1/28 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△角川ＧＨＤ<9477>が急伸――ユーチューブで新規事業展開
急伸。一時は前週末比180円高の2985円を付けた。25日に、グーグル傘下の「ユーチューブ」を活用した新規事業を展開すると発表したことが買い材料。事業拡大を好感した買いが入っている。ユーチューブとの新規事業展開については、25日に日経ニュースが伝わっており、株価は同日も大幅に上昇していた。ＰＢＲ（株価純資産倍率）が１倍を割り込むなど指標面で割安感が出ていたため、好材料に反応しやすかった面もある。みずほインベスターズ証券の須山弘之アナリストは「収益面では未知数だが、アニメファンの動画投稿などの口コミをうまく使える可能性はある」と指摘する。須山氏は現在の株価水準について「無形固定資産を考慮しても割安。市場の関心が高い資本政策について、次の決算でどのような方針を示すかに注目している」と話していた。

▼三洋電<6764>が反落――「薄型テレビの合弁解消」と報道
４営業日ぶり反落。前週末比５円安の123円まで売られる場面があった。外国為替相場が円高・ドル安を背景に民生電機関連が軒並み下げており、三洋電もその一角として売られている。26日付の日本経済新聞朝刊は「台湾の電子機器メーカー、広達電脳との薄型テレビの合弁事業を３月末で解消する」と報道。広達の液晶パネル子会社が台湾同業に買収されるなど提携の効果があがっていなかったため、提携解消は既定路線との声が多いが、報道を受けて薄型テレビ分野の苦戦が改めて意識されたことが重しになっているとの見方もあった。三洋電は25日、４月１日付で家庭向け洗濯乾燥機事業を業務用洗濯機を手掛ける子会社に統合すると発表。また、炊飯器や電子レンジなどの小物家電も別の子会社に集約するという。市場では「今後の株価はグループ再編の行方をにらみながらの展開になる」（国内証券のアナリスト）の指摘もあった。

▼協発酵<4151>が反落――後発医薬品の世界最大手テバが提訴
反落。前週末比32円安の1043円で寄り付いた後、急速に下げ渋ったが、再び安い水準で推移している。28日付日本経済新聞朝刊は後発医薬品で世界最大手のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ（イスラエル）がこのほど協発酵を東京地裁に訴えたことを報じた。高脂血症治療薬「メバロチン」の後発品を巡り、テバが持つ原料の特許権を侵害したと主張し、「国内で販売する対象製品の破棄や製造・販売の差し止めを求めた」（同紙）という。市場では「株式市場全体が悪材料に反応しやすい地合いにあり、売られている」との見方が出ている。東海東京調査センターの赤羽高シニアアナリストは協発酵について「先発医薬品の開発に軸足を置いており、この問題の株価への影響は限定的」と話す。またテバの動きについては「日本市場に参入するにあたって、生産する分野の権利問題を整備しておきたい意図の表れなのだろう」とみている。

▼堺化学<4078>が反落――業績先行き懸念から買い見送り
反落。前週末比20円安の415円まで下げる場面があった。先週末の米国株安が嫌気されたほか、25日の取引中に発表した2007年４―12月期の連結経常利益が14％減となったことも引き続き買いを見送る材料となっているようだ。07年９月連結中間経常益は前年同期比３％減だったが、原材料高の影響などを受けて07年４―12月期の経常利益は14％減と減益幅が拡大した。経常減益率が08年３月期通期予想の８％も上回ったことで、「業績への先行き懸念が広がった」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）という。連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）が約0.6倍にとどまるなど指標面では割安感も意識されるが、「来期業績の行方が確認できるまでは買いを入れにくい」（同）との声もあった。

△松下<6752>、ＴＢＳ<9401>と家電製品開発・まず美容商品
松下電器産業はＴＢＳと家電製品を共同開発し、第1弾として3月中旬に美容商品を発売する。松下はこれまで独自開発にこだわり、他社との共同開発をほとんど手掛けてこなかった。しかし、低迷する美容商品市場を活性化するためには女性の消費に影響力の大きいテレビ局と組むことが有効と判断した。ＴＢＳも放送外収入の拡大を目指す。髪形を整えるのに使う「ヘアアイロンセット」を共同開発した。松下が電器部分を開発、ＴＢＳは20―30代の女性視聴者が多い土曜日の情報番組「王様のブランチ」がデザイン面を担当。番組に出演するモデルの押切もえさんの助言を取り入れた。

