2008/01/04『株価材料』PART Ⅸ

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■株価材料

△大東建託<1878>買収、9000億円強・米エートス連合
アパート建築請負最大手、大東建託の買収交渉を進めてきた金融機関やファンドの中で、米ファンドのエートス・キャピタルを中心とする連合が最終入札で最高額となる9000億円強を提示したことが3日分かった。成立すれば、ファンドによる日本企業の買収額で最大となる。ただ、経営陣には買収受け入れに慎重な意見が多く、合意までには曲折も予想される。今回の買収交渉は、創業者で実質的に約3割の株式を握る多田勝美会長が、保有株を売却して経営から退くことを決めたのがきっかけ。昨年秋に同業他社や外資などに売却を打診したところ、買い手候補は全株取得に強い意欲を示していた。

■原油高、日本経済に重し
原油価格の高騰は日本経済にもある程度の影響を与えそうだ。原材料コストの上昇は企業収益を圧迫し、ガソリンや灯油などの石油製品価格の上昇は家計の重荷となる。米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題や住宅着工と並び、原油高は日本経済の主要なリスク要因。これから日本経済の耐久度が問われてくる。日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「ＮＥＥＤＳ」のシミュレーションによると、2008年1―3月期以降に原油価格が1バレル100 ドルで推移した場合、標準シナリオである1バレル80ドルで推移した場合と比べ、08年度の企業収益は2.0％押し下げられる。

■１―３月産業天気図、5業種悪化
日本経済新聞社が3日まとめた主要30業種の産業天気図の2008年1―3月期予測では、建設・セメントが「曇り」から「小雨」となった。電力や広告など「薄日」から「曇り」になった業種をあわせ五業種が悪化した。しかし、「晴れ」と「薄日」が全体の半分となる15業種を占め、産業景気全体では依然高い水準を維持している。建設・セメントの悪化要因は改正建築基準法による建築着工の遅れ。耐震偽装の再発防止を目的とした審査厳格化で民間工事が減少している。「薄日」から「曇り」に悪化したのは電力と広告、リース、外食の四業種。電力は原油価格高騰で火力発電コストが上昇している。広告は企業からの広告出稿減少が懸念材料。

△ＳＵＭＣＯ<3436>、次世代ウエハー新開発拠点・技術者1000人
半導体材料のシリコンウエハーで世界2位のＳＵＭＣＯは全国の技術者1000人を集めた次世代ウエハー研究開発拠点を新設する。半導体と太陽電池向けの能力増強で二つの工場を新設中の伊万里工場（佐賀県伊万里市）敷地内に、約150億円を投じ新棟を建設。研究開発から量産まで手がける同社最大の機能集積地にする。次世代の大口径ウエハーや半導体微細化に対応する新製品の開発を加速し、中長期的なシェア拡大につなげる。ＳＵＭＣＯはこれまで伊万里工場や米沢事業所（山形県米沢市）など国内7カ所の製造拠点などで分散して研究開発を進めていた。これをシリコンの結晶からウエハー加工まで一貫する伊万里工場に集約して効率化する。約1000人の技術者を集め「（ウエハー業界で）世界最強の技術者集団を目指す」（重松健二郎社長）という。

■産業界、省エネ加速・原油高
未曽有の原油高を受けて、産業界では原油以外のエネルギーの利用拡大や省エネなどコスト抑制に向けた動きが一段と加速しそうだ。また自動車や家電メーカーのように、原油高が続けば、得意とする省エネ製品の販売拡大につながるとみる向きもある。石油化学や製紙業界では燃料転換への取り組みが本格化している。
三井化学<4183>などは石化コンビナートの中核設備を更新し、ナフサ以外の原料の使用比率を高める。
王子製紙<3861>は廃プラスチックを固めた固形燃料（ＲＰＦ）など重油代替燃料を使うボイラーを増設し、2010年度までに重油使用量をほぼ半減させる。

