1/22 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△丸三<8613>、４―12月期の連結経常益４％増見通し――投信関連伸びる
丸三証券は21日、2007年４―12月期の連結経常利益が前年同期比４％増の39億円になったもようだと発表した。投資信託の手数料収入などが伸びた。一般企業の売上高に相当する連結営業収益は１％増の161億円になったもようだ。税負担が少なかった前年同期の反動で、連結純利益は21億円と33％減少したもよう。四半期業績の詳細は29日に開示する見通し。

▼丸八証券<8700>、４―12月期単独経常赤字６億6900万円の見通し
丸八証券は21日、2007年４―12月期の単独経常損益が６億6900万円の赤字（前年同期は３億4300万円の赤字）になったもようだと発表した。昨年10月に旧証取法違反で金融庁から業務停止処分を受けたことが響いた。
丸八証券は、上場主幹事を務めた名証２部上場のケイエス冷凍食品<2881>の株価の高値維持を目的に相場操縦をしていたとして、2007年10月に処分を受けていた。４―12月期は、一般企業の売上高に当たる営業収益は14％減の31億円、営業損益は７億2100万円の赤字（前年同期は３億9700万円の赤字）、最終損益は９億500万円の赤字（同４億5000万円の赤字）となったもよう。
併せて、ケイエス冷食株に関わる顧客との当該取引を解消する手続きを実施すると発表した。2006年４月11日から５月23日の間、同株式を1850円で買い付けた顧客が対象。同社株を保有する顧客からは21日付で、１株1200円で買い取る。売却によって差損金額が確定した顧客に対しては、31日に差損金額を返金する。株式取引解消に伴う影響額約700万円は、08年３月期決算で特別損失として処理する方針。

△三井住友<8316>銀、住宅ローン繰り上げ返済を24時間可能に
三井住友銀行は21日から、住宅ローンの一部繰り上げ返済や変動金利から固定金利への切り替えの手続きを、土日祝日を含め24時間インターネット上でいつでもできるサービスを始めたと発表した。メガバンクで初めてという。これまでは平日の午前9時から午後3時までしか手続きができなかった。同行のインターネットバンキングの利用者が対象。平日の早朝・夜間や土日祝日に申し込んだ場合は手続きできても予約扱いになり、次の営業日の午前中に取引が成立・完了する。

△みちのく銀<8350>、みずほ<8411>コーポ銀へのロシア現法譲渡が完了
みちのく銀行は21日、モスクワにあるロシア現地法人のみずほコーポレート銀行への譲渡が完了したと発表した。約20億円の売却益が発生した。これで海外営業拠点はなくなり、2008年3月期以降の自己資本比率の算定方法は、国際基準より規制が緩やかな国内基準に移る。みちのく銀は06年10月、ロシア現地法人の売却でみずほコーポレート銀と合意。法人取引が少ないユジノサハリンスクとハバロフスクの極東2支店の業務を終えるなど、譲渡に向けた準備を進めていた。

△ミレア<8766>、日本厚生共済会を子会社化
東京海上日動火災保険を中核とするミレアホールディングスは21日、少額短期保険業者の日本厚生共済会（横浜市）を子会社化したと発表した。約30億円を投じて第三者割当増資などを引き受け、出資比率は85.18％になった。2年後をメドに完全子会社化する。社名もミレア日本厚生少額短期保険に変更した。日本厚生は賃貸不動産の入居者向けに家財保険を手掛け、2006年度の保険料収入は26億円。廃業が相次ぐ家財共済を取り込む。

□京セラ<6971>、三洋<6764>ブランドを当面継続・携帯事業買収を正式発表
京セラと三洋電機は21日、京セラが三洋電機の携帯電話事業を500億円前後で買収することで最終合意したと正式発表した。国内の携帯電話メーカー同士の事業統合は初めて。京セラは三洋ブランドの製品も当面は継続して販売し、苦戦する北米市場で攻勢をかける。4 月1日に移管する。京セラの通信機器関連事業の2008年3月期の売上高見通しは2280億円。買収で4000億円規模になり、京セラの事業部門では最大となる。買収額の基準となる三洋の携帯電話事業の事業総価値は500億円と算定。3月末時点の対象事業の有利子負債や現預金残高で上下するという。譲り受けるのは研究開発や営業などの国内部門と、米国など海外の営業部門、マレーシアなどの工場。京セラの通信関連機器部門の人員は現在の2700人から 4700人に増える。海外の営業部門の受け皿として新会社を設立し、当面、京セラが北米に持つ販売子会社とは別に運営する。

