1/9 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△スバル フォレスター 新型発表　走りのスバルは、ヤメた
富士重工業<7270>が12月25日に発表した新型スバル『フォレスター』は、従来型の商品性が『レガシィ』、『レガシィアウトバック』と接近していたということもあり、お互いを離そうという意識のもと、開発された。スバル商品企画本部、プロジェクトジェネラルマネージャーの市川和治さんは、「フォレスターは乗用進化型のSUVで、ロングドライブでも疲れない、気持ちのよい“走り”が持ち味でした。この部分は、継承したいと思いました。ですが、同じ“走り”でもスバルが今まで考えてきた概念をやめて、もっと軽快・快適に、しかも速く移動できるものにしたいと改めました」と言った。「そこで、後席を中心とした居住空間は改善したいと思いました。頭上空間、足元空間共に見違えるように変化したと思います」と、市川さんは言った。寸法はそれぞれ、室内高で45mm、室内幅65mm後席レッグルームでは、110mm拡大されている。

△東京オートサロン08　横浜ゴム<5101>、エアロ・プリウス・ユラスタイルやマッハ号を出展
横浜ゴムは、1月11 - 13日まで、千葉市・幕張メッセで開催される「東京オートサロン2008 with NAPAC」に出展すると発表した。今回は、環境とハイパフォーマンスの両側面からヨコハマタイヤの先進性を訴求する。環境面では、国内メーカーでいち早くタイヤの環境性能に着目し、 1998年に発売した『エコタイヤDNA』シリーズをフルラインアップで展示する。オレンジオイルを配合し、これまで以上の省燃費性能と高い走行性能の両立を目指した新商品『DNA Earth-1』をメインに、10年目を迎えるエコタイヤDNAシリーズの進化をアピールする。ハイパフォーマンス面では、グローバル・フラッグシップ・ブランド『ADVAN』から、ポルシェ、メルセデスベンツ、アウディなど世界有数のプレミアムカーに新車装着されている『ADVAN Sport』『ADVAN S.T.』をはじめ、『ADVAN Neova』『ADVAN A050』などを紹介する。さらに、レーシングカーデザイナーとして名高い由良拓也氏がデザインし、エコタイヤDNAを装着した環境対応車『エアロ・プリウス・ユラスタイル』と、 ADVANレーシングタイヤを装着し、2007年スーパーGT第4戦マレーシアのGT500クラスで優勝した『WOODONE ADVAN Clarion Z』を展示する。このほか、ハリウッド映画『スピード・レーサー』で主人公が運転するヒーローカーの『マッハ号』も初展示する。同社は同映画とプロダクトプレイスメント契約を結び、映画の中でマッハ号にヨコハマタイヤが装着されるほか、世界主要国での大々的な映画プロモーションもサポートしていく予定だ。

△東京オートサロン08　イエローハット<9882>がサウンドアートをアピール
イエローハットは、1月11 - 13日に開催される「東京オートサロン2008with NAPAC」に、イエローハットのオーディオシステム構築サービス「サウンドアート」から、グループ内で制作したカスタマイズカー3台を展示すると発表した。イエローハットモータースポーツ専門店の「YMS」から、2007年度スーパーGT500クラス参戦で活躍した『イエローハットYMS モバHO！ TOMICA Z』を展示する。今回の出展では、イエローハットグループの各店舗が「クルマの楽しさ・カッコ良さ」を追求し、顧客のカスタマイズイメージを現実にする身近なショップとして、トータルコーディネイトした提案を行なう。カスタマイズに精通したスタッフの創造性や技術力を来場者にアピールすることで、新たな需要喚起と「サウンドアート」の認知度向上を図る。
（レスポンス）

