1/15 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

□中国、日本上回る44社・時価総額上位500社
波乱が続く世界の株式市場で中国、ロシアなど新興国勢の存在感が一段と高まっている。2007年の世界主要企業の株式時価総額は、上位500位までの社数で中国勢が日本勢を逆転。
トヨタ自動車<7203>はトップ10位から姿を消した。信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題が響き米金融機関も順位を下げたが、日本企業に対する市場の評価の低さが鮮明だ。昨年末の時価総額上位500社（ドルベース）を国・地域別に見ると、中国・香港企業が計44社と06年末比で倍増。日本の40社（8社減）を上回った。日本株を売って、高成長が見込める中国株に乗り換える海外投資家が相次いだ。

△トヨタ紡織<3116>、ロシア・ブラジルに新工場
自動車部品大手のトヨタ紡織はロシアなど新興国市場での生産を拡大する。3年以内をメドにロシアとブラジルに新工場を建設、インドの工場も拡張して内装部品の生産能力を引き上げる。ブラジルは初の工場となる。2011年3月期までの3年間の設備投資は過去3年より約3割多い2000億円超とする計画。
トヨタ自動車<7201>が新興市場での自動車生産を拡大するのに対応する。ロシアではトヨタが完成車を生産しているサンクトペテルブルク市に工場を開設する検討に入った。現在はトヨタの工場の一部を間借りして中型セダン「カムリ」のシートを年間2万台分生産している。生産増加に備えて近接地に独自の工場を開設する方針だ。

△高層ビル用エレベーター各社、中国で生産・販売強化
東芝<6502>や三菱電機<6503>などエレベーター大手は中国事業を強化する。東芝は上海市など現地2工場で高層ビル向けの大型・高速機を生産し、今後2年で販売台数を3割増やす考え。三菱電機も現地工場の生産能力を2倍にする。中国は北京五輪や上海万博の開催を控えて高層ビルの建設ラッシュが続いている。日米欧の需要が頭打ちになっているため、成長市場開拓に力を入れ、先行する世界最大手の米オーチス・エレベータを追い上げる。東芝グループのエレベーター会社で国内3位の東芝エレベータは、上海市と遼寧省瀋陽市に工場を持つ。現在は定員10人程度の標準機を生産しているが、年内に同15―24人の大型機の製造を始める。昇降速度が最大で分速600メートルの超高速機も、現地で製造できるようにする。

▼米クライスラー、日産<7201>との資本提携を否定
経営再建中の米クライスラーのトム・ラソーダ副会長兼社長は11日、日本経済新聞記者と電話会見し、小型車分野で協力する日産自動車との関係について「資本提携は議論していない」と述べた。米金融市場では不振企業への貸し渋りも起きているが「資金は十分確保している」と語り、ファンド傘下での再建に自信を示した。クライスラーは同日、日産の小型車「ティーダ（米国名ヴァーサ）」のＯＥＭ（相手先ブランドによる生産）供給を受けることを発表した。販売地域は南米地域に限られるが、同副会長は「成長戦略で重要な南米の開拓をより迅速に進められる」と述べ、出遅れた海外展開の巻き返しを狙う姿勢を強調した。

△ファイル、紙製とじ具で分別処理不要に・コクヨ<7984>
事務用品大手のコクヨはすべて紙製のオフィス用保管ファイルを開発した。強度を高めた紙を書類をとじる部分に使い、廃棄時に金属、プラスチックなどに区分する手間をなくした。環境への負荷を抑える効果も訴え、金融機関など企業や官庁に売り込む。新商品「チューブファイル〈オール紙〉」は、表紙やとじ具まで厚紙を使用。とじ具部分には水溶性のでんぷんのりで固めた板紙を採用し、500回の開閉にも耐えられる構造に仕上げた。まずＡ４サイズ、300枚収容のファイルを販売する。希望小売価格は1冊630円で、同じサイズの従来品より210円安い。 2009年3月までに10万冊の販売を目指す。

