1/17 お昼の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△船井電<6839>が９日ぶり反発――海外投資家が値ごろ感の買い
９営業日ぶりに反発。一時は前日比270円高の3940円まで上げた。前日までの大幅な下げを受けた値ごろ感から海外機関投資家の買いが優勢。相場全体の上昇や円高進行が一服していることも支援材料となっている。株価は米国景気の減速懸念から前日は昨年来安値を連日で更新し、昨年末からの値下がり率は24％に達していた。連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）は0.8倍弱にとどまり、この面では割安感を指摘する声がある。ただ、連結売上高に占める海外比率は米国を中心に90％弱と高く、「米国の景気動向が業績に直結しやすいだけに今後も米国の株価をにらんだ神経質な展開が続く」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）との声があった。

▼イートレード<8701>が大幅続落――追い証発生で個人投資家離れ懸念
大幅に続落。一時は前日比9500円安の７万6600円を付けた。2007年９月25日以来となる昨年来安値を更新した。市場では「信用取引の追加担保差し入れ（追い証）義務が発生し、反対売買をせまられた個人投資家が多い。個人の投資手控えによる収益悪化懸念が出ているのだろう」（三菱ＵＦＪ証券投資情報部の荒井誠治投資ストラテジスト）との見方が出ている。
親会社のＳＢＩ<8473>は15日に株式交換でイートレードを完全子会社化すると発表。イートレード株１株に対し、ＳＢＩ株3.55株を割り当てる。16日のＳＢＩ株の終値（２万3000円）から計算した理論価格は８万1650円。17日現時点ではＳＢＩ株が下落しているので、理論価格もさらに下がっている。前日16日のイートレード株は、終日売り気配のまま推移し、大引けに値幅制限の下限（ストップ安）で売買が成立したが、ストップ安水準では７万株以上の売り注文を残していた。

△松下<6752>とダイキン<6367>、家庭用エアコン提携強化
松下電器産業とダイキン工業は家庭用エアコン事業で提携を拡大する。省エネ型の熱交換器やモーターなどを共同開発。松下からダイキンへの圧縮機の供給も5割拡大する。家庭用エアコン首位の松下と2位のダイキンは部品調達などで提携していたが、製品価格下落や原料高で採算が悪化しているため関係を拡大して競争力を高める。2008年3月に両社で提携委員会を開き、提携分野を正式決定する。販売では競争を続けるが、省エネなど先端技術の開発を共同で手掛ける。

△村田製<6981>が11日ぶり反発――自律反発狙いの買いで
11営業日ぶりに反発。国内の機関投資家とみられる買いが先行し、一時は前日比260円高の5260円まで上げた。「自律反発狙いの買いが入っている」（大手証券）という。株価は昨年12月６日に7030円の戻り高値を付けた後、もみ合いつつ水準を切り下げてきた。最近は米ハイテク株安などを受けて下げ足を速め、日足チャート上で5240円から5080円の窓をあけた前日は4810円まで売り込まれ、昨年来安値を連日で更新。7030円からの下落率は３割強にも達していた。17日は対ドルで円相場が４営業日ぶりに反落し、円高が一服しているのも買い安心感につながっている。相場全体の地合いが好転しているのも追い風になっている。ただ、米国での信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）の焦げ付き問題の根は深そうで、外部環境の先行きに不透明感が残ることから、市場では「きょうの反発が本格的な戻りの第一歩になるかどうかの判断はまだ難しい」とする声があった。

△東ソー<4042>が急反発　「１―６月のカセイソーダ輸出価格が最高値」
５日ぶりに急反発。一時は前日比34円（8.3％）高の445円まで上昇した。相場全体の急落につられた前日の下げ幅（27円）を回復したかたちとなっている。17日付の日本経済新聞朝刊が「工業薬品に広く使うカセイソーダのオーストラリア向け輸出価格が過去最高値を更新した」と報道。2008 年１―６月積み（本船渡し）は前期比30ドル（11％）高の１トン300ドルで、採算改善を目指した国内メーカーの値上げを需要家のアルミナ製錬各社が受け入れたと伝えている。オーストラリア向けは輸出量の７割を占め、国内需要家との値上げ交渉にも影響を与えそうだと指摘しているほか、国内最大手として同社の名前が記事に出ていることも手伝って、事業環境の改善を意識した買いが集まっている。

