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マザーズ上場のICF、株交換で不正か…利益20億円 読売新聞 2008年1月20日3時2分 東証マザーズ上場のネット関連企業「アイ・シー・エフ」(ICF、東京都港区)の旧経営陣らのグループが、不正な手段で株式交換による企業買収を行って大量の自社株を発行し、多額の売却益を上げていた疑いのあることがわかった。 証券取引等監視委員会と大阪府警は2005年に行った大阪市の広告会社との株式交換について、金融商品取引法違反(偽計)容疑で立件する方針だ。旧経営陣らは同様の手法で計16社を買収し、20億円以上の利益を得ており、取引の全容解明を進める。 株式交換を悪用した不正取引では、ライブドア事件で堀江貴文被告らが関連会社の旧バリュークリックジャパンによる出版社買収の際、バリュー社の株価をつり上げて利益を得る目的を隠し、虚偽の決算情報を公表したとして偽計などの疑いで逮捕、起訴された。 ICFの最高戦略顧問には、ライブドア元取締役の榎本大輔氏が就任。榎本氏はICF株の売却で利益を得ており、監視委などでは一連の取引の経緯について事情を聞く方針だ。 ICFは1997年4月に設立され、00年10月に東証マザーズに上場した。経営陣が交代し、06年8月に「オーベン」に商号を変更している。 関係者によると、金融商品取引法違反の疑いが持たれているのは、03~06年にICFの経営に参画した投資グループのメンバーら数人。グループは同社株を大量に発行するため、04年9月時点で債務超過に陥っていた広告会社「大阪第一企画」(大阪市)を株式交換の手法で買収することを計画した。 そのために、グループの関係会社との取引で第一企画に利益を上げさせ、同社の資産価値を約8億円にかさ上げ。かさ上げされた価値に基づき、同年12月下旬に開いたICFの取締役会で、第一企画の全発行済み株式1600株とICFの新株2365株を交換することを議決し、翌05年2月に買収した。 第一企画が取得したICF株はその後、関係者数人の手を経て、10億円前後で市場売却された。この大半を旧経営陣らのグループが手にしたとみられる。 ICFは04年4月~06年1月、第一企画以外にも15社を株式交換で買収した。ICF自体も各社の売り上げが加わって連結決算で業績が向上する形になり、04年3月に20万円前後だった株価は、約1年後には50万円近くまで上がった。 その後、買収した企業の業績は次々悪化、すでに9社は売却され、3社は破産・解散、1社は休眠状態になっている。 監視委などは、旧経営陣らは投資家をだます目的で不正な株式交換を行ってICF株を大量に発行する一方、積極的な買収で株価をつり上げ、売り抜けたとみて調べている。株売却で、少なくとも20億円の利益を上げたという。 このうち駐車場運営会社「エイチ・エヌ・ティ」(HNT、大阪市)の買収を巡っては、商号変更した後のオーベンが07年6月、元代表取締役を相手取り、14億9000万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こし、勝訴している。 PR |
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