△クリムゾン<2776>がストップ高気配――監理ポスト割り当て解除で
値幅制限の上限（ストップ高）となる前週末25日終値比3000円高の２万3000円で買い気配となっている。現在、ストップ高水準で差し引き 130株程度の買い越し。25日、ジャスダック証券取引所が26日付で監理ポスト割り当てを解除すると発表したことが買い材料。同社が昨年11月に提出した有価証券報告書などの訂正報告書を審査した結果、上場廃止基準に該当しないと判断したため。上場廃止懸念の後退を受け、見直し機運が急速に広がっているようだ。もっとも、ジャスダック証券取引所は同時に「情報開示体制などに改善の必要性がある」として、改善報告書の提出を求めたことも発表している。経営の先行き不透明感が完全に払拭（ふっしょく）されたわけではなく、足元の業績も振るわないとあって、買いは自律反発狙いの短期資金が中心とみられる。

□さくらネット<3778>がもみ合い　大規模増資は織り込み済み
前週末25日終値（10万7000円）を挟んだもみ合いが続いている。25日、双日（東証１部、2768）を引受先とする第三者割当増資を発表した。発行株数は１万2718株と現在の発行済み株式数（３万2270株）の約４割にあたる大規模な増資となるが、一株価値の希薄化などを懸念した売りは限定的。既に 07年12月27日に「双日を引受先とする第三者割当増資の実施で基本合意した」と発表しており、織り込み済みと受け取られているようだ。さくらネットは現在、債務超過に陥っており、早急な資本増強に迫られていた。そのため、増資が正式に決まったことを好感する投資家も多いようだ。半面、株価は足元の上昇で直近の高値圏にあり、戻り待ちの売りも目立っている。

▼ベリサイン<3722>が売り気配――前期修正、最終赤字に転落
売り気配で始まっている。現時点の気配値は前週末25日終値に比べ4000円安の７万700円で、差し引き1600株程度の売り越し。25日に発表した 2007年12月期業績の修正を嫌気した売りが膨らんでいる。連結最終損益は従来予想（９億1900万円の黒字）から一転して25億7000万円の赤字に転落した。05年に買収した子会社の事業計画が達成不可能と判断し、のれんの減損損失を特別損失として計上したことが主因という。また、売上高も単価下落で下方修正した半面、経常利益はコスト削減などで上方修正した。同時に前期末に370円の配当を実施すると発表した。03年の上場以来、初めての配当となるが、市場では「既に終わった期の配当を手掛かりには買いにくい」（準大手証券の小型株情報担当者）との指摘も聞かれ、現時点での下支え効果は限定的となっている。今回の修正について、ベリサインは「経営責任を重く受け止めており、対応については詳細が決定次第、報告する」としていることも、経営の先行き不透明感につながっているもようだ。

▼ソニー<6758>など主力株が安い――米株安、円高・ドル安で
ソニーやトヨタ<7203>など輸出関連の主力株に売りが先行。ソニーは前週末比100円安の5010円まで売られる場面があった。前週末の米株式相場が経済の先行き不透明感などを背景に下落したことで投資家心理が悪化。外国為替相場が円高・ドル安方向に振れていることも嫌気されている。両銘柄を巡っては、25日に川崎市麻生区のテラメントが51％の株式を取得したとの大量保有報告書を提出したが、27日には金融庁が虚偽報告と認定し訂正命令を出した。
同様の大量保有報告書の提出・訂正命令があった三菱重<7011>とアステラス<4503>は下落しており、
ＮＴＴ<9432>とフジテレビ<4676>は小動きとなっている。
（NIKKEI NET）

▼富士重<7270>の12月世界生産は‐9.4％・07年通年は‐1.3％
富士重工業が２８日発表した１２月の世界生産実績は、前年比９．４％減の４万３３２５台だった。２００７年通年は１．３％減の５８万５０２８台だった。国内生産は１２月が１０．４％減の３万５７７５台、０７年通年が１．３％減の４７万５８５０台。輸出は１２月が５．５％減の２万０４０８台、０７年通年が５．４％増の２５万１８３９台だった。

△スズキ<7269>の12月世界生産は＋6.1％・07年通年は＋10.8％
スズキが２８日発表した１２月の世界生産実績は、前年比６．１％増の２１万０４１９台だった。２００７年通年は１０．８％増の２５９万６１７９台だった。国内生産は１２月が６．１％増の１０万７９４７台、０７年通年が１．０％増の１２１万８２９７台。輸出は１２月が１２．７％増の３万８５２０台、０７年通年が１０．１％増の４０万６８３８台だった。

△マツダ<7261>の12月世界生産は＋4.2％・07年通年は‐1.9％
マツダが２８日発表した１２月の世界生産実績は、前年比４．２％増の１１万６１２２台だった。２００７年通年は１．９％減の１２８万６８０８台だった。国内生産は１２月が８．７％増の９万１４０９台、０７年通年が３．０％増の９９万５５１１台。輸出は１２月が３３．３％増の９万０６６６台、０７年通年が１１．４％増の８０万２９７６台だった。

