1/18 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△グッドウィル<4723>がストップ高――自律反発狙いの買い優勢
急伸。一時は値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比1000円高の8880円を付けた。「違法派遣で事業停止へ」と報じられる直前の昨年12月21 日の高値（２万4850円）から前日17日の安値（6900円）までに１万7950円（72.2％）下落していただけに、きょうは自律反発狙いの買いが優勢となっている。日経平均株価が300円超下げるなど地合いが悪化するなかで、ほかに手掛ける銘柄がないため、値動きが大きくなっている面もある。同社は違法な派遣業務をしていたとして、11日に厚生労働省から労働者派遣事業の停止などの命令を受けた。違法行為があった67事業所に関してはきょう18日から４カ月間、そのほかの事業所は２カ月間、事業を停止する。

▼ニッセンＨＤ<8248>が反落――見切り売りで昨年来安値を更新
反落。個人投資家とみられる見切り売りが先行し、一時は前日比60円安の556円まで下げた。16日の589円を下回って昨年来安値を更新。市場では「業績の先行き懸念があり、相場全体の地合いの悪さも影響している」（大手証券）との指摘があった。百貨店などでは秋冬物衣料の販売不振が伝えられている。通販大手で、通販事業の競争も年々激しさを増しているという。「個人投資家が戦線を縮小しているため買いが入りにくく、当面は下値を模索する展開となりそう」との声も市場では聞かれた。

▼ハピネット<7552>が安い――２日ぶり売買成立
大幅安。前日は値幅制限の下限（ストップ安）水準での売り気配が終日続き、売買不成立だった。きょうは２日ぶりに売買が成立し、一時は前日の気配値できょうの基準値である1294円と比べて180円安い1114円まで下げ、昨年11月20日以来２カ月ぶりに昨年来安値を更新した。その後はやや下げ渋っている。ハピネットはバンナムＨＤが筆頭株主のゲーム卸会社。16日には権利を保有する映像作品の将来の収益見通しを決算に反映させる手法に改めた結果、08年３月期の連結最終損益が15億円の赤字（前期は16億円の黒字）に転落するとの見通しを発表した。従来の最終黒字予想が一転して赤字に落ち込むことを嫌気し、17日は売りが殺到した。

▼オムロン<6645>が反落 事業環境の不透明感で海外機関投資家の売り
反落。一時前日比100円安の2220円まで下げ、連日で昨年来安値を更新した。海外機関投資家を中心に売りが出ている。前日の米株安が響いており、外国人持ち株比率が４割を超えていることへの警戒感もある。市場では「資金力の低下した投資家は日本株を持つ余力がなくなっているようだ」（中堅証券）との声が聞かれた。同社は工場の製造ライン向けにセンサーなどの機器を販売している。2008年3月期は連結最終利益で前期比2割増の予想だが、今後の国内設備投資の推移が不透明になってきたという。今月10日には新興国での事業強化を打ち出した新中期経営計画を発表したが、「国内の景気が減速しても収益力を保つ具体的な成長策を示す必要がある」（中堅証券）との指摘もあった。

▼王子製紙<3861>、コピー用紙などで偽装認める・社長が会見
再生紙はがきなどの古紙配合率が規定を下回っていた問題で、王子製紙の篠田和久社長が18日午前、東京都内で記者会見し、すでに発覚していた年賀はがきに加えて、情報用紙や封筒用紙など月1330トンの再生紙で古紙配合率を偽っていたことを明らかにした。

△極東証券<8706>、４―12月期連結経常益34億円の見通し
極東証券は18日、2007年４―12月期の連結経常利益が前年同期比16％増の34億円になったもようだと発表した。株式委託手数料収入は振るわなかったものの、外国債を中心とする債券のトレーディング益が好調で補った。一般企業の売上高にあたる営業収益は10％増の80億円。純利益は23％増の24億円だった。

▼フイルコン<5942>が急反落――08年11月期の業績見通しさえず
急反落。一時は前日比27円安の483円を付けた。前日17日に2007年11月期決算と併せて08年11月期の業績見通しを発表。今期の連結営業利益見通しを、大幅減益だった前期実績と横ばいの23億円としたため、失望売りが出ている。07年11月期決算は連結営業利益が前の期比39％減の23億円だった。プラズマディスプレー向けの電磁波遮断シートの販売価格下落や数量減少が響いた。

