1/21 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△キリンＨＤ<2503>純利益12％増・前期600億円
キリンホールディングスの2007年12月期の連結純利益は従来予想を約60億円上回り、前の期比12％増の600億円程度になったもようだ。本業のビールなど国内酒類事業は原料高の逆風を受け収益が悪化したものの、株式や不動産など余剰資産の売却を進め特別利益が想定以上に発生したようだ。純利益の上振れを受け年間配当も従来予想比1―2円引き上げ、19―20円と増配額が拡大する公算が大きい。キリンＨＤは余剰資産の売却を中期計画の課題の一つとして盛り込み、07年には過去にビールを生産していた高崎工場（群馬・高崎市）跡地を森永製菓に売却するなど資産圧縮を加速させた。不動産のほか株式の売却も進めた。

▼テクニカル電<6716>、今期最終赤字に
業務用モニターのテクニカル電子は18日、2008年3 月期の連結最終損益が1億9200万円の赤字（前期は2億6300万円の黒字）になりそうだと発表した。従来予想は3000万円の黒字だった。役員退職慰労金の引当金2億2200万円を特別損失として追加計上するため。売上高は前期比9％減の80億円、経常利益は46％減の2億5000万円と、前回見通しから変わっていない。

△レーサム<8890>の今期、経常益2.1倍
不動産投資のレーサムは18日、2008年8月期の連結経常利益が前期比2.1倍の193億円になる見通しと発表した。従来予想を69億円上回る。東京都新宿区に保有していた大型のオフィスビル2棟を再開発案件として売却した。米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題による市況悪化に備え、前倒しで物件を売却した。売上高は予想を80億円上回る82％増の733億円。収益不動産に投資する資産運用事業が2倍の598億円に拡大する。耐震性に問題のある新宿の大型物件でテナントとの明け渡し交渉が順調に進み、再開発用地として計画よりも高値で売却した。同時に発表した07年9―11月期の連結業績は、経常利益が前年同期比3.2倍の32億円だった。運用を終えた不動産ファンドからの配当や成功報酬が寄与した。収益物件の仕入れも進め、11月末の棚卸し資産は811億円と、前期末と比べ55億円増加した。

▼ＣＦＩ<2377>、前期経常赤字に下方修正
流通支援のサイバーファームは18日、2007年12月期の連結経常損益が21億4200万円の赤字（前の期は17億9200万円の黒字）になったと発表した。従来予想は9400万円の黒字だった。経営破綻した取引先の不正取引事件の影響で、主力の在庫・販売管理システムの契約が想定以上に遅れ、約36 億円分の売り上げが今期にずれ込んだ。売上高は前の期比56％減の36億3400万円だった。従来予想を38億円弱下回る。

△銅鉱石値上げ、住友鉱山<5713>がＢＨＰビリトンと合意・約1％で
国内銅製錬大手の住友金属鉱山は18日までに、豪英系鉱山会社ＢＨＰビリトンと銅鉱石の値上げに合意した。現在の地金（金属塊）相場だと、住友鉱山が購入する銅鉱石の価格は約1％上がることになる。鉱石価格の上昇分は住友鉱山の製品である地金の価格に転嫁できない仕組みのため、同社の収益悪化につながる。2008年1―12月積みの価格で合意した。価格交渉は年2回あり、値上がりは5回連続となる。昨年6月に決着した前回交渉（07年7月―08年6月積み）も約1％の値上げで合意していた。

△独立系自動車部品各社、中国メーカー向け拡大
自動車部品各社が中国の現地自動車メーカー向けの部品生産を拡大する。
タカタ<7312>が現地メーカーからエアバッグシステムを受注、
ミクニ<7247>は上海でエンジン部品を量産する。中国メーカーは輸出拡大を目指しており、品質確保のため日系部品の購入を増やす。日本の自動車メーカーの現地生産拡大に伴い成長してきた部品各社の中国事業は、現地資本メーカーの需要を取り込む新段階に入る。
安全部品最大手のタカタはエアバッグシステムを受注したのを機に、現地メーカーへの営業を強化する。今夏に上海で衝突実験設備を備えた技術センターを稼働、安全技術情報を提供する。浙江省では今春稼働を目指し、エアバッグを膨らませるインフレーターの工場を建設している。