△マースエンジ<6419>が上伸、4─12月期営業利益は3.2％増
マースエンジニアリングが上伸。２５日に発表した２００７年４─１２月９カ月決算の連結営業利益が前年比３．２％増の４１億４８００万円と比較的好調だったことを好感している。三菱ＵＦＪ証券は２８日付リポートで今後の予想連結一株利益を増額したうえで、パチンコ周辺機器業界平均の株価収益率（ＰＥＲ）からみてほぼ妥当な水準だとして株価判断を「４」から「３」に引き上げた。

△住友鉱山<5713>が切り返す、金価格の上昇を材料視
住友金属鉱山が朝安で始まった後、切り返しに転じた。金価格の上昇を材料視している。２５日のロンドン自由金市場の金塊相場は一時１オンス＝９２３．４０ドルと、史上最高値を更新した。終値は、前日終値比６．６０ドル高の９１２．４５ドル。

▼東建コーポ<1766>売られる、労働基準監督署から是正勧告
東建コーポレーションが売られている。同社が２５日引け後、労働基準監督署から時間外、深夜および休日の労働について是正勧告を受けたと発表し、嫌気されている。２００５年９月２６日から２００７年９月２５日まで２年間において調査のうえ、未払い分を遡及して支払う旨の勧告を受けた。当該未払賃金については現在算定中のため未定だという。

△ヤクルト<2267>しっかり、180万株上限に自己株取得
ヤクルトがしっかり。同社は２５日、発行済株式総数の１．０３％に相当する１８０万株・５４億円を上限に自己株を取得すると発表した。同時に、期末配当予想をこれまでの１株１０円５０銭から１２円５０銭に引き上げた。今期の連結ベースでの売上高および純利益がともに過去最高となる見通しであることを考慮したという。

△ＮＩＣ<5742>が買い気配、08年3月期予想を上方修正
エヌアイシ・オートテックが買い気配を切り上げている。２５日に発表した２００８年３月期（単体）業績予想の上方修正を好感した。経常利益は従来予想の４億２０００万円から４億６０００万円、純利益は２億４０００万円から２億６０００万円に増額した。自動車部品の製造関連企業から大型機械設備物件の受注を確保できる見通しとなったことなどが寄与する。

△マルハニチロＨＤ<1334>小じっかり、傘下のマルハがマレーシア企業買収との報道
マルハニチロホールディングスが小じっかり。２６日付日経新聞朝刊で、同社傘下のマルハがマレーシアの大手エビ養殖会社、アグロベストを買収すると報道されたことなどが材料となっている。１月中にも親会社のエス・エイチ・コーポレーション（東京）から発行済み全株式を三十数億円で取得。養殖事業を拡大し、水産資源の世界的な争奪戦が激しさを増す中、エビの供給力を強化すると報道では伝えている。

△オオバ<9765>が買い先行、08年5月期予想を上方修正
オオバが買い先行となっている。２５日に発表した２００８年５月期業績予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の４億円から５億円、連結純利益は２億円から２億５０００万円に増額した。販売用不動産の譲渡が決まったことに加え、生産効率の改善などが寄与する。
（ロイター）

▼富士通ゼネ<6755>株が急反落、低進ちょく率や赤字警戒－欧州エアコンは好調
空調機器、冷凍・冷蔵機器、情報通信機器などを製造する富士通ゼネラルの株価が３営業日ぶりに急反落。一時、前日比 41円（８％）安の474円まで下げ幅を広げた。欧州を中心とした海外でエアコンの拡販を積極化したことが奏功、第３四半期までの９カ月間（2007年４－12 月）の連結営業損益は前年同期の17億8300万円の赤字から27億2100万円の黒字に転じた。ただ、通期（08年３月期）の業績予想を据え置いたほか、進ちょく率も低水準にあり、売りに押される展開。富士通ゼネは25日、07年４－12月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比27％増の1490億4800万円。欧米や中東、豪州、アジアの各地域向けに、省エネ性の高いエアコンが好調に推移したほか、部品数減など経費削減の取り組みが計画通りに進み、ユーロ高などによる為替差益の計上も貢献した。　　エアコンなどから構成されるリビング部門の海外売上高を見ると、欧州が 2.3倍の434億8300万円、米州が9.7％増の84億3700万円、豪州が25％増の 163億9000万円など。ただ、法人税の支払額が増加したため、最終損益は８億 4500万円の赤字（前年同期は27億1500万円の赤字）となった。中間決算を発表した昨年10月24日に上方修正した通期の連結業績予想については、今回変更しなかった。通期の売上高は前期比21％増の2280億円、営業利益は同2.3倍の96億円、純利益は同3.1倍の27億円を見込む。９カ月終えた時点での通期計画に対する進ちょく率は、売上高で65％、営業益で28％など、いずれも遅れ気味だ。もっとも、同社法務部の上田健一氏は、夏場に向けたエアコン商品の大半を２月から３月にかけて売り上げ計上するため、第４四半期（08年１―３月）に収益を伸ばす傾向にあることを考慮すれば、「通期計画は十分に達成可能」との認識を示している。