△廃盤の曲、リクエストで「復刻」・ＳＭＥが配信サイト
ソニー<6758>・ミュージックエンタテインメント（ＳＭＥ、東京・千代田）は廃盤となっている楽曲を音楽配信で“復刻”するサービスを始める。専用サイトを通じて一定のリクエストが集まった楽曲を有料配信する。ＣＤなどの在庫リスクがない音楽配信の利点を生かし、ＳＭＥグループが抱える旧譜を活性化する。岩崎良美さんや真木ひでとさんら1960―80年代に活躍した歌手、グループサウンズの楽曲などを復刻候補としてそろえる。価格はイントロやサビなど一部分が聴ける「着うた」が100円、1曲丸ごと聴ける「着うたフル」などが200―300円となる見通し。

△ヤフー<4689>、動画検索を強化・新たな広告手法も
ヤフーは2月上旬にインターネット動画配信サイト「ヤフー！動画」を刷新し、映画や音楽ビデオといった動画番組を推薦する仕組みや利用者が動画を検索しやすい機能などを拡充する。併せて新しい広告手法を導入して収益性を高める。動画番組の冒頭にテレビＣＭのように流している動画広告で、新手法を取り入れる。視聴者が興味を持ちそうなＣＭを、その視聴者のネット上の行動履歴をもとに選んで配信する仕組み。広告主はターゲットを絞りやすくなる。ヤフーにとっては、通常の動画ＣＭに比べ3倍強の単価向上が期待できるという。

△ブラジルの鉄鉱石会社、新日鉄<5401>系が買収交渉・現地報道
新日本製鉄傘下のブラジルの鉄鋼メーカー、ウジミナスが同国内の鉄鉱石会社Ｊ・メンデスを18億ドル（約2000億円）で買収する交渉に乗り出した。11日付の現地紙が報じた。鉄鉱石の値上がりが続くなか、自ら鉱山を所有して原料を安定調達する狙いだ。Ｊ・メンデスは同国南東部ミナスジェライス州に鉱山を持つ。鉄鉱石の生産量は年間600万トンで2900万トンへの増産を検討している。ウジミナスは大型高炉の新設を含む1兆円規模の投資を計画しており、鉄鉱石の調達拡大を迫られていた。

△東宝<9602>、今期経常益210億円に――「映画」好調、予想上回る
東宝の2008年2月期の連結経常利益は前期比18％減の210億円前後となりそうだ。従来予想は205億円。07年9―11月期に「ＨＥＲＯ」や「ＡＬＷＡＹＳ　続・3丁目の夕日」など、配給映画にヒット作が相次いだことが寄与する。シネマコンプレックス（複合映画館）は競争激化で厳しい状況が続くが、配給映画の伸びがけん引する。売上高は横ばいの約2010億円と従来予想を10億円上回る見通し。ヒット作の目安となる興行収入20億円以上の映画作品は、昨年1年間で12作品と06年の10作品を上回った。演劇は伸び悩むが、主力の映画事業の伸びで補う。

△キユーピー<2809>、前期経常益11％増――経費削減など寄与
キユーピーが11日発表した2007年11月期の連結決算は、経常利益が前の期比11％増の158億円だった。食用油など原材料価格上昇に苦しんだが、主力のマヨネーズの値上げ効果に加え、販管費など経費の大幅削減に取り組み増益を確保した。売上高は3％増の4680億円。マヨネーズ類は6月に10％の値上げを実施、販売数量はやや減ったが値上げ効果で売り上げは横ばいを維持した。ドレッシングなども好調だった。原材料高騰が33億円の減益要因となったが、販促費を含む経費削減で42億円、値上げで5億円の増益効果を生み出した。

△ジャスダック、売買システム開発中断決定へ
ジャスダック証券取引所が大阪証券取引所<8697>との経営統合に動き出す。15日に臨時取締役会を開き、独自で進めていた売買システムの開発中断を決めることが 11日、明らかになった。ジャスダック株式の7割強を持つ日本証券業協会は、大証と保有株の売却交渉を始めた。ジャスダックは大証とシステムを一本化することも視野に、大証傘下の新興株市場ヘラクレスとの統合方法を検討する。大証は統合の条件として、ジャスダックの売買システムを大証と一本化することを求めている。ジャスダックの現行システムは来年10月に更新期限が来るため、次期システムを開発中だった。今後は、大証の現行システムを使用した場合に市場運営に支障がないかなどの調査も始める。

