０００億円のうち半分を海外で賄う目標を掲げる。営業拠点網拡充により、主力製品の直動案内機器の普及度向上と拡販につなげる。チェコの拠点はドイツの販売子会社「ＴＨＫ　ＧｍｂＨ」（ノルトラインヴェストファーレン州ラティンゲン市）の支店として設置。チェコ第２の都市で機械工業の盛んなブルノ市に事務所を構えた。現地の機械メーカーに直動案内機器などを売り込む。ロシアには年内に販売子会社を設置する方向で検討している。本社をモスクワに置くかサンクトペテルブルクに置くか調査中。これにより、ＢＲＩＣｓ（ブラジル、ロシア、インド、中国）のすべてで営業拠点が整うことになる。

△タカトリ<6338>、ＭＥＭＳ参入－２年後めど量産機を投入
タカトリはＭＥＭＳ（微小電気機械システム、用語参照）事業に参入する。露光の前工程として、異なる形状の３次元構造体をつくるドライフィルムレジスト（ＤＦＲ）張り付け装置の受注を開始。初年度の０８年９月期は数台の販売を見込む。３次元構造体の作成に有利なＤＦＲ方式が普及するとみて市販する。研究開発や試作用で実績を積み、２０１０年をめどに量産機を投入する。ＭＥＭＳベンチャーのメムスコア（仙台市太白区）、日本化薬グループの協力を得て、加工終了後も除去されない永久膜として使用するドライフィルムレジストを張り付ける装置を開発した。スピンコーターやスプレーコーターで液体レジストを塗布する従来手法では難しかった３次元構造体をつくる装置で、メムスコアで０７年５月から評価している。

△キトー<6409>、ベトナム市場に参入－来年にも現法設立
キトーはベトナム市場に参入する。０９年中にも製造販売会社を設立し、工場内で用いる搬送クレーンなどを現地に進出する日系企業に供給する。これに先立ち、０８年中にハノイ近郊に駐在員事務所を設置し、マーケティング活動を始める。人件費などコストが低い同国へは、金型メーカーなどの進出が相次いでいる。２０１２年度までにベトナムでの売上高を１０億円まで高める。ベトナムでの日系企業の設備投資需要をにらみ、搬送クレーンの販売、サービス体制を整える。重量物をつり上げるチェーンブロックなどのコンポーネントは日本や中国から持ち込み、枠組みとなる鉄骨を現地で加工して組み立てる。これまでベトナムに販売代理店はなく、商社を通じチェーンブロックなどを小規模で販売していた。ベトナムは世界貿易機関（ＷＴＯ）への加盟にともない外資規制が緩和され、独資で進出できる環境が整う。

△住重<6302>、電動２材成形機を投入－金型反転０．８秒に短縮
住友重機械工業は２種類の樹脂を供給できる電動２材成形機「ＳＥＨＳ―ＣＩ」を発売した。型締め力２３０トンタイプと２８０トンタイプを用意した。金型の反転時間を従来機の半分以下の０・８秒に短縮し、生産効率を向上させた。携帯電話部品や自動車部品向け。価格は３５００万円。２０１０年度に年２００台の販売を計画。同成形機は最初の樹脂を注入した金型を反転させ、次の樹脂を注入する。文字と周囲で異なる樹脂を使用するボタンなどの成形に使う。住重は型締め力７５トン、同１３０トン、同２００トンの２材成形機を扱っている。大型２機種を追加し、品ぞろえを拡充した。

△ＮＴＴ<9432>、通信分野ＶＢへの投資目的の新会社とファンド設立
ＮＴＴは３１日、通信関連分野のベンチャー企業への投資を目的とする新会社「ＮＴＴインベストメント・パートナーズ」を２月下旬に、投資事業組合（投資ファンド）「ＮＴＴインベストメント・パートナーズファンド投資事業組合」を３月に設立すると発表した。ＮＴＴインベストメントは資本金５０００万円、社長は鵜浦博夫ＮＴＴ常務が就任する。ファンドの規模は１００億円。ＮＴＴが９９・８％、ＮＴＴファイナンスとＮＴＴインベストメントが各０・１％出資する。通信やＩＴ関連で革新的なサービスや技術を持つ国内外のベンチャー企業に投資し、育成を支援するほか、ＮＴＴグループ各社の事業と連携することも検討していく。ＮＴＴが投資ファンドを設けるのはこれが初めて。