△日立<6501>、着脱式ＨＤＤ採用の放送用ビデオカメラ開発
日立製作所グループは中国メーカーと組み、着脱式ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）「ｉＶＤＲ」を記録媒体にした放送用ビデオカメラを開発した。中国の国営テレビ局、中央電視台が採用し、8月の北京五輪でも使われる。放送用ビデオカメラはハイビジョン化に対応するため、従来のテープから大容量記録媒体へのシフトが進んでいる。日立は着脱式ＨＤＤ方式で、他社のフラッシュメモリーや大容量ディスク方式に対抗する。
日立国際電気<6756>と、中国の業務用カメラーメーカー、国際精華（北京市）が共同開発した。基幹部品は日立グローバルストレージテクノロジーズが供給する。日立はこれまでｉＶＤＲを薄型テレビなどに搭載してきたが業務用機器への搭載は初めて。

△コマツ<6301>、リオ・ティントに無人ダンプシステム納入
コマツは18日、英豪系資源大手リオ・ティントに、鉱山内でダンプトラックを無人運行できるシステムを納入すると発表した。同システムを納入するのはチリ鉱山会社コデルコに次ぎ2社目。リオ・ティントはコマツの鉱山機械の主要顧客で、無人システム採用により経営を効率化する。リオ・ティントがオーストラリア西部に保有するピルバラ鉄鉱山向けに、ダンプトラック5台の無人システムを年内に納入する。全地球測位システム（ＧＰＳ）や通信技術を活用。ダンプトラックが24時間無人で土砂を積んだり、障害物を避けて走ったりできるようにする。

△携帯の家庭用アンテナ、設置規制を緩和・総務省
総務省は自宅や地下街などで携帯電話の電波が届かない圏外をなくすため、規制を緩和する。電波が屋内に届きにくい家庭に外から電波を中継するホームアンテナ「レピータ」を迅速に設置できるように告示を改正する。今秋には電波法なども改正し、携帯の小型基地局を自宅内に設置できるようにする。迅速に設置できるようになるホームアンテナは文庫本ほどの大きさで、自宅の外壁と室内にそれぞれ取り付ける。2つを電線でつないで外からの電波を取り込む仕組みで、電波の届きにくかった室内で通話や通信ができるようになる。地下街や周囲を高い建物に囲まれたオフィスなどでも活用できるという。これまでは1軒ごとに総務省に無線免許の申請が必要で、設置に数カ月かかることもあった。制度改正で携帯電話会社はまとめて免許申請すればよくなる。利用者は携帯電話の店頭などで申し込めば数週間以内に設置が可能になる見通し。
ＫＤＤＩ<9433>とソフトバンク<9984>モバイルがアンテナの提供に積極的だ。

△水力発電増強、研究会設置へ・経産省
経済産業省は水力発電の発電量を増やす対策をまとめる研究会を21日に設ける。水力発電所の建設を促すため、発電所を開発する自治体や事業者に交付する補助金制度の拡充を検討。設備を更新して発電効率を高める方法も話し合う。研究会には電力業界の幹部や学者など約15人が参加。夏をメドに報告書をまとめる。

■「エコ製品」揺らぐ信頼、再生紙偽装の波紋広がる
再生紙の古紙配合率の偽装が大手製紙で常態化していたことで、再生原料を使った製品全体への疑心暗鬼が広がっている。環境への負荷が小さい材料を使った製品を優先購入する「グリーン購入」の活発化もあり、「エコ製品」の需要は急速に拡大してきた。今回の不正はその動きに水を差しかねず、エコ製品のチェック体制の強化を求める声が高まるのは確実だ。
凸版印刷<7911>や大日本印刷<7912>など印刷会社には顧客から再生紙の古紙配合率に関する問い合わせが相次いでいる。事情を説明したうえで、別の紙で代替するか相談する一方、製紙会社には改めて配合率証明を求めるなど、対応に追われている。

△東洋エンジ<6330>、インドネシアで石化プラント受注・300億円で
東洋エンジニアリングはインドネシアのエンジニアリング大手レカヤサと共同で、同国国営石油会社のプルタミナから石油化学プラントを受注した。隣接する製油所からの排出ガスを原料に年約18万トンのプロピレンを生産。従来発電に使っていた排ガスを付加価値の高い石化製品の原料として利用する。受注額は約300億円とみられる。同国ジャワ島西部のチレボン近郊にあるバロンガン製油所に統合して建設する。重質油を分解して生じるメタンやブタンなどのガスから、基礎化学品のプロピレンをつくる。東洋エンジなどはプラントの設計や機材調達、工事管理を一括受注し、2010年初めまでに完成させる。