▼出光興産、豪の石炭鉱山が操業停止・集中豪雨で
出光興産は21日、同社が権益を持つオーストラリアのエンシャム石炭鉱山が集中豪雨の影響で操業を停止したと発表した。発電や工場燃料に使う一般炭で日本の輸入量全体の約2％の量を供給している大型鉱山。現時点で復旧のメドは立っていないため、出光は今後3カ月の契約分について、国内外の取引先に「出荷停止の可能性がある」と伝えた。同鉱山は豪州東部のクインズランド州にあり、出光が子会社を通して85％の権益を保有する。石炭は大半が工場のボイラーや火力発電所の燃料向けで、一部は鉄鋼原料としても使う。出光で最大の石炭鉱山だが、16日からの集中豪雨で冠水し、石炭の掘削機などが使えない状況という。同鉱山は2007年に一般炭を800万トン生産し、このうち約200万トンを日本に輸出している。豪州子会社は12月決算のため、出光の08年3月期の連結業績見通しに変更はないが、生産停止が長引けば09年3月期に影響が出る見込みだ。

△ウィルコムがＰＨＳ新端末、春商戦向け
ウィルコムは21日、春商戦向けにＰＨＳ端末の新製品を発表した。
「ＷＸ３３１Ｋ」（京セラ<6971>製）は鮮やかな色遣いが特徴。2月下旬から順次発売する。価格は24回の分割払いの場合、通話料の割引が受けられるため実質負担額はゼロになる見通し。
「テンプレート」（セイコー<8050>インスツル製）は中国でプリペイド方式のＰＨＳ用カードを購入すれば、そのまま利用できる。
同時に動きのあるイラストなどでメールを装飾する「デコラティブメール」のサービスを開始。若年層の獲得を狙う。

▼西友<8268>子会社、通販事業を廃止
西友子会社の二光（千葉県柏市）が通信販売事業と通信販売の支援サービス事業を廃止すると21日に発表した。インターネット通販の台頭で、二光が得意なカタログ通販が苦戦。営業赤字が続き、収益改善が難しいと判断した。通販は1月末、通販支援サービスは2月末で廃止する。2008年12月期に営業用資産の一部除却などに伴い、特別損失約9億円を計上する。

△ジー・エフ<3751>、第三者割当増資を中止
テレマーケティングのジー・エフは21日、同日予定していた米国に本拠を置く投資会社への第三者割当増資を中止したと発表した。今後の事業施策について一致が得られなかったためとしている。ジー・エフは時価総額基準に抵触し上場廃止のおそれが出ており、先月東京証券取引所に第三者増資を含む事業計画の書面を提出していた。従来は米国で不動産投資などを手掛けるナイル・インベストメント・マネジメント・サービス（石塚孝一代表）に3億8800万円で新株を割り当て、同社が議決権ベースでジー・エフ株の50.12％を保有し筆頭株主となる予定だった。

▼カイノス<4556>、今期単独経常益72％減で無配に
検査試薬製造のカイノスは21日、2008 年3月期の単独経常利益が前期比72％減の2100万円になりそうだと発表した。従来予想は4200万円だった。一時、大流行が予想されたインフルエンザが昨年末には急速に沈静化。診断薬が振るわない。7.5円を予想していた期末配当を取りやめ、今期は無配とする。売上高は前期比ほぼ横ばいの40億円になりそう。従来予想は43億円だった。営業利益は43％減の5000万円と従来予想を2400万円下回る。インフルエンザや主力の腎機能診断薬で、メーカー間の価格競争が激しく単価が下落した。昨年秋から流行の兆しが出始めたインフルエンザは「報道でワクチンの接種率が高まったためか」（同社）、年末になると患者数が激減した。同日発表した07年4―12月期では、インフルエンザ診断薬を含む免疫血清学的検査用試薬分野の売上高は前年同期比10％減だった。

□カゴメ<2811>、４―12月の経常利益12％増――販促費低下など寄与
カゴメが 21日発表した2007年４―12月期の連結業績は、経常利益が前年同期比12％増の99億円だった。主力の飲料事業が好調に推移し、売上高は10％増の 1598億円だった。飲料を含む食品部門は原料高で原価率が上昇したものの、広告宣伝費が５億円減少するなど販売促進費の比率が低下したことが寄与した。純利益は13％増の55億円だった。2008年３月期通期の連結業績見通しは従来予想を据え置いた。

