1/9 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ＡＧＦ、家庭用インスタントコーヒー値上げ・平均８％
味の素<2802>ゼネラルフーヅ（ＡＧＦ）は8日、家庭用インスタントコーヒーの出荷価格を3月1日から平均で約8％引き上げると発表した。「マキシム」や「ブレンディ」ブランドの合計33品目が対象で、値上げは1997年7月以来。コーヒー豆の国際相場が直近5年間で2倍前後に上昇しており、価格維持が困難と判断した。商品はすべてオープン価格だが、代表的な「ブレンディ」の250グラム入り袋タイプの店頭想定価格は現在の898円前後が、978円前後になる見通し。インスタントコーヒーは、最大手のネスレ日本（神戸市）が1月5日出荷分から値上げしている。

■グッドウィル<4723>、西武ドーム球場などの命名権返上
グッドウィル・グループは8日、プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の本拠地ドーム球場と二軍チームの命名権返上を正式に決めたと発表した。同日付で西武グループと確認書を締結した。契約満了を待たずに返上するため、グッドウィルは解約金を払うが、「2008年6月期の連結業績予想の修正はない」（広報ＩＲ部）としている。グッドウィル・グループは06年12月、西武グループと命名権で契約。会社の知名度向上を狙い、埼玉県所沢市のドーム球場を「グッドウィルドーム」に、二軍のチーム名を「グッドウィル」に変更した。契約期間は5年で、総額は推定で約25億円。しかし昨年末、子会社で日雇い派遣を手がけるグッドウィル（東京・港）の全事業所が、厚生労働省から事業停止処分を受けることが判明。グッドウィル・グループは不祥事を理由に西武グループに命名権の返上を申し入れていた。

△第一三共<4568>やエーザイ<4523>、主力薬をアジアに投入
国内製薬大手がアジア市場の開拓を本格化する。第一三共は2008年春から高血圧薬などの主力製品をインドに投入。エーザイは近く中国で肝炎治療薬の最終段階の臨床試験（治験）に着手する。世界の医薬品市場は米国が国別シェア5割弱で突出しているが、長期的には医療制度改革などで伸び悩みは必至。年率1割超のペースで成長、特許制度も整備され始めたアジアを日米欧に並ぶ収益の柱に育てる。第一三共は高血圧薬など主力製品投入に向け、07年にインドのムンバイに設立した販社で100 人規模の営業要員を採用する。これまでは合弁企業を通じ胃腸薬などを販売してきたが、06年までに薬の成分が対象になる物質特許制度が整備されたことから、本格展開する。台湾など他のアジア地域にも新型の高血圧薬などを順次投入。アジアなど欧米以外の海外事業の09年度の売上高を250億円と06年度比 5割増やす。

△関電<9503>社長、プルサーマルで近く安全策・福井知事に表明
関西電力の森詳介社長は8日、福井県庁で西川一誠知事と会談し、凍結している高浜原発３、４号機（福井県高浜町）でのプルサーマル計画の再開に向けて地元の理解を求めた。森社長は県が求めていた新たな原発の安全対策を近く報告する考えを示した。西川知事はプルサーマル計画について「我々はかつて了承している」と述べ、1999年の地元の事前了解は有効との立場を説明。その上で、事故・トラブルが相次いでいることを挙げて「県民の信頼は得られない」と指摘し、一層の安全対策と地域貢献を求めた。関電のプルサーマル計画は99年、県と高浜町から事前了解を得た。しかし燃料データの改ざんが発覚、2004年には美浜原発３号機で死傷事故が起きて凍結状態になっている。西川知事は計画再開にあたり(1)美浜事故での誠実な対応(2)多発している原発のトラブルの減少対策(3)高経年化（老朽化）対策 (4)耐震安全性の確保――などを要望していた。

△シニア<2463>が売買不成立　ストップ高水準で約1180株の買い越し
終日買い気配で推移し、値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比5000円高の７万2800円まで気配値を切り上げたものの、売買が成立しなかった。同水準で差し引き約1180株の買い越しだった。８日付の日本経済新聞朝刊が「日本郵政グループと組んで高齢者の人材派遣・紹介業務に乗り出す」と報じ、好感した買いが膨らんだ。

△三井住友ＦＧ<8316>やみずほＦＧ<8411>が上昇――値ごろ感の買い
三井住友ＦＧやみずほＦＧ、三菱ＵＦＪ<8306>といった大手銀行株が後場に入り上昇幅を拡大。三井住友ＦＧは前日比５万円高の84万2000円をつけ、上昇率が６％を超えた。各銘柄ともに前日まで４日続落していたことで、目先の自律反発を期待した買いが広がった。立花証券の平野憲一執行役員は「国内の機関投資家のほか、産油国の資金と見られる海外投資家の買いが入っている。値ごろ感によるものだろう」と話す。