△テレビ向け動画配信、作品2000本に拡大・ソニー<6758>や松下<6752>など５社
ソニー、松下電器産業など家電5社が出資するアクトビラ（東京・港）は、インターネットで薄型テレビに配信する動画の作品数を今春に当初計画の2倍の約2000本に拡大する。現在の作品数は約500。今春で約千作品に増やす予定だったが、大幅に上方修正した。早期に利用世帯数百万の達成を目指す。
アクトビラはソニーや松下に加え、東芝<6502>、シャープ<6753>、日立製作所<6501>の5社が出資。昨年秋、映画などを１本数百円で配信するサービスを始めた。

△ドラッグストア大手、調剤薬局併設店を拡大・マツモトキヨシ<3088>など
ドラッグストア最大手のマツモトキヨシホールディングス（ＨＤ）と首都圏が地盤のクリエイトエス・ディー<2794>は、調剤薬局を併設した店舗を拡大する。マツキヨＨＤは併設型店舗の比率を現在の1割から5割に高める。クリエイトも10年5月期末までに店に併設した調剤薬局と調剤単独店の合計を4倍の計100店にするが、半数以上を併設店にする見通し。09年の改正薬事法施行による規制緩和で、スーパーやコンビニエンスストアでも一般用医薬品（大衆薬）の販売が容易になり、ドラッグストアなどとの業態間競争が激化する。そのため、ドラッグストア大手は医師が出した処方せんを受けられる調剤薬局を併設した店舗を増やすことで競争力を高める。

△スズキ<7269>、インドで開発・アフリカや中東向け戦略車
スズキはインド子会社で、アフリカや中近東など新興国市場向けの戦略車を開発する。1000億円を投じて2010年代前半までに日本と同規模の研究開発施設を新設。現地の技術者も2.5倍の 1000人に増やす。日本では環境規制強化に対応する低公害車や世界戦略車を担当し、新興国向けを担うインド子会社と両輪で世界各国・地域の多様な需要に応じた開発、供給体制を築く。スズキは連結純利益の過半を稼ぐインドの製造販売子会社「マルチ・スズキ」に10年までに4000億円を追加投資することを決めている。このうち1000億円を研究開発部門に充て、テストコースや衝突実験装置などを備えた日本並みの研究開発施設をインド工場近郊に設ける。

■ＮＴＴ<9432>労組、賃上げ要求断念・今春、ドコモ業績伸び悩みで
ＮＴＴグループの主要労働組合で構成するＮＴＴ労働組合（森嶋正治委員長、組合員数約18万人）は今年の春季労使交渉での賃金改善要求を見送る方針を固めた。昨春は7年ぶりに賃上げ要求したが、今年は携帯電話の競争激化など経営環境が厳しさを増しているため断念。産業界では主要労組が賃上げ要求方針を決め3年連続で賃上げ交渉の流れが強まっているが、企業業績の好不調を背景に対応に差が出てきた。昨春は2000円相当の賃金改善の統一要求を掲げ、平均500円程度で妥結した。
ＮＴＴの2008年3月期の連結業績はＮＴＴドコモ<9437>の不振などで２期ぶりの減収を見込み、2年連続の賃上げ要求は困難と判断した。

□電気化学工業<4061>、欧州委を提訴へ・「カルテルない」制裁金に不服
合成ゴムで価格カルテルを結んでいたとされ欧州連合（ＥＵ）の欧州委員会から約76億円の制裁金支払いを命じられていた電気化学工業は11日、決定を不服とし提訴する方針を固めた。同社によるカルテル行為はなかったとして、制裁金の取り消しを求めるとみられる。価格カルテルの摘発を強めるＥＵに対してはＹＫＫや東芝なども提訴しており、同様の動きが日本企業の間で広がる可能性が出てきた。欧州委は昨年12月、自動車部品や接着剤などに使うクロロプレンゴムについて1993年から2002年まで、価格操作や市場のすみ分けなどがあったと認定。電気化学や東ソー、米デュポン、ダウ・ケミカルなど日米欧5社に総額2億 4300万ユーロ（約400億円）の制裁金支払いを命じた。このうち電気化学は4700万ユーロ、東ソーは480万ユーロ。