△日立<6501>、中国企業から発電設備受注
日立製作所は上海の投資会社、上海ユーロフォー企業集団から発電設備を受注した。上海ユーロフォーが中国・山西省に建設する火力発電所にガスタービン３基を納入する。中国にガスタービンを納めるのは初めて。受注額は30億円程度のもよう。受注したのはコークスを燃料とする火力発電所向けのガスタービン。発電所の出力は12万キロワットで2009年に稼働する。山西省の一般家庭に電力を供給する。天然ガスなども燃料として使えるほか、2年連続運転が可能と耐久性も高い。

▼製紙大手、偽装品の回収を週明け本格化
古紙配合率を偽装した再生紙を製造・販売していた製紙大手各社は21日から顧客の求めに応じ、コピー用紙などの回収を本格化する。販売代理店などを通じて回収するコストはメーカー側が負担する。ただ、どれくらいの返品要請があるのか予想できず、流通業界を巻き込んだ混乱はしばらく続きそうだ。製紙各社は「（顧客から）求めがあれば、全量を引き取る」（日本製紙の中村雅知社長）としており、営業担当者が顧客の意向を確認し始めた。代理店最大手の日本紙パルプ商事は品種別の偽装状況だけでなく、銘柄についても詳しく調べ在庫状況を確認している。

△竹内製作所<6432>、３―11月経常益31％増
小型建機大手の竹内製作所が18日発表した2007年3―11月期の連結業績は、経常利益が前年同期比31％増の98億円だった。欧州市場で公共事業や住宅建設向けに小型建機の輸出が好調だった。ドル・ユーロ相場が前年同期比で円安だったことも増益に寄与した。売上高は18％増の682億円だった。うち欧州は51％増の416億円。市場拡大と新規顧客獲得で、ミニショベルと油圧ショベルの販売台数が大幅に伸びた。北米は18％減の224億円。住宅市場の調整で建機販売台数が減少した。粗利益率は25.6％で2.8ポイント改善した。原材料や燃料価格の上昇を、円安や生産性改善で吸収した。期中平均為替レートはドルが前年同期に比べ3.3円の円安、ユーロは16.2円の円安だった。

△クニミネ工業<5388>、２社を買収
ベントナイト製造のクニミネ工業は18日、関東ベントナイト鉱業（東京・豊島）と関ベン鉱業（新潟県阿賀町）の株式100％を4月1日に取得すると発表した。取得価格は未定。ベントナイトは自動車向けなどに需要が高まっており、供給・営業体制を強化する。08年3月期の業績への影響はないとしている。

△食品、海外を輸出拠点に・味の素<2802>やサントリーなど
大手食品メーカーが海外工場から第三国への輸出を拡大する。味の素は2008年度中に、中国子会社で製造する冷凍食品を東南アジアや米国に供給。サントリーはタイの清涼飲料工場を増強し、東南アジアへの輸出に備える。これまで食品会社の海外工場は現地市場の開拓が目的で、工場のない国には主に日本から輸出している。人件費などが安い海外工場を輸出品の製造拠点にすることで競争力を高める。各社は少子高齢化に伴う国内市場の縮小で海外事業を強化している。海外工場の積極活用で収益力を高め、海外企業に対抗する狙いもある。

■英ファンドのＪパワー<9513>株買い増し、経産省が中止・修正要求も
英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド（ＴＣＩ）によるＪパワー（電源開発）株の買い増し届け出を受け、経済産業省は申請を認めるかどうかの審査に入った。Ｊパワーは電力需要の1割弱を供給する電力卸の最大手。経産省は外国資本が影響力を強めることに懸念を強めており、ＴＣＩに買い増し中止か、認める場合でも条件をつけて買い増し方法の大幅修正を求める公算が大きい。ＴＣＩは15日、Ｊパワーへの持ち株比率を現在の9.9％から20％へ高めたいと届け出た。外国為替及び外国貿易法（外為法）に基づき、外資が電力会社株を10％以上保有するには国への事前届け出が必要。経産省は買い増しにより安全保障上の問題が生じると判断すれば、ＴＣＩに買い増し方法の修正や中止を命令できる。