△日立<6501>、機器組み込み可能な指静脈認証装置を発売
日立製作所は３１日、金庫や複写機などに組み込める指静脈認証装置を１日に発売すると発表した。利用者の本人確認を高精度に認証でき、従来のＩＣカードやパスワード入力に比べセキュリティーを高められる。価格は個別見積もり。３年間で５０万台の販売を見込む。新製品「機器組み込み用指静脈認証ユニット」はロッカーや販売時点情報管理（ＰＯＳ）レジスター、勤怠管理システムなどにも組み込み可能。認証時の指静脈の撮影から登録データとの照合までを処理する機能を搭載しているため、組み込み機器に負担をかけずに認証ができる。

△日立情報<9741>、国際ネット構築・運用サービスの低価格パック発売
日立情報システムズは中国１０都市やタイに進出した日系中小企業向けに国際ネットワーク構築・運用サービス「ネットフォワード／ＧＬ」の低価格パックを１日に発売する。対象地域内の現地拠点と日本を結ぶネットワークにインターネット・プロトコルによる国際仮想私設網（国際ＩＰ―ＶＰＮ）を使用。中国やタイ国内では専用線を用い基幹業務の利用に耐えられる通信環境を従来の約７割の価格で実現する。２０１０年度に２５０社の採用と１０億円の売り上げを見込む。中国向けの「チャイナ専用線１０都市パック」は北京、大連、青島、天津、上海、蘇州、広州、杭州、深セン、東莞が対象。価格は通信速度が毎秒２５６キロビットで月額２５万９３５０円から。中国国内の回線にＩＰ―ＶＰＮ専用線を用いたことで、非対称デジタル加入者線（ＡＤＳＬ）を利用した従来のサービスに比べより安定した通信速度でやりとりできる。

△パイオニア<6773>、プラズマＴＶの事業構造改革を検討
パイオニアはプラズマテレビ事業の再建策を３月上旬にまとめる。０７年１０―１２月の３カ月にプラズマテレビの売上高が欧州で前年同期比約２０％、北米で同３０％それぞれ減少し、家電事業の赤字拡大が続くため。他社との協業も視野に入れて事業構造改革を検討する。０７年度第３四半期（４―１２月）の営業利益は前年同期比４５・３％減の９１億円だった。欧米で伸び悩んでいるため、０７年度のプラズマテレビ販売目標を前回発表の５６万台から４８万台へと引き下げた。販売不調の理由は「プラズマテレビのブランド『ＫＵＲＯ』の浸透が遅れたため」（岡安秀喜常務）という。一方でカーエレクトロニクス事業はカーオーディオの販売増と販売費用の低減により、営業利益が前年同期比１９・９％増の１９５億円だった。

△スズキ<7269>、静岡・湖西に納車整備センターを建設
スズキは湖西工場（静岡県湖西市）の西隣約９万平方メートルを買収し、納車整備センターを建設する。静岡県がオーダーメード方式で開発する「湖西・西笠子工業団地」の約７割を取得するもので、分譲は２０１０年を予定。３１日に同県が行った安全祈願祭で鈴木修スズキ会長は、かつて湖西工場の用地取得に苦労したエピソードを紹介、「県や地権者らに感謝したい」とあいさつした。スズキは相良工場（同牧之原市）、豊川工場（愛知県豊川市）などに納車整備センターを持つが手狭になっている。このため、同社の国内最大工場である湖西工場近くにセンターを構えることで整備効率を高め、物流コストを低減する。工業団地は約２０万平方メートルの規模で分譲面積は１３万平方メートル。うちスズキが約７割を占め、ほかスズキ向けに自動車内装品を供給するサンウエルド（同）や佐原運輸倉庫（同）など全体で７社が進出する予定。

