1/30 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△エルピーダ<6665>が上げに転じる 10―12月営業赤字もあく抜け感
朝方に安い場面があったものの、その後に上昇に転じ、前日比190円高の3870円まで上げた。29日に発表した2007年10―12月期の連結業績は営業損益が89億円の赤字（前年同期は273億円の黒字）となり、「ＤＲＡＭ価格の下落が続いたことが響いた結果で、後ろ向きに受け止める」（国内大手証券のアナリスト）との見方から、売りが先行した。しかし、最近はＤＲＡＭ市況に底入れ感が台頭していることや、仮に再びＤＲＡＭ市況が切り下げる局面になれば「コスト競争力が高いエルピーダが生き残り将来の成長が期待できる」との連想が働くなどして、あく抜け感につながり、買い直す動きが加速した。

▼グローリー<6457>が反落　「サブプライム」で海外機関投資家の売り
反落。一時は前日比140円安の2130円を付けた。前日に三井住友フィナンシャルグループが米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）関連の追加損失を発表したことで、金融機関向けの貨幣処理機などの需要先行きに不透明感が広がったという。海外の機関投資家を中心とした売りが優勢となった。ただ、足元の業績は堅調で欧州など海外の金融機関やＡＴＭ向けの機器販売が伸びている。市場では「株価の下げ余地は少ないのではないか」（中堅証券）との声が聞かれた。

△日野自<7205>が急伸 4―12月期営業益31％増、新興国でトラック好調
急伸。一時は前日比64円（9.8％）高の714円まで上昇した。29日に2007年４―12月期業績を発表。連結営業利益は前年同期比 30.5増の371億円と好調だったことを好感し、買いが増えた。トラックやバスの売り上げは国内で減少したものの、アジアや中南米、中近東といった新興国で伸び、売上高は８％増の１兆28億円だった。同期の売上高営業利益率は3.7％と前年同期の3.1％から６ポイント上昇した。同社は2008年３月期通期の業績予想は従来見通しを変更しなかった。

△ＮＴＴドコモ<9437>が続伸――４―12月期、営業減益幅が縮小
続伸。一時は前日比5000円高の16万8000円を付けた。29日に発表した2007年４―12月期業績は連結営業利益が前年同期比８％減の 6249億円だった。21％の営業減益だった中間期から減益幅が大きく減ったことを好感した買いが入っている。４―12月期は音声収入の減少や割引サービス導入が響き、減益となった。ただ、端末器の販売で新方式を導入したことで代理店への手数料が減り、中間期に比べ減益幅は大きく縮小している。三菱ＵＦＪ証券の森行真司アナリストは「ナンバーポータビリティー制度導入から1年がたち、解約率は落ち着いてきた。端末販売方式の変更でコスト削減も進んでいる」と評価する。一方で、「新規加入者数の伸び悩みや契約あたり月間収入（ＡＲＰＵ）の低下など、他社と比べれば見劣りする。すでにシェアが高いだけに成長戦略も描きにくい」と話していた。

▼村田製<6981>が３日続落――電子部品需要に先行き不透明感
３日続落。一時は前日比190円安の5070円まで下げた。前日、京セラ<6971>が2008年３月期の連結売上高と営業利益の予想を下方修正したことで、電子部品業界全体の需要が調整局面に入ったとの見方が広がり、業績の先行き不透明感が強まったことが嫌気された。海外の機関投資家を中心に「買いが手控えられた」（大手証券）という。「米国の景気回復と北京五輪による家電製品の需要拡大がいつになるかが焦点」（同）との指摘もあった。

▼アッカ<3764>が大幅続落――イーアクセス<9427>の株主提案を拒否
大幅続落。前日比１万1000円安の14万6000円まで下落する場面があった。29日、同業大手のイーアクセスから出されている経営陣刷新の株主提案を拒否することを臨時取締役会で決定。市場ではイーアクセスの経営介入による業績改善期待が出ていたとの見方もあったため、提案拒否を売り材料視する動きが生じている。直近は25日移動平均線（16万40円）が上値抵抗線として意識される展開が続いたため、見切り売りが出やすい面もあるようだ。
ＵＳＥＮ<4842>傘下で光ファイバー通信回線４位のＵＣＯＭと資本・業務提携するとも伝わったイーアクセスは小動き。ＵＳＥＮは続伸。