△Ｊ・ＴＥＣ<7774>がストップ高――値動き軽く買い集める
急反発。値幅制限の上限（ストップ高）となる前日比２万円高の15万1000円まで上げた。直近上場で需給面のしこりがなく軽い値動きが見込める銘柄として、短期筋の買いが集まっている。市場では「投資家心理は改善していないものの、資金的な余力が残っている個人投資家の一部が、外部環境の影響を受けにくい新興企業向け株式市場の値動きの軽い銘柄に買いを入れている」（国内証券の情報担当者）との見方があった。

▼ローム<6963>が６日続落――昨年来安値を更新
６営業日続落。海外機関投資家や一部個人投資家とみられる売りが優勢で、後場に下げ幅を広げている。一時は前日比270円安の9060円まで下げ、昨年８月17日に付けた9190円を下回って昨年来安値を更新した。ハイテク株比率の高い米ナスダック総合株価指数が前日、７営業日続落したのを嫌気している。市場では「今後の株価も米国株の動向次第ではないか」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）とする見方があった。

△オートバクス<9832>が反発――値ごろ感からの買いで
３営業日ぶりに反発。前場には一時前日比140円高の2240円まで上げた。後場も高値圏で推移している。朝方から個人投資家などの値ごろ感の買いが入っているようだ。株価は昨年12月７日に2610円の戻り高値を付けた後、軟調に推移してきた。前日は2050円まで売られて昨年来安値を更新し、この間の下落率は 21％に達し、昨年２月の昨年来高値比では59％安と半値以下に落ち込んでいた。連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）も0.5倍程度にとどまり、東証１部全銘柄平均の1.5倍強（７日時点）を大きく下回っていた。８日付日本経済新聞朝刊は「2007年の国内新車総販売台数（軽自動車含む）は前年比6.7％減と３年連続で減少し、25年ぶりの低水準となった。カー用品など関連市場も縮小している」と報じた。この報道について市場では「本来なら売り材料視されてもおかしくないが、ガソリン高などからカー用品市場の縮小を懸念する声は以前から聞かれ、むしろ今回の報道が悪材料の出尽くし感につながったのではないか」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）との指摘もあった。

■トヨタ<7203>やホンダ<7267>が軟調――米経済の不透明感が重しに
トヨタやホンダが軟調。トヨタは一時、前日比90円安の5620円まで下落し、連日で昨年来安値を更新。後場も戻りは見られない。円相場が高値圏でとどまっていることに加え、「米経済の不透明感が自動車株の重しになっている」（国内証券の株式担当者）との声が聞かれた。さらに、国内でも2007年の新車総販売台数（軽自動車を含む）が前年比6.7％減の535万3645台と３年連続で減少、25年ぶりの低水準になるなど厳しさが指摘されている。一部では産油国の資金によるトヨタなどの主力株買いを指摘する声があるが、「金額が限られており、株価の押し上げにはつながっていない」（国内証券の情報担当者）と指摘された。
（NIKKEI NET）