▼ＳＭＫ<6798>が反落、業績予想据置に失望－携帯用コネクター伸び四半期増益
電子部品メーカー、ＳＭＫの株価が反落。前週末25日に公表された2007年４－12月期（第３四半期累計）業績では、携帯電話向けコネクターが新規顧客を取り込みながら高い伸びを示した。しかし事前の想定通りの内容で、08年３月通期予想も増額されなかったため、買いが限定され、売りに押された。午前10時25分現在の株価は前週末比32円（4.4％）安の688円。今月22 日に付けた52週安値662円まであと４％の水準となった。大和総研の山田陽子アナリストは四半期業績について、「進ちょく状況は月次受注高などで事前に確認できたため、特段のサプライズはなかった」と指摘、投資判断「中立」を維持している。ＳＭＫの９カ月累計業績は、売上高が前年同期比14％増の670億円、営業利益が同27％増の53億円で、営業利益率は8.0％と、前年同期から0.8ポイント改善した。通信向けを中心に高採算製品が伸びたことが奏功した。2008年３月通期は、売上高が前期比11％増の875億円、営業利益が同32％増の68億円で、１株利益（ＥＰＳ）は60円06銭と見込んでいる。山田氏はＳＭＫ株の値動きを「利益率の高まる上半期に上昇し、利益率の悪化する下半期に下落する傾向が強い」と分析、しばらくは弱含むとみている。その上で山田氏は「上期と下期の利益率格差を縮めていくことが今後の経営課題」と述べていた。この３期間の営業利益率をみると、05年度上期が6.7％、05年度下期が5.3％、 06年度上期が8.4％、06年度下期が4.7％、07年度上期が8.6％、07年度下期の見込みが6.9％で、上期と下期の利益率の格差は平均2.2ポイント。

▼ＮＲＩ<4307>が急落、第３四半期減益で利益上乗せ期待後退－三菱Ｕ証格下げ
野村総合研究所（ＮＲＩ）株が前日比480 円（14％）安の2910円と急落。午前９時48分現在、東証１部下落率１位。先行投資負担や販売費・一般管理費の増加が利益を圧迫し、2007年10－12月期（第３四半期）業績は減益となった。このため市場が期待している08年３月通期業績の大幅な上乗せは難しくなったとの見方が広がっている。三菱ＵＦＪ証券が投資判断を引き下げたことも、売りが膨らむ要因となった。三菱ＵＦＪ証券の森本展正シニアアナリストは、米サブプライム（信用力の低い個人向け）住宅ローン問題によって株式相場が低迷していることから、今後は主要顧客である野村証券など証券会社のＩＴ投資が抑制されると考えられるため、「来期は利益の伸びが鈍化する可能性がある」ことを指摘する。ＮＲＩは25日の取引時間終了後、第３四半期の業績を発表した。連結売上高は前年同期比12％増の847億円と増収を確保。ただ、生産性・品質活動の向上や研究開発の推進などの費用がかさみ、本業のもうけを示す営業利益は同 2.9％減の118億円にとどまった。
08年３月通期の連結営業利益は前期比25％増の550億円と従来予想を据え置いた。一方、純利益は従来予想比11％減の310億円に変更。同社は４月１日付で年金制度の改定を予定しており、これに伴い特別損失を計上することが要因。ブルームバーグ・データによると、登録されたアナリスト12人の今期連結営業利益の予想平均は576億円。12人全員が会社予想を上回ると予想している。しかし第３四半期の利益が予想外に低かったことを受け、三菱ＵＦＪ証券が580 億円から560億円に引き下げるなど、業績拡大期待が急速にしぼんでいる。同証券は来期予想も610億円から590億円に減額した。三菱ＵＦＪ証の森本氏は、情報サービス大手平均の予想ＰＥＲ（株価収益率）17倍に対し、ＮＲＩが24倍程度と割安感がないことも指摘し、28日付で投資判断を「１（強いアウトパフォーム）」から「２（アウトパフォーム）」に引き下げた。