▼東芝<6502>が昨年来安値更新――10―12月期営業益25％減
反落。一時は前日比円34円安の692円まで下げ、１月22日の安値（693円）を下回って昨年来安値を更新した。現在は710円近辺で推移している。 29日に発表した2007年10―12月期の連結業績（米国会計基準）は営業利益が前年同期比25％減の421億円だった。ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーが会社想定を超える価格の下げとなって半導体事業が振るわず、携帯電話やＨＤＤ（ハードディスク駆動装置）、液晶ディスプレーも振るわなかった。社会インフラ事業やパソコン事業の好調を理由に08年３月期通期予想は据え置いた。しかし市場では「主力のＮＡＮＤ型フラッシュメモリーの苦戦などで07 年10―12月期が営業減益だったという結果は後ろ向きに受け止められる」（野村証券の山崎雅也シニアアナリスト）との見方が多いようで、売りが優勢となっている。

△建設用鋼材が値上がり、スクラップ高騰などで
建設用鋼材の市中価格が上昇している。鉄筋用棒鋼は29日、東京、大阪市場で前日から約3％値上がりした。鉄骨に使うＨ形鋼は先週、6―8％上がった。昨年6月の改正建築基準法施行などの影響で同鋼材の需要は低迷しているが、原料の鉄スクラップ高を受けてメーカーである電炉各社がコスト転嫁を進めているため。鉄筋用棒鋼の大口需要家渡し価格は東京で前日比2.9％高の1トン7万1000―7万2000円となった。大阪でも2.8％上がり、1トン7万2000―7万4000円。東京では約4カ月ぶり、大阪では約5カ月ぶりの上昇で、1980年以来の水準だ。

△ネット広告各社、口コミ広告効果向上を競う
インターネット広告各社が口コミ広告の効果を高めようと工夫をこらしている。
ネット上で新製品などが口コミの話題となりやすいように、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム<4281>（ＤＡＣ）は利用者が加工できる動画技術を広告主に提案する。広告会社間での競争が激しくなっており、独自性を打ち出すことで広告主獲得につなげる。ＤＡＣは話題作りを促す動画サイトを企業ごとに制作する。例えば、サイトには商品やロゴマークなどの入った動画を用意し、その中の登場人物にネット利用者が自分や友人の顔写真を張り付けられるようにする。米ピクチャリアル社（カリフォルニア州）の動画処理技術を使い、張り付けた人の顔写真から目鼻の位置や大きさ、骨格の形状を読み取り、笑いや怒りといった動きのある表情を自動的に作る。

▼ヤフー<4689>が一時大幅安――米ヤフーが時間外取引で急落で
一時は大幅安。前日比2400円（6.2％）安の３万6200円まで売られる場面があった。米ヤフー（@YHOO/U）が、米国時間29日夕に発表した 2008年12月期通期の売上高見通しの中心値が、市場予想の中心値に届かず、米ヤフーが同日の米市場の時間外取引で約10％下げたことで、連想売りが広がった。ただ、2007年８月17日に付けた昨年来安値（３万5200円）に接近したため、売り一巡後は買い戻しや値ごろ感からとみられる買いで下げ渋っている。三菱ＵＦＪ証券の藤戸則弘投資情報部長は、「米景気後退懸念に加え、世界的にインターネット利用者数の伸びに限界が見え始めていることで、インターネットサービス各社は今後、消耗戦の様相が強まるとの見方が増えている」と指摘。「米国だけでは無く、中国や日本でもネット関連株への成長期待は後退しそう」（藤戸氏）とみていた。

▼三井住友ＦＧ<8316>、朝高後下げに転じる――前日上昇の反動
朝方は買いが優勢で、前日比１万円高の83万6000円で寄り付いたが、間もなく下げに転じ、一時は同１万1000円安の81万5000円まで下げた。29 日に2007年４―12月期の連結業績を発表。米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）関連の損失は拡大したが、「損失処理に前向き」と受け止められ、買いが先行した。しかし、前日に3.4％上昇していたため、その反動で買い一巡後は戻り待ちや目先筋による利益確定の売りが出た。４―12月期では、米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）関連の損失が990億円と９月末時点の320億円から拡大。米金融保証会社（モノライン）への純与信200億円のうち約100億円の引き当てを新たに実施したことなどもあり、純利益は前年同期比19％減の3194億円だった。ただ、サブプライム関連の引当金控除後の投融資残は約150億円まで減少した。市場では「（金融派生商品関連を）全体として踏み込んで処理した印象を受け、悪材料は出尽くした印象を受ける」（クレディ・スイス証券の伊奈伸一アナリスト）との声も聞かれた。