△シャープ<6753>、０８年度液晶テレビ売上高1兆円目指す
シャープの片山幹雄社長は８日、都内で記者会見し、２００８年度の事業方針を発表した。看板商品である液晶テレビの０８年度売上高は０７年度見込みの８５００億円から１７％増収となる１兆円への引き上げを目指す。液晶テレビに次ぐ柱として注力している太陽電池は０８年度に０７年度比で２割以上の増収を見込む。片山社長は、０８年度の液晶テレビ販売台数について「１０００万台は売りたいと思っているが、コミットしたものではない」と説明。同社長は「シェアだけを増やすことに意味はない」としたうえで、「付加価値の高い液晶テレビを売って、単価下落をできるだけ食い止めながらブランドを維持する戦略を強化する」と述べた。同社は０７年度の液晶テレビ販売台数は９００万台を計画している。商品強化策として同社長は昨年８月に発表した厚さ２センチ、消費電力が現行製品に比べ約半分の液晶テレビを年内に発売する意向を明らかにした。米国で開催中の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー（ＣＥＳ）」で公開した６５型などを投入するとみられる。液晶テレビの主力工場である亀山第２工場（三重県亀山市）は今年７月にパネル製造に使われるガラス基板の投入量を月間６万枚から９万枚に引き上げ、８月開催の北京五輪に向けた需要増などに対応する。片山社長によると昨年の年末商戦は中国での液晶テレビ販売が好調で、１２月は中国での同社の販売金額が欧州を上回ったという。同社長は「０８年度の液晶テレビの重点地域は中国」と強調した。
シャープは昨年末、液晶パネルの供給などで東芝<6502.T>と合意、外販戦略を強化している。片山社長は０７年度で２割と見通すパネルの外販比率が０８年度は３割を超えると説明。大阪・堺に建設中の液晶新工場が２０１０年３月までに稼動することにより、２０１０年度の外販比率は５割を超えると見ている。　太陽電池の売上高は０７年度に１５００億円の見込みだが、０８年度は２割以上の増収を目指す。０７年度は原料のシリコンの調達難により売上高が前年比で横ばいで伸び悩んでいるが、昨年秋から進めているシリコンの自製化に加え、葛城工場（奈良県葛城市）においてシリコンの使用量が大幅に抑えられる薄膜太陽電池の生産能力を現在の年間１５メガワットから今年１０月には１６０メガワットに拡充し、事業強化を図る。堺では液晶パネル工場と同時期に１０００メガワットの薄膜太陽電池工場の稼動を予定している。これらの取り組みで０８年度は売上高と営業利益でそれぞれ１０％増を狙う。会見後、佐治寛副社長が記者団に語った。０７年度見込みを前提にすれば、０８年度は売上高３兆７４００億円、営業利益２０９０億円の規模となる。

△東京エネシス<1945>が50万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の1.34％
東京エネシスは８日、発行済み株式総数の１．３４％にあたる５０万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額は４億円、取得期間は１月９日から３月１８日まで。

■インドのマヒンドラ、日産<7201>などとの合弁工場建設に参加せず
インドのマヒンドラ・アンド・マヒンドラは８日、フランスのルノーと日産自動車との３社で計画していた合弁工場の建設に参加しないと発表した。既存工場などを活用することで中期的な需要を満たせると判断した。ルノーと日産は引き続き建設を進めるが、インドでの事業計画は修正を迫られる。３社は２００７年２月、インドのチェンナイ市に共同で工場を建設することを決定。０９年後半に生産を開始し、７年間で約１１００億円を投じて累計４０万台の車両を生産する予定だった。出資比率はマヒンドラが５０％、ルノーと日産が５０％を計画していた。日産の広報担当者によると、投資額や生産規模、生産開始時期を含め、新たな事業計画は改めて発表するという。

■アサヒ<2502>、08年ビール類販売目標は前年比1.8％減
アサヒビールは８日、２００８年のビール類販売目標を前年比１．８％減の１億８４００万ケースにすると発表した。市場が縮小傾向にあるなか、各社の値上げによって厳しい環境が予想されている。アサヒでは、ビール類の市場は業界全体で３―４％の減少を予想しており、自社では業界水準を上回る計画を立てている。０８年目標のうち、ビールは１億３０００万ケース（同３．５％減）、発泡酒は３２５０万ケース（同３．３％減）、第３のビールなど新ジャンルは２１５０万ケース（同１２．６％増）を見込んでいる。荻田伍社長は会見で「出荷価格引き上げを決めたが、店頭価格がどうなるかによって販売への影響は変わってくる」と述べ、現時点で値上げの消費への影響は量れないとした。同社は、新製品の投入で第３のビールを伸ばすほか、既存ブランドの育成に力を入れるとしている。原材料価格の高騰は「３年程度続く」とし、３月に予定している値上げ後も「ほっとする時間はない」と厳しい環境が続くとの見方を示した。０７年は１億８７４０万ケースで０６年比横ばいとなった。ビールは１億３４６９万ケース（同１．８％減）、発泡酒は３３６１万ケース（同１５．１％増）、第３のビールなど新ジャンルは１９１０万ケース（同９．０％減）で、中間期（６月末）時点で下方修正した計画数字も下回る結果となった。同社の主力商品であるスーパードライは、発売２０周年のキャンペーンを行ったにもかかわらず、０６年比１．４％減にとどまった。荻田社長は「業務用のマイナスが効いている」と分析。飲酒運転の取締り強化などによって、業務用市場は減少傾向にあるという。同社は、酒類事業のほか、飲料事業、食品・薬品事業、国際事業という体制で事業を進める。０７―０９年の３カ年計画のなかで、フリーキャッシュフローで２０００億円程度、借り入れで１０００億円程度を準備して、Ｍ＆Ａを考えているという。昨年、すでに７００億円程度を投入したが「国内では飲料事業、食品・薬品事業、海外では酒類事業も含めて、Ｍ＆Ａを実施したい。２５００億円程度を上限とは考えず、事業にとってプラスならば、（計画数字を）上回る規模でもやっていきたい」（荻田社長）と積極的な姿勢を示している。