▼ジャムコ<7408>が続落――B787の納入遅れの影響を懸念する声
続落。前日比73円安の727円まで下落、連日で昨年来安値を更新した。米ボーイング社が16日、新中型旅客機「７８７」第一号機の納入を 2009年に延期すると発表。同機に化粧室やちゅう房を納入するジャムコには影響を懸念する声が聞かれ、株価の下げにつながっている。ＳＭＢＣフレンド調査センターアナリストの木谷亨氏は「（ボーイング７８７）の納入延期で先行投資している資金の回収に遅れが出る。短期的な業績の下振れもあり得る」と指摘する。「ボーイング７８７」の納入延期は昨年10月に、「当初予定より６カ月遅れ、2008年11月下旬以降になる」と発表。今回は再延期となる。

▼ビルファンド<8951>が続落――公募増資嫌気、他のREITは反発
続落。売り気配で始まり、寄り付き後は一時、前日比６万円安の124万円まで下げる場面があった。その後は下げ渋っている。16日、公募増資で約500億円を調達すると発表したことが売り材料。東証ＲＥＩＴ指数が昨年来安値まで下げている地合いの中で公募増資を決めたことを疑問視する声が多い。
きょうは東証ＲＥＩＴ指数が上昇しており、野村レジ<3240>やジャパンＲＥ<8952>といったほかのＲＥＩＴが反発している中、下げが目立っている。日経ＱＵＩＣＫニュース社（ＮＱＮ）の取材に対し、ビルファンドの広報担当は公募増資の理由について「都内や名古屋の物件取得や借入金返済に充てる」と説明している。みずほインベスターズ証券の岸恭彦シニアアナリストは「公募増資は中期的な成長のために不可欠だが、なぜこの時期なのか、もう少し待つことはできないのか、との疑問が残る」と話している。

▼昭和シェル<5002>が続落　「前期経常益9％増」より原油価格の動向
６日続落。一時は前日比13円安の989円まで下げ、2005年２月10日の安値（980円）以来、２年11カ月ぶりの低水準まで下げた。ニューヨーク・マーカンタイル取引所（ＮＹＭＥＸ）の原油先物相場は16日、ＷＴＩ（ウエスト・テキサス・インターミディエート）の期近２月物が続落。一時は１バレル89.26ドルまで下げ、期近物として昨年12月18日以来約１カ月ぶりの安値を付けた。年明け以降の原油先物相場の下落で収益環境の悪化が意識されているほか、株式相場全体の下げにつられた面もあり、下落が鮮明になっている。17日付の日本経済新聞朝刊は「2007年12月期は連結経常利益が前の期比９％増の850億円になったようだ」と報道したものの影響は限定的だ。ＵＢＳ証券の伊藤敏憲アナリストは同報道について、「前期は原油価格が上昇基調のなか終えており、在庫評価益の膨らみによる業績好調は織り込み済み」と指摘。株価に影響を与える原油価格の先行きについては、「年間ベースでみると、世界的に省エネ対策が進むことによる原油需要の鈍化などを背景に上値は重そう」と話していた。

□楽天<4755>が上値重い――朝高も、値ごろ感の買い続かず
前日までに大きく下げていたことから朝方は値ごろ感からの買いが入り、一時は前日比1200円高の４万2300円を付けたが上値は重い。高値を付けた後は戻り待ちの売りに押され、下げに転じている。「楽天の三木谷浩史社長は16日、記者団に対し、仮想商店街事業で2013年をメドに27カ国へ進出する意向を表明した」（17日付の日本経済新聞朝刊）と伝わったが投資家の反応は鈍い。９日付の日本経済新聞朝刊が「楽天は仮想商店街事業で20カ国以上へ進出する方針」と伝えていたことから、「織り込み済み」と受け止められたという。みずほ証券の佐藤勇一アナリストは「出店当初はコスト負担増が懸念される。ネットオークション世界大手の米イーベイが日本に進出して苦戦したように、各国の商取引事情に合わせていくのは難しい」と指摘していた。