■東芝<6502>、欧州でもＨＤ―ＤＶＤ再生機値下げ
東芝は18日、欧州で新世代ＤＶＤ規格「ＨＤ―ＤＶＤ」対応の再生機を値下げしたと発表した。値下げ幅は上級機で最大4割、中級機で同3割程度。東芝は北米でも14日に再生機を大幅値下げしたばかり。新世代規格を巡っては米映画大手ワーナー・ブラザーズが映画ソフトを「ブルーレイ・ディスク（ＢＤ）」規格に一本化すると表明したが、東芝は相次ぐ値下げにより規格競争を続ける。欧州で値下げしたのは2007年10月に発売した中級機と上級機の2機種。中級機は279―299ユーロから200ユーロ以下に下げ、上級機は449―499ユーロから300ユーロ以下に下げた。ＢＤ対応の再生機に比べ半額以下程度と大幅に安くした。東芝は06年末に欧州でＨＤ―ＤＶＤ対応の再生機を発売。すでに累計20万台以上を販売し、07年末時点で約6割のシェアを得ている。値下げにより、規格争いを優位に進めたい考えだ。東芝は北米でも再生機を一律50ドル値下げして149.99―299.99ドルにした。

△京セラ<6971>、三洋<6764>の携帯事業買収を21日発表
京セラは21日、三洋電機の携帯電話事業を買収することで三洋と最終合意し発表する。昨年10月に基本合意し、買収条件について協議してきた。買収額は500億円程度。国内携帯電話メーカー同士で初の事業統合になる。京セラは北米に有力な販売ルートを持つ三洋の携帯電話事業を獲得して不振の北米の事業を立て直す。三洋は収益が低迷する携帯電話事業を切り離し、充電池など高収益事業に経営資源を集中する。

△東芝<6502>傘下のＷＨ、米電力大手から原発事業を受注
東芝は18日、子会社の米原子力発電設備大手ウエスチングハウス（ＷＨ）が米電力大手テネシー渓谷開発公社（ＴＶＡ）から原発設備の更新設計などを受注したと発表した。対象はＴＶＡが1985年に電力需要低迷などから建設工事を中断したワッツ・バー原発2号機（テネシー州）で、昨年8月に運転再開を決めていた。ＷＨの受注額は邦貨換算で約210億円。受注したのは原発の建設工事として残っていた機器の設計や循環器ポンプなど一部機器の納入。2号機は順調に行けば2012年に稼働する。米国の原発では1996年に稼働したワッツ・バー1号機以来16年ぶりの新規運転となる。

△漢方原料、中国で履歴管理・ツムラ<4540>、農家1万軒データ化
ツムラとクラシエ製薬（東京・港）は相次ぎ中国で漢方薬の原材料となる生薬の生産履歴管理（トレーサビリティー）を始めた。2―3年かけて1万軒以上の農家を調査し、肥料や農薬などの使用方法を指導する。安全性を高めるには生産段階までさかのぼり、管理を徹底する必要があると判断した。生薬は植物の根、実、皮を乾燥させたものが大半で、100種類を超す。両社とも8―9割を中国に依存するが、調達先の農家は全土に及ぶうえ、地元の集荷業者が介在し、栽培状況の把握が困難。従来は調達後の生薬の検査にとどまっていた。

△日本ハム<2282>、海外売上高2倍に・13年度メド、欧米向け輸出強化
日本ハムは海外事業を強化する。総菜を中心とする加工食品を米国で生産・販売するほか、東南アジアで生産する水産加工品の欧米向け輸出を拡大。 2013年度をメドに、海外売上高を06年度の約2倍の2000億円超に伸ばす。国内需要が伸び悩む中、海外事業を伸ばし成長につなげる。米国では簡単な調理で食べられる家庭用総菜を売り込む。生産品目は今後詰めるが、ロサンゼルスの業務用加工食品の工場を拡充する。水産事業では、現在ほとんど日本に輸出している東南アジア生産の冷凍の魚の切り身を、欧米向けにも振り向ける。

△アース製薬<4985>、フマキラー<4998>の筆頭株主に・統合構想、波乱含み
殺虫剤最大手のアース製薬が3位のフマキラーの筆頭株主になったことが18日、明らかになった。アースはフマキラー株を市場で買い進めていたが、今週後半に創業者一族の大下高明・相談役の保有株数を上回った。アースは将来の経営統合を見据え、今後も株式を買い増す意向。これに対してフマキラーは抵抗する構えをみせており、今後の展開は波乱含みだ。大下高明氏は現時点で250万株（発行済み株式数の8.5％）を保有している。アースの保有株数が「今週後半に250万株をわずかながら超えた」（首脳）ことで、筆頭株主が交代した。