△ＫＤＤＩ<9433>株が連騰、今期の上方修正好感、中部電<9502>の光買収評価も
携帯電話国内２位のＫＤＤＩの株価が、ほかの主要通信株がさえない中で連騰。前週末比２万7000円（3.8％）高の74 万5000円とこの日の高値で寄り付いた後も、しっかりとした動き。25日の第３四半期（2007年10－12月）業績発表に合わせて通期業績予想を上方修正し、営業利益予想を4140億円と、初の4000億円としたことなどが評価されている。午前９時51分現在は１万4000円（２％）高の73万2000円。みずほインベスターズ証券須山弘之アナリストは、株価が好業績を素直に好感したとの見方を示した上で、同時発表した中部電力の光ファイバー事業買収も材料視されているとの見方を示した。同氏によると、携帯事業は好調を続けているものの、市場は成熟化して料金競争も激化している。そうした中、昨年１月の東京電力に続いて中部電からも事業を買収したことは、東電の地盤である関東以外の地域でも自前の「アクセスラインを確保できる」（須山氏）わけで、長期的観点からは評価できる、としている。ＫＤＤＩは、契約者が伸びず不採算である光ファイバーが、将来は本格普及に転じて事業環境が変わることを視野に入れ、関東以外の地域でも電力系通信会社との提携を模索してきた。ＫＤＤＩの上方修正では、既存の光ファイバー事業の不振などで固定の通期の営業赤字見込みを80億円拡大して640億円とする一方、携帯事業の通期営業利益予想を従来から300億円積み増し、4680億円としたことではね返す。　　この結果、今期営業益予想を従来の3900億円から4140億円に上方修正したが、ツーカー設備の撤去費など120億円と、国内伝送路などの減損200億円を特別損失に計上するため、純利益見通しは2200億円に据え置いている。

▼ジャフコ<8595>株が一時４％安、相場低迷で投資減速－割安の声で下値は限定
ベンチャーキャピタル国内最大手ジャフコの株価が反落。世界的な金融動乱下で日本の新興市場が安値圏で弱い基調が続いているため、今後も業績が悪化するとの懸念から売りが先行した。ただ、中期的な成長期待も根強く、安くなった所では大口の買い注文も入っており、下値は限定されている。この日は売り気配で取引を開始、午前９時12分ごろ前週末比150円（４％）安の3580円で寄り付いた。売買成立直後に3560円を付ける場面もみられたが、3500円台では2000株、4000株単位（同社株の最小売買単位は100 株）の大口買い注文が入り、午前９時22分に同0.3％高の3740円を付ける場面もあった。午前９時30分現在の株価は同1.1％安の3690円。ジャフコが前週末25日に発表した2007年４－12月期（９カ月累計）業績によると、連結純利益は前年同期比31％減の53億円だった。国内外の株式相場の地合いが悪化、キャピタルゲインが前年同期から減ったことに加え、評価損が増えていることが悪影響を与えている。９カ月間累計の投資先のＩＰＯ（新規上場）社数は25社にとどまり、前期（通年）の38社や、前年同期の29社を下回った。将来的な収益を測る上で重要な投資実行については、161社、361億円にとどまり、前期の340社、625 億円に比べ、かなり少ないペースでの進ちょくとなっている。大和総研の古島次郎シニアアナリストは、四半期ごとの純損益状況に着目、「第２四半期の黒字額が７億円だったのに対し、第３四半期は20億円の黒字で、そんなに悪くはなかった」と総括した。古島氏は投資損失引当金やキャピタルゲインなどが横ばい圏で推移している点を評価、「全体としては安定感のある内容」とみて、投資判断「アウトパフォーム」を維持する。　　古島氏は、ジャフコ株の適正株価水準を5100円と算出。その上で、「マーケットの環境が悪く短期的に株価も下に引っ張られてしまっているが、ＮＡＶ（net asset value：純資産総額）0.7倍の現状の水準は中長期成長性からみると割安だ」と述べていた。

▼日軽金<5701>株が大幅続落、認定仕様と異なる断熱パネルの販売が明らかに
日本軽金属の株価が売り気配で始まり、寄り付き後は一時17円（9.7％）安の159円と大幅続落している。子会社が過去に認定仕様と異なる断熱パネルを販売していたことが分かり、今後の改修費用の発生など業績への影響を警戒する売りが優勢となった。株価は52週安値を更新。日軽金子会社の日軽パネルシステムは25日、2005年３月から過去５年半にさかのぼり、防火材料認定仕様と異なる断熱パネルを販売していたと発表した。日軽金の石山喬社長、日軽パネルの室伏好郎社長が同日都内で会見し、明らかにした。　　問題製品の納入先は計205件、施工物件は180棟に及ぶとしている。会社側は、製品交換の改修工事を早急に実施すると表明。石山社長は再発防止策を徹底すると強調した。対策費用は10億円を見込むが、日軽パネルの当期業績に与える影響は算定中としている。

▼芝浦メカ<6590>が大幅安、ロジック半導体向け低迷－業績予想を大幅引き下げ
芝浦メカトロニクスの株価が大幅反落。パソコンや携帯電話の在庫調整や価格競争の影響から顧客の設備投資が鈍化、半導体向け製造装置が低迷しており、同社は25日に今期（2008年３月期）の業績予想を下方修正した。修正数字が市場予想を下回ったため、業績不振を懸念した売りが先行している。午前９時21分現在の株価は前週末比38円（7.2％）安の491 円。同社のＩＲ担当の寺井克己氏は「半導体製造装置は伸びを見込んでいたが、不振だった。フラッシュメモリー向けは回復基調にあるものの、ロジック半導体向けが価格競争の影響を背景に抑制される傾向にあり、思ったほど伸びなかった。不透明な状況は続くだろう」と述べた。新しい業績見通しでは、連結純利益は８億円と従来予想を43％下回る水準。ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録された５人のアナリストの予想中央値12億400万円を大きく下回った。同社は液晶や半導体用製造装置を手がけており、半導体向けが売上高の約２割を占める。パソコン向けなどのロジック半導体の設備投資の回復を今期の前半から後半にかけて見込んでいたものの、メーカー側の様子見姿勢は依然として強いという。今期の半導体向けの売上高は200億円を見込んでいたが、150億円に落ち込む見通しだ。
（ブルームバーグ）