△東芝<6502>、インドでソフトウエア開発要員を４割増の５００人体制に
東芝は２０１０年までにインドのソフトウエア開発要員を４割増やす。現地のソフトウエア開発拠点「東芝エンベデッドソフトウエア・インド」（ベンガルール）に在籍する開発要員を現在の３５０人から１５０人増やし５００人体制にする。安価な人件費による開発コストの削減が狙い。携帯電話や、デジタルカメラなど各種デジタル家電向けのシステム・オン・チップ（ＳｏＣ）上で動作する組み込みソフト開発を強化する。東芝エンベデッドソフトウエア・インドでは０８年に開発要員を１００人増の４５０人に、２０１０年までに開発要員を５００人に引き上げる。組み込みソフトは、特定機能を提供するためのシステム・オン・チップ上で動作するソフトのこと。この組み込みソフトはカメラ付き携帯電話やデジタルカメラ、薄型テレビ、ＤＶＤレコーダーなどのデジタル家電をはじめ、炊飯器や洗濯機など白物家電、産業機械などあらゆるものに搭載されている。最近では、自動車の駆動制御やエンジン制御、カーナビゲーションシステムなどに向けた需要が拡大している。このため、ソフトの開発要員が足りない状況が続いている。このソフト開発要員の不足は、半導体メーカーの共通課題。半導体各社は人件費が安く、優秀な人材が多いインドにソフト開発拠点を構えている。この先も各種デジタル家電の販売増加が見込めるため、一段と開発要員を増やす方向にある。半導体メーカーでは東芝のほかに、ルネサステクノロジがインドでソフト開発に乗り出している。ルネサスは現地企業のＫＰＩＴ（プネ）に設計を外部委託しており、ＫＰＩＴがルネサスの専属設計者を２００人配置しているが、これを２・５倍の５００人に増やす計画を進めている。

△ＮＡＮＤフラッシュの第５製造棟建設を前倒し－西田東芝<6502>社長が表明
東芝の西田厚聰社長は８日、ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーの第５製造棟建設を前倒しする方針を明らかにした。「第５製造棟建設は０７年度内に決断し公表するとしていたが少し早まりそう」と述べ、およそ２カ月前倒しし月内にも概要を公表する方針を示した。０７年１２月には四日市工場（三重県四日市市）の第４製造棟で、チップ上の回路線幅４３ナノメートル（ナノは１０億分の１）プロセス技術を採用したＮＡＮＤフラッシュの量産を開始。第５製造棟は四日市工場に空地がないため同じ四日市市内に土地を購入し、いくつかの製造棟を建設する案が有力。生産応力は直径３００ミリメートルウエハー換算で１７万―１８万枚の見通し。

△日立建機<6305>、山梨に建機の新工場建設－高所作業車を集約
日立建機は山梨県に油圧ショベル応用製品（特殊仕様）と高所作業車の新工場を年内に建設する。販売サービス子会社の山梨日立建機（南アルプス市）に組み立て、塗装、製缶（溶接）の各工場棟を設ける。まず高所作業車の生産を集約して効率を高める。一部の応用製品は２０１０年をめどに山梨工場に生産を集約する。日立建機は山梨での工場建設で、汎用機、大型、ミニ、応用の各ショベル製品を国内で分散生産する体制を整える。山梨日立建機に工場機能を持たせるのに際し、敷地面積を従来比で５０％増の約１万４８００平方メートルに拡張する。投資額は６億円。製缶工場は敷地内のサービス工場を近隣に移転した上で、溶接設備の増強と工場棟の規模を拡張し３月に稼働。組立工場は６月、塗装工場は１２月の稼働を目指す。高所作業車の生産能力は月間２０―２５台、ショベル応用製品は２０トンと４０トン機換算で同６台。

△今年の工作機械受注、１兆６０００億円超に－３年連続最高更新へ
日本工作機械工業会は０８年の工作機械の年間受注見通しが１兆６０００億円台に達するとの見方を明らかにした。国内は０７年並みで大きな伸びは期待できないが、アジアや欧州向けを中心とした輸出の拡大が続くと予想。１兆６０００億円台に乗れば、３年連続で年間受注額の最高記録を更新する。年間受注額の見通しは、日工会会員各社の受注見通しを集計して決める。９日午後、都内で開く日工会の新年賀詞交歓会で中村健一会長が発表する。外需が前年比２４％増えた０７年と同様、０８年も外需主導の展開が続くと予想した。外需を地域別で見るとアジア、欧州は好調、北米は弱含みの傾向が続く。業種別では、自動車関連向けが世界各地で好調に推移する見通し。建設機械や航空機などの重厚長大向けも活発に推移する。