△エステー<4951>、食洗機洗剤で自社商品
エステーは自社ブランドで食器洗い機専用の洗剤市場に参入する。同社はこれまで英社の商品を輸入販売していたが、英社と契約を解消し、成長が期待できる食洗機洗剤市場を自社で開拓する。アース製薬がエステーの契約を引き継ぎ、同市場に新規参入する。エステーは2月上旬に「フレッシュアップ」というブランドで新発売する。消臭剤の技術を生かし、洗った後の食器に食品のにおいが残りにくくする。初年度売り上げは10億円を目指す。同社は昨年10月まで、英日用品大手レキットベンキーザーの食洗機用洗剤「フィニッシュ」を日本で販売していた。

△森精機<6141>、工作機械の低価格機生産を外部委託
森精機製作所は繊維機械中堅の石川製作所に、低価格の工作機械のＯＥＭ（相手先ブランドによる生産）委託を始めた。このほど奈良事業所（奈良県大和郡山市）の一部生産を移管。低価格機の生産を他社に委託する半面、自社工場の生産余力を航空機や石油掘削機関連向けなどの高級機種の増産に振り向け、収益力を高める。生産を委託したのは金属や樹脂を切削し、目的の形状に部材を仕上げる工作機械（価格は1台1000万円前後）。現在、奈良事業所で月約100台程度を生産しているが、同5台前後の組み立てを石川製作所に委託した。

△マンダム<4917>、インドネシアで増産・整髪料や化粧品
マンダムはインドネシア工場で整髪料や化粧品などの生産量を2倍に引き上げる。今後5―6年間で約40億円を投じて生産ラインを拡張し、インドネシアやインド、中東での需要に対応する。ジャカルタ郊外のプラスチック容器工場の敷地内に流通センターを新設し、近くの本社工場から機能を移した。本社工場の空いたスペースに、今後5―6年間、年500億―600億ルピア（約5億8000万―7億円）を投じ、新たな設備を順次導入して年産能力を現在の6億個余りから倍増させる。

▼サマンサＪＰ<7829>、3―11月期経常益62％減・人件費など増加
衣料やバッグを企画・販売するサマンサタバサジャパンリミテッドが11日に発表した2007年3―11月期連結業績は、経常利益が前年同期比62％減の5億9000万円だった。企業買収により拡大したグループの管理強化に伴う人件費などがふくらんだ。売上高は51％増の184億円。07年3月にアパレル会社を買収したほか、4月に衣料品ネット通販のスタイライフを子会社にしたことが寄与。主力のバッグやジュエリーを扱うファッションビジネス部門は34％増えたほか、インターネット事業は7倍となった。バッグやジュエリーは新規出店が33店で、ブランド変更以外の退店はなく11月末で172店となった。アパレルは出店が5店、退店は2店程度で59店となった。1年以上運営している店舗の売上高は前年実績を上回った。

▼シーズメン<3083>、今期単独経常益37％減に・2回目の下方修正
カジュアル衣料品小売専門店のシーズメンは11日、2008年2月期の単独経常利益が前期比37％減の4億4000万円になりそうだと発表した。従来予想は6億7000万円。出店先の商業施設で競争が激化し、新店での販売が計画を下回って推移。積極的な出店により膨らんだ販管費を吸収できない見込みだ。昨年8月大証ヘラクレスに上場してから2回目の下方修正となった。売上高は横ばいの87億8000万円。従来予想を3億3700万円下回る。新店の不振に加えて昨年の旗艦店退店により、主力ブランド「メソッド」の売上高は約15％減る見通し。和柄衣料品・雑貨を扱う新業態店「流儀圧搾」で冬物衣料品の投入が遅れたことも響く。営業利益は36％減の4億8000万円。新業態店の出店で内装に注力したため予想より出店費用がかさんだ。税引き利益は42％減の2億1000万円。

△クリエイトＲ、3―11月期経常益10億8300万円・積極出店が寄与
三菱商事<8058>系で飲食店を運営するクリエイト・レストランツが11日発表した2007年3―11月期の連結業績は経常利益が10億8300万円だった（単独業績だった前年同期は5億3000万円）。首都圏の駅ビルや郊外のショッピングモールなどへの積極出店が利益を押し上げた。売上高は291億円（同231億円）だった。レストラン32店、フードコート27店を出店した。営業利益は9億9300万円（同4億6100万円）だった。店舗運営の効率化が寄与した。