△ディスコ<6146>が急反発――07年４―12月期営業益14％増
急反発。朝方買い気配で始まり、寄り付き後は一時、前日比470円高の5020円まで上昇した。その後はやや伸び悩んでいる。17日付日本経済新聞朝刊は 07年４―12月期の連結営業利益について、「前年同期比14％増の170億円程度になったもようだ」と報じた。好業績を好感した買いを集めている。携帯電話や薄型テレビの生産拡大を受け、電子部品向け切断装置の好調な販売が寄与したという。ディスコは半導体切断装置のトップを占める。前日まで10日続落しており、この間ディスコの株価は1860円下げた。下落しはじめた07年12月27日の前日終値からは約３割安い株価水準まで下落したことも急反発につながっている。

△アッカ<3764>が急反発――イーアクセス<9427>の株主提案で経営改革期待
急反発。一時は前日比１万4000円高の14万円をつけた。前日16日に筆頭株主であるイーアクセス（東証１部、9427）がアッカに対し、木村正治社長を含む現任取締役３人の不再任と、新取締役４人の選任を３月開催予定の株主総会に付議するよう求める株主提案をしたと発表したことが買い材料。経営陣が刷新されることによる収益改善期待が高まっているようだ。2007年末以降、株価は底値圏で推移しているだけに、好材料に反応しやすかった面がある。新取締役として提案した４人はいずれもイーアクセスの現役員と従業員。イーアクセスは、アッカの業績や株価が低迷していることから経営の抜本的改革が必要であるとして株主提案に踏み切った。アッカはＡＤＳＬ（電話線を使ったデジタル高速通信）に次ぐ新規事業として育てるため、次世代高速無線通信の免許取得を目指していたが、免許取得に失敗して以降株価が急落していた。イーアクセスは反落。
（NIKKEI NET）

△ソニー・エリクソンの第4四半期決算、税引き前利益が市場予想上回る
ソニー<6758>とスウェーデンの通信機器大手エリクソンの合弁による携帯電話メーカー、ソニー・エリクソンが１６日発表した２００７年第４・四半期決算は、税引き前利益がアナリスト予想を上回った。また、第４・四半期と２００７年通年で、市場シェアが増加したと発表した。税引き前利益は５億０１００万ユーロ。第３・四半期の税引き前利益は３億８４００万ユーロで、前年同期は５億０２００万ユーロ。ロイターがまとめたアナリスト予想は、４億５９００万ユーロだった。収入は３７億７０００万ユーロ。予想は３７億６０００万ユーロ。携帯電話機の平均販売価格は１２３ユーロと、第３・四半期の１２０ユーロから上昇した。アナリスト予想は１２１ユーロだった。市場シェアは２００７年に２％ポイント上昇し、９％強となった。

△ＪＡＬ<9205>堅調、子会社商業ビルを三井不<8801>に売却
日本航空が堅調。同社が１６日の引け後、同社の子会社日本航空インターナショナルが保有するロンドンの商業ビルを三井不動産に売却すると発表し、材料視されている。帳簿価額は５５億円で、売却価額は５７００万ポンド（約１２０億円）。日本航空インターナショナルは、２００８年３月期に約５６億円の特別利益の計上を見込んでいるが、日本航空の連結業績予想には織り込み済みだという。

□ＫＤＤＩ<9433>は軟化、中部電<9502>の光通信買収検討も利食い優勢
ＫＤＤＩが軟化している。中部電力の光通信事業の買収を検討していると伝えられたことで朝方は高い場面もあったが、全体相場が急落する中で前日まで３日続伸してきただけに利益確定売りが入った。関係筋が１７日、ロイターに語ったところによると、中部電力(9502>の光通信事業の買収を検討しており、買収額は４００億円程度になると見られる。ＫＤＤＩは、関東以外の地域でＮＴＴ(9432> から回線を借りてサービスを提供している。自前の通信網を確保すれば料金設定などサービスの自由度が高まり柔軟な戦略が打ち出せるとして、自前の通信網整備を進めたい考え。他の電力系通信会社との買収交渉も視野に光回線網の拡充を急ぐ。同社は、東京電力(9501>の光通信事業を買収していた。光回線を利用すれば高速通信が可能となる。このため、映画や音楽といった大規模データの通信需要の拡大に併せ、利用者数の増加が期待されている。