▼イトーキ<7972>、国交省の耐火性能認定と異なる仕様の建材を販売
イトーキは８日、国土交通省から耐火性能認定を受けていたものとは異なる仕様の建材１２品目を販売していたと発表した。認定後に材質や構造などを変更し、本来は必要な再認定を受けないまま販売を続けていた。対象は防火・耐火パネル８品目と金庫室用壁パネル４品目。１９７７年から問題が判明した昨年１１月まで、現在分かっているだけでも約１３００のオフィスや銀行に販売していた。会見した金子清孝社長によると、材質などの変更後も耐火性能に変化はないと判断。再認定の必要はないと認識していたという。同社は今後、対象製品の再認定を国土交通省に申請する。金子社長は経営責任や社内処分について「今後の状況をみながら検討する」と述べた。問題の製品を含む建材事業の年間売上高は１５０億円で、全体の１割強を占める。対策コストはまだ算定していないという。

□サッポロＨＤ<2501>がスティール提案を外部に諮問、乱用的かを評価
米系投資ファンドのスティール・パートナーズから買収提案を受けているサッポロホールディングスは８日、スティールによる株式取得の提案が乱用的買収かどうかの評価について、外部の有識者による特別委員会に諮問したと発表した。特別委員会は弁護士など３人で構成。スティールの買収提案について、１）明らかに乱用目的によるものか否か、２）株主利益に資する適切なものと認められるか否か――の観点から検討して、サッポロの取締役会に書面勧告する。サッポロ取締役会は３月５日までに、特別委員会の勧告を尊重して、スティールの提案に対する賛否を決定する。スティールはサッポロＨＤ株式について、１株８２５円でＴＯＢ（株式公開買付け）を実施して６６．６％を取得する提案をしている。昨年１１月８日にはサッポロに対し、プレミアムビール「エビス」への注力などを盛り込んだ企業価値向上策を提出した。関係者によると、サッポロ経営陣とスティールは３月５日までに買収提案の評価をめぐって会談する予定があるという。

△シャープ<6753>、液晶パネル生産能力を前倒しで拡大
シャープは８日、液晶テレビなど向けの大型パネルを生産する亀山第２工場（三重県亀山市）の能力を、２００８年７月に月産９万枚に拡充すると発表した。工場の能力拡充計画を前倒しし、液晶パネルに対するおう盛な需要への対応を急ぐ。同社は０７年７月の生産能力６万枚に比べ、１．５倍に拡大させる。０８年末に同工場の能力拡充を計画していたが、７月に前倒しする。会見した片山幹雄社長は、亀山第１・第２工場がそれぞれフル稼働していると説明し「おう盛な需要に応えたい」と述べた。

△イズミヤ<8266>が200万株上限に自己株取得へ、発行済み株式の2.29％
イズミヤは８日、発行済み株式総数の２．２９％にあたる２００万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額は１５億円、取得期間は１月９日から２月８日まで。

