板情報について

　
　板情報とは、現在値の上下に売り買いの気配値を配置したもので、
オンライン証券の株価画面ではどのくらいの注文が入っているのかを
確認できるようになっています。

　買い板が厚い（買い注文がたくさん入っている）場合は、
相場は「強い」と判断されがちです。
しかし、厚かった買い板が突然引っ込んだり、売り注文であっという間に
消し飛んだり、逆に売り板の厚さを見て様子見を決め込んだところ、
次の瞬間には別の買い注文で気配値が上昇してしまうこともしばしばです。

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　ディーラーがよく使った手法で、大量の注文を入れて実際以上に相場を
強く見せたり弱く見せたりする「見せ玉（ぎょく）」というやり方がありますが、
個人投資家においてもそういった注文の仕方が増加しています。

新興市場の銘柄でよく聞くケースですが、買い意欲が旺盛であるかのように
みせかけて株価を吊り上げようとするもので、
もちろんこれは不公正取引に抵触する恐れがあります。

　他にも、注文の訂正を繰り返して株価を誘導する「売り崩し」や
「買い上がり」、複数の投資家が互いに売り買いの注文を出し合いして
大口取引を約定させ、さも取引が活発なようにみせかける「馴れ合い売買」
などがあります。
　
　相場操縦を意図しなくとも、最近は注文訂正や取り消しが増加傾向にあります。
１円でも高く売りたい、１円でも安く買いたいという当たり前の心理が
働いた結果なのですが、例えばジャスダックの１日の注文のうち
訂正・取り消しは３割を占めるともいわれております。

　普通に考えれば、活況になったところで売り抜けるか、
安値で拾いたいわけですから、普段の商いが薄い銘柄などで大量に
売り買いしたい投資家はなおさら、場に自身の注文をさらすようなことはしません。自身が売り抜けるためには活況を演出し買いを誘うのが効果的であり、
買いたい銘柄でありましてもなるべく安く拾うには相場が崩れたほうが
好都合なわけで、そういった心理が意図的な相場操縦が行われる
遠因となります。

　もちろんオンライン証券や取引所などは、そういった不自然な価格形成が
行われた銘柄への監視を強めており、証券取引等監視委員会に
個人投資家が告発されたケースもあります。

　不公正取引でなくとも、強い相場でありましたら分厚い売り板を
なんなく取りに行くように、板情報から受けるイメージとは反対の方向に
相場が動くことはよくあることです。
板情報は、実は「確認できる（見える）」というのがクセもので、
読み間違えるケースが多々ありますので皆様もご注意くださいませ。