▼新日鉄<5401> 4日ぶりに反落。
本日、第3四半期の決算発表予定となっているが、先週末にかけて連日の上昇となってきたことで、短期筋の利益確定の動きが先行する格好に。通期予想の見直しは3月上旬に行なわれるとみられており、短期的には第3四半期の実績数値が株価の材料につながりそう。営業利益は中間期実績が横ばい、通期予想も横ばい予想であり、第3四半期が増益か減益かで見方が分かれる公算。

△ＮＩＣ<5742> ストップ高。
期中2度目の上方修正が好感されている。08年3月期の業績予想を上方修正しており、経常利益については従来予想の4.2億円から4.6億円（前期4.24億円）と増益に転じる見通し。08年3月期の上方修正は、昨年10月下旬に次いで2度目となる。

△ ＪＰモルガンでは、投資判断「Neutral」並びに目標株価23万円を継続したようだ。
予想通りに08年3月期の業績予想を下方修正したが、悪材料は大方出尽くしたと。新たな会社予想は保守的とみられ、業績の達成確度は高いとしている。

△シナジーＭ<3859> ストップ高。
業績の上振れが好感されている。ＡＳＰ事業でのユーザー獲得が順調などとして07年12月期の業績予想を上方修正、経常利益については従来予想の1.69億円から2.28億円に増額された。上場から2ヶ月強での上方修正を受け、買い安心感が生じているようだ。

▼マースエンジ<6419>---大幅続伸、決算発表受けて買い安心感
大幅続伸。先週末の第3四半期決算発表を受けて、買い安心感が強まる状況ともなっている。第3四半期累計営業利益は前年同期比3.2％増益の41.4億円、ほぼ計画通りの進捗となっているもよう。事業環境の厳しい業界内にあって、相対的な堅調決算に見直しの動きが強まる状況。三菱ＵＦＪでは「４」から「３」に。

△アクロデア<3823>---三角保ち合いを上放れた格好に
大幅続伸で昨年8月以来の40万円を回復している。昨年9月安値を起点とした下値切り上げと40万円レベルを上値抵抗とした値動きが続いており、形状としては三角保ち合いを上放れた格好に。値動きの軽さからも値幅取り資金が向かいやすく。

△ディーエヌエー<2432>---順調なリバウンド基調、イベント控え
順調なリバウンド基調。直近のボックスレンジを突破し、一目均衡表では遅行スパンが上方転換シグナルを発生させている。今週は30日に決算発表が予定されているほか、TOPIX組み入れによるインデックス買い需要も。

□エイベクスＨＤ<7860> 4営業日ぶりに反落。
2007年の音楽ソフトの店頭売上動向が伝えられ、同社が邦楽アルバムで自社アーティストのヒットにより、総合シェアで首位となった。1/18時点の信用倍率は1.45倍、予想配当利回りは3.47％であり、下値は堅そうだ。

△三菱重工<7011>---「Ｈ２Ａ」で医薬データ収集実験
先週末の強い動きによって25日線を捉えていたこともあり、利食いの動きになりやすいところ。期日に絡んだ戻り売り圧力も。なお、大型ロケット「Ｈ２Ａ」にマウスを載せ、創薬などに使う医薬データの収集実験を始めると報じられている。

△ＧＭＯ<9449>---戻り高値更新、ＣＬＳＡが新規に買い推奨
続伸で12月14日の戻り高値を更新。ＣＬＳＡが投資判断を新規に「ＢＵＹ」、目標株価を680円としており、買い材料につながっているようだ。目先の悪材料は出尽くしており、ヤフーとの提携効果期待などで今後は再度バリュエーションの切り上がりを想定しているようだ。

△ＦＤＫ<6955>---急伸、東芝<6502>からの生産委託報道受けて
急伸。東芝がアルカリ電池の製造を同社に全面委託するとの報道が伝わり、物色材料につながる格好へ。業容拡大期待に加えて、量産効果によるコスト圧縮の進展など収益性の向上期待なども先行へ。株価の値頃感も妙味となって、個人投資家の注目が高まる方向のようだ。