△日揮<1963>、アルジェリアの合弁拡充－０９年めど人員５倍に
日揮は０９年度までにアルジェリア（アルジェ市）の合弁会社サジェックの人員を現在の約１００人から５００人に引き上げる。また現地での石油精製・石油化学などの小規模プラントのＥＰＣ（設計・調達・建設）事業の受注を拡大し、外資開放政策で、石油・ガス資源開発を進める同国での事業を加速する。「現地で収益を生み出す体制の構築を急ぐ」（重久吉弘会長兼ＣＥＯ）。日揮は国内エンジニアリング専業で最大手。サジェックは日揮が７０％、現地企業が３０％を出資して設立した石油・ガス関連のエンジニアリング会社。海外のエネルギーや素材関連の旺盛な需要に対応するため、ＥＰＣ事業の現地化を推進。数十億円規模の石油精製・石化の小型プラントや、小規模のエネルギープラントのＥＰＣ業務を行っている。現地スタッフを大幅に増やすのは「将来の大型プラント受注を視野に入れ、体制を強化する」（重久会長）狙いもある。

△住友電工<5802>ハードメタル、メキシコに販社設立－車向け工具強化
住友電工ハードメタルは３月、メキシコ・アグアスカリエンテス市に１００％出資の販売子会社を設立する。自動車の生産拠点として成長する同国で切削工具の拡販を図る。標準工具や自動車製造関連の工具を投入する。２０１０年には同国での販売額を１５億円と、０７年の７億円から２倍超を目指す。販売子会社名は「住友電工ハードメタル・メキシコ」。資本金は６０００万円。従業員１４人で営業を始める。メキシコで住友電工ハードメタルの切削工具を小売りするディーラーを管理するとともに、直接販売も手がける。メキシコで販売を増やすのは標準的な切削工具のほか、自動車のエンジンや変速機などの製造に使う専用工具。同国へは米国にある二つの工場から切削工具を出荷する。工具の刃先交換チップは日本の工場から供給する。

△昨年のウイルス感染、ウェブ経由が猛威－トレンドマイクロ<4704>調査
０７年はウェブからの脅威が主流に―。トレンドマイクロは８日、不正プログラムの動向に関する０７年の総括と今後の傾向について発表した。０７年はウェブ経由でウイルス感染を引き起こす手法が多発。感染被害では報告件数は減少したものの、分散化が進み“多品種少量型”の攻撃へシフトした。０８年以降も同様の手法が猛威をふるうと予測している。０７年は正規ウェブサイトの改ざんや電子メールの利用などウェブを通じてウイルス感染させる手法のウエートが高くなった。感染被害の報告件数は前年比約３１％減の６万３７２６件。また０１年に６８・３％だったウイルス上位１０種の加害割合が０７年は４・５％まで低下し、現状では多くのウイルスへの対応が迫られるようになっている。同社では「今後もウェブは脅威の入り口であり続ける」と分析。感染リスクの低減対策では、ＵＲＬが不正かどうかを評価、遮断するツールの導入が効果的としている。