△ソフトバンク<9984>堅調、日興シティが「2Ｓ」に引き上げ
ソフトバンクが堅調。日興シティグループ証券が１６日付で、同社の投資評価をこれまでの「３Ｓ」（売り／スペキュラティブ）から「２Ｓ」（中立／スペキュラティブ）に引き上げたことなどが好感されている。目標株価は、これまでの２３００円から２４５０円に引き上げられた。日興シティでは、ソフトバンクが間接的に出資・人的関係にあるアリババ・ドット・コムの投資評価と業績予想に含めたとしている。アリババ・ドット・コムの上場に伴い、同社は約５５０億円の持分法投資利益を計上し現金化しない方針であるものの、同社１株当たりの含み益は現在約２１０─２５０円と推測しているという。

△メガバンク株が反発、買い戻し先行
三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク株が反発。全体相場のリバウンドを背景に買い戻しが先行している。市場では「下げ過ぎ感が強まっている。前年１１月も欧米金融機関の決算発表一巡後に反発した経緯がある」（外資系証券）との声が出ていた。また英紙タイムズ（電子版）は１６日、関係筋の話として、三菱ＵＦＪＦＧ、、三井住友ＦＧ、みずほＦＧの３行が、サブプライムローン（信用度の低い借り手向け融資）で苦境に陥っている欧米金融機関に対して、総額で最大１００億ドル規模の出資を行う用意があると報じている。

▼王子製紙<3861>など軟調、基準割れの古紙配合率問題を懸念
日本製紙グループ本社<3893>のほか、王子製紙など製紙メーカーに軟調な動きが目立つ。日本製紙グループ本社は１６日、製造する再生紙年賀はがきの古紙パルプ配合率が、決められた配合率を下回っていることが判明したと発表した。
また、王子製紙、三菱製紙<3864>、大王製紙<3880>、北越製紙<3865>の４社も１６日に、インクジェット紙を使った年賀はがきなどで古紙配合率が基準以下だったことが判明したと発表している。市場では、経営幹部の責任問題などに発展した場合の影響が懸念されているという。

△エフェクター細胞<4567>が買い気配、07年11月中間期予想を修正
エフェクター細胞研究所が買い気配となっている。９時２５分現在、同社株は差し引き６３株の買いで６８４０円買い気配。２００７年１１月中間期連結決算の予想について、営業損失が７億８８００万円から６億２５００万円に縮小すると修正したことを好感した。

▼ＴＲＮコーポ<3351>が売り気配、業績予想の下方修正を嫌気
ＴＲＮコーポレーションが売り気配となっている。１６日に発表した２００８年２月期業績予想の下方修正を嫌気した。連結営業利益は従来予想の３２億円から１７億５０００万円、連結経常利益は３０億円から１５億円、連結純利益は１６億円から９億円に減額した。店舗人材派遣事業が計画を大幅に下回ることや、プライベート・エクイティ事業、店舗不動産事業でも投資先企業・不動産物件の売却が来期以降にずれ込むとしている。

△ディーブイエックス<3079>が堅調、1対2の株式分割を好感
ディーブイエックスが堅調な値動き。１６日に発表した１対２の株式分割を好感している。３月３１日の株主に割り当てる。効力発生日は４月１日。

△日立工<6581>しっかり、100万株上限に自己株取得
日立工機がしっかり。同社が１６日の引け後、発行済株式総数の０．９７％に相当する１００万株・１７億円を上限に自己株を取得すると発表したことが材料となっている。取得期間は２月１日から２月２６日まで。

△主力輸出株が買い先行、円高一服で買い戻し
ソニー<6758>やトヨタ自動車<7203>など主力輸出株が買い先行。為替が前日に対ドルで１０５円まで円高が進んだ後、１０７円台まで戻っていることなどを好感し、いったん買い戻しが入っている。ただ、米国景気への不安も根強く、買い一巡後に上値を買うような動きが出るかが注目されている。