▼リアルコム<3856> 売り気配。
一転しての赤字見通しがネガティブサプライズとして捉えられている。07年12月中間期並びに08年6月期の業績予想を大幅に下方修正、通期については従来の大幅な増益予想に対して営業損益段階から赤字となる見通し。新製品の開発中断などが響くとしており、通期の営業損益に関しては従来予想の3.33億円から1.19億円の赤字（前期1.94億円の黒字）にまで減額された。

▼日立建機<6305>---売り気配、第3四半期の決算を嫌気
売り気配。先週末に発表した第3四半期決算内容が嫌気されている。10-12月期業績は18％増収、営業利益20％増益となったが、社内目標値に対して売上高で100億円、営業利益15億円未達成だったもよう。来年度業績鈍化への警戒感があらためて高まる格好、野村では投資判断を「２」から「３」に格下げしている。

▼東芝<6502>---売り先行、業績観測報道などもネガティブ視
売り先行。第3四半期業績の観測報道が伝えられている。4-12月期の営業利益は1200億円台の半ばで前年同期比微増であったともようとされており、 10-12月期の営業利益は減益になったと。比較的、通期の業績下ブレを見込む向きが多かったものの、同報道の10-12月期数値はコンセンサスを下回るものであり、通期の下ブレ懸念は一段と強まる状況といった見方にも。
（フィスコ）

△リックス<7525>は東証２部上場接近で流動性向上見直し急伸
リックスは一時、４０円高の１０００円と急伸し昨年８月以来の１０００円台乗せとなっている。１月１１日に東京証券取引所から２月６日付けで東証２部上場を承認されたが、同時に約４３万株の株式売り出し（売り出し価格９０２円）も発表したことも響き反応薄で推移しており、上場接近とともようやく株式流動性と知名度の向上による全国区的な人気の高まりを期待し割安株買いが再燃している。同社株は、福証単独上場がハンデとなって商い薄・値付き難が続いており、とくに昨年１０月に今３月期の中間期・通期業績を下方修正したことからこの傾向に拍車がかかった。機械専門商社として、廃棄物処理装置や半導体業界向けの洗浄装置の伸び悩みが響いたものだが、鉄鋼・自動車部品業界向けの高圧洗浄装置は高水準に推移して下方修正幅は部分的・小幅にとどまり、通期純利益は９億円（前期比５％増）と連続して過去最高を更新することに変わりはない。この高水準な業績評価から、株価はＰＥＲ９倍台、配当利回り２．５％と下げ過ぎ歴然となっている。東証２部上場で好実態への認識が高まり、流動性の向上も期待されることから１０００円台大台での活躍場面も増えそうだ。

▼ローランド<7944>は３Ｑ２ケタ増収益も低進捗率着地嫌い急反落
ローランドは、１２５円安の２２７５円と４営業日ぶりに急反落している。前週末２５日に発表の今３月期第３四半期（３Ｑ）決算が、２ケタ増収増益と伸びたものの、昨年１０月、１１月と２回も上方修正された３月通期業績に対して低進捗率となったことを懸念し利益確定売りが先行している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比１７％増収、４５％経常増益、１９％純益増益と好調に推移した。電子楽器事業の電子ドラム、ギター用エフェクター、ポータブルレコーダーが、国内外で順調に推移し、コンピューター周辺機器事業でも北米、欧州の海外市場でプリンターやインクなどを中心とするサプライ商品が好調持続となり大幅増収益となった。通期業績は、昨年１１月の再上方修正値を据え置き純利益は５５億円（前期比４８％増）と１７年ぶりの過去最高更新を予想しているが、ただ３Ｑ利益はこの通期予想に対して６７－５４％の低進捗率にとどまった。株価は、１月２２日につけた昨年来安値２０８０円から下げ過ぎ・割安修正で３４０円のリバウンドとなったが、強弱感が対立し下値を試す展開が続こう。

▼カナレ電気<5819>は記念増配に３Ｑ順調業績オンも利益確定売りで反落
カナレ電気は、４０円安の１８１０円と反落している。前週末２５日に昨年１２月２５日の１部指定替えを記念する期末の記念配当３円増配と今３月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、３Ｑ業績は増収増益で着地したが、前週末の急伸もあり材料出尽くし感から利益確定売りに押されている。株価は、１部指定替えによる需給好転期待で指定替え承認の昨年１２月１７日から１８５０円まで３８０円高している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比１２％増収、２６％経常増益、７％純益増益となった。国内では放送のＨＤ化進展により光製品の需要増が続き、海外では韓国、直貿地域が好調を持続、中国の大型物件が動き始めたことが増収増益につながった。ただ純利益は、役員退職慰労引当金繰入額の過年度相当分を特別損失として計上し増益率は小幅となるが、３月通期では昨年１０月の情報修正値は据え置き９億円（前期比４％増）と連続の過去最高更新には変わりはない。期末配当は記念配当上乗せで１８円とし年間３０円（前期実績２７円）に増配する。株価は、ＰＥＲ１４倍台となお割安であり、売り買い交錯のなかいずれ２００６年１２月につけた上場来高値２０９５円を意識する展開につながろう。