△「2007年テレビ新作、セルDVDランキング上位に姿なし～“冷や水”を浴びたアニメ業界　AT-X取締役、中村直樹氏に聞く」【NBonline】
12月も後半に入り、2007年のアニメ作品のヒットの模様が見えてきた。
まずは映画興行だ。こちらは毎年恒例の「ポケモン」「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」という東宝<9602>の看板シリーズのヒットに加えて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序」が小規模の配給にもかかわらず予想外の健闘を見せ、9月最初の週末ランキングで1位を獲得。「ヱヴァ」が持つブランドのパワーを証明した。

△日米韓８社が技術仕様を策定・家電ネット
日米韓の家電・ＩＴ（情報技術）8社は3日、テレビやＤＶＤプレーヤー、ゲーム機などを無線でつなぎ、大容量データを屋内で送受信するための技術仕様を策定した。異なるメーカーの機器を配線なしで結び、一つのシステムとして操作できる。同仕様に基づく機器は2008年中に商品化の見通しだ。
米半導体ベンチャーのサイビームを中心にインテルや松下電器産業<6752>、ソニー<6758>、東芝<6502>、韓国サムスン電子などで構成する団体「ワイヤレスＨＤ」が仕様をまとめた。屋内10メートルの範囲で最大毎秒4ギガビットと、ブルートゥースなど従来技術を上回る高速で機器間の通信が可能だ。免許のいらない60ギガヘルツ帯の周波数を使う。例えばＤＶＤソフトやビデオカメラでとった高画質画像などを無線で薄型テレビに飛ばして視聴できる。機器同士が自動認識するため、手間をかけずに家庭内に高速の無線家電ネットワークを築ける。全機器を一つのリモコンで操作できる。
（NIKKEI NET）

△取引先の被災状況を専用サイトで収集――セコム<9735>、地震時などサービス

△三菱重工<7011>、「ＭＲＪ」開発で機体・機能別に担当企業

△ゼファー<8882>、小型風力発電機を海外へ――販売拠点３倍に

△積水化学<4204>、下水管補強材料を増産へ――設備増強、年産5000トンへ

△ＴＯＴＯ<5332>、全支社にマンションリフォームの担当者を配置

△ヤクルト<2267>、ヨーグルト飲料をメキシコで増産

△ソニー<6758>ＣＳＬ、初心者もＤＪに・ソフト開発
ソニーコンピュータサイエンス研究所（ＣＳＬ、東京・品川）は、初心者でも簡単にＤＪのように音楽の編曲などができるソフトウエアを開発した。好きな楽曲を組み合わせたり構成を入れ替えたりして自在に楽しめる。6月にもホームページ上で無料配布する。ＣＤから取り込んだりネット配信などで購入したりした複数の音楽ファイルを自在に編集して楽しめる。専門知識や技術を持たない初心者でもプロのＤＪのように簡単に２つの楽曲を重ねたり、違和感なく曲同士をつなぎ合わせたりできる。

△メイテック<9744>、求人情報サイトに技術者専門ＳＮＳ
技術者派遣最大手のメイテックは、技術者専門のＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）がある求人情報サイト「オールエンジニアドットｊｐ」を開設した。仕事についての楽しみや技術面での苦悩など、技術者同士だからこそ分かり合える話題を提供する場とすることで、アクセス数や確保する人材の増加につなげることを狙う。技術者専門のＳＮＳ運営会社としては最大規模で、約1500人の会員を抱えるエンカフェ（東京・世田谷）との資本・業務提携に基づく戦略の第一弾。オールエンジニアドットｊｐの一コーナーにエンカフェのＳＮＳを設けて、両サイトを手軽に行き来できるようにした。

△オリコン<4800>、今春から書籍販売ランキング配信
大証ヘラクレス上場でランキング情報のオリコンは今春、実売データに基づいた書籍販売ランキングの配信を始める。全国の販売シェアの3割を占める約1400店舗の販売データを集計し毎週公表する。インターネット上で公開しオリコンの情報サイトの閲覧者獲得につなげる。ランキングはジャスダック上場の文教堂、くまざわ書店グループ（本部・東京都八王子市）、明屋書店（松山市）など大手12チェーンの実売データをＰＯＳ（販売時点情報管理）を通じて集計する。将来的にはＥＣ（電子商取引）サイトのデータも取り込む考え。販売部数の総合順位のほかに、単行本、写真集、コミック、作家別のランキングも公表する。