△トヨタ<7203>など自動車株に買い先行――米株上昇を好感
トヨタや日産自<7201>などの自動車株に買いが先行。トヨタは前日比70円高の5570円で寄り付いた。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）による追加利下げ期待に加え、29日発表の前年12月の米耐久財受注額が市場予想を上回ったことで、同日の米株式相場が続伸したことを好感した買いが入っている。朝方発表の前年12月の鉱工業生産動向（速報）は生産指数が前月比1.4％上昇と日経ＱＵＩＣＫニュース社（ＮＱＮ）がまとめた市場予想の範囲内（1.3―3.1％上昇、平均値は2.1％上昇）だった。同時に発表された製造工業生産予測調査は１月、２月と低下予測。市場では「12月分は予想の範囲内で株式相場には中立要因だが、先行きの低下はやや気掛かり」（大和証券ＳＭＢＣの西村由美エクイティ・マーケティング部情報課上席課長代理）との声が聞かれた。
（NIKKEI NET）

△富士通<6702>、米通信機器メーカーを特許侵害で提訴
富士通は３０日、米国の通信機器メーカー、テラブス社に対し、同社が製造・販売する光伝送装置が富士通の特許を侵害しているとして、４件の侵害行為差し止めと損害賠償を求める訴訟を、テキサス州東部地区連邦地方裁判所に起こした、と発表した。富士通はテラブスに対し特許の無断使用中止などを求めたが、要求が受け入れられず特許侵害が継続しているため、交渉による解決が困難と判断した、という。

▼エヌ・ピー・シー<6255>、80万株の公募増資と40万株の売り出しへ
エヌ・ピー・シーは３０日、８０万株の公募増資と、４０万株の売り出しを実施すると発表した。公募増資による概算の手取り調達額は約２６億６０００万円。全額を太陽電池製造装置事業の設備投資に充てる。増資の払込金額は、２月１５日から１９日までのいずれかの日に決定する。

△トヨタ<7203>がしっかり、信用買い残が大幅に減少
トヨタ自動車がしっかり。１０時４５分現在、同社株は東証１部で売買代金第３位となっている。米国株高が好感されたほか、信用買い残が大幅に減少するなど需給面での改善が注目された。東証が２９日に発表した同社株の前週末現在の信用残高は、売りが１００万０３００株、買いが６５９万７７００株、信用倍率は６．６０倍。１週間前との比較で、売り残が４２万４６００株増加する一方、買い残は１１３万７８００株減少した。

△ＮＴＮ<6472>しっかり、超大型ベアリングに参入と報道
ＮＴＮがしっかり。３０日付日経新聞朝刊で、同社が風力発電の羽根を支える支柱などに使う超大型ベアリング（軸受け）事業に参入すると報道され、材料視されている。約８０億円を投資し、石川県に直径３メートル超のベアリングの専用工場を２００９年度中に稼動する。２０１２年度に約７０億円の売り上げを目指すと報道では伝えている。

△郵船<9101>が大幅続伸、好業績評価の買いが継続
日本郵船が大幅続伸となっている。２９日の前引け後に発表した２００８年３月期業績予想の上方修正を引き続き好感している。ＵＢＳ証券では、ドライバルク船、コンテナ船が意外に健闘したと評価。また、航空貨物部門（日本貨物航空）は経常赤字だったが、想定よりは軽微にとどまったとして、投資判断「Ｂｕｙ」、目標株価１４００円を継続している。

▼クリナップ<7955>売られる、08年3月期業績予想を下方修正
クリナップが売られている。３０日に、２００８年３月期の業績予想下方修正を発表したことが嫌気されているという。連結経常損益予想は、従来の９億円の赤字から１４億円の赤字に修正された。

△イーアクセス<9427>小じっかり、ＵＳＥＮ<4842>傘下のＵＣＯＭと資本・業務提携
イー・アクセスが小じっかり。３０日付日経新聞朝刊で、同社がＵＳＥＮ傘下の光ファイバー通信回線会社、ＵＣＯＭと資本・業務提携すると報道され、材料となっている。イー・アクセスの広報担当者は３０日、ロイターに対し、ＵＳＥＮ傘下で光通信サービスを手がけるＵＣＯＭ（東京都港区）株式の一部取得を検討していることを明らかにした。