△フマキラ<4998>がストップ高比例配分――111万株の買い残す
朝方から買い気配が続き、大引けで値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前週末比80円高の376円で比例配分された。比例配分で12万 2000株の取引が成立したが、ストップ高水準には差し引き111万9000株の買い注文が残った。
「アース製薬<4985>が同社の筆頭株主になったことが明かになった」（19日付、日本経済新聞朝刊）との報道を手掛かりに、殺虫剤業界の再編思惑などの買いが集まった。アース製薬は小幅高で引けた。

▼サイバネット<4312>がストップ安比例配分――9000株超す売り残す
終日売り気配で推移し、大引けに値幅制限の下限（ストップ安）にあたる前週末比4000円安の４万2950円で比例配分された。18日に続き、連日で昨年来安値を更新した。比例配分で516株の売買が成立し、ストップ安水準で差し引き9532株の売り注文を残した。サイバネットは17日、米マスワークス社との契約が2009年６月30日に終了することで合意した、と発表した。売りが殺到したことについて市場では「主力品の販売代理店契約終了を嫌気した売り」（国内証券）との見方が出ていた。

▼ＡＱインタ<3838>がストップ安で売買成立――801株売り残す
終日売り気配のまま推移し、大引けで値幅制限の下限（ストップ安）にあたる前週末比５万円安の26万3000円で254株の売買が成立。ストップ安水準で801株の売り注文を残した。18日に、2008年３月期通期の連結売上高が前期比16％増の56億円になりそうだと発表。利益予想は据え置いたものの、79億円としていた売上高予想を大幅に引き下げたことで失望売りが膨らんだ。

▼大京<8840>や明和地所<8869>が一段安　08年マンション発売戸数低迷で
大京や明和地所といったマンション大手が一段安の展開になっている。大京は前週末比21円（7.47％）安の260円まで下げる場面があった。その後も前引けを下回って推移している。明和地所も一段安の展開で、一時は前週末比63円（6.81％）安の862円まで下げた。不動産経済研究所が21日、マンション市場動向調査を発表した。2008年の発売戸数は耐震偽装の再発防止を目的にした改正建築基準法の施行が影響し、前年割れとなる見通しで、不振の長期化を嫌気した売りが出ている。

▼住金物産<9938>が反落――米株安などを嫌気
３営業日ぶりに反落。個人投資家などの売りが朝方から優勢で、後場に下げ幅をやや広げている。一時は前週末比24円安の323円まで下げ、16日の昨年来安値（321円）に迫った。18日のブッシュ米大統領の景気刺激策発表を受けて米国株式相場は高くなるとの観測を背景に前週末は続伸したが、この観測が裏目に出たことで一転して売られているという。11日現在の信用買い残は約419万株と高水準で、需給面での悪さも重しになっているが、「配当利回りが約３％あることが株価を下支えるのではないか」との声もあった。

▼ミクシィ<2121>などネット株さえない　ディーエヌ<4751>エ好業績も反応薄
インターネット関連株がさえない。ミクシィは前場で一時、前週末比５万円高の145万円を付ける場面もあったが、その後は安い水準で推移している。サイバーも後場に入って下げ幅を広げ、同3200円安の８万2500円を付ける場面もあった。ディーエヌエ（東証１部、2432）が18日に2008年３月期の連結純利益予想を上方修正。これを受け、一時は新興市場のインターネット関連株にも連想買いが入ったものの勢いは続かず、地合いの悪さに押されている。
一方、ザッパラス<3770>が逆行高。後場に入って上げ幅を広げ、一時は同２万9000円高の25万3000円を付けて連日で昨年来高値を更新した。携帯電話向けのコンテンツ配信などを手掛けるためディーエヌエとの連想が働きやすい上、「上値のしこりがないため、上昇に弾みがついた」（国内証券）ようだ。
ケイブ<3760>やＭＴＩ<9438>などほかの携帯コンテンツ関連銘柄は軟調。いちよし証券投資情報部の宇田川克己課長は「地合いが落ち着いてくれば、改めて携帯関連が手掛かりにされる可能性はある」と指摘していた。

▼新日石<5001>や昭和シェル<5002>が安値　「精製の利ざや悪化」と指摘
新日石や昭和シェルが下落。両社はそろって昨年来安値を更新。新日石は一時、前週末比34円安の741円まで下落した。市場では「ガソリンや灯油といった石油製品のスポット価格が低下しており、精製のマージン（利ざや）が悪化している」（岡三証券アナリストの宮本好久氏）と指摘されている。さらに、国際的な原油価格の上昇一服により在庫の評価益も圧縮されるとの声もあった。
また、新日石と昭和シェルの両社と、コスモ石<5007>の３社は旧防衛庁が発注した燃料入札を巡る談合事件で、18日までに公取委から課徴金（総額44億8460万円）の納付を命じられていることも株価の重しとなっている。