□初売り好調だった百貨店、不況意識し消費全体には鈍さ
消費動向を占うイベントとして注目される百貨店業界の初売りが好調だった。中には売上高が過去最高を更新したところもある。ただ、消費者が不況を意識しているためか、選択消費と言えるような動きも出ていた。初売りを除くと商いが低調との声もあり、業界関係者や市場関係者の間で国内消費は不況色が強いとの見方が支配的となっている。
毎年恒例となっている正月２日の大手百貨店の初売りは、伊勢丹<8238>が本店で前年比３．１％増の売上増となったのをはじめ全店で過去最高を更新したほか、
三越<2779>では１月２日─３日の合計で前年比１２％増の売上増を記録。
高島屋<8233>も１８店舗ベースで売上高が同２％超の増加となった。
Ｊ．フロントリテイリング<3086>は前年並みの商いだった。
業界からは「日本橋本店や銀座店で３００万円以上の宝飾品福袋が売れた」（三越）「約３万５０００個用意したお年玉袋が開店後１時間で、ほぼ完売の状況になった」（伊勢丹）といった声も聞かれるなど各社とも盛況となった。しかし、表面の数字だけではうかがえない消費者の慎重な姿勢も目を引く。実際に初売りをみて回った、あるアナリストは「福袋などのイベントに対して節約するほど消費は落ち込んでいないが、無駄な買い物はしないという意識が浸透している。福袋も何でも買うといったことはせず、特定の商品や専門店のものに人気が集まるようだ」と指摘する。Ｊ．フロントリテイリングの広報担当者は、初売りを総括して「欲しいものだけを絞って買う動きが目立った。ブランド商品の福袋は売れるが、何が入っているかわからない一般的な福袋は完売までの時間がかかるようになっている」としたうえで「初売りの翌日には早くも失速した。株価低迷の影響もあるためか富裕層向けの高額商品も落ち込むなど、全体的に消費は冷え込んでいる」と話す。リーマン・ブラザーズ証券の小売担当のアナリストである佐々木泰行氏は「消費が好調ならば年明けのバーゲンを待たず『正価』で消費者は買うはず」と指摘する。各社の昨年１２月の月間売上高は、伊勢丹が前年並みになったものの、三越、高島屋、Ｊ．フロントリテイリングは前年実績を下回った。その理由のひとつとして、クリアランスセール（バーゲン）を前にした買い控えを挙げる声が出ている。佐々木氏によると「２─３年前から、それまで５日頃からスタートさせていたバーゲンを、初売りからスタートさせるようになった。そこから各社の利幅が薄くなっていると考えられる。その点を踏まえても消費は重いと見ざるを得ない」という。他方、冬物商戦に影響を及ぼす天候に関して、記録的な暖冬になった昨年に比べて今シーズンは恵まれている。
気象庁によると、１２月の気温は北日本では平年並みだったが、東日本や西日本では例年よりも高温で厳冬とはなっていない。しかし「１１月後半や１２月上旬に厳しい冷え込みがあったほか、年末から３が日にかけて強烈な寒波が訪れた。全体的には平年より気温が高いが、タイミング的に１２月のボーナス支給や初売り時期にかけて『寒い』というイメージを与えた可能性がある」（気象庁観測部観測課統計室）という。
実際、こうした「寒いイメージ」から、１２月の既存店売上高が好調だった企業からは「寒波の到来で冬物商品が好調」（ファーストリテイリング<9983>）「高温多雨の昨年とは異なり、寒い日が多く天候も良好だったことで冬物販売が順調」（ポイント<2685>）などのコメントが出ていた。
２００７年度９カ月（３─１１月）連結営業利益が２７億１８００万円（前年同期比３６．６％増）と好調だったケーヨー<8168>では「１０月以降、気温が著しく低く推移した影響もあり、湯たんぽ、こたつ布団、ホットカーペットカバー、防寒作業着などが好調だった」としている。
それでも、流通業界全体は、プラスに働く天候要因を生かしきれていない様子だ。クレディ・スイス証券の小売専門店アナリスト、村田大郎氏は「専門店の売上高推移をみると去年に比べて恵まれている天候を踏まえれば、もう少し消費が活発化してもおかしくない。景況感の悪化から消費の動きは悪いとみることができる」と指摘するなど、消費の鈍さを懸念する関係者が少なくない。
（ロイター）

△日産自動車<7201>：08年の東南アジアでの自動車販売、最大25％増の見込み
日産自動車は８日、東南アジアでの同社の自動車販売が今年、最大25％増加するとの見通しを発表した。新型モデルの投入が寄与するという。日産は同日、インドネシアでハッチバック車「リヴィナ」の販売を開始。同社は先月、フィリピンやマレーシアでも新型車を投入している。日産のインドネシア部門によれば、同国での販売台数を今年、少なくとも６倍の３万台に増やす計画。タイについては、国内の政情不安のなか消費者心理が落ち込んでいるため、販売台数はほぼ変わらずと見込んでいる。

▼極東貿易<8093>：15％安の277円と急落。
一時は256円まで下落し、年初来安値を更新した。東証１部の値下がり率１位。海上自衛隊の潜水艦用アンテナの納入で、防衛省への見積書の偽造と過大請求があったと発表した。

▼森精機製作所<6141>、ファナック<6954>など設備投資関連：森精機製作所は6.7％安の1912円と06年１月下旬以来の安値水準。
ファナックは５％安の9710円と06年10月下旬以来の１万円割れとなった。これといった材料は出ていないが、市場では「08年の国内自動車販売見通しは、厳しかった去年よりも低水準であり、設備投資の減少懸念につながっているようだ」（東海東京調査センターの矢野正義シニアマーケットアナリスト）との声があった。