△アルプス社、携帯からメール送るだけで周辺情報を入手
ヤフー<4689>子会社で地図製作のアルプス社（名古屋市）は、携帯電話からメールを送るだけで周辺情報を入手できるサービスを始めた。現在地の地図に加えて、最寄り駅やコンビニエンスストアなどの情報を掲載したメールが返信される。サイトアドレスの入力や地図検索の手順を踏まずに素早く情報を取得できる。新サービスは「アルプスラボ　ヒア」。全地球測位システム（ＧＰＳ）対応の携帯電話で利用可能だ。まず携帯で位置情報を取得し、メールアドレス「ｈ＠ａｌｐｓｌａｂ．ｊｐ」に送信する。10秒前後で返信メールが届き、メールの本文上には地図などの情報が表示される。

△携帯電話、動画利用率は25％・インプレス<9479>Ｒ＆Ｄ調査
インプレスＲ＆Ｄ（東京・千代田）は、携帯電話ユーザーの25％が動画コンテンツを視聴しているとの調査報告をまとめた。「Ｙａｈｏｏ<4689>！動画」などの無料サービスが人気で、有料サービスの利用者は全体の3％にとどまった。
視聴している動画コンテンツは「Ｙａｈｏｏ！動画」が40％で最も多く、「モバイルＧｙａＯ（ＵＳＥＮ<4842>）」（15％）、「ニコニコ（ドワンゴ<3715>）動画モバイル」（13％）が続いた。

△ドワンゴ<3715>とライブドア、「着うた」を携帯ブログから購入
ドワンゴとライブドアは1月下旬、ライブドアの携帯電話向けブログ（日記風の簡易型ホームページ）サービスから、ドワンゴが提供する「着うた」や「着うたフル」などの楽曲が簡単に購入できるサービスを始める。アーティストや楽曲について書かれたブログを閲覧した読者を、ワンクリックでドワンゴのサイトに誘導し、楽曲の販売増と双方のサービス利用拡大を狙う。ライブドアが提供する携帯版「ライブドアブログ」の記事を自動的に解析。記事中にアーティスト名や楽曲名があれば、そのアーティストの「着うた」や「着うたフル」が購入できるドワンゴの携帯サイトへのリンクを掲載する。携帯ブログの記事から「着うた」や「着うたフル」がワンクリックで購入できる仕組みは国内初という。

△ハウス食品<2810>、韓国でカレーレストラン出店
ハウス食品は今年3月に、韓国でカレーレストランの出店に乗り出す。運営を担う新子会社、韓国カレーハウス（韓国・安養市）を同社60％、壱番屋 20％、韓国の食品メーカー20％の出資で設立した。同子会社直営で2店を開業した後、フランチャイズチェーン（ＦＣ）主体に切り替え、早期に店舗網を広げる計画だ。同社が外食事業で進出するのは米国、台湾、中国に続き4カ国・地域目となる。韓国は足元の景気は低迷が目立つが、同社系列の米国カレーレストランでは韓国人客の構成比が非常に高く「カレーに対する潜在需要は高いと判断した」（海外事業部）。

△三菱商事<8058>、社内の情報共有システムを刷新
三菱商事は4日、社内の情報共有システムを刷新する。業務規定や海外情報、組織図など社内の膨大なデータをインターネット経由で社員がいつでもどこでも見られるようにする。従来はインターネットと切り離された社内ネットワーク経由でしか見られないデータが多かった。連結経営で子会社や海外での事業が拡大、社員の行動範囲が一段と広がってきたのに対応する。従来はイントラネット（インターネットの標準技術に基づく企業内ネットワーク）と、日本ＩＢＭのグループウエア「ロータスノーツＲ５」の２つのシステムを併用してきた。このうちノーツには約5000件のデータベースが蓄積されているが、インターネットと分離したシステムのため、専用ソフトを搭載したパソコンでしか見られないなどの不便が生じていた。