△加地テック<6391>、スタンドの建設費半減の車用ガス充填設備を発売
加地テックは圧縮天然ガス（ＣＮＧ）自動車用ガス供給スタンド向けに、圧縮機と簡易充填（じゅうてん）機を一体化した「パッケージ型天然ガス充填設備」を２月１日から発売する。従来のスタンド建設に比べて設置面積が小さく、基礎工事や機器設置工事などを簡略化できる。従来１億円程度必要だった建設コストを半減する。初年度２０基の販売を目指す。
大阪ガス<9532>に１号機納入が決まっている。
蓄ガス機を介さず、圧縮機から直接ガスを充填する構造を採用。充填機の自社生産とともに、供給ガスの圧力変化を安定化させる技術を開発した。圧縮機は空冷・オイルレス式を搭載。吐出圧力２５メガパスカル（２５０気圧）、吐出容量が毎時２５０立方メートルと既存のスタンド向け設備と同等の機能をもつ。

△三菱アルミニウム、日本製箔と日用品事業で業務提携
三菱アルミニウムは３１日、全額出資子会社のエムエーホイル（東京都港区）と日本製箔<5739>がアルミ箔を含めた日用品の開発、生産で業務提携すると発表した。生産コストの削減が狙い。提携により両社でそれぞれ数千万円規模のコスト削減を見込む。

△森下仁丹<4524>、医薬品通販に参入
森下仁丹は３１日、医薬品通販に参入すると発表した。医薬品通販の事業部として「仁丹薬房」を１１日付で立ち上げる。通販第１弾商品として、すでに店頭で販売している「ビフィーナ便秘薬」を扱い、月１５０―２００個の販売を目指す。夏をめどにメタボリックシンドローム対策やメンタルケア用医薬品を発売する予定。同事業部には専門の薬剤師が常駐。ユーザーからの相談に応じながら、医薬品を提供する。健康食品通販などで培ったノウハウを生かす。

△日ハム<2282>、排気植物油を再利用したバイオ燃料を営業車に採用
日本ハムは４月をめどに営業車両にバイオディーゼル燃料を採用する。子会社の工場で廃棄されていた植物油をバイオディーゼル燃料化し、再利用するもので、まず、北海道の販売子会社の営業用トラック２台にテスト導入する計画。テスト後は、全国のグループ会社の営業車などに同燃料の利用を拡大していく考えだ。１００％子会社の日本ハム惣菜（新潟県三条市）の北海道工場（北海道江別市）で廃棄されていた植物油を、外部に委託してバイオディーゼル燃料化し、販社で活用する。日本ハムによると、植物油から得たバイオディーゼル燃料の燃費は軽油に比べ約２０％向上するという。これまでにも日本ハム惣菜の北海道工場内の移動用バスやフォークリフトなどでバイオディーゼル燃料を試験導入してきた。また、プロ野球の北海道日本ハムファイターズの社用車２台にも導入しており、２月には１台増の計３台とする。
（日刊工業新聞）