△東京急行電鉄<9005>：4.6％高の734円と４営業日ぶりに大幅反発。
沿線人口の増加に伴い鉄道事業の伸びが続くうえ、東京・渋谷駅周辺の再開発などを通じた非鉄道事業の注力により、相対的に利益拡大余地が大きいとの見方が出た。ゴールドマン・サックス証券は８日付で、新規に「買い」の投資判断を付けた。

■ローソン<2651>：第３四半期の純利益7.4％増－通期予想は据え置き
コンビニエンスストア２位のローソンが８日発表した第３四半期（2007年３月－11月）累計の連結純利益は前年同期比 7.4％増の189億円だった。既存店販売が苦戦したが、加盟店からの収入増などで補った。営業総収入は同6.9％増の2281億円、営業利益は同6.9％増の379億円、経常利益は同6.1％増の378億円だった。　　９－11月の既存店売上高は前年同期比0.9％減。「新潟コシヒカリおにぎりシリーズ」など高価格商品の販売好調で客単価は前年実績並みを維持したが、競争激化で客数が下回った。期初から中間期までの既存店売上高も前年同期比１％減と前年割れだった。発表資料によれば、第３四半期（９－11月）の連結業績は純利益が65億円で前年同期比16％増だった。営業総収入は同6.6％増の747億円。通期（08年２月期）の連結業績は従来予想を維持し、純利益は前期比 3.4％増の217億円の見通し。　　営業総収入は同7.4％増の3040億円、営業利益は同3.1％増の459億円、経常利益は同1.9％増の455億円を見込んでいる。
（ブルームバーグ）

■任天堂<7974> 4営業日続落。
昨年の上昇基調が強かっただけに利食いの流れが強まっている。一部、任天堂買い、ソニー売りのポジション解消の動きが強まっているとの見方も。

△日立<6501>---オイルマネー流入との声も
昨年9月安値を起点としたリバウンド基調が続いている。再編機運の高まりを手掛かりにしているほか、オイルマネーが流入しているとの声も。PBRは1.09倍と割安感も。信用倍率は1倍台が慢性化しており、需給妙味は大きい。

△アルバック<6728>---続伸、野村が太陽電池製造装置業界レポート
続伸。太陽電池関連として物色されているとの観測。野村では太陽電池製造装置業界のレポートをリリース、日本政府が太陽光発電の普及に向けて方針転換、製造装置市場も今後は更なる盛り上がりが期待できるとしている。恩恵享受期待銘柄として、同社のほか、日清紡、昭和真空、芝浦メカ、エヌピーシー、エスイーエスなどを挙げている。

△ＺＡＰＰ<3770>---昨年12/6高値195000円を意識した展開
前場高値突破し、短期値幅取り資金が向かいやすく。昨年12/6高値195000円を意識した展開に。新興系中心としたネット関連に対する物色が続く中、価格面での手掛け易さもあるようだ。

△アスキーＳ<3801> 大幅高。
アク抜け感から物色されているようだ。前日に人的資源の不足から霞が関監査法人が辞任、新たに一時会計監査人としてプライム監査法人を選任したと発表している。既に半期報告書の提出遅延を受けて監理ポストへ割り当てられていることもあり、目先の悪材料出尽くしとの見方につながっているもよう。
（フィスコ）

△鉄鋼株が高い、日興シティ証は鉄鋼セクター投資評価「買い」を継続
鉄鋼株が高い。新日本製鉄<5401>や住友金属工業<5405>、神戸製鋼所<5406>、ＪＦＥホールディングス<5411>など高炉４社をはじめ、大和工業<5444>、東京製鉄<5423>、日新製鋼<5407>など物色が広がった。
日興シティグループ証券では７日付リポートで０８年の鉄鋼セクターに対する投資評価「買い」を継続した。同証券では０７年終盤に株価が失速した主因を需給要因と分析しており、０８年度の業績が増益基調を維持できるとの見方が増えるにつれ、株式の需給も徐々に改善へ向かうとし、上場来高値も視野に入ってくるとしている。