△オリエンタル酵母<2891>、オランダに子会社設立
オリエンタル酵母工業は3日、オランダに100％子会社を設立した。体外診断薬などバイオ製品の営業拠点と位置づけ、中・東欧や北アフリカ、インドなどに販路を開拓する。子会社の売上高は3年後の2011年に5億円を目指す。これまでは米子会社の駐在員事務所として、主に欧州連合（ＥＵ）地域の営業を担当していた。今回、親会社の直轄会社になることで意思疎通や日本からの製品供給をスムーズにする。バイオ製品に続き、パン関連の新素材を日本向けに開発・輸出する業務も担う予定だ。

△山喜<3598>、シンガポールに販売子会社設立
中堅シャツメーカーの山喜はシンガポールに販売子会社を設立し、2月から営業を始める。タイにある自社工場で生産したドレスシャツを主力商品として取り扱い、現地での卸売事業だけでなく、東南アジア全域や欧州への販売も強化する。2009年3月期に約5億3800万円の売上高を見込む。シンガポールで山喜の商品を扱っていた卸売業者が撤退するのに伴い、販売子会社を設立。資本金1600万円は山喜が全額出資する。同子会社を通じて現地の百貨店や専門店にドレスシャツを卸売りする。将来的にはシンガポールで直営店も出す予定。

△アルク<2496>、ビジネス向け英語の通信講座
ジャスダック上場で語学教材出版のアルクは4日から、主力の英語通信講座「ヒアリングマラソン」シリーズの新コースを始める。一定の英語力がある人を対象に、ビジネスの交渉など会社員に必要とされる実用的な英語力につながるよう教材を作成した。コースは「ヒアリングマラソン・ビジネス」で、ＣＤ８枚とテキストで構成する。教材はプレゼンテーションや会議、打ち合わせなど仕事の場面を多用し、要点を確実に理解することに重点を置いた。聞き取りながらメモをとるなど、仕事で英語を使うための実践的な内容も盛り込んだ。
（日経産業新聞）

△松下電器<6752>　2.47センチ最薄プラズマＴＶ－50型、液晶しのぐ

△政府・三菱重工<7011>が連携　ＣＯ２回収、地中に埋め石油増産
政府は、発電所の排出ガスなどから二酸化炭素（ＣＯ２）を分離、回収して地中に埋める「ＣＣＳ」技術を使った油田採掘事業を、産油国に売り込む。同技術を持つ三菱重工業と連動した措置。第１弾として甘利明経済産業相が、４日から訪問するアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）にプロジェクトの受注を働きかける。三菱重工の受注が成功すれば世界初のＣＣＳ事業化となる。ＣＣＳは地球温暖化対策の“切り札”と期待され、欧米企業も本格実施に向けて技術開発を進めている。このため、官民連動の活動で、世界的な受注合戦を有利に展開する方針だ。政府は２０５０年にＣＯ２などの温室効果ガス排出量を現状の半分に削減する目標達成に向け、発電所の排出ＣＯ２の約９割を地中に貯留させられるＣＣＳを中核技術に据えている。一方、三菱重工は排出ガスからＣＯ２を分離、回収する技術を保有。すでに石油化学プラントの排出ガスからＣＯ２を回収し、尿素肥料の原料とする事業を立ち上げており、マレーシアやインド、バーレーンで技術供与などの契約を結んだ実績がある。回収したＣＯ２を地中に埋める技術については、ＣＯ２を油田に送り込んで石油の増産に結びつける技術を持つ国際石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルと提携して、事業化の準備を進めてきた。
ただ、環境対策としてのＣＣＳは、収益事業となる尿素肥料プラントでのＣＯ２回収と異なり、その導入に「経済的な動機付けがなかった」（経産省）。ＣＯ２・１トンの分離、回収には５０００～１万円の運営費かかり、１日１万トンのガスを排出す発電所での事業化にはコストがかかりすぎるからだ。しかし、昨年来の原油価格高騰で、「石油会社がＣＣＳ導入を検討し始めた」（友国天雄・三菱重工部長代理）。さらに、三菱重工は油田にＣＯ２・１トンを貯留することで３～５バレルの増産効果があると試算、ＣＣＳが採算に見合うと判断してＵＡＥやサウジアラビアなどで受注活動を活発化させていた。米政府が電力会社など１２企業を巻き込んで、１２年に国内でＣＣＳを実用化するプロジェクトを１０億ドル（約１１３０億円）を投じて進めるなど、国際的な動きも活発化している。