■長瀬産業<8012>　特損計上により最終減益も化成品など売上好調
長瀬産業が３１日引け後に発表した０８年３月期第３四半期連結業績は、売上高５６８４億２２００万円（前年同期比８．２％増）、経常利益１８６億９３００万円（同４．４％増）、純利益３５億９５００万円（同６５．０％減）となった。国内販売３２１７億６０００万円（同３．９％増）、海外販売２４６６億６０００万円（同１４．４％増）と売上を伸ばし、売上総利益も８．１％の増益となったが、同社が販売したポータブルＤＶＤプレーヤー等の自主回収費用１４３億円を特別損失として計上したことにより、最終減益となった。事業別の売上高は、「化成品」が２００５億７０００万円（同８．５％増）。界面活性剤及び工業用油剤、シリコーン及びフッ素関連などの有機合成原料を取り扱うスペシャリティケミカル事業が大きく拡大した。「合成樹脂」は２０１４億４０００万円（同９．７％増）。タイをはじめとするアセアン地域や上海などを含む中国・華東地区を中心にアジア圏での販売が好調だった。自動車部品用途は国内・欧米向けを含めて増加した。「電子」は１２３３億５０００万円（同９．３％増）。液晶や電子機器関連の部材加工を中心とするディスプレイ事業が好調だったほか、精密研磨剤や半導体封止材関連などの情報・機能資材事業も増加した。「ライフサイエンス」は４１４億５０００万円（同５．３％増）。ファインケミカル事業における医薬中間体が売上を伸ばした。通期連結業績予想は、売上高７５２０億円（前期比７．２％増）、経常利益２３６億円（同１．６％増）、純利益７１億円（同４７．７％減）、１株当たり利益５５円２３銭と従来予想を据え置いている。

△フコク<5185>　第３四半期の売上は８．６％増と好調
フコクは、３１日の引け後に０８年３月期第３四半期業績を発表した。連結売上高４１９億９００万円（前年同期比８．６％増）、経常利益２２億５６００万円（同３．２％減）、純利益１２億９２００万円（同０．８％減）と増収であったものの減益となった。主要顧客である自動車業界において、トラックの国内生産が減速した一方で、乗用車とバスの輸出が伸び、ともに生産台数が増加した。また海外では、世界主要市場での現地生産が順調に推移している。このような情勢の中で、同社はトラック向けの防振機能製品だけでなく乗用車向けの市場を開拓してきていることから需要が拡大していて、受注は好調であり、増収となった。損益面では、営業利益が増収効果によって２３億２９００万円（同４．２％増）となったものの、支払利息の増加や為替差損により経常利益は３．２％減少となり最終利益も０．８％の減少となった。通期連結業績予想は、売上高５４０億円（前期比４．１％増）、経常利益３０億円（同２．７％減）、純利益１７億円（同４．４％減）を見込み、中間期に発表した数字のとおりである。
（証券日刊新聞）

▼メルシャン大幅減益　０７年１２月期
キリンホールディングス<2503>（ＨＤ）傘下のメルシャンが３１日発表した２００７年１２月期連結決算によると、売上高は前期比３・８％増の１０３３億円で増収を確保したが、最終利益は同７４％減の４億８３００万円と大幅減益となった。ワインに使うアルコール類や包装資材など原材料価格高騰が響いた。０８年１２月期の業績見通しはキリンＨＤとの提携によるシナジー効果で、売上高は前期比０・６％増の１０４０億円、最終利益は同８６・３％増の９億円と増収増益を見込んでいる。ただ、前年比で原材料高騰の影響が４－５億円増えると予想され、原材料高は「企業努力で吸収するには限界もあり、０８年中にワインの（さらなる）値上げも慎重に検討していく」（岡部有治社長ＣＥＯ）と追加値上げの可能性も示唆している。

△リコー<7752>　企業向けデジタル印刷事業　２５００億円規模に育成
リコーは、プロダクションプリンティングと呼ばれる、企業向けデジタル印刷事業を、２０１０年に売上高２５００億円規模に育成する方針だ。同分野は、パソコンなどのデータを直接印刷できる技術で、宛名や金額が異なる伝票や明細書のなどの書類の大量印刷や、顧客別のチラシやカタログなどの商業印刷が可能になる。同分野では、これまで帳票印刷用のモノクロ用が主流だったが、デジタル印刷技術の向上でフルカラーの需要が急拡大している。事務機器メーカーはオフィス向け事務機器市場が成熟化するなかで、新たな成長分野に位置づけ、１３年には世界市場で２兆円市場に成長すると予想されている。
（FujiSankei Business i）