△川重<7012>しっかり、ボーイング787向け新工場に200億円投じ増産
川崎重工業がしっかり。同社が２９日、米ボーイングの新型旅客機「７８７ドリームライナー」向け部位の新工場を建設すると発表し、材料視されている。投資額は２００億円。川崎重工は２００６年７月に第１工場を稼動させているが、「７８７」の受注が好調なことから増産することを決めた。新工場は愛知県弥富市に建設する。２月上旬に着工し、０９年１月の稼動を目指すという。

△消費者金融株が高い、プロミス<8574>の決算受け連想買い
アコムやアイフル<8515>など消費者金融株が高い。同セクターは過払い金返還請求問題による収益圧迫に悩んでいるが、プロミスが２００７年４─１２月期に最終黒字に転換したことを受けて、消費者金融株に連想買いが広がっているという。

△クラボウ<3106>しっかり、配当予想を上方修正
クラボウがしっかり。同社が２９日の引け後に２００８年３月期期末の１株当たりの配当予想をこれまでの５円から７円に上方修正したことが好感されている。５円の普通配当予想に加えて、２円の記念配当を行うという。

△プロミス<8574>が続伸、07年4―12月期の最終黒字を評価
プロミスが続伸している。２９日発表した２００７年４―１２月期連結決算は、当期利益が２４９億円（前年同期は１６８７億円の赤字）と黒字に転換。０８年３月期通期の予想値１７２億円も超過した。これを好感した買いが先行している。３月期末に保守的に償却すると最終的に貸し倒れ費用が膨らむとして、通期予想は据え置いている。

▼東燃ゼネラル<5012>が売り気配、07年12月期予想を大幅下方修正
東燃ゼネラル石油が売り気配となっている。９時２０分現在、同社株は差し引き約４７万株の売りで９１７円売り気配。２００７年１２月期の連結決算見通しについて、営業利益が４７０億円から７１億円に大幅下方修正されたことが嫌気された。会社側では、石油製品マージンが大幅に低下することを修正要因として挙げている。原油や外航船舶運賃が高騰、コストが増加したものの、製品の販売価格に反映されなかったという。

▼メガバンクがさえない、サブプライム関連損失に懸念
三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンク株がさえない動き。サブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）関連損失の拡大などへの懸念が出ている。三井住友フィナンシャルグループが２９日発表した２００７年４―１２月期連結決算は、当期利益が前年同期比１９．３％減の３１９４億円となった。サブプライム関連の損失では９９０億円の損失を計上した。昨年１１月の中間決算発表時には、通期で損失見込みを８７０億円としていたが、これを上回った。３０日付読売新聞朝刊は、みずほＦＧのサブプライム関連の損失が０８年３月期で見込んでいた約１７００億円から拡大し２０００億円を超える見通しになったと伝えた。損失は２５００億円を超える可能性もあると報じている。

△ＭＴＩ<9438>が反発、3月中間期予想を上方修正
エムティーアイが反発している。２９日に発表した２００８年３月中間期予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の１億２０００万円から５億円、連結純利益は２０００万円から５０００万円に増額した。デコレーションメールサイト「デコとも」で、広告売上が順調なほか、コンテンツ配信では第３．５世代携帯電話端末の普及に対応して、着うたフル、コミックの有料会員数が拡大し収益寄与する。プロモーション費用の増額を見込み、通期予想は変更していない。

▼エルピーダ<6665>が売り先行、10─12月は営業赤字89億円
エルピーダメモリが売り先行。２９日に発表した２００７年１０─１２月連結決算は営業損益が８９億円の赤字（前年同期は２７３億円の黒字）になったことを嫌気している。１０─１２月はＤＲＡＭ価格の低迷が、売上高と利益をともに圧迫した。四半期ベースでは、２００５年７―９月期以来、約２年ぶりの赤字転落。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト８人の予測平均値である３７億円の赤字より赤字幅が大きかった。ただ、市場からは春以降のＤＲＡＭ（記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー）価格の回復に伴い、収益の回復が期待できるとの声も出ている。坂本幸雄社長は２９日の会見で、足元で１ギガビット品で２ドル強に低迷しているＤＲＡＭ市況について、３月以降、大きく改善してくるとの見方を示した。福田岳弘執行役員は、ＩＴバブルが崩壊して業界再編が起きた当時と、足元の価格動向が重なるとし「再編はまだだが、減産があると見ている」と述べ、価格のメドとして０８年４―６月に１ギガビット品が３．５―４ドルぐらいになるとの見方を示した。