▼日興コーデ<8603>が大幅安――「株式交換実行の見通し」
大幅安。前日比89円安の1581円まで下げる場面があった。米シティグループによる完全子会社化を巡る株式交換比率の算定対象期間が終了、日興コーデは朝方に「株式交換実行の見通し」を発表した。株式交換実施が確定的となったことで、日興コーデ株主が受け取るシティ株の今後の下落を警戒した売りに押されている。株式交換比率はきょう午後にも明らかになる予定。株式交換比率決定後は、日興コーデ株主の持ち分がニューヨーク市場でのシティ株の動向に連動することになる。29 日に予定している日興コーデ株とシティ株の株式交換で、日興コーデの株式は１株あたり1700円相当のシティ株と交換することにしていた。具体的な交換比率を15日から17日のニューヨーク市場でのシティ株の取引高加重平均株価で算定、同期間中、シティ株は24ドル台から28ドル台で推移した。算出した平均株価が22ドルを下回ると、株式交換が失効する可能性もあった。
東証のシティ株<8710>は前日比250円安の2620円まで下げる場面があった。

▼ベスト電<8175>が急反落――「エディオンと提携拒否」で失望売り
急反落。一時は前日比58円安の660円を付けた。18日付の日本経済新聞朝刊が「ベスト電はエディオンによる資本・業務提携の提案を拒否する回答をしたことが17日わかった」と報じたことが売り材料。業界再編が期待されていただけに、きょうは朝方から失望売りに押されている。同社に対してはヤマダ電も提携を求めているが、「エディオンとの交渉に入れば、ヤマダ電の新たな動きを呼ぶと警戒したもよう」（同紙）。三菱ＵＦＪ証券投資情報部の荒井誠治投資ストラテジストは「小売り各社の競争が激化する中で、大手の傘下に入り、規模を拡大することで収益改善が期待される。ベスト電単独では業界のトップになれないため、提案拒否はネガティブに受け止められている」と指摘していた。エディオンは続伸。一方、ヤマダ電は反落している。

▼王子紙<3861>が急落――「年賀はがきやコピー用紙以外も偽装」
大幅に続落。売り気配で始まり、寄り付き後は前日比48円（9.8％）安の442円まで下落した。連日で昨年来安値を更新。現時点での東証１部の値下がり率ランキングで上位に入っている。古紙配合率偽装の影響で需要家が製紙各社に対する不信感を強めており、原燃料高による価格交渉が難航するとの見方が広がっている。きょう王子紙は篠田和久社長が記者会見を開き、再生紙の古紙配合率の偽装問題について説明する。17日付日本経済新聞朝刊は「すでに発覚している年賀はがき、コピー用紙以外に、封筒などでも古紙配合率が公表値より少ない製品があることを表明する見通し」と報じている。業種別東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）では現時点でパルプ・紙が下落率の首位。初めに偽装を公表した日本紙も大幅に続落し、連日で上場来安値を更新。きょうも株価は６％強下げている。北越紙、大王紙も安い。

△ダヴィンチ<4314>が続伸――自律反発狙いの買い続く
続伸。前日比5900円高の７万6500円まで上昇する場面があった。前日は終日買い気配で推移し、大引けに値幅制限の上限（ストップ高）で比例配分されていた。ＡＳＳＥＴが2008年２月期の利益予想を下方修正したことに対する失望売りから急落。これに連れ安していた反動から、値ごろ感や自律反発狙いの買いが続いている。ＡＳＳＥＴはもみ合い。前日比4300円安の７万600円まで売られる場面があったが、その後は下げ渋り上げに転じている。節目の７万円が下値支持線として意識されているようだ。

□イオン<8267>銀行が住宅ローン、金利は大手行より安く
イオン銀行は21日から、住宅ローンの販売を始める。金利を大手銀行に比べて0.1％程度低くし、繰り上げ返済の手数料や保証料を無料にするのが特徴。投資信託や第3分野の保険商品に続き、住宅ローンをそろえることで既存の銀行と同様の商品がそろう。住宅ローンの金利はインターネット専業銀行とほぼ同水準。店頭表示利率から0.1％優遇するキャンペーン金利は、グループの電子マネー「ＷＡＯＮ（ワオン）」の自動チャージなどを適用の条件にする。6月末までの契約者には「ワオン」のポイント5万円分を進呈する。

□日興コーデ<8603>、米シティとの株式交換実施予定を発表
日興コーディアルグループは18日、米シティグループとの株式交換を実施する予定と発表した。ニューヨーク証券取引所での米東部標準時15―17日のシティ普通株１株当たりの取引高加重平均価格などに基づいた交換比率を用いるが、具体的な比率は「算定次第、開示する」としている。両社の株式交換契約では、期間中にシティの株価が22ドルを下回った場合は見直すとの条項が盛り込まれていた。