△エヌピーシー、9―11月期経常益6300万円
太陽電池製造装置メーカーのエヌ・ピー・シーが11日発表した2007年9―11月期の連結業績は経常利益が6300万円だった。08年2月中間期見通しに対する進ちょく率は26％にとどまった。世界各地で環境保全意識が高まり、11月末時点での受注残は約90億円と高水準で推移している。昨年6月の東証マザーズ上場に伴い08年8月期から四半期業績の開示を始めた。売上高は13億8400万円で、中間期に対する進ちょく率は39％。全売上高に占める海外の比率は86％だった。韓国や台湾などアジアは全体の5割弱、欧州・アフリカは2割強だった。

▼Ｃ＆Ｒ<4763>、3―11月期経常益29％減・販管費かさむ
コンテンツ制作支援のクリーク・アンド・リバー社は11日、2007年3―11月期の連結経常利益が前年同期比29％減の2億4100万円だったと発表した。人員増や営業拠点の増設によって販管費がかさんだことが響いた。売上高は2％減の105億7200万円。テレビ局向けスタッフや医師、弁護士などの人材派遣事業は前年同期並みだったが、大型案件の減少で企業向けサイトやゲームなどの制作請負事業が落ち込んだ。本社移転費用など特別損失が減少、純利益は82％増の1億8400万円だった。

▼市進、3―11月期経常益53％減・高校生徒数減が響く
学習塾大手の市進が11日発表した2007年3―11月期の連結業績は、経常利益が3億100万円と前年同期比53％減少した。高校生の集団授業が苦戦し売上高が減少。映像授業の外部販売に伴う営業費用や、個別指導塾などへの光回線整備費用の負担も響いた。売上高は前年同期比0.8％減の144億円。個別指導部門の生徒数は伸び、小中学生の集団授業も生徒1人当たり単価の引き上げ努力で売り上げを伸ばした。一方、大学受験で推薦入試などが広がった影響で高校生の集団授業の生徒数は減った。先行投資がかさみ売上高原価率は85.8％と2.4ポイント上昇。支払利息も増えた。8教室について減損損失を計上し、最終損益は2億5500万円の赤字（前年同期は2億9400万円の赤字）だった。

▼コナカ<7494>がストップ安比例配分――６万株強の売り残す
朝方から売り気配で始まり、寄り付いた後は値幅制限の下限（ストップ安）にあたる前日比100円（10.19％）安の881円まで下げた。午後に入って同水準での売り気配が続き、大引けにストップ安水準で比例配分された。比例配分で３万500株の売買が成立したが、ストップ安水準で６万8800株の売り注文を残した。外資系証券会社による投資判断引き下げを売り材料視する声があったほか、市場では12月の月次売上高が予想以上に悪かった、と指摘する声も出ていた。

▼ＡＳＳＥＴ<2337>がストップ安配分――５万1772株の売り残す
終日売り気配のまま推移し、値幅制限の下限（ストップ安）となる、前日比２万円安の11万円で比例配分された。比例配分で389株の売買が成立し、ストップ安水準で５万1772株の売り注文を残した。10 日、2008年２月期通期の連結純利益が前期比42％減の55億円になりそうだと発表。従来予想を40億円下回るとの見通しを示したことで売りが膨らんだ。米国での信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）焦げ付き問題の余波で、下期に株式市場や不動産取引の停滞などが起きており、一部の投資案件や不動産売却が来期以降にずれ込むという。期末配当予想を600円（従来予想は1800円）に引き下げるとも発表した。

▼Ｊフロント<3086>がストップ安比例配分――351万株の売り残す
朝方売り気配で始まり、10時過ぎに値幅制限の下限（ストップ安）にあたる前日比100円（10.71％）安の833円で寄り付いた。その後再び売り気配となり、大引けにストップ安水準で比例配分された。大丸と松坂屋の経営統合で発足した直後の2007年９月３日以来、約４カ月ぶりに上場来安値を更新。比例配分で37万5000株の売買が成立したが、ストップ安水準で351万6000株の売り注文を残した。10日に2008年２月期の連結営業利益について従来予想を下方修正し、390億円になりそうだと発表した。従来予想は424億円だった。これを嫌気した売りが膨らんだ。