△松下電工<6991>、低温で金属溶融接合と樹脂硬化を同時実現の導電性ペースト
松下電工は８日、１５０度Ｃという比較的低い温度で金属溶融接合と樹脂硬化による接着を同時に実現する導電性ペーストを開発したと発表した。電極で挟み込んだ液状のエポキシ樹脂に微細な金属粒子を封入、分散した構造で、一度溶融すると再溶融しない。ハンダや銀ペーストなどに比べて導電性が安定しているため、パワーデバイスや車載用途など電流量の大きい電子部品向けに提案を進める。開発したペーストは、低温加熱でエポキシ樹脂中に分散している金属粒子が溶融。樹脂内で網目状の金属構造を形成し、回路基板表面の電極とも金属接合する。その後、液状のエポキシ樹脂が徐々に硬化する仕組み。エポキシ樹脂は絶縁体として使われることが多いが、金属粒子封入で導電性を確保した。１６日に東京・有明の東京ビッグサイトで開幕する展示会「プリント配線板ＥＸＰＯ」に参考出品、サンプル販売を始める。性能評価や市場調査を進め、早期の量産化を目指す。

△川重<7012>、北米２人乗りバギー市場に参入
川崎重工業は、２月に北米２人乗りバギー市場に参入する。同バギーは、１人乗りの４輪バギー（ＡＴＶ）と違うハンドルタイプで、ＡＴＶ市場が漸減傾向の中、使い勝手の良さや新規性が受けて販売を伸ばしている。
これまで２人乗りバギーは、日系メーカーではヤマハ発動機<7272>の独壇場だったが、ホンダ<7267>も０８年夏の参入を表明しており、一気に競争が過熱する。川重が投入するのは、「テリックス」の３タイプ。米国で生産し、初年度１万８０００台の販売を見込む。北米のＡＴＶ市場は経済の不安定を反映し、０７年１１月は前年同月比１２％減だったが、川重は同８％減と健闘している。だが市場全体の落ち込みは今後も続く見通しで、「２人乗りバギーの上積みで全体のマイナスをカバーしたい」（丹波晨一常務）という。

△タイヤ各社、スポーツ車用を拡充－「Ｆ１」技術など転用
タイヤ各社は、スポーツ車用タイヤの新製品を０８年初頭に発売する。「Ｆ１」の技術を一般向けに転用したものから、ファッション性を重視したタイヤまでさまざま。スポーツタイヤは市場は小さいが、高付加価値でしかも投資を惜しまない顧客が多くメーカーの“うま味”が大きい市場。市販タイヤ市場全体が横ばいの中、スポーツタイヤの投入が活発化してきた。
ハイエンドモデルを投入するのはブリヂストン<5108>とグッドイヤー（住友ゴム工業<5110>）の２社。
ブリヂストンは３月に街乗りからサーキット走行まで使用できる「ポテンザＲＥ―１１」を発売する。Ｆ１用に開発したトレッドパーターン（タイヤの外周面に刻む模様）を市販タイヤとして初めて採用。濡れた路面での走りや、長時間の安定走行を実現する。

△瀬古工業、岐阜・海津市に航空機部品加工工場を建設
瀬古工業は、岐阜県海津市に新工場を建設、８月末に稼働する。まず大型工作機械用部品の加工でスタート、航空機用部品の加工も目指す。用地費を除く投資額は約３億円。同社は売上高が現在４億５０００万円（０８年８月期見込み）で、新工場稼働により早期に売上高１５％増を目指す。新工場は３月の着工予定。敷地面積が２０８８平方メートル、平屋建ての工場と事務所合わせて建築面積が６３６平方メートル。
三菱重工業<7011>の５面加工対応の門型マシニングセンター（ＭＣ）「ＭＶＲ４０」を新規導入するほか、立型ＭＣ、横型ＭＣ各１台を本社工場から移設する。従業員も当初は本社から配転するが、その後は「地元採用を目指す」（瀬古社長）という。

△中国工業<5974>、樹脂製ＬＰＧ容器に今夏参入－ノルウェー社から輸入
中国工業は樹脂製液化石油ガス（ＬＰＧ）容器事業に参入する。すでにノルウェーのＬＰＧ樹脂容器メーカーのラガスコと日本での販売代理店契約を結んでおり、０８年夏をめどに同社の充填量１０キログラム以下の小規模樹脂容器を発売する。当面はラガスコ製品で対応するが、家庭向けの主力の２０キログラム、５０キログラムの樹脂容器を自社開発、数年後の発売を目指す。中国工業は現在、ラガスコ製容器について経済産業省への大臣特別認定申請を準備中。認定を受け次第輸入販売を始める。樹脂容器の最大のメリットは軽量化。充填（じゅうてん）量１０キログラム下クラスの容器重量は鉄製が１０キログラムを超えるのに対し、ラガスコ製の樹脂容器は約５キログラムと半分。容器にＬＰＧを詰めて運搬、販売する販売業者の物流コストを削減できる。