▼コマツ<6301>やトプコン<7732>売り先行　米住宅着工16年ぶり低水準
コマツやトプコンといった北米の住宅需要と関係の深い銘柄の売りが目立つ。建機のコマツは反落。売り気配で始まり、前日比120円安の2305 円で寄り付いた。その後も安い水準で推移し、下落率は４％を超えている。測量機器のトプコンも続落で、前日比42円安の663円まで下げ、連日で昨年来安値を更新した。米商務省が17日発表した2007年12月の住宅着工件数が1991年５月以来、16年７カ月ぶりの低水準に落ち込んだことが売り材料になっている。米住宅投資の落ち込みがコマツやトプコンの事業収益の落ち込みにつながるとの見方が広がっている。

▼アルク<2496>が売り気配――中間経常赤字に転落
朝方から売り気配で推移しており、まだ売買が成立していない。現在は気配値を前日比1000円安の１万3350円に切り下げている。17日発表した2007年11月中間期の連結決算は、経常損益が5400万円の赤字（前年同期は２億700万円の黒字）に転落。通期の収益見通しは据え置いたが、中間期は従来予想を下回っており、業績の先行き不透明感を嫌気する売りが出ている。中間期は円相場の下落を受けて海外渡航費用などが増加し、教育事業の営業利益が計画を大幅に下回った。

▼みずほＦＧ<8411>など売り気配――米金融の損失拡大を嫌気
みずほＦＧや三菱ＵＦＪ<8306>といった大手銀行株が売り気配で始まった。みずほＦＧは気配値を前日比１万5000円安の46万8000円まで切り下げており、差し引き6000株強の売り越し。三菱ＵＦＪも売り気配で始まり、気配値を切り下げている。三井住友ＦＧも売り気配で始まった。17 日、米証券大手のメリルリンチは07年10―12月期決算を発表し、信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題による有価証券の評価損として115億ドル（約１兆2000億円）を計上したことを明らかにした。米金融機関がサブプライムローン関連の追加損失を相次ぎ発表しており、邦銀に対しても追加損失計上の連想が働いて売り優勢の展開になっている。ＪＰモルガン証券の笹島勝人シニアアナリストは「悪材料出尽くしとはとらえられず、銀行株に対して強気になれない」と話す。
（NIKKEI NET）

△電力株がしっかり、ディフェンシブストックとして評価
電力株がしっかり。中部電力<9502>、関西電力<9503>などが買い優勢となっている。相場全般の地合いが悪化する中で、ディフェンシブストックとして評価された格好。市場では「配当利回りなどが手掛かりにされ、買いが向かっている」（準大手証券情報担当者）との声が出ていた。
ただ、業績悪化懸念が大きい東京電力<9501>はさえないなど、銘柄を選別する動きもある。

△信越化学<4063>が逆行高、好決算を評価する動き
信越化学工業が逆行高となっている。１７日に発表した２００７年４─１２月期の連結営業利益が前年比１８．５％増の２１３５億円と好調だったことが手掛かり。前日は立会い中に発表した後に株価は伸び悩んだが、この日は全体の地合いが悪化する中で好決算を評価する形となっている。

▼学研<9470>軟調、子会社学研トイズを解散
学習研究社が前日比６％前後の下落。同社が１７日の引け後、連結子会社の学研トイズを解散すると発表したことが材料視されている。同子会社は玩具の製造販売を行ってきたが、主要商品の販売が困難となったため解散を決議したと学研では説明している。

△トシン・グループ<2761>高い、07年11月中間期の業績を好感
トシン・グループが高い。１７日に発表した２００７年１１月中間期の業績を好感しているという。連結経常利益は前年同期比８％増の２５億５１００万円に拡大した。

▼主力輸出株が売り先行、米景気後退懸念強まる
ソニー<6758>やトヨタ自動車<7203>など主力輸出株が売り先行。１７日に発表された１月の米フィラデルフィア地区連銀業況指数がマイナス２０．９と予想をはるかに下回り、リセッション（景気後退）を示唆する水準まで低下したことで米景気への不安が強まっていることが売りの背景。対ドルで１０６円台まで円高が進んでいることも嫌気されている。市場では「フィラデルフィア地区連銀業況指数の急落で米経済のリセッション入りが強く懸念されている」（国内証券投資情報部）との声が出ている。