△ＪＴ<2914>、日清食品<2897>との関係強化　最大５％出資へ
日本たばこ産業（ＪＴ）は３日、即席めん最大手の日清食品に対し、平成２０年４月以降、５％を上限に出資する方向で検討していることを明らかにした。
ＪＴと日清は、冷凍食品大手の加ト吉<2873>の共同買収、冷凍食品事業の統合に着手しているが、資本提携に発展させて関係を強化する。また、ＪＴが日清株を保有することで、日清の筆頭株主である米系投資ファンド、スティール・パートナーズの動きを牽制（けんせい）する可能性もある。
ＪＴ首脳は日清への出資について、上場企業の発行済み株式の５％超を取得した際に金融庁に提出する大量保有報告書を出さずにすむ水準か、少数株主レベルで「そう遠くない時期にあるかもしれない」と語り、出資に前向きな姿勢を示した。日清首脳も「株式保有などについては、いろいろ話をしている」と認めている。ＪＴによる日清株の取得は、加ト吉買収がひとまず完了する今年４月以降となる見通し。市場で取得する案が有力で、５％取得した場合、約２３０億円前後の投資額になるとみられる。両社はまず冷凍食品事業の統合に専念するが、資本提携によって、将来的に即席めんや調味料、飲料も含めた食品事業での新たな提携に広がる可能性もある。日清株をめぐっては、米系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド（ＳＰＪ）が昨年、買い増しの動きを加速。平成１８年１２月段階の保有比率は８・７５％だったが、１９年は大量保有報告書の変更届を５回以上提出。直近は１８・９９％を保有して筆頭株主となっている。日清は、スティールが買収に失敗した即席めん大手の明星食品を“ホワイトナイト”として買収、傘下におさめた経緯があり、スティールにとっては投資先としての魅力が一段と高まった形。それだけに、ＪＴの出資を受けることで、日清には安定株主を確保する狙いもあるとみられる。一方、ＪＴにとっては、国内たばこ事業の縮小が続く厳しい経営環境の下、日清への出資によって食品事業を強化することで、第２の収益の柱に育てる戦略といえる。
（産経新聞）

△トヨタ<7203>の手ごろスポーツカー、「スバル」が開発・生産
トヨタ自動車は３日、若者らが購入しやすいように価格を抑えたスポーツカーの開発・生産を、富士重工業<7270>に委託する方針を明らかにした。今年度内の合意へ向け、協議を進めている。２００９年ごろの発売を目指し、日本国内だけでなく、米国市場などへの投入も検討している。トヨタは富士重と資本・業務提携しているが、グループ会社ではない。トヨタがグループ外の企業に新型車の開発・生産を委託するのは異例だ。富士重に開発・生産を委託するのは、排気量２・０リットル級のスポーツカーで、加速感などに優れた後輪駆動方式を採用する。富士重の「スバル」ブランドでは販売せずに「トヨタ」ブランドだけで販売する。
（読売新聞）

△米特許使わず　ＳＤＥテレビ商品化－キヤノン<7751>、独自技術で
（朝日新聞）

△3月よりPASMO・Suicaの利用エリアが拡大、3線連絡定期券も発行可能に
PASMO協議会と東日本旅客鉄道<9020>（JR東日本）は12月21日、IC乗車券「PASMO」「Suica」が利用できるエリアの拡大について発表した。また、交通事業者系クレジットカードのユーザーが利用できる「PASMOオートチャージサービス」もサービスを拡充する。エリア拡大とサービス拡充は、いずれも3月から。また、JRと私鉄・地下鉄の連絡定期券の発売範囲も拡大する。詳細は2月中旬以降発表されるが、現在は原則対応していない3線連絡定期券の発行が始まる見込みだ。なおPASMOのサービス拡充に伴い、共通磁気乗車券「パスネット」の利用を、3月をもって停止する。
（Business Media 誠）