△ＡＱＩ<3838>などゲーム関連銘柄が高い、０７年のゲーム市場規模が過去最大、見直し買い流入
ＡＱインタラクティブが５日ぶりに反発し、２万円高の３３万８０００円で取引を終えたほか、
エイティング<3785>が４日ぶりに反発、日本一ソフトウェア<3851>も続伸するなど、材料不足から株価が低迷していた家庭用ゲームの関連株を見直す動きが目立った。きっかけとなったのは、ゲーム出版・調査会社エンターブレインが７日に発表した０７年の国内家庭用ゲーム売上速報。市場規模が過去最大の６８７７億円（０６年比１０％増）になったという。これを受けて業界自体の注目度が高まった結果、有力メーカーに物色の矛先が向かったようだ。ただ、材料としては迫力不足の感が否めない。「あくまで過去の結果。
任天堂<7974>陣営の強さが再確認された点はあるが、ゲーム関連が一斉に見直されるほどの材料ではない」（外資系証券ゲームアナリスト）との指摘も聞かれる。既に市場の関心は、近く明らかになる年末年始商戦の結果に移っている。
年末年始にかけて大きく売れた任天堂の「マリオパーティ」シリーズを開発したハドソン<4822>や年末に「漢検Ｗｉｉ」を発売したイマジニア<4644>が今後は特に注目される。
（株式新聞ダイジェスト）

▼耐火建材の実態調査、大臣認定77件に問題　国交省
国土交通省は、耐火建材の大臣認定を受けたメーカー1,788社を対象に、不正な試験体による認定を受けていないかなどの実態調査を行い、このほどその調査結果を発表した。１月４日現在で84％の企業から回答があった。それによると、問題が見つかったのは77件（40社）で、うち認定された仕様と異なる試験体によって性能評価試験を受けていたものが７件（４社）、認定と異なる仕様の構造で販売を行ったものが38件（17社）あった。
改修の必要性が確認されているのはスギ板１件（ウッドワン<7898>製）で、防火性能のある薬剤を十分に染み込ませないで供給されており、50棟の一戸建て住宅などに使われていた。国交省によると、認定時より性能を改善しているものも含まれており、著しく性能の劣るものはないという。同省は、問題のあった企業に、再発防止策を検討し報告するよう指示した。
（住宅新報）

△シャープ<6753>、来年度太陽電池販売は2割増の1800億円目指す＝佐治副社長
シャープの佐治副社長は8日の記者会見で、太陽電池の2008年度販売目標額を前年比2割伸ばし、1800億円以上にするとの方針を明らかにした。　

△シャープ<6753>の亀山第2工場、08年7月に月産9万枚に増強
シャープは8日、液晶パネルを製造する亀山第2工場（三重県亀山市）の生産能力を現在の月産6万枚から、08年7月に同9万枚まで引き上げる方針を明らかにした。

△伊藤忠<8001>、「トミーヒルフィガー」の経営権を譲渡
伊藤忠商事は8日、「トミーヒルフィガー」ブランドの商品を販売する連結子会社トミーヒルフィガージャパン（東京）の普通株式の一部をトミーヒルフィガーグループ（アムステルダム）に売却し、残る普通株もすべて優先株に転換すると発表した。伊藤忠はこれまで75％の株式を保有していたが、1月下旬の株式売却により経営権を譲渡する。譲渡金額は数十億円とみられる。　

△米コムキャスト、松下<6752>と携帯ビデオ端末を共同開発＝「エニープレー」
米ケーブルテレビ（CATV）最大手コムキャストは7日、当地で開催中の国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー（CES）で、携帯型ビデオプレーヤー「エニープレー」を松下電器産業と共同開発すると発表した。CATV番組を直接録画できるプレーヤーの登場は米国で初めてという。　

□東洋ゴム<5105>、社長ら15人を1―3割報酬カット＝断熱パネル偽装で調査報告
東洋ゴム工業は8日、断熱パネル不燃性偽装問題に関して、「社内調査委員会」（委員長・小野寺泰男専務）と、弁護士などでつくる「第三者委員会」の調査結果をまとめるとともに、社長を含む責任者15人の処分を先月26日付で決めたと発表した。同社は同月26日に国土交通省に報告した。　

▼配達先狙い女性暴行＝ヤマト運輸（ヤマトＨＤ<9064>）運転手を逮捕－「ほかに十数件」と供述・茨城県警
配達中に下見した民家に侵入し女性を暴行したとして、茨城県警捜査1課と鹿嶋署は8日、強姦（ごうかん）と住居侵入の疑いで、千葉県銚子市豊里台、ヤマト運輸運転手佐久間清孝容疑者（38）を逮捕した。容疑を認めている。佐久間容疑者は「（暴行は）ほかにも十数件やった」と供述。荷物の配達先で好みの女性に目を付け、休みの日に侵入していたという。調べによると、佐久間容疑者は2006年12月下旬、茨城県神栖市の民家に無施錠の窓から侵入し、寝ていた20歳代の女性にアイマスクをかぶせて目隠しをした上、「騒いだら殺す」などと脅して暴行した疑い。同市内では、05年5月から昨年11月ごろまでの間、同様の手口で20～30代の女性が狙われる事件が十数件発生しており、同課は関連を調べている。
（時事通信）