▼日本製紙<3893>が売り気配、再生コピー用紙販売中止の動き
日本製紙グループ本社が売り気配。再生紙の古紙配合比率偽装問題で、複写機メーカーなどから同社の再生コピー用紙の販売を中止する動きが出ていることを嫌気している。
キヤノン<7751>は１７日、日本製紙グループ本社が複写機やプリンターで使用する再生紙で古紙の配合比率を偽装していた問題を受け、日本製紙から供給を受けている再生コピー用紙の販売を中止すると発表した。
リコー<7752>と富士ゼロックス（東京都港区）も同様の措置を発表。
コニカミノルタホールディングス<4902>も同様の措置について検討を進めている。

▼平和奥田<1790>の株式売買を午前8時20分から一時停止＝大証
大阪証券取引所は、平和奥田株式の売買を午前８時２０分から一時停止すると発表した。追加出資に関する情報が不明確でその真偽を確認するため。

△12月の米ビデオゲーム機・ゲームソフト売上高、前年比＋28％＝調査会社
米市場調査会社ＮＰＤが１７日発表したデータによると、１２月の米国内のビデオゲーム機とゲームソフトの売上高は、前年同月比２８％増の４８億２０００万ドルだった。
任天堂<7974>のゲーム機「Ｗｉｉ（ウィー）」の販売台数は１３５万台、マイクロソフトの「Ｘｂｏｘ３６０」は１２６万台、
ソニー<6758>の「プレイステーション（ＰＳ）３」は７９万８０００台。
（ロイター）

▼好調ファインケミにも原料高の波、北興化<4992>株が安値更新、今期一転減益
農薬や精密化学品の製造・販売を手掛ける北興化学工業の株価が売り気配で始まり、寄り付き後は一時32円（9.9％）安の 291円と、52週安値を更新した。今期（2008年11月期）は、新農薬製品の端境期に当たり開発費用が先行するほか、電子材料関連原料などを手掛けるファインケミカル製品は原料高の高騰も利益を圧迫し、一転して大幅減益を強いられる見通しとなった。収益環境の厳しさを嫌気した投資家の売りが先行している。北興化は、17日の取引終了後に前期（07年11月期）の連結決算を発表し、売上高は前の期比64％増の456億円、営業利益は同２倍の７億3200万円。主力のファインケミカル製品が液晶材料向けなどに売り上げを増やした。農薬は市場が飽和気味の国内では頭打ちだったが、アジアや中南米向け輸出が伸びた。一方、前期決算と併せて示した今期業績見通しは、売上高が前期比ほぼ横ばいの457億円、営業利益は同52％減の３億5000万円、純利益は同74％減の２億円。今期業績について、同社経理課の布川雅彦氏によると、農薬製品は、残留農薬量を規制するポジティブリスト制度の影響により国内で不振、前期好調だった海外販売も円高の進行で為替採算が悪化する見込み。また、除草剤など複数の新農薬の市場投入を来期以降に控えており、「先行する開発関連の費用負担が重しとなる」（同氏）という。このほか、ファインケミカル製品については増勢が続くものの、原材料であるスズやマグネシウム、原油などの価格上昇が利益を圧迫する。
（ブルームバーグ）

△アルファＳ<4719>---強い動き、第3四半期決算を評価で
強い動き。前日に発表した第3四半期の決算内容が評価材料となっている。10-12月期営業利益は9％増益、7-9月期の減収減益から増収増益に転じている。また、次世代ネットワーク向けの受注拡大によって、10-12月期受注高は前年同期比23％増と急増、来年度以降の業績に対しても期待感先行へ。

△東ソー<4042>---ウレタン原料の生産能力を2倍に増強
下値の堅さが意識されてきている。約500億円を投じ、家電や自動車に使うウレタン原料の生産能力を2倍に増強すると報じられている。PERは9倍台に低下しており、値ごろ感も出易いところか。

▼エスプール<2471> 5日ぶりに全株一致。
10日に発表した大幅な下方修正が嫌気され、17日まで4日連続してストップ安比例配分となっていた。昨年12月中旬から1月上旬にかけて思惑的な動きから人気化していたこともあり、下方修正がネガティブサプライズとして受け止められたようだ。

△東洋炭素<5310>---調整一巡感、決算を控え見直す動きも
続伸。昨年10月の戻り高値13200円以降、下落基調が強まっているが、株価は既に半値近く調整しているほか、決算を控え見直す動きも出ているようだ。ただ信用倍率は6倍台と需給妙味は低く、戻りの勢いは今ひとつ。