△ＮＥＣネクサ、設備投資を軽減する収益変動型デリバティブモデル開発
ＮＥＣネクサソリューションズは、流通系のシステム構築（ＳＩ）分野で業界初となる収益変動型のデリバティブ（金融派生商品）モデルをＮＥＣ<6701>と共同開発した。外的要因による変動リスクの大きい青果市場の要望に応え、日々の収益に応じて情報システムの利用料を適時算出するソフトエンジンを開発、第１弾を２月に納入する。設備投資を軽減する究極のＩＴモデルとして青果市場を皮切りに量販店や給油所など流通分野を中心に幅広い普及を目指す。頭脳となるソフトエンジンは金融派生商品取引のような複雑な計算式をプログラム化し、市場における生産物の取引状況や売買時の手数料、ＩＴ設備の使用量などを即座に計算できるようにした。例えば市場参加者の収益がないときは「システム料金を原価ぎりぎりでまかない、利益が出たときにはあらかじめ設定した価格体系に基づいて適時算出する」（ＮＥＣネクサソリューションズ）といった収益モデルが可能となる。デリバティブモデルは高価なＩＴ設備を購入せずにコンピューターパワーを電気や水道のように従量課金で安く利用できるのが特徴。リース契約やアウトソーシング（外部委託）サービスなどを組み合わせることで、自前で設備一式をそろえる場合に比べ「５年契約で総費用がおおむね４割減」（同）となるような価格体系を検討する。ＩＴ機器の調達ではＮＥＣリース（東京都港区）との協力も探る。使用量に応じた従量課金サービスはＳａａＳ（ソフトウエア機能のサービス提供）が脚光を浴びている。ＮＥＣもデータセンターの拡充によりＳａａＳ事業の本格展開の準備を進めるが、デリバティブモデルは固有の商談をベースにＮＥＣとＮＥＣネクサが特別プロジェクトとして０７年４月に開発に着手した。

△シャープ<6753>、液晶業界を囲い込み－手薄分野の補完狙う
シャープが液晶業界の囲い込みに動きだした。ガラスなど主要部材の工場も併設した“液晶コンビナート”構想の提唱にはじまり、
液晶パネルの供給先としてパイオニア<6773>、東芝<6502>と相次ぎ提携した。「シャープ１社でアクオス（同社製液晶テレビ）を売る時代は完全に終わった」と片山幹雄社長は宣言した。自社にとって手薄な分野を液晶パネルの供給先に補ってもらう筋書きが見えてきた。シャープにとって液晶は基幹事業。高画質化などの技術が詰まったパネルを他社に供給すれば、液晶テレビの販売競争で脅威になりかねない。だが片山社長は「シャープ１社で世界シェア５０％、６０％をとっても利益が悪化するだけだ」とし、完成品（セット）頼みのビジネスからは距離を置く。「性能、コスト、生産技術のあらゆる面でライバルがいなくなった」と自信を示しながら「だからといって、いたずらに規模を追うつもりはない」という。その言葉から相次ぐ提携の隠れた狙いがうかがえる。堺市堺区に建設する新工場では畳５枚分のガラス基板から４０型台のパネルを大量生産する。製造したパネルは自社のテレビ用だけでさばききれないため、「（外販の）戦略的な提携先を検討している」（片山社長）と表明。水面下で東芝と提携交渉に動いていた。パイオニアや東芝との提携には、確かにパネルの売り先を確保する狙いがある。しかし、それだけではなく、シャープにとって手薄な分野を補完できる相手を選んでいる。テレビの音響技術開発ではパイオニアの協力を得る。東芝からは画像処理のシステムＬＳＩの供給を受ける。シャープの連結売上高は０８年３月期見通しで３兆４０００億円。売上高１０兆円を目指す松下電器産業と比較すれば、投入できる経営資源は限られる。シャープ自らは液晶や太陽電池に集中し、資金や開発人員を割けない分野は他社に補ってもらうというシナリオだ。
プラズマテレビ首位の松下<6752>は液晶の強化に動いている。液晶パネル製造会社の主導権を日立製作所<6501>から譲り受け、プラズマと液晶の両面展開で薄型テレビの覇者を狙う。シャープが松下と戦うには経営資源を有効活用できる提携が重要になる。