▼川崎汽<9107>など海運株が一段安――信用期日売りの観測も
川崎汽や商船三井<9104>といった海運株が一段安の展開。川崎汽は午後に入って前週末比65円安の936円まで下げる場面があった。その後も安い水準で推移している。商船三井は前週末比72円安の1144円まで下げた。ばら積み船の国際運賃指標であるバルチック海運指数（ＢＤＩ）が８日以降、９営業日連続で下げており、米国経済の減速を契機にした新興国経済への悪影響が重しになっている。信用取引で07年７月当時に買われていた業種の１つだけに、返済期日の到来による手じまい売りが出ている、との見方も市場では聞かれる。現時点で業種別東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）の下落率ランキングで「海運業」は上位に入っている。

▼ローランド<7944>が大幅続落――海外勢の売りで昨年来安値を更新
大幅に続落。後場に下げ幅を広げ、一時は前週末比145円安の2275円まで売られた。16日に付けた2300円を下回って昨年来安値を更新した。外国人の持ち株比率は約27％あり、「海外勢の日本株売りの一環」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）との見方が出ていた。前週末の米株式相場が４日続落し、海外の機関投資家のリスク許容度は低下している。ただ、足元の業績は好調で、2008年３月期の連結経常利益は前期比46％増の153億円を見込む。連結予想ＰＥＲ（株価収益率）も10倍台半ばまで低下しているが、「外部環境の先行きに不透明感があることでまだ買いが入りにくくなっている」（同）との指摘もあった。
（NIKKEI NET）

△ＪＡＬ<9205>が4月から国内線運賃を値上げ、4年連続
日本航空（ＪＡＬ）は２１日、国内線の一部運賃を４月から値上げすると発表した。燃料価格高騰の影響を運賃に反映する。４年連続の値上げとなる。値上げ幅は７００─４９００円で、普通運賃の平均で約９％、約２０００円の引き上げとなる。
全日本空輸（ＡＮＡ）<9202>も同様の値上げ方針を１６日に発表しており、普通運賃を平均約９％、約２１００円値上げする。事前購入割引運賃などを含む全運賃の平均では、ＪＡＬとＡＮＡともに約２．６％、約４３０円の値上げとなる。

△ソフトバンク<9984>が学生向け料金、当初3年間は基本料無料に
ソフトバンクの携帯電話子会社ソフトバンクモバイルは２１日、学生向けの新料金を導入すると発表した。小学生から専門学校生・大学生まで、加入から３年間は通常の月額基本料９８０円を無料にする。学生に強いというイメージのＫＤＤＩに対抗する。２月１日から申し込みを受け付ける。

□フルキャスト<4848>、経費削減で渋谷マークシティから本社機能を移転
フルキャストは、６月に本社機能を東京都渋谷区のオフィスビル、マークシティウエストから、同じ渋谷区の渋谷プロパティー東急ビルに移転すると発表した。賃貸契約の満了を契機として、経費削減をねらう。定款上の本店所在地は渋谷区の自社ビルになっており、これに変更はない。

△総合メディ<4775>、発行済み株式の2.7％・20万株上限の自己株取得を決議
総合メディカルは２１日、発行済み株式総数の２．７％にあたる２０万株（５億円）を上限とする自己株取得を決議したと発表した。取得期間は１月２２日から３月２１日まで。

△エルピーダ<6665>が逆行高、みずほ証は「2」に引き上げ
エルピーダメモリが逆行高となっている。ＤＲＡＭ市況の改善期待で前週末から騰勢を強めている。みずほ証券では１８日付けで、投資判断を「３」から「２」に引き上げ、目標株価を４３００円に設定した。（１）今後のシェアアップの可能性、（２）１株純資産近辺での株価サポート、（３）ＥＶ／ＥＢＩＴＤＡ倍率での割安感――などを引き上げの理由にあげている。

△朝日工業<5456>が1000株・2億円上限に自己株取得へ、発行済み株式総数の1.41％
朝日工業は、自己株を除く発行済み株式総数の１．４１％に相当する１０００株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は２億円。取得期間は１月２２日から６月３０日まで。