△小林製薬<4967>---しっかり、新製品発表会など評価の声も
しっかり。春の新製品発表会が公開されている模様。日興シティでは「少数精鋭」の佳作揃いと評価、「ドロドロ血液」を「サラサラ血液」へと改善させる大衆薬を開発中との報告も期待材料としているようだ。なお、フィデリティ投信が5.20％を保有とも伝えられている。

▼野村<8604> 6日続落で連日の安値更新。
株式市場の低迷を受け、証券セクターには買い手控えムードが強い状況。ＣＬＳＡでは、同社と大和証券の投資判断を新規に「アンダーパフォーム」としている。短期的には、今後1年程度の収益悪化は不可避であるとの見方から、戻り売りを推奨するとしている。

▼王子紙<3861>---きつい下げ、値上げ交渉への影響懸念も強まり
きつい下げ。再生紙を使ったコピー用紙などの製品で、配合率の偽装があったことを認めている。日本製紙に続いての偽装問題発覚となるが、需要家の不信感の強まりを受けて、製紙各社が進めている値上げ交渉が一部停止になっていると報じられている。先行きの収益動向に対して警戒感が強まる形へ。

△富士電ＨＤ<6504>---前日変わらずレベルで底堅く
前日変わらずレベルで底堅く。リバウンド狙いの資金が流入しているようである。相場全体が弱含む中で低位材料株への値幅取り狙いの動きがみられている。年初以降、下降する5日線が短期抵抗として意識されるが、これをクリアしてくるようだと短期至近が向かいやすくなろう。

△ＳＵＭＣＯ<3436>---逆行高、シリコンウエハ関連に安心感も
逆行高。前日に信越化学が決算発表を行っているが、想定どおりの好決算を発表したことで、シリコンウエハ関連銘柄には買い安心感が高まっているようだ。信越化学も買い先行の展開。なお、マッコーリーでは、株価下落ピッチが早く大きすぎるとして、投資判断を「アウトパフォーム」に格上げのもよう。目標株価は 3200円に設定のようだ。

□富山化<4518>---信用倍率は1.89倍と昨年4/13時点以来の1倍台
25日線レベルの攻防。ほぼ全面安商状となっており、再びディフェンシブ系にシフトする流れが出てくるようだと、ディフェンシブの中で材料性のある銘柄に仕掛け的な動きが出てくる可能性はありそうだ。一目均衡表の雲をサポートとした流れは継続。信用倍率は1.89倍と昨年4/13時点以来の1倍台と需給妙味は大きい。

△ホギメディ<3593>---買い優勢、決算発表受けてみずほが格上げ
買い優勢。前日に発表した第3四半期決算を受け、みずほでは投資判断を「３」から「２」へ格上げしている。四半期ベースの売上高の伸び率が順調に高まっていること、株価調整を受けてＰＥＲ水準の割安感が強まっていることを背景としている。全体株安の中、ディフェンシブ的な側面も評価材料に。

□三菱地所<8802>---下げ渋りをみせ、上昇する5日線がサポート
下げ渋りをみせ、上昇する5日線がサポートに。米景気後退懸念から売りが先行したが、これまで売り込まれていた面もあり、信用倍率は0.70倍と売り超の需給である。ファンドのクローズに伴う買い戻しも入りやすい。

□新日鉄<5401>---前日安値水準での底堅さが意識される
反落も前日安値水準で下げ渋る。米景気後退懸念から売りが先行しているが、前日安値水準での底堅さが意識され、昨年11月からのリバウンドのトレンドは継続。新社長によるグローバル戦略に対する期待感も。

▼和田興産<8931> 売り気配から。
四半期決算の内容が嫌気されているようだ。第3四半期までの業績は各利益が大幅に増加、経常利益については前年同期比4.8倍の10.6億円となった。一方、四半期ベースでは経常損益並びに最終損益が赤字となっている。前年同期も四半期ベースでは赤字となっていたが、本日は地合いの悪化もあってネガティブに受け止められているもよう。
（フィスコ）

△サンコーテクノ<3435>は自己株式取得実施も最安値で小動き
サンコーテクノは、前日に変わらずの１６００円と小動きとなっている。前日１７日に自己株式取得を取締役会決議し、前日１７日終値の１６００円を固定価格に１８日８時４５分に買い付け委託を行うと発表、この日１０時に取得終了を公表したが、反応は限定的で１月１６日につけた上場来安値に貼り付き需給好転期待は不発となっている。自己株式取得は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的に１５万株（発行済み株式数の６．８６％）、２億４０００万円を上限としている。株価は、昨年７月に９月中間期・３月通期純利益を上方修正したものの、１１月には逆に下方修正となり昨年３月末割り当ての株式分割権利落ち後安値を探ってきた。同社は、耐震補強用のアンカーなどを主力製品としているが、改正建築基準法の影響で住宅着工件数が激減し、業績を押し下げた。ただ減益幅は小幅にとどまり、期末配当は４０円（前期実績３７．５円）に増配する。ＰＥＲは６倍台、ＰＢＲは０．５倍、配当利回りは２．５％の下げ過ぎとなっており、底値リバウンドを自己株式取得が支援する展開に進もう。