△０８動く・トップに聞く　東芝<6502>社長・西田厚聰氏
―０８年も高成長を継続できますか。：「社長就任以来、持続的成長を目指している。売上高の対前年度伸び率は就任初年度８・７％、次年度１２・２％で、０７年度は上半期までで１７％台と成長軌道に乗っている。その成長を支える『イノベーションの乗数効果（開発、生産、営業の革新を掛け合わせた大きな効果）』はまだ発揮できていない。ただ、０８年から具体化するものが多く、それらをベースに持続的成長が可能になると見ている」
―イノベーションの乗数効果がどのような製品として実現しますか。：「ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーを用いた記憶媒体のソリッドステイトドライブ（ＳＳＤ）は、半導体部門だけが頑張っても製品化できなかった。パソコン、ハードディスク、研究開発センターと合わせた４部門一体でプロジェクトを進めた。同様に急速充電できるリチウムイオン二次電池、携帯機器向けの燃料電池、新型プロセッサーを搭載したパソコン、高機能プロセッサー『セル』の映像系アプリケーションなどの製品化が近い」
―サブプライムローン（信用度が低い個人向け住宅融資）問題や素材高騰など環境変化が激しい中での持続的成長は難しくなりませんか。：「環境変化の意味や本質を洞察して動くという慧敏（けいびん）（賢く反応がすばやい）さが大事だ。やみくもに速くというのとは違う。そして、対応しながら自分たちも変わる“応変力”も必要。応変力はイノベーションと表裏一体だ。０８年度からの新３カ年中期経営計画はよりダイナミックスなものにする」
―価格下落も大きな問題です。：「価格が下がるのは汎用製品。パソコンに続いて薄型テレビも汎用品になった。誰でも作れる。東芝の事業、製品のほとんどは汎用といえる。私は『火力発電も汎用だ』と発言して社内を驚かしたが、東芝だけがつくれるのではなく世界につくれる会社が多くあるから汎用だ。それならば汎用に適した事業運営でなければ勝てない。開発効率を上げ、リードタイムを短縮し、調達の仕方を見直す。その改善の積み重ねで営業利益率をあげていくことが重要だ」
―海外展開を強化していますが、人材育成は追いついていますか。：「人材強化は全カンパニーの課題だ。時間はかかる。海外の現場経験が必要だが、今は人材の供給より需要の方が多い。促成栽培で育て海外に送る。そこでさらに成長してもらう」
半導体の大型投資、電力での米ウエスチングハウス買収と拡大路線を走る東芝。系統・変電やパソコンなどの海外展開も急だ。収益の持続的成長は着実に進んでいる。懸念があるとすれ“内面の成長”だろう。海外で事業運営できる人材の育成や、国際企業としての社内制度整備などが追いついていない分野もある。社内改革での“慧敏”、“応変力”も問われる。

△先進国で進む環境規制強化－車部品も燃費向上がキーワード
世界で地球温暖化への不安が高まる中、先進各国でクルマをめぐる環境規制強化の動きが加速している。これまでも環境対応を進めてきた完成車メーカー各社にとっては一層の高いハードルであり、部品ごとの燃費向上策がなお一層、不可欠となる。部品メーカー各社もこれに呼応して、さらなる開発競争や合従連衡（がっしょうれんこう）の時代に突入しつつある。主要な部品領域ごとに、燃費にまつわる業界動向を探った。米国は０７年末、３２年ぶりに自動車の燃費規制の強化に踏み切った。平均燃費を約４割高め、１リットルあたり約１４・９キロメートルまで引き上げる。「並大抵の努力ではクリアできない」（関係筋）という厳しい水準だ。欧州連合（ＥＵ）は日米欧の自動車メーカーを対象に、２０１２年までに新車の二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を現状比で平均２割削減する規制を検討。