△ミタチ産業<3321>がしっかり、07年11月中間期は49.5％営業増益
ミタチ産業がしっかり。１６日に発表した２００７年１１月中間期の連結決算が、営業利益５億０６００万円（前年同期比４９．５％増）と大幅増益になったことを受け買い優勢となった。

▼三協立山<3432>軟調、中間期純利益予想を下方修正
三協・立山ホールディングスが軟調。同社が１６日、２００８年５月期中間期の連結純利益予想をこれまでの３億円から８０００万円に下方修正したことが嫌気されている。同社では、新設住宅着工戸数の大幅な減少の影響で、住宅建材事業の売上高が当初見込みを大きく下回ったほか、法人税などの積み増しが発生するためと説明している。
（ロイター）

■07年ビール系飲料の出荷数量は前年比0.3％減の４億9608万ケース
2007年のビール系飲料（ビール、発泡酒、第３のビール）の課税出荷数量は、06年と比べ0.3％減の４億9608万ケース（１ケースは大瓶20本換算）だった。内訳は、第３のビールは同4.4％増の１億36万9000ケースと伸びたが、発泡酒が同2.5％減の１億2166万7000ケース、ビールが同0.9％減の２億7404万 4000ケースだった。
ビール酒造組合と発泡酒の税制を考える会、加盟５社（サッポロ<2501>ビール、アサヒビール<2502>、キリン<2503>ビール、サントリー、オリオンビール）が17日に発表した出荷数量をまとめた。

▼山崎パン<2212>株が昨年10月来安値、麦価高騰の悪影響大きい－ＧＳ格下げ
パン業界最大手の山崎製パンの株価が大幅続落。一時93円（9.7％）安の869円まで下げ、昨年10月５日以来の900円割れとなった。食材の原料となる麦価が上昇傾向にある一方、小売価格への価格転嫁は難しいとの見方が一部アナリストの間から出て、今後の業績を不安視した売りに押されている。ゴールドマン・サックス証券の田中克典アナリストは16日付の投資家向けメモで、麦価上昇懸念を踏まえ、山崎パンの投資判断を従来の「中立」から「売り」に引き下げたことを明らかにした。政府は２月、麦価の売渡価格を発表、４月から新価格を適用する予定だ。ＧＳ証では、麦価の上昇幅は10％から30％程度の範囲を予想、現行の10％という激変緩和措置が継続されるかどうかが注目点という。ただ、10％の上昇幅でも８、12月に再度値上げとなる可能性があり、田中氏は「ファンダメンタルズの改善と言えない」と指摘する。また山崎パン、日清食品、東洋水産の年間ベースでの小麦価格上昇と値上げの影響を同証がシミュレーションした結果、「小麦価格の上昇の影響が相対的に最も大きいのが山崎パンであり、それが今回、山崎パンの投資判断を引き下げた最大の理由」（田中氏）だそうだ。再値上げが容易ではない点も株価に反映されていないと、同氏は見ている。ＧＳ証券では、４月の麦価の政府売渡価格の上昇前提条件を10％から20％に変更。これに伴い、山崎パンの08年12月期の連結営業利益予想を従来の220 億円から172億円に下方修正、目標株価を1240円から740円に変更した。

▼ハピネット<7752>は売り気配、今期赤字転落へ－玩具低迷と体制見直しで特損
バンダイグループ（バンダイナムコＨＤ<7832>）で玩具卸のハピネットの株価が売り気配。少子化の影響から玩具事業が低迷しているうえ、事業体制の見直しとして、映像制作部門の再構築に伴う損失を計上したことから、同社は16 日の取引終了後、今期（2008年３月期）の連結最終損益は赤字に転落すると発表。業績の悪化を受けて売り圧力が高まった。午前９時42分現在の気配値は前日比180円安の1314円で、売り株数は６万 6000株、買いは１万1700株。同社のＩＲ担当の雨森裕氏は「テレビゲーム市場との食い合いや消費者の好みの多様化などから玩具市場は年々縮小傾向にある。昨年の年末商戦はリード商品が不在だったこともあり、例年に比べると厳しかった」と話していた。同社はバンダイナムコホールディングスのキャラクター商品を扱う。テレビヒーローのキャラクターグッズなどは、番組改編が毎年行われるため、商品として扱える期間が短い。売れ残ると在庫を処分しなくてはいけなくなり、利益率の低下につながる。売上総利益の悪化から、今期の連結営業利益は前年同期比 30％減の15億円に落ち込む見通しとなった。従来予想は23億円と増益だった。管理体制を強化するため、映像制作部門を再構築した。出資している映像作品などの将来の収益を見直し、損失が見込まれる作品などに対して引当金を計上することにした。今期連結決算に37億7900万円の特別損失を計上し、最終損益は15億円の赤字に落ち込むこととなった。従来予想は17億円の黒字だった。雨森氏は、「厳しい外部環境の中、管理体制を見直して新しい成長路線を歩んでいきたい」としていた。