▼エコートレ<7427>は３Ｑ順調決算も反応薄く連日の安値
エコートレ－ディングは、３５円安の９３０円と急反落し連日の昨年来安値更新と売られている。前日１７日に今２月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、２ケタ増益と順調な推移を示したが、全般相場の急落が響き反応はなく売り先行となっている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比８％増収、２７％経常増益、２４％純益増益と伸び、利益は期初予想の通期業績に対して７５－６７％の進捗率となった。大手量販店のインストアのシェアアップにより売り上げが増加し、発注システムや倉庫管理システムを導入しコスト削減を進め、粗利益率が上昇したことが２ケタ増益要因となった。２月通期業績は、期初予想を据え置き純利益は５億６８００万円（前期比０．８％増）と小幅ながら前期の過去最高を更新する。株価は、団塊の世代が大量に定年退職を迎える「２００７年問題」を先取り、ペット関連の「癒し系」株人気でつけた昨年１月の１３８０円高値から調整一方となり１０００円大台出没の下値固め継続となっている。ＰＥＲは１０倍台、ＰＢＲは０．７倍、配当利回りは３．１％と下げ過ぎとなっており、底値買い妙味は膨らむ。

△ＳＵＮＸ<6860>は減額業績織り込み下げ過ぎ訂正で続伸
ＳＵＮＸは、２円高の５８２円と小幅続伸している。同社株は、今３月期業績の下方修正で大幅急落しており、減額は織り込み済み、早期調整完了として下げ過ぎ訂正期待の打診買いが続いているもので、逆日歩のつく信用好需給もフォローしている。同社の今期業績は、第１四半期決算発表時の７月に早々と下方修正された。松下電工系の光電センサーメーカーとして、液晶・半導体製造装置などのＩＴ関連業種や自動車関連業種を中心に需要が減少し、中国向けは四半期ベースで過去最高となったものの下方修正につながった。中間期・通期業績は、自動車関連向けにＡｉＳ商品が伸び、中国、欧州向けは好調に推移するものの、この下方修正ベースが継続、中間期純利益は９億２１００万円（前年同期比２４％減）で着地、通期純利益も１９億１０００万円（同６％減）と修正値を据え置いた。株価は、このため昨年９月末割り当ての１対２の株式分割権利落ち後の三段下げ５４９円安値まで調整した。すでに日柄的に１年３カ月、値幅的にも半値以下と調整十分で、ＰＥＲ実態的にも１０倍台と下げ過ぎ示唆となっている。安値圏での再動意は、素直に追随して妙味がありそうだ。

△イオンディライ<9787>は３Ｑ大幅増益見直し再上ぶれ期待強め反発
イオンディライトは、１３円高の１９７０円と反発し、１月１５日につけた株式分割権利落ち後安値１８５３円からのリバウンド幅を拡大している。昨年１２月２０日に発表した今２月期第３四半期（３Ｑ）業績の大幅増益・高進捗率着地を見直し、業績再上ぶれ期待を高め下げ過ぎ訂正買いが続いている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比２８％増収、４１％経常増益、４９％純益増益と伸び、利益は昨年１０月に上方修正された２月通期予想に対して７８－７９％の進捗率となった。イオン系列となったダイエーの全国店舗の管理運営業務を受託し、現金輸送業務や管財業務などの金融ファリシティーサービスが拡大し大幅増収増益につながった。通期業績は、１０月の修正値を据え置き純利益は４０億円（前期比３３％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。株価は、昨年１１月末割り当てで１対２の株式分割の権利を落としたあと２０００円大台出没で妥当水準を探っている。市場では上ぶれ観測も根強く、内需業態評価からリバウンドに弾みをつけよう。

