自動車メーカーの素性(Let's ride in this car)

　これからは、オトコとしては好きなクルマでも
紹介して行こうかなぁ～･･･なんて思っているのですが、
ＭＵＳＩＣ（Favorite Song）と同じで、完全にワタシの趣味･･･
･･･となることをお許し下さいませ。

･･･と、いうことで、第一回目は、なんと厳かにも『御料車』です。
日本人であるからには第一回目はこれしかないでしょう。
クルマがクルマだけにコメントは差し控え、紹介のみとさせて頂きます。

それに加え、簡単な日本のクルマの歴史を紐解きます。
それでは･････
　
　天皇･皇后両陛下の御料車には、
長年「ニッサン　プリンス　ロイヤル」が使用されてきましたが、
トヨタの「センチュリーロイヤル」（１台分５２５０万円）に入れ替わっています。

結果としては、外国資本のメーカー車から国内資本の車に入れ替わりました。
非常に良いことです。

トヨタ センチュリーロイヤル
http://jssdf.org/w/pukiwiki.php?CAR%2F%A5%C8%A5%E8%A5%BF%2F%A5%BB%A5%F3%A5%C1%A5%E5%A5%EA%A1%BC%A5%ED%A5%A4%A5%E4%A5%EB

動画(Youtube)　http://www.youtube.com/watch?v=CXcGwmuSyH0
動画(Youtube)　http://www.youtube.com/watch?v=IMbM9PpO6Xc 

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　ところで、トヨタ自動車の事業開始当初は現在の豊田自動織機の一部門に
過ぎなかったことは皆様ご存知のことと思います。
同じようにスズキの前身も鈴木式織機であり、一時は日本の産業をリードした
繊維業の動力機械に関する技術は、さらに磨きがかけられ次代を担う
自動車製造に活かされてきました。

　三菱自動車は三菱重工業の一部門とした立ち上がりましたが、
いすゞ自動車も現在の石川島播磨重工業の自動車部に端を発します。

それとは別に当時宮内省御用達の自動車メーカーであった東京瓦斯電気工業が
あり、両社が合併して生まれたのがいすゞ自動車です。
ちなみにいすゞの名は、商標デザインを手がけた島氏が好んだ三重県伊勢市の
五十鈴川にちなんだものとされています。
『五十鈴川』は伊勢神宮の「禊」に用いられる神聖な川とされています。

　ここから少しややこしくなりますが、先の石川島の自動車部が独立して
開発した車は出資者のイニシャルをつなげてダット（脱兎）号といいますが、
そのブランドを継承したのは戸畑鋳物（現日立金属）でした。
戸畑鋳物の創業者の鮎川義介は、後に請われて久原鉱業
（後の日立グループの母体）の経営再建を任され、持ち株会社式経営で事業を
拡大していきました。その持ち株会社が日本産業であり、傘下に日立製作所や
日本鉱業（現新日鉱ＨＤ）、日本油脂や日産化学などを有して財閥を凌ぐ
巨大コンツェルンとなっていきます。
話を戻しますと、ダットブランドを継承した戸畑鋳物が製造した自動車は
ダットの息子という意味でダットサンと名づけられました
（英語表記で息子を表すＳＯＮは“損”を連想させるためＤＡＴＳＵＮと表記）。
これが日産自動車の源流となります。

　また、飛行機に憧れた少年が世界のホンダを築き上げたことは有名ですが、
戦前・戦中の飛行機製造技術は自動車産業が取り込むことになります。
ちなみにドイツのダイムラーやＢＭＷも飛行機製造技術を礎にしており、
両社のロゴマークは共にプラペラに由来しています。

　当時、戦闘機の「隼」や零戦に搭載されたエンジンを製造していた
中島飛行機は、戦後十二社に分割され多くの技術者が流出しました。
ホンダで四輪事業とＦ１レースのリーダーとなった中村良夫氏も、
トヨタでカローラの開発リーダーだった長谷川龍雄氏も中島飛行機出身です。
そして旧中島飛行機の数社が集まってできたのが富士重工業です。
富士重工が最初に製造した自動車には、同じく中島飛行機分割後の１社である
富士精密のエンジンが提供されました。
富士精密は後にブリヂストンに買収され、さらにはプリンス自動車と合併。
プリンス自動車は日本のレース界をリードし、後にスカイラインやグロリアなどを
開発することにります。日産が“技術の日産”と呼ばれるようになったのは
中島飛行機の技術を受け継ぐプリンス自動車を吸収したことに始まります。

　また、社名に関しましては、創業者の性に由来するマツダの名は、
英語表記でｍａｔｓｕｄａではなく、ｍａｚｄａと記します。
これは、ゾロアスター教の光明神アフラ・マズダにかけたもので、
自社の自動車が自動車界の光明となるよう願いを込めたとも言われています。

現在の大阪大学工学部の開発チームに由来するダイハツは、
当時はありふれた「発動機製造」という会社名を使っていましたが、
いつしか大阪の発動機製造と言う意味で「大発」と呼ばれるようになったようです。
　
　余談ですが、松下幸之助は自転車店の奉公から始まり、
二股ソケットの後に自転車用のランプ製造も行い大成功してます
（このランプで初めて「ナショナル」を冠す）。
もし彼がランプや電気にではなく動力に興味をひかれていたなら、
松下自動車が誕生していたかもしれません。