△三井金属<5706>、自動車鋼板向け亜鉛地金を増産
三井金属は０８年度に自動車鋼板向けに使われる亜鉛地金を増産する。子会社の八戸製錬（青森県八戸市）では、０８年中に高純度な精留亜鉛の生産比率を現行の約３３％から約４４％に引き上げる。電気亜鉛を生産する神岡鉱業（岐阜県飛騨市）と彦島製錬（山口県下関市）では、計１万７０００トンを増産する。自動車用の溶融亜鉛メッキ鋼板などに、亜鉛地金の需要が増加していることに対応する。現在、八戸製錬では亜鉛地金を年１１万トン生産し、このうち三井金属の権益分は同９万トン。内訳は精留亜鉛が同３万トン、蒸留亜鉛が同６万トン。現在、１０数億―２０億円を投じて蒸留亜鉛の純度を高める精留装置を増強しており、０８年中に精留亜鉛の生産量を現行比１万トン増の同４万トンに引き上げる。精留亜鉛の販売が好調なことから、高付加価値品の生産比率を高めて収益基盤を強化する。

△積水ハウス<1928>、御殿山プロの開発コンセプトを発表
積水ハウスは８日、０９年に着工予定の「御殿山プロジェクト（仮称）」（東京都品川区）の開発コンセプトを発表した。「緑」「街」「人」をつなぐ「邸宅のようなオフィス」がコンセプト。事務所・店舗（敷地面積約１万５９００平方メートル）と、住宅（同約３１００平方メートル）、事務所（同約６１００平方メートル）と３ブロックを開発する。総事業費は１４００億―１５００億円になる見通しで、２０１１年に完工する予定。御殿山は勢いのある商業ビジネスゾーンの一つである品川駅と大崎駅の徒歩圏内に位置し、芸術関連施設やホテル・アミューズメント施設などが次々と誕生。一方で緑豊かな街並みが残っており、高級住宅地として落ち着いた雰囲気がある。将来は売却する意向で「３割ぐらいは利益をとりたい」（和田勇社長）としている。

△日清紡<3105>、燃料電池セパレーターの製造ラインを自動化
日清紡は燃料電池セパレーターの製造ラインを自動化する。０８年度内にプレス工程を自動化し、品質の安定と省力化を進める。これにより美合工場（愛知県岡崎市）の生産能力は、現在の年間２００万枚から２倍の４００万枚体制になる。自動化するのは、金型に熱硬化樹脂を投入し、プレスしながら加熱後、取り出して検査するまでの工程。現在、樹脂投入から加熱までの自動化が完成。今後、取り出し、検査までのラインを構築する。自動化用プレス機は１ライン１０００万円で、自動化ラインは２台のロボットと専用プレス機で構成する見込み。燃料電池市場は、新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の大規模実証試験が０８年度に終了し、０９年度から自由競争が始まる。同社はセルメーカーの需要増加に対応するため、０８年度中に量産体制を整える。

△キリン<2503>、原料品質一元管理システムの運用本格化
キリンビールはビールなどの原料に関する品質情報を一元管理するシステムを構築し、このほど運用を本格化した。研究所や工場などで情報を共有することで、品質管理業務の効率化や徹底が図れる。投資額は約２億８０００万円。食の安全・安心に関する消費者ニーズの高まりに対応するとともに、商品開発などに情報を活用することで、業務の迅速化・省力化につなげる考えだ。運用したのは「ＰＬＡＮＥＴ（プラネット）」。大麦やホップ、酵母などの品質情報約２５万件以上について、品質保証センターや工場、商品開発部門など、各部門で必要な情報を迅速に取得できる。これにより品質管理にかかわる業務効率を高められる。品質保証センターで分析した情報を自動的にシステムに取り込む仕組みのため、データ入力・確認時間も短縮化。例えばあるサンプルのデータのすり合わせ作業では約２１０分かかっていた作業時間が、約６５分に短縮できた。