△塩野義<4507>は信用好需給手掛かりにディフェンシブ株買い誘い反発
塩野義製薬は、１４円高の１９４８円と反発している。昨年９月安値１６４１円の４カ月目を迎え、信用倍率が０．１７倍と株不足で逆日歩のつく好取組に脚光が当たっており、売り方の買い戻し主導でディフェンシブ株評価の逆行高につながっている。同社の信用売り残は、昨年４月高値時のピーク１７６万株が、９月安値時には８６万株と半減したが、その後の戻り場面では再び増加、買い残が大きく整理されるのと合わせて大幅売り長となり逆日歩がつく展開となった。今３月期業績は、期初予想通りに増益転換し２ケタ増収益ペースで推移、通期純利益は２４０億円（前期比２９％増）を予想しているが、業績水準からはＰＥＲ評価でやや割高まで買われたことが売りを誘った。５５０万株（発行済み株式総数の１．６％）、１００億円を上限に進めた自己株式取得も、信用好取組とともに需給好転要因として押し上げ効果を発揮する。全般急落相場でディフェンシブ株人気の一段の高まりで逆行高する素地は十分である。

△ホギメディ<3593>は３Ｑ２ケタ増益・順調進捗をテコに続急伸
ホギメディカルは、寄り付きの買い気配から３２０円高の４７５０円まで買い進まれて続急伸し、１月１６日につけた昨年来安値４２１０円からのリバウンド幅を拡大している。前日１７日に発表した今３月期第３四半期（３Ｑ）決算が、２ケタ増益で着地し３月通期予想業績に対して順調な進捗率を示したことがディフェンシブ株関連の割安株買いを拡大させ逆行高している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比６％増収、１２％経常増益、１３％純益増益と伸び、３月通期予想業績に対する進捗率は、利益で７９－８０％と目安の７５％を上回った。高単価の手術用キット「オペラマスター」の累計契約件数が拡大、「サーレム戦略」のガウン、トレープの新製品も寄与、昨年７月に連結化した孫会社化分も上乗せとなり２ケタ増益につながった。通期業績は、期初予想を据え置き純利益は４１億４０００万円（前期比１４％増）と２期ぶりの過去最高更新を予想している。ＰＥＲは１８倍台と市場平均を上回るが、１３週移動平均線からは７％超のマイナスかい離となっており、下げ過ぎ訂正が続こう。

△中央物産<9852>は８０円増配をサプライズ材料に買い気配アップ
中央物産は、寄り付きから買い気配を切り上げ３５円高の４４０円買い気配と急続伸している。前日１７日に発表した今３月期期末配当の前期実績・期初予想の８円から８８円への８０円増配がサプライズとなり、高配当利回り買いを拡大している。増配は、昨年１月に東京都港区青山に保有していた本社事務所・ホテルの固定資産売却により８５億２５００万円の特別利益が発生、これに見合った特別配当を２００８年３月期に実施するとしていたが、同固定資産の譲渡と譲渡代金の受領が昨年１２月１９日に完了したことから発表通りに実施する。普通配当８円に特別配当８０円を上乗せし期末配当は８８円とする。株価は、固定資産売却を発表した昨年１月に昨年来安値水準の３５２円からマドを開けて５４２円まで２００円幅の短期急騰となった。特別配当実施で配当利回りは一気に２０％と好転するだけに、昨年１月の再現思惑で配当取りから大幅値幅取りにも直結しよう。

▼野村ＨＤ<8604>はＮＹダウ急反落にＡＤＲ安重なり連日の安値
野村ホールディングスは、５５円安の１４３０円と６営業日続落し連日の昨年来安値更新となっている。前日１７日の米国市場で、ＮＹダウが３０６ドル９５セント安の１万２１５９ドル２１セントと急反落し、今年最大の下げ幅となり、同社ＡＤＲ（預託証券）も、東京市場の終値より７２円安（円換算値）で引けたことも重なり引き続き売り先行となっている。ＮＹダウ急反落は朝方、２００７年１０ー１２月期決算を発表した証券大手のメルリリンチが、サブプライムを含むＭＢＳ（住宅ローン担保証券）、ＣＤＯ（債務担保証券）で１１５億ドルの評価損を追加計上、サブプライムローン問題の深刻さ、根深さが改めて売り直されていることが要因となった。野村ＨＤも、昨年１０月発表の２００７年９月中間期決算で、サブプライムローン関連で約約７３０億円の追加損失を見込み合計１０４２億円の損失を計上するとともにＲＭＢＳからの完全撤退を発表、株価はここにきての株式相場の調整長期化懸念も加わり２段下げとなっている。なお、下値を試す調整が続きそうだ。