△ＫＤＤＩ<9433>は業績上方修正にＣＴＣ買収重なり続急伸
ＫＤＤＩは、寄り付きの買い気配から２万７０００円高の７４万５０００円まで買い進まれて続急伸、１月２３日につけた昨年来安値６８万１０００円から急速に出直っている。前週末２５日に今３月期第３四半期（３Ｑ）決算とともに、３月通期業績の上方修正と中部テレコミュニケーション（ＣＴＣ、名古屋市中区）の全株式取得を発表、下げ過ぎ・割安修正買いを拡大している。同社の今期３月通期業績は、営業収益が期初予想より８００億円、営業利益が２４０億円、経常利益が３００億円それぞれ引き上げられ、純利益は据え置きの２２００億円（前期比１７％）と３期ぶりの過去最高更新が予想された。３Ｑ営業利益が、ａｕ携帯電話の契約数が５０万２０００台の純増となるなど移動体通信事業が、固定通信事業の減収・減益をカバーし、一部の業績上ぶれ観測報道を上回る増益となり、３Ｑ業績自体も期初予想の通期業績に対して利益が９５－９７％と高進捗、第４四半期も「ＣＤＭＡＩＸ　ＷＩＮ」を一段と拡販することなどが上方修正要因となった。ＣＴＣ買収は、すでに１月１７日に報道されていたが、中部電力から３７９億３２００万円で８０．５％の株式を取得、子会社化し光ファイバー通信事業を増強、中部圏のシェアを現在の１２％から早期に３０％に引き上げることを正式に発表した。株価は、世界同時株安のなか「日本売り」の外国人投資家売りなどに押され安値更新となったが、ＰＥＲは１５倍台と下げ過ぎとなっており、リバウンド幅拡大が続こう。

▼日立ハイテク<8036>は３Ｑ業績が順調推移も利益確定売り交錯し反落
日立ハイテクノロジーズは、５１円安の１９９９円と４営業日ぶりに反落している。ただ安値後は下げ渋り、１５円高まで切り返し戻し売り買い交錯となっている。前週末２５日に今３月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、昨年１０月に上方修正された通期業績対比で順調な進捗率となったが、前週末の米国株の急反落も影響し利益確定売りが先行している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比１％増収、１％経常減益、３％純益増益で着地し、昨年１０月の通期増額値に対して利益は７６－７９％の進捗率と順調に推移した。半導体製造装置の主力製品の測長ＳＥＭがアジア市場向け、露光装置も国内市場向けに好調に推移したほか、欧州市場向けの医用分析機器やアジア市場向けの携帯電話用バッテリーも続伸したことなどが寄与した。３月通期業績は、半導体製造装置市場は低迷が続くが医用分析装置は好調を維持するとして１０月増額値を据え置き、純利益は２５６億円（前期比１％減）を予想している。株価は、世界同時株安に直撃された１月２２日の昨年来安値１８３８円から下げ過ぎ・割安修正に売り方の買い戻しも加わり３００円超のリバウンドとなったところである。再度、下値を確認し戻りを窺う展開が想定される。

△ＮＥＣモバイリ<9430>は通期売り上げ増額が超割安株買い増幅し４連騰
ＮＥＣモバイリングは、２０円高の１５０４円と４営業日続伸し、１月２２日につけた昨年来安値１３１０円からのリバウンド幅を拡大している。前週末２５日発表の今３月期第３四半期（３Ｑ）決算が、期初予想の３月通期業績に対して高進捗率で着地するとともに、通期売り上げを上方修正したことが超割安株を増幅している。同社の３Ｑ業績は、売り上げが前年同期比強含みとなるとともに経常利益は７％増益、純利益も９％増益と伸び、利益は期初予想に対して８６－８８％の進捗率と目安の７５％を上回った。ＮＴＴドコモ系の携帯電話販売店として、第３世代移動通信サービス対応のＦＯＭＡ端末の契約数が、４２０８万件とドコモ契約者の７９％に達し、分離プラン導入による高機能端末への取り替え需要や基地局整備関連売り上げ、事業効率の改善、公共モバイイル事業の株式譲渡などが重なり高進捗率着地につながった。３月通期業績は、売り上げを分離プランによる端末販売価格の上昇により期初予想より４８億円上方修正したが、利益は移動通信事業者からの受取報奨金が販売価格上昇相当分だけ減少することから期初予想を据え置き、純利益は３０億５０００万円（前期比５％減）を予想している。株価は、昨年１０月の中間期業績の上方修正でいったんは下げ渋ったものの、全般相場急落とともに調整継続となった。ＰＥＲは７倍台、ＰＢＲは０．７倍、配当利回りは３．６％と割り負けており、内需関連業態も見直され底値買い妙味は拡大する。
（東洋経済新報社）