▼日金銭<6418>が続落――上値の重さを嫌気
続落。後場に下げ幅をやや広げている。一時は前日比21円安の795円まで下げ、８日に付けた797円を下回って昨年来安値を更新した。「値動きの悪さを嫌気した個人投資家とみられる見切り売りが出ている」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）という。相場全体の地合いの悪さも影響。貨幣処理機大手で、主力の遊技場向け機器販売の苦戦から2008年３月期は減収減益の見通しだが、市場では「既に業績は織り込み済みで、目先は800円を維持できるかが焦点」とする声があった。連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）は0.8倍強まで低下している。配当利回りは年2.7％強あり、下値では押し目買いが入りやすいとみられている。

▼クレセゾン<8253>が下げる――「ＪＡＬカード入札を辞退」で
後場に入って下げに転じ、一時は前日比120円安の2800円を付けた。14時にＱＵＩＣＫ端末などを通じて、「日本航空（ＪＡＬ、9205）が一部売却を予定しているジャル（ＪＡＬ）カード（東京・品川）を巡り、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（三菱ＵＦＪ、8306）は11日、同カード株の49％を400億円台で買収する方針を固めた」との日経ニュースが伝わった。報道によれば、最大の競合相手と目されていたクレディセゾンは同日までに入札を辞退したといい、これを材料視した売りに押されている。

▼ヤマトインタ<8127>続落――連日で昨年来安値を更新
続落。前場には一時前日比36円安の650円まで売られ、昨年来安値を連日で更新した。個人投資家とみられる売りが優勢で、後場も軟調に推移している。紳士用軽衣料の中堅で、「最近、衣料品販売の不振が伝えられる機会が多くなっているのを嫌気している」（大手証券）という。株価は昨年12月27日に810円の直近高値を付けた後、スピード調整の売りに押される中で、衣料品販売を懸念した売り圧力が強まっているという。７日には青山商（8219）が昨年12月の月次売上高がスーツ事業の既存店ベースで前年同月を4.5％下回ったと発表。前日にはセブン＆アイ（東証１部、3382）が衣料品などの不振から2008年２月通期で一転して営業減益になるとの予想を発表している。

■Ｊ・ＴＥＣ<7774>が急反落　直近IPO軒並み安、バイオ物色も一服
急反落。後場に前日比１万9000円（10.7％）安の15万8000円まで下げる場面があった。その後は下げ渋る動きもみられるが、依然として安い水準にある。再生医療ベンチャー。きょうは日経平均株価や新興市場の主要３指数が大きく下げており、直近の新規株式公開（ＩＰＯ）銘柄も軒並み安。３連休を前にした手じまい売りなどが重しとなっている。前日はバイオ関連銘柄に好材料が相次ぎ取引がにぎわった流れに乗り連日で上場来高値を更新したものの、きょうはバイオ関連物色に一服感が出ておりタカラバイオ（マザーズ、4974）やジーエヌアイ（同、2160）も下げている。
直近ＩＰＯ銘柄では、トレファク<3093>やＣＤＳ<2169>などが下落している。

▼三菱ＵＦＪ<8306>などが軟調――「メリルリンチ150億ドル損失」が重し
大手銀行株が軟調。三菱ＵＦＪは一時、前日比32円安の992円まで下げた。米ニューヨーク・タイムズ電子版が「米メリルリンチが住宅ローン関連投資で150億ドルの追加損失を計上する見通し」と伝えたことが重しになっている。2007年12月28日付の日本経済新聞夕刊によれば、米証券大手のゴールドマン・サックスが予想したメリルリンチの10―12月期の評価損は115億ドルだった。

▼オリコ<8585>が一段安――ゴールドマンが目標株価下げ
続落。午後に入って一段安。前日比10円（5.68％）安の166円まで下落した。その後も安い水準で推移している。９日に発表した第１回Ｉ種・Ｊ種の優先株式の交付価格の修正を受け、ゴールドマン・サックス証券は10日付のリポートで目標株価を従来の228円から211円に引き下げた。希薄化後の株数が増えるため目標株価を変更した。投資判断は３段階評価の真ん中にあたる「中立」から変更していない。