▼米久<2290>は連日の安値、業績再々修正も増額・減額交錯
米久は、２８円安の８５２円と６営業日続落し連日の昨年来安値更新となっている。前日１７日に今２月期第３四半期（３Ｑ）決算とともに、今２月期業績の３回目の修正を発表したが、経常利益の減額、純利益が大幅上方修正と増減が交錯し、米国株価の急反落を加わり売り先行となっている。同社の今期業績は、昨年７月に下方修正されたあと、１０月には中間期純利益を上方修正するとともに、通期業績を再減額した。減額要因は豚肉などの原料高、増額要因は、子会社米久ベンディング株式売却益などとなっている。今回は、１０月に減額した通期業績をさらに修正したもので、売り上げは２５億円引き上げ、経常利益は１億１０００万円引き下げ、純利益は７億９０００万円アップさせ２１億円（前期比２．０倍）と増益率を拡大する。米久ベンディングの売却益が、連結決算で約１６億５０００万円発生、子会社株式評価損など約９億７０００万円の特別損失を吸収して上方修正につながった。加工品・食肉事業では原料高への対応として昨年１０月に一部製品を値上げするとともに販売数量の拡大に取り組んでいる。株価は、昨年４月にキリンビール保有株が三菱商事に譲渡され業界再編思惑が波及し１４２８円高値まで急騰、上昇幅を超える調整となった。安値からＰＥＲ１１倍台、ＰＢＲ０．７倍、配当利回り２．０％の割安水準が見直される展開も想定される。
（東洋経済新報社）

△資生堂<4911>が小幅続落、ただ大和証は「メガブランド化進展で収益性向上、海外売上拡大で高成長期待」と高評価
資生堂が小幅続落。一時、３５円安の２５３５円まで売られた。ただ、平均株価が一時４００円超下落する中では、底堅い動きと言える。大和証券では１７日付リポートで、「メガブランド化進展で収益性が向上、海外売上の拡大をけん引役に高成長が期待できる」と高評価している。リポートによれば、会社側は今後ブランド数の絞り込みを進める計画を示しており、国内化粧品事業は一段の収益性の向上が期待できるという。また、中国では化粧品事業が急拡大しており、同社の中国売上高は今期（予想）で４期連続の３割以上の増収が見込まれるという。市場拡大が見込まれているロシアでも０７年に現地法人を設立、０８年から本格的に営業を開始する。
（株式新聞ダイジェスト）

▼海運株が売られる、北米航路の採算悪化懸念も
日本郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運株が売られている。外航ばら積み船の国際運賃指標であるバルチック海運指数（ＢＤＩ）が１７日に４４３ポイント低下の６４７２ポイントまで下げてきており、昨年１１月１３日に付けた１万１０３９ポイントの最高値から４１％下落した計算。最近はおもに鉄鋼原料を運ぶ大型のケープサイズ（１５万トン超）の下落が顕著で、業界の一部では中国の旧正月（２月７日）が過ぎて鉄鉱石の価格交渉が決着した後になると需要が回復するのではないかという観測も浮上しているが、「世界景気の減速もあって先行きには一段と不透明感が強まっている」（準大手証券）という。
新和海運<9110>や乾汽船<9113>、飯野海運<9119>、第一中央汽船<9132>など中堅の海運株もそろって下落している。
また、大手３社については北米航路の採算悪化を懸念する声が強まっており、「その赤字幅が拡大すれば０９年３月期の収益環境はかなり厳しくなる可能性がある」（同）という指摘も聞かれている。

△ＵＢＳが武田薬<4502>を格上げ
ＵＢＳ証券は武田薬品工業の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に引き上げた。リポートでは米国で昨年末、新規化合物ＴＡＫ３９０ＭＲ、ＳＹＲ－３２２の２品目を会社計画よりも早く申請したことで、特許満了後成長戦略の次の柱が見えつつある」などとしていた。

△アルファ<4719>が逆行高、好決算でＮＧＮ関連見直す
アルファシステムズが逆行高。１７日発表した０８年３月期の第３四半期（４－１２月期）業績が好調だったほか、中期的な成長期待も見直し買いの増加に結びついているもよう。第３四半期は経常利益が２０億９４００万円（前年同期比１８％増）、当期純利益が１３億５１００万円（同２４％増）となった。次世代ネットワーク（ＮＧＮ）の構築進展を背景に同関連システム開発の売上が順調に伸びたのが主因で、通期予想は変えていないが、上振れを見込む市場関係者もいるようだ。さらにＮＴＴは光回線を使って音声や映像を送れる通信網であるＮＧＮのサービスを３月から開始するが、将来的には現在の固定電話網に代わる基幹通信網に育てたい意向と言われる。ＫＤＤＩなども対抗軸作りに動いており、その将来性に注目する向きも多い。
（ラジオNIKKEI）