△センコー<9069>、海運事業を強化－０９年めどに自社船５隻建造
センコーは海運事業を強化する。環境負荷の低減や燃料コストの上昇対策が狙い。長距離輸送を中心にトラックから船舶や鉄道へのモーダルシフトを急ぎ、２０１０年３月期末までに自社船５隻の建造を進める。トラックのトレーラー部だけを航送するローロー（ＲＯＲＯ）船による定期航路の開設も検討する。これにより０７年３月期に約６０億円だった海運事業を２０１０年３月期に１００億円以上に引き上げる考え。改正省エネ法の施行で二酸化炭素（ＣＯ２）の排出量削減が義務付けられ、運送業界ではモーダルシフトが避けて通れない状況となっている。トラック運転手の確保難や燃料高騰も追い打ちをかけており、こうしたことから現在自社船８隻、定期用船１０隻体制の海運能力を増強することにした。
（日刊工業新聞）

△アトリウム<8993>　１５日の第３四半期発表を控え、底値圏の株価に投資妙味
不動産流動化、サービサー、不動産ファンド、不動産融資保証の４事業を行うアトリウムは、９３年に日本で最初に競売物件の事業化に乗り出し、成功した企業である。したがって失われた９０年代といわれる不況の時代にあっても着実に業績を伸ばしてきた実績を持つことから、不動産業界では一目置かれた存在である。連結売上高の推移を見ると、０６年２月期７３９億７６００万円（前期比３２．７％増）、０７年２月期１０５１億９５００万円（同４２．２％増）と順調であり、今期業績も昨年１０月１１日に発表された８月中間期業績は売上高７３９億８９００万円（前年同期比２１．５％増）、経常利益１７０億３４００万円（同２．２２倍）、純利益８２億１６００万円（同９１．６％増）と増収大幅増益であったことから好調といえる。しかも通期業績予想に対する中間期の進捗率は売上高６１．７％、経常利益７１．０％、純利益６８．５％であることから、上方修正の期待も高まる。しかし株価は０７年１月３０日の最高値４０００円から今年１月７日に最安値１９９７円をつけ、全く業績を反映していない。今月１５日に第３四半期業績の発表を控え、好決算が期待できることもあり、底値圏の株価には投資妙味がある。しかも２月期末配当７０円で配当利回り３．３９％と高配当も魅力。
（証券日刊新聞）

△ＵＡＥで鉄骨加工　韓国業者と合弁　三井物産<8031>、日本企業初
三井物産は今月下旬から、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）で、日本企業としては初めて鉄骨加工に乗り出す。経済成長著しいＵＡＥでは、製油所や発電施設、液化天然ガス（ＬＮＧ）などのプラント建設計画がめじろ押しで、その骨格となる鉄骨の需要が逼迫（ひっぱく）している。加工した鉄骨は日本や韓国のプラントメーカーへの供給が決まっており、メーカー側は現地調達によりコストを大幅に削減できるメリットがある。韓国大手の鉄骨加工業者、永和エンジニアリング（ソウル市）と現地で加工にあたる合弁会社をすでに設立済み。計画ではドバイから１００キロメートルの場所にある、ラッセルカイマ首長国が設けたフリーゾーン（経済特区）に、約１１億円をかけて建設中の鉄骨加工工場が完成、下旬から稼働する。工場の加工能力は年間約３万６０００トン。ＵＡＥのほかサウジアラビア、クウェートなど湾岸諸国での需要を視野に、日系企業では日揮、東洋エンジニアリング、千代田化工建設、韓国系では現代グループなどのプラントメーカーに供給する計画だ。永和エンジニアリングは、三井物産も出資する石油・天然ガスの開発プロジェクト「サハリン２」のプラントにも鉄骨を供給した韓国の大手業者。永和は鋼材を溶接して組み立てる鉄骨を、韓国と中国の工場で生産し、中東へ海上輸送していたが、鋼材よりかさばる鉄骨輸送はコストがかさむため、現地での組み立てが課題だった。鉄骨加工工場の建設用地として、ドバイ周辺で、外国企業に投資優遇措置を講じているフリーゾーンを探したが、すでに飽和状態にあり、ドバイからの交通の便が良く、外国企業を積極的に誘致している、ラッセルカイマ首長国への進出を決めた。このフリーゾーンではリゾート開発も進行中で、ホテルやゴルフ場、ショッピングセンターができる予定という。