▼コーナン商事<7516>、300万株の公募増資で設備投資資金を調達へ
コーナン商事は２１日、３００万株の公募増資と４５万株を上限とするオーバーアロットメント（ＯＡ）売り出しを実施すると発表した。ＯＡ売り出しに関連して４５万株を上限とする第三者割当増資も実施する。これらの増資による手取り概算上限は５３億８５００万円で、設備投資に充当する予定。払い込み金額は、１月３０日から２月４日までのいずれかの日に決定する。

△ジー・エフ<3751>、3億8800万円の第三者割当増資を中止
ジー・エフは、予定していた米投資会社ナイルインベストメントマネジメントサービスを引受先とする３億８８１２万円の第三者割当増資を中止すると発表した。第三者割当増資によってナイルインベストメントはジー・エフの子会社となるはずだったが、今後の事業施策について十分な一致が得られなかったとしている。これを受けてジー・エフでは提携先の東方ネットジャパンから融資を受け入れたため、資金繰りに支障はないという。

△デンヨー<6517>が30万株上限に自己株取得、100万株を消却
デンヨーは２１日、自己株を除く発行済み株式総数の１．２％に相当する３０万株を上限に自己株を追加取得すると発表した。取得総額上限は４億円。取得期間は１月２２日から３月２１日まで。また、保有する自己株のうち１００万株を１月３１日に消却する。

▼12月首都圏マンション発売戸数は‐20.2％
民間の不動産経済研究所が発表したマンション市場動向によると、１２月の首都圏マンション発売戸数は８１９０戸で、前年比２０．２％の減少となった。減少は４カ月連続。同月の首都圏のマンション契約率は５９．３％で、好不調の分かれ目とされる７０％を５カ月連続で下回った。マンション販売在庫数は１万０７６３戸で、前月比２０９４戸の増加となった。販売在庫数が１万戸台に上昇するのは２００３年２月の１万０１７６戸以来、４年１０カ月ぶり。マンション販売在庫数のこれまでの最高水準は８２年１０月末の２万２３５１戸。１戸あたりの価格は４４４７万円となり、前年比で１０．９％上昇した。供給減少の背景には、マンション価格が上昇する一方で、消費者の収入が伸びていないことが背景にある。契約率は前月比で４．７ポイント低下した。契約率が５０％台に落ち込むのは９２年２月以来１５年１０カ月ぶり。区域別にみると、このところ契約率の低さが目立っていた埼玉県が７１．４％と小幅に７０％を上回ったが、その他はすべて７０％を下回った。前月に７０％を上回った都区部が６２．０％へと低下した。同時に発表された０７年の首都圏マンション販売戸数は前年比１８．１％減の６万１０２１戸だった。この数値は、マンションの大量供給が始まった１９９４年以来で最も低かった９８年（６万６３０８戸）を下回り、９３年の４万４２７０戸以来の水準となる。前年比１８．１％減は９１年に記録した同３４．５％減以来の下げ幅。同研究所は、改正建築基準法施行に伴うマンション着工への影響が０７年は出ていないとした。ただ、０８年の販売戸数については、改正建築基準法の影響を勘案して前年比１１．５％減の５万４０００戸程度を見込んでいる。近畿圏についても、同様の理由で０８年は前年比約５０００戸減の２万５０００戸を見込んでいる。同研究所によると、供給戸数が少ない場面では、人気エリアの価格の高い物件が全体の価格を引っ張る傾向にあるが、それは「ピークアウトしたと考えていい」と指摘。今年はデベロッパーの売り渋りの傾向も鈍化するとの見通しを示した。１２月の近畿圏マンション発売は前年比９．１％減の２８９４戸となった。契約率は７０．４％となり、前月の５８．９％から上昇した。
ＢＮＰパリバ証券・エコノミストの丸山義正氏は、発売戸数の減少の背景として「資材や土地仕入れ価格の上昇で、マンション価格が上がりすぎる中で、購入者の収入も伸びていないことが１つある。また、供給側をみると、都心は良いが、郊外にあまり売れそうもない物件まで作ってしまったことの影響もある」と指摘。来年度については「住宅需要の盛り返しはある程度は見られよう。改正法の影響で下がった分は戻るだろうが、元に戻ることはない。下向きトレンドの中で大きな谷ができたので、リバウンドは少しはある。ただ、住宅需要が強いわけではない」との見方を示した。　

△Ｊパワー<9513>にＡａ２の発行体格付けを付与＝ムーディーズ
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、Ｊパワー（電源開発）にＡａ２の発行体格付けを付与した。格付けの見通しは安定的。
（ロイター）