▼キャンドゥ<2698>株が急落、競争激化で不採算店増加－前期赤字が拡大
100円ショップを全国で営むキャンドゥ株が大幅安。同社は16日、競争激化による不採算店舗の増加に伴い、減損処理が膨らみ、2007年11月期の連結純損失が拡大したもようと発表した。既存店売上高が計画を下回っていることから、業績の回復に時間がかかるとの懸念が高まった。午前９時28分現在、前日比5700円（7.3％）安の７万2600円で、東証１部の下落率２位。一時７万2500円まで下落し、上場来安値を更新した。同社は16日の取引時間終了後、07年11月期の連結業績予想の下方修正を発表した。売上高が改善せずに新たに減損処理すべき店舗が増加。減損損失を３億3900万円追加して９億5900万円計上することにした。この結果、連結純損失は９億9800万円と。従来予想から４億9000万円拡大することとなった。同社の武藤真朗・同社取締役管理部長は「店舗における取り扱いアイテム数を増やすように呼びかけたが、店長がどのアイテムを増やし、何を減らすべきか分からず、結果的に店舗レベルで実施できなかった。掛け声だけになってしまった」と振り返る。売上高は従来予想比0.2％減の6664億8600万円。スーパーや食品のディスカウントストアーとの競争が激しさを増していることもあって伸び悩んだ。既存店売上高は前の期比4.0％減となり、会社計画の同1.9％減を下回った。十字屋証券・投資情報室の岡本征良室長は「100円ショップは乱立しており、顧客が飽きているようだ。店舗の面積を広げても売上高が伸びにくい。物価は上昇しているものの、100円ショップという性格上値上げしにくく、利益を圧迫している」ことを指摘した。キャンドゥは17日の午後３時に07年11月期決算を発表する予定だ。

▼日本紙Ｇ<3893>は初の30万円割れ、葉書以外も古紙配合率を偽装－評判警戒
大手総合製紙メーカーである日本製紙グループ本社の株価が売り気配で始まり、午前９時12分に前日比１万4000円（4.6％）安の29万3000円で寄り付いた。2001年３月に上場以来、初の30万円割れ。国で決められた古紙パルプ配合率を下回っている製品が葉書以外にもあったと発表したことを受け、レピュテーション（評判）リスクが意識されている。子会社の日本製紙が製造した日本郵政の「年賀再生紙はがき」が規定された古紙配合率を満たしていなかった問題に関して、日本製紙は16日に製品についての社内調査結果を発表。それによると、配合率を下回っている製品がコピー紙などはがき以外にもあることが判明した。グリーン購入法の基準を満たしていない製品もあったという。大和証券ＳＭＢＣエクイティ・マーケティング部の西村由美上席課長代理は、「コンプライアンス（法令順守）上の問題でレピュテーションリスクが意識されている」と話す。また、ディフェンシブ銘柄物色の流れで直近では株価が相対的に底堅い動きを示していたことで、「反動的な売りが出やすい面もある」（同氏）と指摘した。一方で西村氏は、古紙配合偽装は製紙業界全体に長年まん延していた問題と一部で伝わっていることもあり、「日本紙Ｇの営業停止などの措置は避けられるとみられ、実際には業績への影響は限定的だろう」との見方も示した。
（ブルームバーグ）