△ダイヤ入りクレジットカードまで…富裕層狙いサービス合戦
上限金利の引き下げや貸し付け総額を規制する改正貸金業法の施行をふまえて、大手カード会社が富裕層を対象にしたサービスに力を入れ始めた。これまでは会員数の拡大にしのぎを削ってきたが、個人向けローンの収益性低下が避けられない中、利用額の多い富裕層の囲い込みに活路を見いだそうという考えだ。
ブランド力の高いアメリカン・エキスプレス（アメックス）と提携したのは三菱ＵＦＪニコス<8583>。アメックスのブランドが付いたカードを平成２０年春に発行する予定で、富裕層を中心とした会員の獲得を目指す。現在発行しているゴールドカードよりもランクの高い商品とする。
クレジットカード大手のクレディセゾン<8253>は１９年１１月、アメックスのブランドが付いたカードを、国内で初めて年会費無料で発行した。高級イメージのあるアメックスとの提携を軸に、「富裕層を取り込みたい」（クレディセゾン）という。
一方、英大手銀行のＨＳＢＣは今年１月に、傘下の香港上海銀行を通じ日本でクレジットカード事業に参入する。米大手のマスターカード、三菱ＵＦＪニコスと提携し、金融資産１０００万円以上を持つ個人富裕層をターゲットにしたカードを発行する。
カード業界として初めて天然ダイヤモンド入りカードを１９年２月に発行したのは、ＳＢＩホールディングス<8473>子会社のＳＢＩカード（東京都港区）だ。カード表面にダイヤモンドをちりばめ、高級感を演出した。「マスターカード」ブランドで年会費は１５万７５００円。ショッピングの限度額も原則として無制限だ。
１８年１２月に成立した改正貸金業法では、２２年６月までに出資法に基づく上限金利（年２９・２％）が２０％に引き下げられるほか、貸し付け総額を年収の３分の１までとする「総量規制」も実施される。カードローン市場の縮小は必至で、各社がショッピング利用の拡大を狙う。特に、「団塊世代の定年退職と少子高齢化を背景にした遺産相続によって、今後は富裕層マーケットが緩やかに拡大する」（野村総合研究所）とみられており、各社が会員獲得を競っている。

△シャープ<6753>社長「薄さ２センチ６５型液晶テレビ、年内に市販」
シャープの片山幹雄社長は８日、都内で開いた年頭会見で、平成２０年度の液晶テレビ販売について「台数１０００万台以上、金額ベースで１兆円に持っていきたい」と述べた。１９年度は９００万台、８５００億円の見通し。亀山第２工場（三重県亀山市）の液晶パネル生産能力を月間６万枚から９万枚（ガラス基板投入ベース）への引き上げを、当初計画していた１２月から７月に前倒しする方針を示した。亀山第１・第２工場がそれぞれフル稼働中で、「旺盛な需要に応えたい」ため。また、米国で開催中のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー（ＣＥＳ）に出展している最薄部が約２センチの６５型液晶テレビを、年内に市販する考えだ。片山社長は「薄さや画質の良さだけでなく、消費電力を既存の液晶テレビの約半分、ブラウン管の約４分の１にできる」と環境性能の高さも強調した。同時に現在２割程度の液晶パネルの外販比率を２２年度に５０％超に引き上げる計画も明らかにした。

△地デジ録画１１９時間…ＮＥＣ<6701>、ソニー<6758>ＰＣ春モデル
ＮＥＣとソニーは８日、家庭向けパソコンの今年春モデルを今月から販売開始するとそれぞれ発表した。ＮＥＣは５機種２４モデル（価格は約１３万～３３万円）を同日発売。ディスプレー一体型デスクトップ「ＶＡＬＵＥＳＴＥＲ　Ｎ・Ｗ」の地デジチューナー搭載モデルは、番組録画を従来の約２倍、最長１１９時間可能にした。ノート型「ＬａＶｉｅ」のワンセグ対応機種は、録画した番組をカード型記録媒体「ｍｉｎｉＳＤ」を介して携帯電話で視聴できる。ソニーはＶＡＩＯの９機種４１モデル（価格は約１０万～３３万円）を１９日に発売する。ノート型「ｔｙｐｅ　Ｓ」は天板に凸凹感がある独特のデザインを採用。デスクトップ型ではディスプレーの周囲やキーボードに金色の新色を追加した。
（産経新聞）