△ミズノ<8022>、野球グラブの注文生産拠点を上海に
ミズノは注文生産（オーダーメード）の野球グラブの生産拠点を国内から上海の自社工場に移す。既製品はすべて海外で製造しているが、国内技術者の高齢化が進んだため、オーダー品も海外生産に踏み切る。将来はプロやアマチュアのトップ選手用を除いたすべてのグラブを海外で生産する方針だ。国内市場向けのオーダーグラブ全36品目のうち32品目の生産を上海に移管し、昨年の12月から受注を開始した。今月から本格的に生産を始める。国内の技術者は残りの品目の生産にあたるとともに、海外工場を指導する。

■ユニー<8270>、新卒採用２割削減・定年者再雇用で補完
ユニーは2009年4月入社の新入社員から新卒採用数を約2割減らす。ここ数年は新入社員が150人程度になるよう内定を出してきたが、09年度から3カ年は120―130人にする。スーパー業界は価格競争が激しいうえ、景気の先行きに不透明さが増しているため、人件費を抑制する。同社は今後4年でスーパーを中核として衣料品などのテナントを集めたモール型の大型商業施設を中心に10店の新規出店を計画している。新卒採用を減らした分は定年退職者の再雇用で補う方針だ。ユニーの定年は60歳だが、本人の希望があれば原則、賃金水準を引き下げたうえで65歳まで再雇用している。

△協調融資、５年ぶり減・07年22兆円、大型Ｍ＆Ａが低調
2007年の日本のシンジケートローン（協調融資）の組成額は、06年に比べ5％減の2056億ドル（約22兆円）と5年ぶりに減少した。前の年に相次いだ大型のＭ＆Ａ（合併・買収）が減った。また長期金利が低水準で推移して、社債の発行による資金調達をした企業が増えた。
07年の最高額は5月の米シティグループによる日興コーディアルグループ<8603>の買収案件だった。みずほ<8411>コーポレート銀行、三井住友<8316>銀行、三菱東京ＵＦＪ<8306>銀行などが約1兆4000億円を融資した。

▼07年の百貨店売上高、11年連続前年割れ
日本百貨店協会が18日発表した2007年の全国百貨店売上高は7兆7052億円と前年比0.5％減（既存店比較）と、1997年から11年連続で前年を下回った。厳しい残暑などで秋冬物衣料の販売が振るわず、米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題に伴う株安で高額品の売れ行きも鈍ったため。売り上げ構成比では堅調な食料品が約20年ぶりに婦人服を逆転し、首位になった。売上高の4割弱を占める衣料品は2.1％減。主力の婦人服（2.3％減）は単価の高いコートの不調が響いて5年連続で前年水準を割り込むなど、全体の足を引っ張った。株安が富裕層の消費意欲を直撃し、高額な美術・宝飾・貴金属も2.7％減と落ち込んだ。

▼07年のレコード生産、４％減・若者のＣＤ離れなど響く
日本レコード協会（東京・港）は18日、2007年のレコード生産実績を発表した。ＣＤやＤＶＤなどを合わせた音楽ソフト全体の生産額は前年比 4％減の3911億円となり、9年連続で前年実績を下回った。ヒット作の不足や若者のＣＤ離れなどが響き、市場縮小に歯止めがかからなかった。中高年の需要の高まりからアナログレコードは伸びた。ＣＤは前年比5％減の3271億円だった。主力のアルバムは邦楽で1％増とわずかに伸びたが、100万枚以上を出荷したミリオンセラーは3タイトルのみで前年から半減した。洋楽も17％減と大幅に減少し、世界的なヒット不足が鮮明となった。ＬＰレコードなどのアナログディスクは、団塊世代の音楽ブームなどが後押しして67％増と高成長をみせた。音楽ビデオは邦楽を中心に堅調が続き2％増の578億円となった。
（NIKKEI NET）

△シンワオックス<2654>、ホッコク<2906>と業務提携の検討を開始
シンワオックスは１８日、ホッコクと業務提携の検討を開始したと発表した。両社で新業態の開発や共同商品開発を行う。店舗管理システムや物流機能の共同利用でコストダウンを図るほか、シンワオックスが行っている食材の卸売事業において、ホッコクへの供給を行うことで、販売量増に寄与する、としている。
（ロイター）

■豊和銀<8559>元常務、詐欺容疑で逮捕＝工事代金水増し－大分県警
大分県警捜査2課と大分中央署は19日、豊和銀行（大分市）の発注工事の代金を水増しし、だまし取ったとして、詐欺容疑で同行の元常務漆間角人（59）＝同市上宗方＝、元建設会社役員穴井輝見（55）＝同市城原＝ら3容疑者を逮捕した。調べによると、漆間容疑者は同行取締役総務部長だった2002年7～9月、同行が関連施設工事を発注する際、穴井容疑者が役員を務めていた建設会社に工事代金を実際より水増しした見積書を提出させ、同行から数千万円をだまし取った疑い。