△今年の機械業界・受注環境を鳥瞰する
旺盛な海外需要に支えられ、機械産業は活況を呈している。機械大手各社は受注に応えるため生産体制強化に向け、積極的な設備投資に動きだした。ただ、鋼材の価格上昇や需給のひっ迫によるコストアップのほか、円高問題など各社の懸念材料も増えている。０８年の機械受注は増勢基調を持続するのか。外需依存に拍車はかかるのか。産業を支える工作機械、制御機器、造船重機、建設機械など主要業種の０８年の受注概況を展望しつつ、課題を浮き彫りにする。日本の工作機械業界は３年連続での年間受注額の記録更新に期待がかかる。自動車や建設機械、航空機、エネルギー、医療機器など大口需要家の設備投資が活発で、世界中で工作機械の需要が拡大している。０８年も工作機械の受注拡大が続くと見て間違いなさそうだが、不安材料も少なくない。まず足元を見ると小型機の受注が芳しくない。ＩＴ関連メーカーの設備投資が低調だからだ。

△「オイルサンド」表舞台に－開発にわくカナダ・アルバータ州
いよいよオイルサンドが表舞台に現れてきた。超重質原油が砂岩に付着したオイルサンドは膨大な埋蔵量が確認されながらも、その採掘コストの高さから、これまで非在来型原油として脇役に甘んじてきた。しかし最近では記録的な原油高騰を背景にして競争力が増してきた。米国での需要拡大も加わり、カナダのアルバータ州はオイルサンドの開発ブームにわきかえる。
日本からも石油資源開発<1662>や新日本石油<5001>が開発プロジェクトに参画。
昨年１１月には国際石油開発帝石ホールディングス<1605>も新たに権益を取得するなど、オイルサンドへの注目が高まっている。
９０年代以降、ジワリジワリと拡大してきたカナダ・アルバータ州でのオイルサンドへの投資がここに来て急増している。０７年から２０１０年にかけて右肩上がりの伸びを示し、ピークとなる２０１０年には計画されているプロジェクトをそのまま積み上げれば２５０億ドルを超えてしまう。

△環境に取り組む住宅業界　自然の力で快適住まい
住宅業界や住宅設備機器業界では、省エネ性能競争から一歩踏み込んだ環境への取り組みが本格化している。
その代表格がミサワホーム<1722>や積水ハウス<1928>の「自然の力を生かして快適な住まいを実現する」という試み。
また住友林業<1911>は天然林を保護するとともに、違法伐採の抑止に貢献できる木材の識別技術を開発した。
一方、住設機器でもＹＫＫ　ＡＰが風や温度、湿度から窓の開閉を総合的に判断する技術の開発に向けて、ＮＴＴ<9432>と共同実験を始めた。０８年の住宅関連業界の環境とのかかわり方は新しいステージに入る。吉田兼好の随筆「徒然草」に「家の作りようは夏をむねとすべし　冬はいかなる所にも住まる」とあるように、日本の住まいづくりは高温多湿な夏をいかに快適に過ごせるかがポイントとなる。現在の家づくりの基本は、夏を考えた場合は住まいを高気密・高断熱化し、エアコンの冷気を逃がさないことで省エネ性能を高めるのが基本。

△運輸業界、ビジネス客囲い込み－「小田急<9007>ロマンスカー」メトロと直結
鉄道、航空など運輸業界では、ビジネス客をターゲットにした“ちょっとセレブ”なサービスが注目を集めそうだ。ビジネス客向けのサービス自体は一般的だが、人口減少社会に突入し、長期的には旅客人員の拡大が望めない中、運輸会社にとっては客単価の向上が重要なテーマに浮上。さらに、各社が価格競争からの脱却を目指して高付加価値サービスを模索する過程で、ビジネス客の存在が再びクローズアップされてきた格好。ＩＣカード乗車券や携帯電話の進化も相まって、０８年はビジネス客を取り込むサービス合戦が激化する。首都圏から箱根方面への旅行の“贅沢（ぜいたく）な足”として人気の特急ロマンスカーが、３月１５日から霞が関や大手町など東京都心を通る東京メトロ千代田線に乗り入れる。
（日刊工業新聞）