□タイ自動車産業が激戦　韓中印など「日本の牙城」に参入
東南アジアの自動車産業の一大拠点となっているタイで、国際的な企業間競争が激化している。同国は国内販売車の９２％、輸出車の８５％を日系企業が占める「日本の牙城」だが、韓国や中国、インドなどのメーカーが相次いで生産工場の建設などを表明。日系各社も新工場建設などで、市場シェアを死守する構えだ。タイ工業連盟などによると、昨年１月から１１月までに同国で生産された自動車は約１１８万台。
国内で販売された車は約５６万台で、トヨタ自動車<7203>、いすゞ自動車<7202>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>、三菱自動車<7011>が５位までを独占している。輸出車は約６２万台で、上位３社は日系企業だ。こうした中、アジア各国の自動車メーカーがタイでの生産販売競争に名乗りを上げている。中国の奇瑞汽車は昨年１１月、タイの企業グループと合弁で組立工場を建設する計画を明らかにした。小型車やスポーツ多目的車（ＳＵＶ）などを生産し、東南アジア向けの輸出拠点にする考えだ。インド最大の自動車メーカー、タタ・モーターズは先月上旬、タイ企業と合弁で２００８年３月からピックアップトラックの生産を始めると発表した。１９９７年のアジア通貨危機を契機に、タイから撤退した韓国の現代自動車も再参入に踏み切った。昨年１１月にはバンコクにショールーム１号店をオープン。セダン車やＳＵＶの販売を開始した。これに対し、日系各社はタイ政府が推し進める低燃費車「エコカー」生産計画に参入する意向を表明している。タイで四輪車の生産実績がなかったスズキも２０１０年からエコカー生産に乗り出す予定で、競争激化に拍車がかかりそうだ。

△エヌ・ピー・シー<6255>、太陽電池製造装置の生産能力を２倍に
太陽電池製造装置や真空包装機メーカーのエヌ・ピー・シー（ＮＰＣ、東京都荒川区）は、主力の太陽電池製造装置の生産能力を増強する。世界中で環境保全機運が高まる中、クリーンエネルギーとして注目を集める太陽電池の需要が急増。これに伴い、太陽電池製造装置も今後、受注拡大が続くと判断、新工場の建設を決めた。２００９年８月期末までに段階的に増強し、現在の生産能力を２倍に引き上げる。今回の生産能力増強に投じる総投資額は約３０億円を見込む。ＮＰＣは太陽電池の核部品であるセルを自動で配線する装置をはじめ、太陽電池の良・不良を検査するテスターなど、太陽電池の一貫生産に必要な装置の開発から製造、販売を手掛ける。新工場はＮＰＣの主力生産拠点である松山工場（愛媛県松山市）の近隣の土地を取得し、建設する。敷地面積は２万３２３４平方メートルで、今年７月の稼働を目指す。松山工場は昨年１２月末に生産設備の増強を完了したばかり。太陽電池メーカーからの引き合いは数年先まで続いており、旺盛な需要に応えるため、連続で生産能力の増強を決めた。太陽電池需要の急増を追い風に、太陽電池製造装置の受注を増やし、業績拡大を目指す。
（FujiSankei Business i）