■全日空<9202>機、燃料漏れ＝離陸取りやめ－佐賀空港
18日午後7時15分ごろ、佐賀市の佐賀空港で、駐機場から出た羽田行き全日空456便のエアバスA320型機（乗客乗員137人）の左翼エンジンから燃料が漏れているのが見つかった。同機は駐機場に引き返し離陸を取りやめた。火災の発生やけが人はなかった。同社が原因を調べている。　

□半導体事業を分社化へ＝業界再編にらみ体制整備－富士通<6702>
富士通が半導体事業を今春にも分社化する方針を固めたことが20日分かった。巨額な開発投資が必要とされる半導体では、業界再編をにらんだ動きが活発化しており、富士通は分社化により、他社との提携や協業を進めやすい体制を整える。次世代半導体の開発をめぐっては、東芝とNECエレクトロニクスが回路線幅32ナノ（ナノは10億分の1）メートルの先端技術を採用したシステムLSI （大規模集積回路）の共同開発で合意し、生産面での協業も視野に入れている。
富士通は東芝<6502>とNECエレ<6723>による半導体連合への合流を検討しており、今回の分社化により、長引いていた両社との協議が進む可能性がある。　

■特急誤進入はプログラムミス＝報告体制見直しへ―JR西<9021>
JR西日本の新今宮駅（大阪市）で今月9日夜、特急が環状線の線路に誤進入したトラブルは、大手信号メーカーが製作した信号やポイントをコントロールするための自動進路制御装置のプログラムミスが原因だったことが18日、JR西の調べで分かった。　

△関西電<9503>、09年度採用は410人＝25人増、営業部門など強化
関西電力は18日、2009年度の採用計画を発表した。採用予定者数は08年度予定を25人上回る410人を計画しており、5年連続の増加となる見通し。高卒などの採用を増やし、営業部門や電力流通部門を強化する。大卒は事務職が60人、技術職が100人で、ともに前年並みの予定。　

■キヤノンMJ<8060>、名刺用紙の販売中止＝製紙2社が古紙偽装
キヤノンマーケティングジャパンは18日、三菱製紙<3864>と五條製紙（静岡県富士市）から調達している再生紙を使ったカードプリンター向け名刺用紙の販売を中止すると発表した。両社が製造した製品の古紙配合率を調査した結果、表示された配合率を大幅に下回っている偽装が判明したため、即日、取引停止に踏み切った。　

△東電<9501>、18日も冬季最大電力を更新
東京電力は18日、同日午後6時に最大電力5278万1000キロワットを記録し、前日に続き冬季の最大電力を2日連続で更新したと発表した。同時間帯の東京地方の気温が4．9度と低かったことなどから、暖房需要が急増したため。これに対し供給力は5698万キロワットだった。　

△トヨタ<7203>の07年欧州販売10％拡大＝プリウスが41％急増
トヨタ自動車の独現地法人ドイツトヨタは18日、2007年の欧州自動車販売が前年比10％増の123万8638台に増加したと発表した。市場シェアは5．6％。　
（時事通信）

■アイン<9627>・ＣＦＳ<8229>統合案、否決の公算　イオン<8267>が３分の１超の反対確保
ドラッグストア大手、ＣＦＳコーポレーションと調剤薬局大手、アインファーマシーズの経営統合が２２日に開かれるＣＦＳの臨時株主総会で否決される公算が大きくなった。ＣＦＳ株約１５％を持つイオンが統合に反対し、他の株主に賛同を求める委任状勧誘を展開していたもので、１８日までに統合案の否決に必要な３分の１超の反対票にめどが立ったもようだ。ただ、ＣＦＳとイオンの双方と取引のある企業や個人投資家など態度を決めかねている株主も多いほか、総会当日の議決権行使数なども不透明で、最後まで流動的な面もある。イオン側が勝利した場合、経営側が決めたＭ＆（企業の合併・買収）が株主総会で否決されるのは、昨年２月に東京鋼鉄の総会で大阪製鉄との統合が否決されて以来、２例目となる。ＣＦＳは、イオングループのドラッグストア連合「イオン・ウエルシア・ストアーズ」に所属しているが、イオンとの関係がぎくしゃくし、昨年１０月にアインとの経営統合を発表した。イオンは「統合比率がＣＦＳ株主に不利」などと主張し、統合を否決するための委任状勧誘を展開。双方が、株主への説明会を開くなど、激しい攻防となったが、大手金融機関などの機関投資家や個人株主のほか、長年付き合いがあるＣＦＳの取引先の中からも、イオンに賛同する株主が出たとみられる。総会での統合承認には、総会当日に行使された議決権の３分の２超の賛成による特別決議をクリアする必要がある。イオンは自ら保有する１５％に加えて、議決権行使率が全体の９０％となった場合に否決できる１５％超の反対票を確保できたもよう。ただ、行使率が９０％を超えた場合、否決は難しくなる。