▼ＯＨＴ<6726>が売り気配、東証が監理銘柄に指定
オー・エイチ・ティーが売り気配。２９日に同社が２００８年４月期半期（０７年１０月中間決算）報告書が期限の３１日までに提出できないと発表。東証が２９日から「監理銘柄（確認中）」に指定したことを嫌気している。同社では過去に出荷した物件の一部のうち決算期を越えた後に返品され在庫として計上している物件について、売上の取消処理の時期が適正かどうか特別調査委員会を設置し調査している。過年度（０３年４月期─０７年４月期）について調べてきたが、作業が遅れているため半期報告書も期限までに提出できないという。東証の基準では期限の１月３１日から１カ月以内（２月２９日まで）に半期報告書が提出されない場合、原則として上場廃止になる。

△三菱マテ<5711>、米ロバートソン・レディ・ミックス社株を約9億ドルで追加取得
三菱マテリアルは３０日、同社連結子会社の米国三菱セメント開発が、米国の生コンクリート・骨材会社であるロバートソン・レディ・ミックス社の株式を約９億ドルで追加取得すると発表した。現在の保有比率３３．３％を７０％に引き上げる。株式の取得先はロバートソンの大株主であるトローシュ・ファミリー。公共事業を中心に米国セメント需要が増加すると見込み、事業基盤の強化を図るため株式を追加取得するという。業績への影響は現在、策定中だが、ロバートソンの２００６年度業績を前提にすると米国三菱セメントの連結経常利益は５０億円程度増加する見通しとしている。
（ロイター）

△日野自<7205>株は発会来の700円回復、海外は投資回収期へ－四半期は好業績
トヨタ自動車<7203>の子会社で、トラック大手の日野自動車の株価が買い気配で始まり、寄り付き後は64円（9.9％）高の 714円と急騰した。大発会の４日以来となる700円台回復。29日に発表した第３四半期（2007年10－12月期）業績では、好調な海外販売に加え国内販売も増加に転じるなどで、連結純利益が前年同期比79％増の70億円と拡大した。ただ、通期業績予想は据え置き、第４四半期（08年１－３月期）の純利益が同 44％減でも予想達成という慎重な見通しとなっており、業績の上振れを期待する買いが優勢になった。クレディスイス証券の岡部史アナリストは、「日野はいすゞ自動車に比べて海外への進出が遅れたが、３年前から種まきを始めた。今期から来期にかけて投資の回収期になる」と指摘した。日野自の川﨑卓夫執行役員は29日、ブルームバーグニュースに対し、通期予想を据え置いた背景について「堅めに見ているため」と語った。
（ブルームバーグ）

△木村化<6378>---上値抵抗線を試す流れに
上値抵抗線を試す流れに。続伸で抵抗線として意識されている25日線に接近してきている。材料株物色の流れから短期筋の資金も入りやすく、テクニカル面でのきっかけは欲しいところ。出来高は前場段階で前日を既に上回っている。1/25時点の信用倍率は1.53倍と取り組みに厚みが増している。

▼オールアバウト<2454> 軟調。
四半期決算の内容が嫌気されているようだ。第3四半期までの業績は営業利益で1.4億円、08年3月期の予想に対する進ちょく率が56.0％にとどまった。ＧＳでは利益水準の上昇は期待し難いとしており、「中立」の投資判断並びに9万円の目標株価を見直し中と。

△伊藤忠<8001> 大幅続伸で4ケタ回復視野に。
昨日の日本郵船の決算が商社株へも刺激を与えているほか、ファンドの買戻しの動きも出ているようである。25日線が上値抵抗線として意識されているが、これを捉えてくるようだと1/15以来の4ケタ回復が視野に。

△ダイエー<8263>---急騰、先週末も材料ないまま急騰の経緯
急騰。目立った材料は現在のところ観測されていないが、先週末も特に材料ないまま急騰した経緯があり、関心は高まっている模様。本日は丸紅の決算発表が予定されていること、先週末も同時に大幅上昇したＯＭＣカードが本日も急伸していることなどは思惑視する向きもあるようだ。なお、直近のアナリストレポートでは、リーマンが10日付けで、有利子負債の削減を含めて業績の底打ちが近いという認識は変えていないとして、投資判断「オーバーウェイト」を継続している。