▼京王ズＨＤ<3731>が後場に入り下げる　第三者割当増資を発表
後場に入り下げが続き、一時は400円安の２万8100円まで下落した。携帯電話販売などを手掛ける。10日、光通信（東証１部、9435）を割当先に第三者割当増資を実施し約１億9400万円（手取り概算）を調達すると発表。新規出店や店舗改装費用などにあてるとともに、第２位株主である光通信との関係強化も目的としているという。前場は増資をテコにした今後の成長期待から買い優勢の場面が目立った。しかし今回の増資は募集前発行済み株式数の２割超となる新株発行を伴うことから、一株価値の希薄化懸念を意識する投資家の売りが次第に多くなったとみられる。今回の増資で上位大株主の順位に変動はない。増資後の保有割合は、筆頭株主の佐々木英輔社長が23.35％（増資前は28.43％）、光通信が23.01％（同6.28％）となる。

▼スカイマーク<9204>が安い　「羽田―那覇1割下げ」に懸念先行
安い。後場に入り前日比９円安の235円まで下げる場面があった。11日付の日本経済新聞朝刊が「羽田―那覇線の運賃を値下げする方針を決めた」と報道。２月中旬以降の片道普通運賃を１万9800円とし、現状より１割引き下げる。１月に入り、ＪＡＬ（東証１部、9205）とＡＮＡ（同、 9202）が同路線の値下げを発表したことに対抗するなどと伝えた。客数増による業績拡大につながる可能性があるものの、「長らく原油高騰による燃料費高が利益を圧迫する構図が意識されていることも手伝い、利益率の低下による業績悪化を懸念する投資家の方が多い」（準大手証券）とみられ売り優勢となっている。

△中東マネー取り込み急ぐ――ＮＴＴ<9432>・ソニー<6758>など日本企業
日本企業が中東での投資家向け広報（ＩＲ）活動に力を入れ始めた。株価の大幅な下落に危機感を強めた企業が、原油高で膨らみ続けるオイルマネーの呼び込みを狙う。ＮＴＴやソニー、旭硝子などの担当役員らが相次いで湾岸諸国を訪問。政府系ファンドなどに株式を長期保有する新たな安定株主としての役割を期待している。ＮＴＴの経営企画担当である鵜浦博夫常務は今週、中東の投資家を訪問した。同社は詳細を明らかにしないが、幹部が現地に出向いてのＩＲ活動を強化している。ＮＴＴ法で外国人の議決権比率は3分の1未満と制限されているが、昨年9月末で外国人は約23％。上限までに余裕があることから、中東マネーを取り込み低迷する株価浮揚につなげたい考えだ。

△住友商事<8053>、中国で販売車種拡大・「南京ＭＧ」や日産<7201>など
住友商事は中国での自動車販売で取り扱いブランドを拡大する。南京汽車（江蘇省）の独自ブランド「南京ＭＧ」に加え、日系メーカーのディーラー権を新たに獲得した。欧州メーカー車を中心に販売していたが、需要のすそ野が広い中国市場で、複数ブランドを抱え攻勢をかける。住友商事は2006年、外資で初めて全国規模でのディーラー展開を認められ、鉄鋼大手の宝鋼集団（上海市）と自動車販売合弁会社を設立した。独アウディ、独フォルクスワーゲンやトヨタ自動車などのブランドで、上海市を中心に七つの新車店を運営している。

△ミサワホーム<1722>、リフォーム営業員３割増
ミサワホームは住宅リフォームの営業体制を拡充する。2010年3月期までにリフォームの営業要員を現在比3割増の1200人に引き上げるとともに、女性の比率を高める。戸建て住宅の需要が縮小するなか、リフォームを収益の柱に育成することで経営基盤を固める。ミサワホームグループ全体のリフォーム営業要員は07年9月末で約870人。ほぼ全員が正社員としてグループ会社のミサワホームイング東京などに所属している。今後は契約社員の本格起用や新築住宅の営業担当者を配置転換することでリフォーム営業の陣容を厚くする。

△大阪ガス<9532>ケミカル、レンズ用樹脂を増産
大阪ガスの化成品製造子会社、大阪ガスケミカル（大阪市、佐藤雅映社長）は携帯電話のカメラなどに使う光学レンズ用のフルオレン系樹脂を増産する。約 10億円を投資して3年後の年産能力を現在の4倍の1000トンに引き上げる。同社は同樹脂の生産で世界シェアの9割を占める。中国や米国など世界的にカメラ付き携帯電話の需要が増えていることに対応し、3年後の売り上げを200億円とする。岡山県笠岡市の工場で増産する。まず3億円を投じ化学反応用のかまを現在の1個から2個に増やし、来年度中をめどに年産能力500トンに倍増する。