△女性向け物販サイト　携帯検索のウェブドゥ<2138>社
携帯電話向け検索・コンテンツサービスのウェブドゥジャパンは、自社の顧客基盤を生かした電子商取引（ＥＣ）に参入する。携帯の利用が盛んな若い女性向けに、化粧品や美容関連商品のショップを、ＮＴＴドコモのｉモード公式サイトとして週明けにオープンする。同社は検索連動広告や携帯向けブログ、ゲームなどの事業を展開してきたが、さらなる成長には、顧客単価の高い小売業が有効と判断した。昨年７月に試験開設したＥＣサイトで品ぞろえや掲載方法、顧客誘導などを工夫して本格参入を決めた。ブログや小説サイトの主要顧客である若い女性を、自社運営の広告を活用して取り込み、美容関連に加え、アパレルや小物など約１万４０００点を扱うＥＣサイトに誘導する。将来的には、家電や産地直送品なども展開する方針で、独占販売商品やオリジナル商品で他社と差別化を図る。ウェブドゥジャパンは携帯向け検索サービスででヤフーやグーグルを追う位置につけ、平成１９年３月期の売上高は約３１億円。昨年は大証ヘラクレスに上場した。今期は検索連動広告が第２四半期（７～９月）で前年同期比９５％増と好調だったが、「２２年３月期の売上高１００億円」達成には事業拡大が必要で、小渕宏二社長は「ＥＣを次の柱に育てたい」としている。
（産経新聞）

△風呂でもキッチンでも通話可能
ＮＴＴドコモ<9437>は、薄型で防水機能がある携帯電話「Ｆ７０５ｉ」（富士通製）を２２日に発売する。風呂やキッチンでも使える防水性能を備え、厚さは１３．７ミリ。周囲が騒がしい時に、相手の声を強調して聞きやすくする機能も備えている。オープン価格だが、２年継続使用が条件の料金プランでは２万５０００円前後、継続使用の条件がないプランでは４万円前後。

△糖質８０％減、さわやかな酸味
宝酒造（宝ＨＤ<2531>）は２９日、チューハイ「ＴＡＫＡＲＡ焼酎ハイボール」シリーズから、「すだち」を数量限定で発売する。従来品と比べて糖質を８０％減らし、すだち果汁を加えた。さわやかな酸味が味わえるという。アルコール度数６％。３５０ミリ・リットル入り。１４１円（税抜き）。

△歯の汚れ落とす犬用おもちゃ
住友商事<8053>は、米国のペット用品大手「ハーツ・マウンテン」の犬用のおもちゃとアクセサリーを、３月から販売する。おもちゃは肉や骨に似せた形など８種類。かむことで歯の汚れを落とす効果がある。アクセサリーは首輪、引きひも、胴輪の３種類。いずれもオープン価格だが、おもちゃは１２００円前後を想定している。

△硬度も調整、おいしいミネラル水
松下電器産業<6752>は、ポット型ミネラル浄水器「ＴＫ―ＰＡ２０」（容量２リットル）を３月１日に発売する。活性炭やセラミックを含む３層のカートリッジを内蔵し、浄水機能を高めた。浄水の過程でカルシウムを加えることで硬度を調整し、おいしいミネラル水を作り出すという。オープン価格だが、想定価格は４５００円前後（容量１．２リットルの「ＴＫ―ＰＡ１０」は４０００円前後）。

△燃費、走行可能距離も表示
スズキ<7269>は、ミニバン「ランディ」（排気量２リットル、８人乗り）を一部改良して発売した。ヘッドランプなどのデザインに変更を加え、外観にアクセントをつけた。走行時の燃費や走行可能な距離を表示するディスプレーを計器盤内に装備したほか、発光するメーターを採用して見やすくした。ボディーカラーには新色の薄灰色など計６色を用意した。２１８万９２５０円～２７１万６３５０円。
（読売新聞）