▼信越化<4063> 直近安値レベルでの膠着に。
メリルリンチではシリコンウエハー関連を一斉に格下げしており、この影響を受けているようである。日経平均へのマイナスインパクトにつながっている。

△プロミス<8574> 大幅高。
昨日発表した第3四半期の決算内容が好感されている。第3四半期累計純利益は249億円で通期予想の172億円を上ぶれる状況へ。利息返還請求などの不透明要因を考慮して会社計画は変更されていないが、消費者金融業界全般に過度な警戒感の後退につながっており、アコムやアイフルなども買いが優勢の展開。

▼ファストリテ<9983>---指数に対するインパクトが大きい
指数インパクト。東証1部の値上がり数は1000を超えてきている状況であるが、同社の下げが指数の上値を抑える格好に。物色が売り込まれていた銘柄の買い戻しにシフトしており、本日は物色の圏外か。指数に対するインパクトが大きい。

△アクセル<6730> トップ高買い気配。
業績の上振れが好感されている。第3四半期の決算発表と併せて08年3月期の業績予想を上方修正しており、経常利益については従来予想の42.15億円から52.69億円に増額された。また、期末配当についても同5000円から7600円に引き上げられている。パチンコ・パチスロ市場において、主力製品へ移行が想定以上のペースで進んでいるためと。

▼ユビキタス<3858> 一時ストップ安。
四半期決算の内容がネガティブに捉えられているようだ。第3四半期までの業績は経常利益で3.4億円（前年同期非開示）となり、08年3月期の予想に対する進ちょく率が77.6％となった。中間期実績の通期予想に対する進ちょく率が66.4％となっていたことから、失望感が生じているもよう。

▼ＳＵＭＣＯ<3436>---メリルでは一斉にシリコン関連格下げ
軟調。ＧＳの格下げなどで頭の重い展開が続いているが、本日はメリルが同社を含めて、シリコンウエハ関連を一斉に格下げ、ネガティブ材料につながっているようだ。信越化学やトクヤマ、フジミインコ、ミライアルなど一斉に「買い」から「中立」に下げている。なお、同社では300ミリウエハの生産能力増強を発表しているが、先々の需給緩和による競争激化といった警戒感にもつながっているもよう。

△商船三井<9104>---主力海運株は総じて堅調な展開に
主力海運株は総じて堅調な展開に。バルチック指数は下落基調ながら、昨日の日本郵船の決算を背景に買い戻しの流れも。外航大型ばら積み船の中長期契約用船料が上昇しているとの報道も手掛かりに。緩やかなリバウンドをみせており、25日線に接近。

△日本郵船<9101>---続伸、引き続き第3四半期好決算を評価
続伸。昨日の前引け後に決算発表、第3四半期実績はコンセンサス上ぶれ、通期計画は想定外の上方修正となっており、比較的ポジティブサプライズが強まる状況、本日も評価を高める動きとなっている。ＣＳでは投資判断を「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価を1060円としている。他の海運各社に対しても、過度な業績へ警戒感への後退につながる格好へ。

△新日鉄<5401>---需給整理進捗
需給整理進捗。1/25時点の信用買い残高は8344万株と7-8月のピーク時の1億4600万株超の水準から減少傾向にあり、信用倍率は3.68倍にまで改善されている。一目均衡表の遅行スパンは上方転換シグナルを発生させつつある。

△マイクロニクス<6871> 買い気配から。
四半期決算の内容が好感されている。第1四半期は営業利益が前年同期比68.6％増の19.62億円となり、上期予想に対する進ちょく率では65.4％となった。先にＧＳが決算プレビューをリリース、第1四半期の営業利益を16億円と予想していたこともあり、ポジティブサプライズとして受け止められているようだ。なお、ＧＳでは想定以上の好決算との評価、投資判断「買い」を継続したうえ、目標株価については4300円から4500円に引き上げた。また、三菱ＵＦＪ証券では投資判断「1」を継続、目標株価を3400円から4200円に引き上げている。

△三井住友<8316>---最後の膿出しで悪材料出尽くしも
4-12月期の連結決算を発表。米サブプライム関連損失は9月中間期の320億円から990億円に拡大した。ただ、サブプライム関連での今後の追加損失は見込んでおらず、最後の膿出しで悪材料出尽くしへ。1/25時点の信用倍率は2.93倍と前週の8.01倍から一気に改善へ。
（フィスコ）