■住友電工<5802>と古河電工<5801>、アンテナ事業での提携解消
住友電気工業と古河電気工業は11日、アンテナ事業での提携を解消すると発表した。2004年に折半出資で設立したブロードワイヤレス（神奈川県大和市）の事業を3月末で終了。住友電工、古河電工それぞれが事業を引き継ぎ、両社は自社の情報通信関連事業との連携を強めていく。ブロードワイヤレスは3月末に事業を終了し、4月1日付で住友電工と、古河電工子会社の古河Ｃ＆Ｂ（同）に事業譲渡する。2009年3月までに清算する。2社の業績に与える影響は軽微だという。

▼三洋電機<6764>、課徴金830万円納付へ
三洋電機は11日、過去の決算訂正を巡り証券取引等監視委員会が830万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した問題で、虚偽記載の事実と課徴金額を認める答弁書を金融庁に提出したと発表した。今後、金融庁の納付命令に従って課徴金を納める。同社は昨年12月に訂正決算を発表。訂正後は2005年 9月中間期の純資産額が1746億円と、訂正前より500億円以上減少した。

△三井住友<8316>銀行、事業承継ファンドに出資
三井住友銀行は11日、経営助言会社ＴＦＰコンサルティンググループの子会社、山田ビジネスコンサルティング（東京・新宿）が設立する事業承継専用ファンドに出資すると発表した。資本構成を見直すための株式買い取りや納税資金を提供し中小企業の事業承継を支援する。ファンドは少数株主の立場にとどまり、後継体制づくりを支援する。民間ベースで運営する事業承継ファンドが初めて。専用ファンドは今月中に設立。当初の総額は21億6000万円で、
山田ビジネスや三井住友銀のほか同行の親密先である三重銀行<8374>とびわこ銀行<8552>も出資する。対象は好業績の中堅・中小企業で、運営期間は原則8年間。他の地銀などにも出資を募り、投資額は最大で100億円まで増やす。事業承継のカギを握る株式移転では外部の資金を必要とするケースが多い。一方、オーナー経営者の間では過半数の株式を金融機関が握ることへの抵抗が強い。このためファンドは少数株主として経営に関与。事業承継のノウハウがある山田コンサルが後継者の育成や経営組織の見直しを助言する。

▼金融庁、インサイダー２件に課徴金納付命令
金融庁は11日、2件のインサイダー取引に対して課徴金納付命令を出した。ビルメンテナンス会社、ベルックスの役員と、
イタリア料理店「カプリチョーザ」を展開するＷＤＩ<3068>の経理担当社員で課徴金額は245万円と9万円。いずれも証券取引等監視委員会が昨年12月に、金融庁に処分勧告していた。

△三井住友海上<8752>、欧州に持ち株会社
三井住友海上火災保険は11日、英国に欧州事業を統括する持ち株会社を設立したと発表した。名称は「ＭＳＩＧホールディングス（ヨーロッパ）」で、資本金は143億円。三井住友海上が100％出資。持ち株会社の傘下には、日系企業向けの保険会社などがぶらさがる。人口減に伴う国内市場の縮小を受け海外展開を強化する。同社は、すでに米国とシンガポールに地域持ち株会社を設立している。

△三菱ＵＦＪ<8306>、ＪＡＬ<9205>カード株49％取得へ・400億円台で
経営再建中の日本航空が一部売却を予定しているジャル（ＪＡＬ）カード（東京・品川）をめぐり、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループは11日、同カード株の49％を400億円台で買収する方針を固めた。最大の競合相手と目されていたクレディセゾンは同日までに入札を辞退。三菱ＵＦＪへの売却が確実になった。ＪＡＬカードは日航の全額出資子会社。日航はリストラ策の一環として株式の一部売却を決め、三菱ＵＦＪやクレディセゾン、大手商社、海外のファンドなどが買収に名乗りを上げていた。日航側は買い取りたい株式数や金額を11日に提案するよう求めていたが、クレディセゾンなどは辞退する意向をすでに日航側に伝えたもようだ。
（NIKKEI NET）