△ＨＤＤビデオカメラ　シェア急増　テープ不要の手軽さ人気
本体に内蔵されたＨＤＤ（ハードディスク駆動装置）に直接録画できる家庭用ビデオカメラの販売が急増している。録画用のＤＶＤやビデオテープがいらない手軽さが人気を集め、ビデオカメラ市場でのシェアは６割に達する勢いとなっている。４０時間超の長時間録画が可能な機種も登場し、入学シーズンに向けた春の商戦の主役の座をさらいそうだ。ビデオカメラの録画方式には、内蔵ＨＤＤのほか▽ＤＶＤ▽ビデオテープ▽メモリーカードなどがあるが、調査会社ＢＣＮによると、ＨＤＤ型のシェア（台数ベース）が０７年１２月に５６．４％となり、０６年１２月の３６．５％から大幅に伸びた。２９．１％だったＤＶＤ型は１８．３％に減った。ＤＶＤ１枚当たりの録画時間がおおむね１時間程度にとどまっているのに対し、ＨＤＤは数十時間の長時間録画が可能。撮影用に複数のＤＶＤを持ち歩く必要もない点も受けている。ビデオカメラ各社も軸足をＨＤＤ内蔵型に移し、一斉に新モデルを発表した。
業界最大手のソニー<6758>が２月２０日に発売する「ＨＤＲ－ＳＲ１２」は、ハイビジョン映像が最大４８時間撮影できる。
松下電器産業<6752>は１月２５日、高画質のフルハイビジョン映像対応のモデルとしては最小・最軽量の「ＨＤＣ－ＨＳ９」を発売する。
日本ビクター<6792>は２０～３０歳代の女性をターゲットに想定市場価格が７万円前後と低価格の「ＧＺ－ＭＧ３３０」を投入した。

□料金値下げ　東邦ガス<9533>、中電<9502>が相次いで　背景にシェア争い
原油高騰による物価値上げが続く中、東邦ガス（名古屋市）は１８日、３月から家庭用ガス料金を平均２．５％値下げすると発表した。中部電力も４月に値下げする方針で、通常、原燃料価格と連動する光熱費に「逆転現象」が起きている。背景には両社による家庭用エネルギーのシェア争いがあり、ともに業務コストの削減分を値下げ原資に当てる。消費者には久々に懐温まる話題となりそうだ。「当社のコストは原料費と、人件費などの固定費の２階建て。固定費部分を効率化した成果をお客様に還元する」。同日の料金改定の会見で、東邦ガスの水野耕太郎社長は力を込めた。電気・ガス料金は原燃料価格の変動を反映して３カ月ごとに料金を改定する「調整制度」があり、「１階」の原燃料費は、標準家庭の月料金で昨年１０～１２月にそれぞれ５４円、３５円値上げされた。今年１～３月にも７８円、７０円の値上げが決まっている。今回、東邦ガスは「２階」の固定費を削り、標準家庭で月１４７円値下げする。中電も同様に業務効率化で値下げする方針だ。中電は管内約６００万世帯の１割を目標にオール電化を進め、昨年１２月末で３６．６万世帯がオール電化住宅となった。一方、同２２０万世帯に供給する東邦ガスは、一戸建てを中心にガスで発電するコージェネレーション「エコウィル」で対抗し、同月末で５６７５台を販売した。昨年１０月末、東邦ガスの値下げ方針公表の翌日、同時期の引き下げを言明した中電の三田敏雄社長は「（タイミングが重なったのは）偶然」とかわし、１８日の水野社長も「今回の改定で（中電を）意識してはいない」と述べたが、逆境の中の値下げが競争の激しさを物語る。東邦ガスによると、昨年１０～１２月も原料費高騰が続き、調整制度で４月から１７０円程度値上げする見込みで、「２階」削減部分との相殺で料金は結局現行より２０円ほどの値上げへ反転する。このため年度内に値下げ内容を公表する中電の出方が注目される。

■センター試験　ＪＲが車両故障、受験生５０人遅刻　秋田
秋田県大館市の県立大館国際情報学院高校（受験者数５１４人）の大学入試センター試験会場では、ＪＲ花輪線十和田南駅で午前７時２０分ごろ車両故障が起きたため、受験生約五十数人の到着が遅れた。
ＪＲ東日本<9020>は受験生を優先してタクシーやバスで最寄りの大館駅まで代行輸送し、会場では１時限目の試験開始を午前９時半から２０分繰り下げた。昼休みなどを短縮し、午後は定時で実施する。
（毎日新聞）